みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
80.すごく気に入ってる作品ではあるけど、観るたびに逆にマイナス面も目立ちます。まず全編歌にする必要性がないということです。メロディがあまり無いのに歌う必然性がありません。それから前半のギイとジュヌヴィエーヴやおばさんらへんのくだりに較べて、後半のカサールやギイの帰還らへんが短すぎます。あの辺が薄すぎて、マドレーヌとの恋愛が軽薄なものに見えてしまいました。 ただ、ラストシーンでその辺りのマイナス面はかき消えて、素晴らしい映画を観る喜びに浸ることができます。「あぁ、ここを撮りたかったんだね」と分かるようなシーンです。うん、素晴らしい。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-11-20 01:39:28) 79.《ネタバレ》 何度もこの映画を観ていると、色々なシーンでの監督の計算高さに感服させられます。最も凄いのは、オープニングクレジットのシーン。傘の配置(動かし方)が実に綿密に計算されていて、文字が出ていないところを、そのスペースを埋めるように傘が通っているのです。見事! そして、この映画で背景が効果的に用いられている点を主張したい。というのは、序盤でドヌーヴが店から出てきて二人で抱き合うシーンでは、白地の模様入りの壁が背景になっているのですが、ギイが兵役を終えて帰還した時と、修理工場を辞めてからもう一度彼女の店に行く時にも、序盤で二人が抱き合うシーンのその白地の壁がそのまま出てくるわけなのですよ。つまりここで、序盤での幸せだった頃との対比をこのわずか1,2秒のシーンでさり気なく表現していると思うのですが、このようなちょっと気を抜くと見過ごしてしまいそうなくらいの些細な演出が私は大好きなのです。 ここまで計算されていると、あの街並みは実はロケではなくわざわざセットを作って行われたのではないかという疑念まで湧いてきてしまいそうです。 ストーリーの方が、これがまたこの映画のさり気ない演出に負けないくらいにナチュラルに仕上がっているので気づかずに素通りしてしまいそうですが、身篭った娘の母親の心情なんか、初めて娘の妊娠を打ち明けられた時はカンカンに怒っていたのがお腹が大きくなるにつれて娘に対して少しずつやさしくなっていき、しまいには子供の服まで買ってきてしまったりする心理描写は妊婦の娘をもった母の心情をとてもうまく描いていると思います。鋭い人間観察ができる人でないとこのようには描けないでしょう。だんだんと手紙の様子が変わっていって、最後の方になると質問に答えなくなったとか、違う話題に話をそらせたりするのも、本当にありそうで怖いですし、また、「誰の責任とは言わないが困っている」や、「それが、申し上げました通り・・・」なんて、本当に実際に聞いたことがあるような日常で普通に交わされるナチュラルな台詞ですよね。 それと、ラストの場面の会話をよく見てみると、今は「自分の店と幸せな家庭」という守りつづけていくものがある、というギイの確固たる決意が垣間見れたのに対し、ジュヌヴィエーヴの方はわずかながら寂しげな気持ちがあるように見えました。この二人の心理描写もまたナチュラル(自然な感じ)です。 【もっつぁれら】さん [地上波(字幕)] 10点(2009-11-04 00:48:59)(良:3票) 78.《ネタバレ》 きれい。おしゃれ。音楽も有名なテーマ曲はもちろんのこと、ジャズっぽいものも自然に使われ、どこをどうやったらこんなに奇麗でおしゃれな映画ってできるのだろう?と感心するしかなかった。ストーリーも単純なようではあるが、じゃあ、これほど悲劇的な物語が他にあるだろうか。二人の心情を思い測ると切なく、気の毒で、思い出すだけで泣けてきてしまう。 【小鮒】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-10-26 21:33:27) 77.《ネタバレ》 ここでの歌詞は詩ではなく台詞。日常会話にメロディをつけただけ。ちょっとぞんざいな印象を受けました。で、踊らないんですね。歌も吹き替えだし。オペラの手法に近いわけですね。でストーリーですが、「ギルなしでは生きられない」と言っていた16歳のジェヌ。愛する人の子供をみごもり、まずはめでたしと思っていたら、出産前に別の男と結婚するという怒涛の展開へ。なぜ!なぜ!なぜ!たった9ヶ月も待てないの。男は戦場で死にそうな目にあっているというのに。