みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
15.昨年は小津の生誕100年だったというのに水をさすようでなんですが、この作品が遺作なのは、ちと淋しすぎやしないか? 何度も観ているからこそ思うのだが、多くの人が指摘するように、やはり晩年の諸作には作家としての広がりがちょっと欠けているような気がする。当時の撮影所長だった城戸四郎に"小津は二人いらない"と言われて松竹を追われてからの成瀬巳喜男の作品群の充実ぶりと比べると、残念ながらそう感じてしまう。やはり、「山中貞雄がもっと生き永らえていたなら(あの戦争で若くして死ぬことがなかったならば)、山中と共に、彼の盟友である小津ももっと多様な傑作が数多く残せたのでは」と、とても淋しく悔しい気持ちになるのは、私だけなのでしょうか? 追記:とはいうものの、先日BSで再見(途中からだけど)したら、結構面白く観れてしまいました。まあ、難しいことは抜きにして、とにかく小津を楽しみましょうよ!(←って、おまえなあ) 【なるせたろう】さん 9点(2004-01-05 20:35:00) 14.タイトルでイメージをふくらませた通り、哀愁というかせつなさというか、名状しがたい感覚を与えられました。 【its】さん 8点(2004-01-05 01:06:41) 13.《ネタバレ》 これは面白い! なんちゅう面白さ。評論家達はこんな面白い映画に「名作」というレッテル貼って、近付き難くしちゃうなんて、逆にもったいないではないか。何が面白いって、「燕来軒」の看板の文字! ハハハ、こんな小道具からしてすでに面白い。しかし何と言っても忘れ難きは、笠智衆の溜息「ん~」であります。勿論、「いやあ~」でも「まあ~」でもいいのですが、やっぱり「ん~」がサイコーです。それも、苦悩から発せられる「ん~」よりも、笠智衆の満足感が頂点に達した瞬間に思わず漏れる「ん~」がたまりません(白眉は娘の花嫁姿を観た時の会心の「ん~」である。聞き逃すな!)。さらにこの映画では、動きの無い笠智衆とは対照的に、過剰に動き語るひょうたん先生(演ずるは東野黄門様!神ワザのような演技である)の存在がユニーク。この対比により、笠智衆の動かない演技がさらに光るというものでありましょう。さらには亡き妻に似ているというTORYS BARのママとして、岸田キョンキョンが登場。笠智衆と岸キョンの夫婦では「美女と野獣・逆バージョン」ってな感じだが、幸いにもそんなに亡妻にクリソツな訳ではないらしい(雰囲気が似てるというのは結構いいものである)。さてさて、娘を嫁に出すまでの父の心の動きがこの映画のテーマですが、娘を嫁に出してやれなかったひょうたん先生の存在が、主人公に大きな影響を与えております。友人河合からも「おまえがひょうたんみたいになったら困るからな」なんてプレッシャーかけられたりして。で、なんやかんや紆余曲折あって(途中の展開と人物配置がうまく、観てて心地いい)、結局無事に娘を嫁に出す事に。河合も「おまえひょうたんにならなくてよかったよ」等と言ってくれる。しか~し。友人と別れた主人公は、一人酒を飲み、泥酔して家に帰ってくる。暗がりで「ひとりぼっちか」と呟き、歌を口ずさむ姿。そう、その姿は、まさにひょうたん先生の姿そのものではなかったか? 娘を嫁に出しても出さなくても結局は味わわねばならぬ孤独。そういう無常感のようなものが浮き彫りにされて余韻を残します。ところでタイトルは秋刀魚の味ですが、これは内容に直接関係なく、そのかわり色んな食べ物が出てきます。魚料理で出てくるのはハモですね。ハムではありません(!) 【鱗歌】さん 9点(2003-12-28 00:28:44)(良:3票) (笑:1票) 12.娘を嫁にやるという本当にどこにでもある普通の物語でも、これほどまでに丁寧に描き連ねれば上質な映画に成り得るという非常に味わい深い映画だと思う。