みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
156.《ネタバレ》 アカデミー賞にふさわしいかどうかは分からないが、完成度は高い作品。 本作品からは他の作品からは感じられない、得体の知れない“気持ち悪さ”を感じられるようになっている。 その象徴的なものをハビエル・バムデルが好演している。 感情すら感じられない存在、人間とは異なるような存在、トミー・リー・ジョーンズも語っていたが幽霊のような存在を演じている。 シガーとは会話自体も成立していない。 雑貨屋のオヤジとの一切噛み合うことのない会話や、人間の生命をコイントスで左右する手法が印象的だ。 映画自体も、シガーとの会話のように全体的に噛み合っていないようなところが多数見られるが、そのためか、得体の知れない“気持ち悪さ”をより感じられる効果が増しているように思える。 もちろん、コーエン兄弟は完全に狙って演出・編集しているだろう。 水を欲しがっていたメキシコ人に水をあげに行くことでトラブルに巻き込まれたり、シガーが銃撃戦などではなくて青信号を走っているときに致命的なダメージを受けるということも、善行や悪行といった既存の概念を超越している。 金、麻薬、殺人によって、人間の感情が麻痺しているように見られる。 人間が動くのは全部金ともいえる。 シャツをもらうのも金、病院に運んでもらうのも金、ホテルのオヤジから情報を提供してもらうのも金、殺人を依頼するのも金。 飲みかけのビールですら金をせびろうとする姿勢や、金をもらった瞬間に仲が良かった少年たちが喧嘩をし始めるということも本作が言わんとしていることをよく表しているように思える。 このような気持ち悪い世の中になったのは最近のようにも思えるが、1900年台初頭にも同じような惨劇があったという、トミー・リー・ジョーンズとネコ屋敷のオヤジとの会話も印象的。 本作が描こうとしていることは、近年において人間の本質自体が変わったということではないのかもしれない。 暴力と欲求が“人間の本質”であり、人間の本質自体は変わっていないということだろうか。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-04-23 21:40:56)(良:1票) 155.《ネタバレ》 奇妙な髪型の殺し屋が冷酷無比。しかも、全編ほとんどBGMがないためバイオレンス部分の緊張度は高いです。 それだけでも十分楽しめる映画だと思います。 でもこの映画を観終わると、あの冷酷な殺し屋「アントン・シガー」が何かを象徴し具現化した存在であることに気付かされます。 彼のセリフや彼に対するセリフには意味ありげなものが多く、ラスト近くには彼自身が予想もしなかった不運に見舞われます。 老保安官であるトミー・リー・ジョーンズは彼にとっては無力な存在で、対峙することすら出来ず引退します。 一体、彼が象徴するものとは何なのでしょう。 「病んだ現代社会」、「逃れようのない時代の変化」、「突き進むアメリカ国家」・・・様々なものが浮かんできますが、これだと断言することはできません。 濃い目のコーヒーでも飲みながらじっくり見たい作品です。 【でこうさ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-03-20 11:49:07) 154.《ネタバレ》 なんだか陰惨な作品を作ったものだな、という印象が残る。むろんシリアスなタッチを否みはしないし、むしろ好きなほうなのだが、それだけではなくどうも鬱なのである。 ハビエル・バルデム演じるシガーという殺し屋を、「すごいぜ」とか言ってしまうのは簡単だが、こちらの年齢のせいもあるのかちょっとついて行けない。前半部はまだしも良かったのだけれども、後半にいたって突き放したような作りになっているため、余計に陰惨さだけが際立っている。若い人なら耐えられるのだろうか。 シガーの風貌その他から、はじめはアメリカの先住民を連想してしまった。そういう問題提起でもあるのかなと思ったわけだが、これは深読みなのかもしれない。もっとも、あまり説明のない作品なので、シガーをどのように解釈してもかまわないとは言えると思う。ただ、荒唐無稽なキャラクターではない。郊外のガソリンスタンドの店主との会話は、まったく噛み合わないままに進むけれども、実はシガーはかなり論理的に話している。このあたりが怖いところである。 不要な音楽を廃して、映像と、それから凝った効果音とで否応なしに映画に惹き込まれるような作りになっている。それに見合うだけの美しいショットだと思う。