とても切ないです。「太陽と死が一緒だった」戦場の様子が描かれてないので、女性に同情が集まるのでしょうね。男は不利だ。二人の間に誤解があったわけではないのに。結局、お金のためですか…。女なら愛に生きてほしかったです。カサールはジュヌをろくに知りもしないのに「理想的な女性」などといって結婚を申し込む。妊娠を知っても「僕達の子にしよう」などと平然。どんな性格?カサールは失恋の痛手を知っているのだから、ここは援助だけして、身を引きましょう。帰還したギルの心は荒み、仕事は辞めるわ、娼婦に手を出すわで大変。でも叔母の遺産とマドレーヌの献身のおかげで立ち直る。叔母の遺産というところが安易すぎますが。で、数年後の再会へ。ここはよかったですよ。「元気だったかい?」「ええ」「子供に会う?」「いや」ほんの短いやりとりの中に、数奇な運命をたどった二人の押し隠した心情が思いやられてじーんと来ました。二人とも世間並みに家庭を持ち「不幸ではない」が、もしもあのときという思いが心を去ることはない。でもこの再会で少しはふっきれたことでしょう。余韻の残る東洋的な結末で、感心しました。どうでもいいけど気になったこと:傘店なのに傘がおどろくほど少ない。病床の老いた叔母までが歌わなくてもいいのに。最初の方で二人が歩いてなくて台車に乗って移動するシーンがあったけど、ばればれ。ギルのアパートの壁ぼろすぎ。ジュヌのアパートの壁紙はあんなにきれいないのに。あの娘は大きくなったら本当の父親に会いたくなるんでしょうね。そのときは会ってあげてください。もうひとつの「雨傘(保護者)」として。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-09-21 01:40:51) 76.《ネタバレ》 10代の頃に鑑賞した覚えがある。短大の自習時間に視聴覚室で初めて観たときはヒロインの身勝手さにただただ腹が立った。そして今再見して思うことは「誰も悪くない」「ただ仕方がない」どうにもならない運命に翻弄され、その時出来うる限りの最善策に飛びつく女を誰が責められようか。忘れられない女がいても、今目の前で優しくしてくれる女と幸せになって何が悪い。世の中には少なからざるジュヌビエーブとギイがはからずも存在しているはず。それは自由恋愛をいくらでも謳歌できる現代でさえ。 【りんす】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-09-20 00:25:57) 75.《ネタバレ》 セリフをすべて歌にしようと、どなたが最初に思いついたのでしょう? ドゥミ監督とルグランさんの心意気に拍手です。 その挑戦とそこで出来た作品の質の高さ、品のよさはまことに素晴らしい。 そしてなによりも、ミュージカル映画でこれほどの心理描写ができるとは! ラストにつれ、登場人物それぞれの心をおもんばかって涙してしまいました。 この作品の高評価のわけはそこにあるなと、納得した次第です。 【たんぽぽ】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-08-15 20:16:50) 74.《ネタバレ》 ずっと観損ねていたのを、劇場でデジタル・リマスター版を鑑賞した。すごくラッキーだったと思う。色あいも音楽もとてもきれいで、愛らしくおしゃれな小品に仕上がっている。悲しいラストシーンが白と黒を基調とした雪の吹きすさぶ夜であるのに対し、二人が愛し合っていた日々はカラフルで鮮やか、陽気な音楽とともに描かれる。二人が簡単に永遠の愛を誓うようすはいかにも若気の至りではあるけれど、この映画はそれを否定しているわけではなく、あくまでも美しい思い出として、彼らが成長してからも人生の宝物になりえるような記憶としてとらえているように思える。 それにしても、エッソのガソリンスタンドまでおしゃれなアイテムにしてしまうのだから、フランス人というのは空恐ろしい人種だ。 【no one】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-06-01 12:16:47) 73.《ネタバレ》 台詞が全部歌なのはよいのですが、肝心のその歌自体が、すでにある台詞にただ音程をつけただけであって、歌としてきちんと独立していません。なので、見ていて(聞いていて)苛々しましたし、せっかくの前半のハッピーなラブロマンス部分も、リズム感を大きく削がれています。ただし、終盤の突然のメロドラマ部分は強烈だったのと、原色強調の色彩感覚は作品にマッチしていたので、そこに各+1点。