みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
11.《ネタバレ》 アメリカで評価されていた通りの良作に仕上がっている。題材の良さを活かしており、監督・脚本家として才能の高さを示したといえる。事件モノ、ミステリー、ヒューマンドラマ、社会派映画といった複雑な顔を持ち、見ている者に色々と考えさせられる深い映画に仕上がっている点は評価できる。「何が正しくて、何が間違っているのか」が見えてこない難しいテーマに対して、スムーズな問題提起がなされている。主人公が果たして正しいことをしたのかどうかを考えざるを得ないだろう。主人公が行った「7歳の男の子を殺した犯人のアタマをぶち抜いたこと」と彼らが行った「少女の将来のために誘拐すること」は果たしてどちらが正義でどちらが悪なのかが分からない。ラストの選択については、人の親でもなく、女性でもない主人公だからこそ、あのような行動を取ることができたのではないか。娘が大切にしている人形の名前を間違えるような母親でもアマンダにとっては幸せなのかもしれないと考えたくなる気持ちも分かる。 一方、「実の娘を亡くした者」「不妊症に悩む妻を持つ者」「子どもが犠牲者になる姿を見たくないパートナー」、どのキャラクターも子どもに対して深い思い入れを抱える者である。子どもの明るい将来のため、子どもが確実に不幸せにならないために、法律を超えた行動を取ろうとする気持ちがよく伝わってくる。どちらの考えもよく分かり、この問いに対する明確な“答え”は存在しないだろう。 エンディングシーンも心に響くような仕上がりとなっている。 娘が実の母親の元に戻ったのだから、形式上はハッピーエンドであるのは間違いない。 しかし、これほど素直に喜べないハッピーエンドで締めくくったアフレックは凄い。 バッドエンドと考える者もいるだろう。 冒頭にも触れられていた「街」というキーワードも大事にされていたと思う。車の運転中に飛び出してきた子どもから暴言を吐かれるような「街」の姿が描かれている。子ども達が悪いのではなくて、そういう「街」で育ったことが起因となっているだろう。暴力や銃やドラッグが溢れていれば、大人たちがおかしくなり、子どもも徐々に汚染されていく。そういう子どもが大人になり、親となれば、彼らの子どももまた不幸になる。 そういった連鎖を断ち切らなくてはいけないということを「街」というキーワードを用いて、アフレックは一応の「答え」としているのではないか。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-06-28 11:24:04)(良:2票) 10.《ネタバレ》 常に張り詰めた緊張感が漂い、見応えのある少女の誘拐事件の真相を追うミステリーと思いきや、実に重いテーマを含んだとても考えさせられる映画でした。この映画には陽気なアメリカはどこにもなく、アメリカ社会が抱える問題に真っ向から取り組んだ力作です。決して楽しい映画ではないですが、いつの間にか監督になっていたベン・アフレックはとてもいい映画を作ってくれたと思います。事件の解決を祝福する報道陣で道路は一杯になっていましたが、リビングルームでのラストシーンは本当に考えさせられます。少女にとってはどちらが良かったのか、主人公の探偵の男の決断は正しかったのか。僕には分からない。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-06-05 00:53:12) 9.隠れた名作とはこういう作品のためにある言葉。 終わり方が秀逸でいろいろ考えさせてくれる作品です。見た後うーんとうなってしまう事うけあい。 あとフリーマン出てます。 【srprayer】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-06-02 00:14:25) 8.家族で観たんですが、観終わった後に軽く討論会になりました。次の日には内容を忘れてしまうような映画が多い中で、観た人同士でテーマについて討論できる映画というのは貴重です。主人公の行動については観た人それぞれに賛否があって然るべきだし、そうなってこそ問題提起。初監督作にしてこの重量感。なんだかイーストウッドの映画を観ているような錯覚にも教われました。 【8bit】さん [DVD(吹替)] 6点(2009-03-20 23:25:13)(良:1票) 7.《ネタバレ》 最初、登場人物の名前が頭の中で整理できず、やや混乱気味だったものの、次第に分かってくると、一気に引き込まれました。これは考えさせられますね。アマンダの幸せのために、ドイル警部たちは、あそこまでする必要があったのだろうか、というのがまず疑問。しかし、ここはこの作品の前提なわけで、その是非を云々言っても不毛なのでとりあえず置いておくとして、問題は、やはりラストのパトリックの出した結論です。正直なところ、私はアンジー派ですが、それでも、パトリックの思考回路も十分理解できるのです。この作品は、最後の最後に、パトリックの選択が誤りであったことを匂わせますが、ドイル警部夫妻に育てられればアマンダはより幸せだったかどうか、というのは、数年後の結果を見なければ誰にも分からないのです。ドイル警部夫妻の身の上にだって、今後何が突発的に起きるか分からないわけで・・・。