しかし、やはり後味の悪い映画だ。 【タカちん】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-01-19 14:46:29) 153.なんとなくヌルっとした感触。殺し屋の印象だけはずっと残りそう。 【warrabit】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-01-07 13:20:31) 152.殺し屋存在意義、終わり方もぼやけている。観た人それぞれが解釈するやり方は、無責任である。 【たこちゅう】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-01-07 06:31:38) 151.追っかけていくシガーの不気味で無口なさまと個性的な武器がよい。ただ、映画全体の雰囲気は楽しめるものの、ストーリーの中身が無い。 【ぷろぐれめたる】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-12-26 17:46:14) 150.《ネタバレ》 中盤あたりの銃撃戦での緊張感がすごく、久々に映画でひやひやした。 【峠のわが家】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-12-17 22:32:13) 149.《ネタバレ》 本作のまず素晴らしいところは、音楽が皆無に近いこと。場を盛り立てるために使われる音、場面を切り替えるために使われる音が皆無であり、映像で勝負するという気概が冒頭からビシバシ伝わってきます。大金を偶然拾った多少腕に自身のあるベトナム帰還兵が冷酷無慈悲な殺し屋に命を狙われるという筋書きで、この殺し屋のイカレっぷりが本作の見所です。感情を元に行動しない彼は、自分の目的を達成するため、障害を排除するため、復讐を果たすために殺すのではなく、かといって理性的は判断に基づいて実行するわけでもありません。感情をより所にしないということは自分にとって都合の悪いことも含め、全てを受け入れることであり、銃創を自ら取り除く場面では、痛みさえも受け入れているようです。これは並の人間にはできないことで、それゆえ彼の行動はまったく予測できず、彼が映るシーンは、こちら側も尋常ではない緊張感を強いられます。ただ、静寂を破る突然の大音響が多々あり、ビビリ者としては少々疲れてしまいました。 【さめがい】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-12-11 13:19:18) 148.《ネタバレ》 一回目観終わった直後しばし呆然自失。いったい何と表現して良いのやら、いったいどう理解して良いのやら。しかし時間がたつごとにもう一度観たいという思いがどんどん強くなり、やがて観ずにはいられなくなる。やはりなんといってもハビエル・バルデム演じるシガーのド迫力でしょうか。あのシガーという男の細部にわたるキャラクターの作りこみはすごすぎます。間違いなく後世に名を残す悪役です。それと対をなす保安官を演じるトミー・リー・ジョーンズが、タイトルの意図するところをまさに具現していましたよね。さすがです。後半ルウェリン・モスが死んでしまう辺りは原作とちょっと違っていて、ちょっとざわざわとわかり辛いような感がありましたが、全体としての雰囲気を壊すほどではなく、まあこの場合彼のあのような退場の仕方は問題ないかと思います。 とにかくコーエン兄弟の細部にいたるまでのディテールのこだわりが遺憾なく発揮されていたす、ばらしい作品だったと思います。 【カエル本舗】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-11-10 18:13:56) 147.《ネタバレ》 エンディングが流れ始めた瞬間、「うーん、どんなレビューを書きゃいいんだこれ」とまず悩んだ。どんなレビュー、というよりも、自分が何を感じたのかが今ひとつしっくりこなかったからである。前半は全く「らしさ」はなく、後半こそ正にコーエン流で、前半に緊迫感を与えて後半で落とすというのが最近のコーエン兄弟らしい。(バーンアフターリーディングはまさしくその通り)シーンの省略しまくりでその割にどうでもいいカットを入れまくり。交通事故なんてまるで予定調和。 やはりポイントとなるのはタイトルの解釈。これによって全体も解きほぐせそうだ。トミーリーと老人保安官が、「今の若者は‥」みたいな会話をするシーンがあるが、やはりここがシンボリックではないだろうか。