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-03-09 02:01:43) 72.《ネタバレ》 こうも言える。果てしなく、おバカ映画であると。好きなところ。始まってすぐのカトリーヌのワンピース姿。服、着てないのと同じ。はんのうして、、、、、た。 しかしまあ、物語はたしか1957年ぐらいから始まったが、なんとも、いやはや、すべてが美し過ぎる。(日本と比べると、なさけないが)街、ひと、服、食事、センス、カラー、自動車工場、駅、ガススタンドそして、、そして、不朽の音楽。そう!音楽! 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-03-03 23:47:48) 71.《ネタバレ》 ラストシーンと女優がきれいでした 【ホットチョコレート】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-09-21 19:14:53) 70.話自体は召集前後での男女の一悶着という話.終わり方が非常に健全で好印象ではあります.でも折角の名曲を全編歌にしてしまっているせいで逆に生かし切れてない気がします.もっと落ち着いた感じの普通のメロドラマにして,ここぞの場面で曲を流した方が良かったのではないでしょうか.余談ですが,少し前に亡くなったハネケンが「題名のない音楽会」でミシェル・ルグランとこの曲をピアノと指揮を交互に演じていたのをたまたま観たのですが,あれは非常に貴重な演奏になったのではないでしょうか.映画より数倍素晴らしかったです. 【マー君】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-08-22 00:19:40) 69.通常の芝居と歌のパートが別れているミュージカルの場合、感情の起伏に同調するように歌と踊りが挿入されます。ミュージカル最大の長所は、歌の力で喜怒哀楽を際立たせること。歌うことで世界が一変します。歌と踊りが“動”ならば、それ以外の芝居部分は“静”。このメリハリがミュージカルのリズムです。動を引き立てるには、静が大切です。本作は通常が“動”の状態。観ているうちに慣れてきます。動から盛り上げるには更なる動が必要。それがBGMの音量を上げること。情緒溢れる印象的な旋律が胸を揺さぶります。しかしこれはやり方として上手くないのでは。音の大きさで誤魔化している印象を与えかねません。結果的に大味な表現になっていると感じました。本作は大人の恋愛物語。揺れる想い、秘めたる胸の内。繊細な感情を表現するのに、本作の技法が適切であったかは疑問です。ひたすら甘く他愛の無い恋物語のほうが相応しかったかと。色彩感覚は素晴らしく、まさしく“鑑賞”に値する映画。オープニングを観ただけでも、並の作品でないのは鈍感な自分でも分かります。ただ、自分好み作品ではありませんでした。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-25 18:40:59) 68.映像とカトリーヌの美しさに失神しそう。ずっと見入ってしまう。オープニングとエンディングの美しさに腰砕ける。特に、エンディング、Essoガソリンスタンドがあんなにお洒落に見えるなんて。雪の白とガソリンスタンドの赤と青、喪服の黒と金髪がマッチしすぎてこれはやばい。でもこういう全編歌い通しのミュージカルはあまり好きではない。 メインの音楽はとても良かった。 【Michael.K】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-01-20 17:33:53) 67.30数年ぶりで見ました。号泣。美しくせつない映画、なんて、ありきたりな言葉を書いた自分が、情けないです。こんなにせつなすぎる映画を観た事はない!!!と断言してもいいです。ミュージカル嫌いのオット、ムスコも、最後は言葉がありませんでした。時代が引き裂いた二人を痛切に描き、だけど、登場人物を公平に描いている点で、ミュージカルというか音楽映画にした意図?はとてもこの映画に合ったものだったのではないかと思います。8点としてましたが、再見にあたり、満点ではないけれど9点を献上せずにはいられません。 【おばちゃん】さん [地上波(字幕)] 9点(2007-01-10 22:16:34)(良:1票) 66.最初の、傘がクルクルまわるシーンが素敵だった。