やはり、理論的に正しいパトリックの選択をしておいた方が、長い目で見たときにアマンダにとっては「生きやすい」のかもしれない、とも思ったり。しかし、ケイシー・アフレックという俳優、なかなか良いですね。相変わらずエド・ハリスはイイ味出していました。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-05 16:57:15)(良:2票) 6.《ネタバレ》 まあ皆さんも書いているのですが、ミステリー映画なんですが 最後に考えさせられる作品です。 主人公の決断も間違ってるとは思えないし 奥さんの考えも理解できるんですよね エンディングでは奥さんの方が正しかったんじゃないかなって思うけど 決断の時には主人公の考えも間違いじゃあないと思うんですよね 【よしき】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-25 00:13:19) 5.《ネタバレ》 単なるミステリ映画に終わらない良作。少女誘拐事件の真相が明らかになったとき、映画を見ている側にも解釈の選択をせまられます。少女にとって本当の幸せとはなんなのか!?主人公が悩むどちらの選択をしたとしても、本当によかったのかという後悔の念が残ります。配役はベストで、特に少女の母親役のエイミー・ライアンは数々の賞を受賞したのも納得です。またベン・アフレックの派手さをなくした演出も秀逸。日本劇場未公開になったのが本当に悔しい一作です。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-01-12 17:29:49) 4.《ネタバレ》 そこまで隠蔽しなくても通常の手続きを踏めば幸せに なれるだろうに。当たり前の結論。これを許せば 法治国家がなりたたない。しかしアメリカでは本当に この手の探偵が大活躍できでいるのだろうか。 【K2N2M2】さん [DVD(吹替)] 6点(2008-12-28 19:24:32) 3.《ネタバレ》 「あらら?モーガンフリーマン出てるのになんで映画館で見なかったんだろう??」と、レンタル屋さんで見つけて観賞。 話し方といい、声の雰囲気といいベンアフレックに似てると思ってたら弟さんだったのね。おまけにベンが監督してたなんて・・・・知らなくて恥ずかしw 初監督にしてこの出来は立派でしょう。脚本も俳優陣も良かったからそっちで助かってるのかもしれないけど、とても最後まで興味深く見れました。 モーガンさん出てる割には自主退職で出番終わりじゃ勿体ないと思ったけど、まさかそこに出てくるとは。 彼女は最後は理解して残って欲しかったけどなぁ~。どっちの言い分も正しいし、とても考えさせられた映画だと思います。 特典映像に入ってたもうひとつのエンディングにはアマンダを連れ戻したのは「私が間違ってた」と台詞がありましたから、監督も悩んだ末の結果なんでしょうかね。 返却する前にもう一回見よっ! 【Pea Shan】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-11 01:54:35) 2.《ネタバレ》 やるせないエンディングに気分は沈む。ただハリウッド的なハッピーエンドであったなら何も残らなかったであろう…。結果的には監督の思うつぼだったかもしれない。B・アフレックもいい監督になるのかも。でも第1作目に弟を主役に使ったのは疑問。どうしても色眼鏡で見てしまうし実際イマイチの感は否めない。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-10-18 00:50:29) 1.《ネタバレ》 よく見かけるんだけど、主演でもあまりパッとしないイメージがあったベン・アフレックの監督デビュー作。初監督ということもあり、地味な演出ながら奇をてらわず脚本で勝負してきたのが今作の完成度を高めているようです。スタッフはベテランを揃えているようで、撮影は陰影のつけ方が非常に美しく、俳優陣もモーガン・フリーマン、エド・ハリスら演技派で固めてくれています。主演のケイシーも俳優としての才能は兄ベンを超えているとみた。今後の活躍に期待します。それと、ジョン・アシュトンを「ミッドナイト・ラン」以来見かけていなかったので、こちらの出演も嬉しいです。 やや突飛な設定ですが、パトリック、アンジーをはじめ、人物の心情描写が巧く、物語はよく練られているように思いました。重厚なミステリーであり、ラストで簡単に答えられない問題提起をしてくるので、後々まで心に残る。どちらが正しいとは一概には言い切れない。アマンダは警部の元にいた方が良かったかもしれない。しかしパトリックの訴えも理解できる。ヘリーンを信じてみたい、何よりも後悔はしたくはない、と。そして彼が下した決断。おそらく彼自身も悔いてるだろう。あの虚無的な表情がそれを物語っているように思う。相変わらずアマンダのことは眼中にないヘリーン。彼女は娘の愛用している人形の名前すらも覚えていなかった。それに気付いた時のパトリックの空しい表情がいい。 ストーリー以上に、考えさせられるテーマを含んだ中々深い作品です。 【Sgt.Angel】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-10-16 00:54:37)(良:1票)
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