抽象的な善と悪、言い換えれば純粋な善と悪、ジョシュとハビエルがいずれも劇から退場したことを考えると、最早純粋なヒーローあるいはアンチヒーローは必要ないのだ、というコーエン兄弟の主張とも考えることができそうだ。勧善懲悪の西部劇の終焉、それを保安官の口に語らしめたことがこのタイトルの意味なのかもしれない。 それにしてもハビエルバルデムのキャラの造詣は、近年稀に見るほどの傑作。彼によって作品が立っている。羊たちの沈黙以来の衝撃だ。 光と影の使い方も素晴らしく、「バーバー」のような陰影の深みが感じられる。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-10-12 09:39:26) 146.《ネタバレ》 コーエン兄弟作品はたぶん初見だと思いますが、①このテの「人殺し」映画は嫌いです。嫌悪感しか残りません②恐ろしいほど無音ですなぁ こんなに音楽(効果音も含みで)が無い映画はあまりない様な③なぜかこのような内容の映画がアカデミー受賞対象になるなんて まさかこんな映画をスタイリッシュだなんて言うんじゃないでしょうね?④唐突で意味不明なエンディングはなんなんですか? トミーリー始め出演の皆様の力演には敬意を表します 辛口でスミマセンがこの点数デス 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 1点(2010-09-12 23:39:27)(良:2票) 145.《ネタバレ》 コーエン兄弟映画に特有のブラックなユーモアが全く観られない不気味な作品。唯一それらしいかなと思われるのは、ウディ・ハレルソンの役名がオーソン・ウェルズをもじったカーソン・ウェルズというところかな(ちょっと考え過ぎかも)。“No Country”ならぬ“No Music”で押し通すところも、今までどちらかと言えば「音楽過多」気味な作品が多いので、観客の不安をあおる語り口と相まってなんか居心地の悪さが感じられます。 それはもちろんコーエン兄弟の計算された構成が狙った効果だけど、アントン・シガーという映画史に残るモンスターキャラがあまりに強烈だからでもあります。このキャラが不気味なところは、劇中の会話がとってもピント外れで、他人とのコミュニケーションが取れていない、と言うかとろうとしない不条理さです。 私はこの映画はコーエン兄弟版の『ターミネーター』だと感じました。シガーが風呂に浸かりながら傷を治療するシーンは、まさに『ターミネーター』へのオマージュですよ。 しかし、こんな実験作でオスカー獲っちゃったコーエン兄弟の行く末が個人的には心配です(すでにその兆候が顕れている様ですが)。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-05 14:00:13) 144.自分が頭が悪いせいか理解に苦しむ作品だ。 アカデミー賞の基準が、ますますわからなくなる作品だった。 【kure】さん [DVD(字幕)] 4点(2010-07-25 17:07:47) 143.《ネタバレ》 全然自分とは合わない映画だった。 保安官は要るの?何回も観たら意味がわかるんだろうか。 殺し屋が殺しまくってるだけの映画に見えた。 銃社会ってイヤだね。簡単に殺して殺される嫌な国。 【虎王】さん [DVD(字幕)] 4点(2010-07-21 00:50:47) 142.兎に角、bardemが怖過ぎる。BGMが無いのにここまで怖い映画は珍しいと思う。 【j】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-07-12 14:07:03) 141.音楽が好きな自分にとしては音楽が無いのはきつく、退屈だった。 【のははすひ】さん [DVD(吹替)] 2点(2010-06-02 23:55:00) 140.《ネタバレ》 序盤は音楽の無いスタイリッシュさに期待しましたが、中盤の攻防以降は盛り下がりました。主人公が突拍子もなく死んでしまい、その後もだらだらと話は続きます。トミー・リー・ジョーンズは渋くて良い俳優だが、最期まで動きませんでしたね。ハビエル・バルデム演じるシガーは映画界に登場する悪役の中でも冷徹で個性があり、良いキャラだと思う。特に「シュボッ」っとボンベを使うアイデアは斬新で評価できます。事故ってから、子供にすがるシーンはどことなく惨めでした。中盤のモーテルでの銃撃戦での攻防が一番の見所です。ただ、期待過ぎると肩透かしを食らいます。やはり、あの終わり方では、見ているほうは物足りないかと。エンディングはまるでホラーです。 