みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
4.《ネタバレ》 原作を読んでから観ました。設定の違いは作者も納得してお任せしているようですが、プロローグとエピローグの仕掛けは原作に軍配ありと見ました。でも原作未見でも問題無しです。主役は刑事なので警察視点ですがこれは絶対ヤクザ映画です。とにかく粗暴で過激(褒めている)。この映画、色んな役者さんが振り切ってると言うか、今までのイメージをかなぐり捨ててるのが凄い。例えば日岡役の松坂桃李、空手経験者なのに最初はヘタレで何かっつーと役所広司演じるダーティーな先輩刑事・大上に駄目ですよとかこんなこと許されませんとか一々文句言ってたのがだんだん感化されていく過程。クライマックス近く、養豚場で容疑者をフルボッコにする時にはもう顔つきも変わって、馬乗りで2分近く(計ってない、そのぐらいの感覚)殴り続けるものだから、あっこいつ犯人殺しちゃうかもと思ったもの。もうここで観てるこっちも振り切れました。それと中村倫也演じる尾谷組のヤクザ・永川のキレっぷりが凄まじい。この中村氏がダイワハウスのCMで上野樹里演じる男勝りな奥さんに比べてビビりで頼りない夫と同一人と知った時にはさすがに驚いた。松坂桃李も中村倫也も朝ドラではまるっきり正反対の役を演じているのだから、その意味ではこの映画は色んな役者さんのギャップに驚きに行く作品と言えるかも。一方で石橋蓮司さんの組長は予想通りのこれでもかと言わんばかりのワルぶり、その末路もご本人、冥利と思ったのではないでしょうか。阿部純子さんは昨年NHKで放送されてた「4号警備」から気になってた女優さんで、今回は映画オリジナルの役で日岡と親しくなる薬剤師を演じてるのだけれど、ラストで大上との関わりが明らかになり、挙げ句猥語三文字を言ってのけるものだから「うわぁっ嘘だ嘘だ嘘だぁ!」と身悶えしてしまいました。絶対地上波では放送しないなと確信しましたよ。原作者も製作者も続編に前向きのようだけど、これだけでもいいんじゃないですか。シン・ゴジラじゃないけど相当ハードル上げてしまったから下手な第2作ではVシネマ並みと揶揄されてしまいそうです。 【rinzou】さん [映画館(邦画)] 8点(2018-05-19 22:23:03)(良:1票) 3.《ネタバレ》 <原作未読>圧倒された。なんという熱量だろう。そして今、無性に呉弁を使ってみたい。正直、ヤクザ映画ってほとんど見てこなかったんだけど、70年代風の東映オープニングロゴが出てきた瞬間、胸が高鳴って、不思議なものだと思った。どぎつい暴力描写、グロさも話題だが、冒頭の豚小屋シーンさえ乗り切ればあとは何とか大丈夫。めちゃくちゃなガミさんと、彼に振り回される若手刑事の日岡、これが純粋に”バディもの”として面白い。さらに、やたら刀が似合う江口洋介、ビックリ、ドッキリ…の石橋蓮司、ギラギラ竹野内豊、不味い耳じゃのうの中村倫也、真珠の音尾琢真など、愉快なヤクザの皆さまが絡んで最後まで突っ走る(急に役名ではなく俳優名になってしまった)。日岡の覚醒と、ガミさんの優しさに思いを馳せながら、あぁ、いい映画だったな~とエンドロール中、しみじみとね。 【リーム555】さん [映画館(邦画)] 8点(2018-05-16 23:42:56)(良:1票) 2.豚=ヤクザ 生かすも殺すも警察次第。 ヤクザ映画ではあるが、警察が主役。 終始警察の掌で踊らされ右往左往する駒のようなヤクザ達。 彼らの生き様は滑稽であり、愚かであり、儚い。 同じ白石監督の「日本で一番悪い奴ら」と同じ構図だし、なんか似た話だなぁと思ったが、暴力団同士の抗争などはより踏み込んで描かれていた為、緊張感はこちらの方が上かな。 ヤクザとの癒着を疑われる程ヤクザ達と親しく接する役所広司は、私利私欲の為に警官の立場を利用しまくって暴走した「日本で〜」の綾野剛に被るが、彼に感化されながらも真面目に任務を行う松坂桃李がとにかく良かった。正義とは何か自分に問い、やがて変わって行く様はなんともリアルで引き込まれた。 【ヴレア】さん [映画館(邦画)] 8点(2018-05-13 23:05:15)(良:1票) 1.『この世界の片隅に』のレビューでも申し上げたのですが、私は呉出身です。GWで帰省した際には地元が本作で大変盛り上がっており、できれば呉ポポロで鑑賞したかったのですが、公開がGW後ということで都内の映画館での鑑賞となりました。とりあえず初日・朝一の回という気合で見に行きましたが。 内容は、それほど高まった期待値を軽く超えるほどの熱量と勢いであり、目を見張るほど面白い作品となっていました。呉でロケをしたことや、俳優達に呉弁・広島弁を喋らせているという細部へのこだわりは素晴らしいレベルに達しています。私のようなネイティブが聞いても特に違和感を覚えないほどみなさんの方言は上手だったし、呉の雰囲気も出ています。よくよく考えてみれば無茶な展開も多かったのですが、時代や舞台の再現度の高さによって現在の日本とは別世界を作り上げることに成功しているために、細かいアラは気にならないという恩恵もありました。 原作未読ということもあって、全体の構成にはかなりの意外性がありました。ヤクザの抗争を背景にして暴力刑事が暴れまわる映画かと思いきや、作品は前半と後半で真っ二つに分かれており、後半より「正義とは何ぞや」という点を結構真剣に突いた作品へと変貌していきます。演出は常にトップギアというわけではなく、緩急をつけてちゃんとドラマ部分を見せようとしており、基本はヤクザ映画でありながら、様々な見方のできる内容になっています。この点には良い意味で驚かされました。 演技面では、どちらかと言えば物静かな役柄の方が合うことの多かった役所広司が暴力刑事役に抜群にハマっており、常に大声で怒鳴りながらズンズンと進んでいく様には拍手喝采したくなりました。また、呉の組の若頭役の江口洋介の異常なかっこよさや、広島の組長役の石橋蓮司の古狸ぶりなど、ヤクザ者は皆魅力的でしたね。一方で、その受け手となる松坂桃李はこの異常な世界と観客の意識の橋渡し役であるため見せ場が少なく、やりたい放題やっている他の役者さんと比較すると損な役回りのようにも見えたのですが、繊細な演技で作品の基礎部分をしっかりと担っていました。こちらも良かったと思います。 呉の人間は『仁義なき戦い』を誇りに思っているのですが、まさかその精神を受け継ぎ、日本を代表する俳優達を大挙して出演させた新作を見られる日が来るとは思っても見ませんでした。最高です。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(邦画)] 9点(2018-05-12 14:06:38)(良:3票)
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