それ以外はちょっと印象が薄い。カトリーヌはキレイやったけれど、ミュージカルにする必要性をあまり感じられなかった。 【小星】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-09-05 00:03:27) 65.最初は大学の仏語の講義で観ました。全編唄いっぱなしって凄いチャレンジだなあと思いました。英語に比べて聞き慣れない分だけ余計に違和感があったり(笑)でもストーリーに入り込むとそれが薄れてきて、同時に映像の美しさ(街並みも衣装も音楽も登場人物も)に惹かれていきました。でもやっぱり美しい映画は悲恋が多いんですね・・・。戦争とかが要因で男女を引き離すのって正直ピンと来ないんですが、ギィとジュヌビエーブの表情がそれを物語ってましたね。終盤再開するシーンが心打たれました。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-10 14:34:28) 64.すげーな。何でこんな事しようと思ったんやろ?歌いっぱなしって。こんな作品絶対見てるほうはダルくなるはずやもん。高いハードル飛び越えた感じ。フランス語のテンポの良さとか言葉の丸みがすごい綺麗だったし、単調にならないようにしっかり展開があって見飽きなかった。ポップな音楽と画面の配色もすごく心地良かった。ただ、ストーリーの内容自体は冗長で、何か内容が無いのに必死にごまかしてる感じが否めなかった。キャラも薄いし。でも、ミュージカル嫌いはちょっと直りそうな作品。 【ハッシーふりかけ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-06-21 18:25:15) 63.《ネタバレ》 いや綺麗ですねえ。カトリーヌ・ドヌーブってカラフルな衣装や傘が似合うなあ。ウエディング・ドレス姿まで見せてさり気なくサービス精神も感じるし、寂れた港町や終始美しいメロディラインに乗って独特の雰囲気を醸してました。でも髪型だけはなんとなく黒柳徹子を連想してしまいました・・・・。それはそうと究極の選択、果たしてお腹に子供がいる事情を全て受け入れてプロポーズする人格出来すぎの金持ちより生死不明の恋人を選べるか?この場合の敵は長期間の生活力の有無なんですよね。誰も悪くない。2人が子供につけた名前が証明しています。雨が雪に変わって真っ白な世界での再会、別れが本当に綺麗なフランス映画でした。 【くなくな】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-05-31 22:39:25) 62.画の美しさに関しては言うはさらなりって感じです。原色の背景の中ピンクもライトブルーも着こなしてしまうドヌーヴ演じるジュヌヴィエーヴ、匂い立つ美しさというのは正に彼女のこと。本当に美しい。人間の行動って全て白とか黒とかつけられるものじゃないということを最近身にしみて分かりました。誰しもどこかに曖昧なグレーな部分があって、それが高じてひとを傷つけたり傷ついてしまったりする。そしてそれは普遍に流れている時間だったり傍にいるひとが傷を癒してくれたりしていつか引いていく…。人生はその繰り返し。生きてゆくことは、白黒つけるよりもむしろ、曖昧グレーな部分を上手に隠してゆくことかもしれない。「シベールの日曜日」以来、久々に魂をゆすぶられた感のある映画です。ひとを愛して、別れを経験したことのある方ならきっとどこかで共感できると思う◎ 【SAEKO】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-05-28 19:44:36)(良:2票) 61.そもそもミュージカル映画というのは、普通の会話の途中で踊ったり、歌ったりするわけだから奇妙なものなんでしょうけど、この作品はセリフがメロディーにずっと重なっているということで、最初はかなり違和感を覚えました。だんだん慣れてくると、ごくごくありふれた悲恋物だと気づいてきたわけですが、なぜでしょう?「ひまわり」なんかとは全く違ったものが頭を駆け巡ってました。もちろんそれは心地のよいものだったわけですが、、、ああ、ミュージカル映画は奥が深い! 【maemae】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-05-02 23:20:11)
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