【マーク・ハント】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-02-13 08:48:53) 139.《ネタバレ》 麻薬取引の大金をまんまとせしめた、通りがかりのオッチャン。彼の逃避行、そして彼を追う血も涙もない殺人鬼との対決、これらが本作のテーマ、であるかのように、一見、なっておりますが・・・。確かに前半は、映画らしい撮影技術を駆使しつつ、上記の路線で映画を盛り上げていき、中盤の対決シーンなどは、大いに盛り上がります。しかし、後半に至ると、一気に、映画の“解体”が起こります。明らかに故意の失速。うーむ。前半を我々が十分楽しんだことを見透かした上での、これまた随分イヤミな映画じゃあ、ないですか。主人公のオッチャンは、ベトナム帰りという設定。死体の山を見ても冷静、武器を拾っては着々と武装する。テントのポールとハンガーで即席のマジックハンドを作るあたりなど、まさに映画的な「ベトナム帰りのヒーロー」。当然、銃弾を浴びて流血しても決して大騒ぎなどせず、ひたすら逃避行のサバイバルを演じてみせます。彼をとりまく世界もひたすら映画的で、彼を追う殺人鬼の超人ぶり、事態を追跡する初老の保安官(←西部劇的)、そしてギャングの抗争と、死体の山。そういえば、点々と横たわる死体の中に犬の射殺体が混じっているのを見て「犬まで撃つとはヒドイ」というセリフが入るシーンがあったけど、別のシーンでは、我らが主人公も、自分を追いかける犬に容赦なく銃弾を浴びせていたんだっけか。主人公の、この冷徹さと、殺人鬼の冷血さとぶつかり合う、というのがいかにも映画っぽいオモシロさなんですが、だがしかし。映画がラストに向かうに連れ、この路線から軌道がズレ始めます。いかにも映画的な登場人物であった、ヒーロー、保安官、そして殺人鬼までもが、ひとりまたひとりと、映画から退場していく、これが本作の後半過程。確かに殺人鬼氏は、斃されることなく社会の中に紛れこむことで、いずれ復活するのかも知れない、何しろ銃弾を自分でホジリ出すくらいだから、複雑骨折だって自分で治しちゃうかも知れない、という含みもあるのかも知れません。だけど、お得意の殺人ではなく、金を払うことで生き延びようとした時点で(コレは主人公が映画の中盤で一度やって見せたコトの二番煎じでもあります)、ああ、この殺人鬼も、もう終わったな、と。という訳でこの映画、楽しんで観た分、後半の壊れぶりが、何だかイヤミだったなあ、と、後味の悪い部分もありました。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-10 05:55:22) 138.《ネタバレ》 終始音楽が無い、とてもサイレントな映画です。そのつもりで観てれば気持ちの上で準備も出来たんですが、そうとは知らずに観るとけっこうな疲労感・・・。もし2回目を見るようなことがあればもっと理解できると思います。残念ながら一回の鑑賞ではちょっと辛い点数を付けざるを得ません。 それにしてもモス(=ジョシュ・ブローリンさん)はハンティングが趣味で殺し屋に狙われてピリピリしてるのを差し引いても特殊部隊じみすぎてる気がする。夜も寝ずに銃を構えたまま待ち構えるとか、雰囲気が一般人離れしていました。シガー(=ハビエル・バルデムさん)は殺し屋役がピタリ。『ダークナイト』のヒース・レジャーさんを彷彿とさせます。ヘンテコなガス銃みたいな武器を使っていましたが、あそこは特に奇をてらう必要は無かったように思います。銃声もしないし目の前でかざしても警戒されないから、殺しの道具として便利というのはわかりますが。コインの裏表のように白黒はっきりした人生を送るシガーのような男にはどこか違和感がありました。 機会があれば2回目を鑑賞して、追記を付けたいと思います。 【TANTO】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-12-22 12:56:26) 137.邦題が「ノーカントリー」であるが、原題の「No Country for Old Men」の”for Old Men”が重要な気がする。 これから観る人はその点を頭の片隅に入れてみて欲しい。 最後まで予断を許さぬ展開、人間の人生のあっけなさを上手く描写していると思った。 【円軌道の幅】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-12-22 11:23:44)
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