小津作品はまだ今作しか見ていないが、この映画監督がこれほどまでに伝説的に崇められるのも、この何とも言えない味わいを前にすると分かるような気がする。 【鉄腕麗人】さん 7点(2003-12-24 01:34:07) 11.小津の映画は、短い台詞に、何とも言えないリアリティがあるなあ。この映画でいうと、「ちっちゃいんだ。太ってんだ。可愛いんだ」というのがそれ。言葉のリズムが、とっても心地良い。微苦笑を誘うユーモアも、たまらない。そして、そこはかとない哀歓と諦観、無常観も決して重苦しくない。軽いタッチで撮られた枯淡の境地の作品。 【ひろみつ】さん 8点(2003-12-21 00:54:46) 10.他の小津作品に比べるとちょっとなんだか重苦しい。しかしトリスバーのシーンは切なくて泣ける。笠智衆はよく軍艦マーチ唄いながら帰ってこなかったなぁ。 【黒猫クロマティ】さん 7点(2003-12-12 10:57:09) 9.んふー(泣)、一映画ファンとして、小津映画の良さが今ひとつ分からないのがさみしい。ここは「未来への自分に対する宿題」ということで(うまく逃げたね)。 【ぐるぐる】さん 6点(2003-12-06 14:07:45) 8. 【STYX21】さん 5点(2003-11-19 01:10:41) 7.いいねぇー。あったかいよねぇー。この映画って、全体的に暖かい色を多くしてますよね。それが内容とあってるんだまた。よかったです、お父さん。 【あろえりーな】さん 7点(2003-10-30 21:20:30) 6.《ネタバレ》 元海軍将校のお父さんのお話を伺いたい。この人の醸し出す空気に触れてみたい、そんな気持ちになりました。どうも私は品のある老人に弱いようです。お年寄りで話す機会があるのが、ウチのばあちゃん(←私にはむっちゃ甘いけれど基本的にワガママ)&じいちゃん(←学はあるんだけれど話が通じず)だけなもので。司馬遼太郎氏の「街道を行く」(三浦半島編)で、海軍将校たちの上品さを読んでいたからか、元海軍将校と聞くとそれだけで憧れの対象になってしまいまする。娘の結婚式の後、フラフラッと立ち寄ったあのバーで「あの曲いきましょうか」とママに言われたとき、本当は軍艦マーチ自体はどうでもよかったのかも。ただ、元気がなさそうに見える彼を気遣った、その思いやりをありがたく受け取ったように見えたのは私の深読みでしょうか。それはそうと、当時の(良家の)結婚ちゅうものは難しいですね。まず家族のほうに打診しなくちゃいけないというのもまどろっこしい。じれったくて、ちょっとイヤだな。そういえば、私も22と若かった頃、ちょうど彼もいなかったし見合いというのに興味があったので、親に「見合いしたい」といったら「上手くいかなかったときに責任転嫁されるのはイヤだ」ととりあってくれなかったっけ。さすが親だ、私の性格をよく知っている。 【元みかん】さん 7点(2003-10-29 06:25:46)(良:1票) 5.優しくて、厳しい。思いやりは世界共通の言語さ。この、一見すると古臭い日本映画は、時と共に風化するどころか、驚くほどのみずみずしさを増していく。 【水の上のハイウェイ】さん 9点(2003-10-26 06:12:02) 4.小津映画って全然イヤミっぽくないんだよなー、本作も淡々としているがなんだか観た後充実した気分にさせてくれるそんな映画だ。人生の本質がそこにあるような気がする。 【たましろ】さん 9点(2003-10-13 20:31:16) 3.非常に地味で最初から最後まで娘を嫁にやるお父さんの日常を淡々と描くだけなんだけど、それでもなんとなく見せてしまうあたりがこの監督の偉大さなのだろうと思う。好きな人はハマるだろうなと思う。お父さん役の笠智衆が味わい深くてよかった。 【スマイル・ペコ】さん 6点(2003-06-07 13:56:00) 2.トリスバーで笑いあい、敬礼しあう3人を見るたびに、人間って悲しいけどいいもんだね、映画っていいなァと思う。 【るーす】さん 9点(2003-06-04 21:58:03) 1.これはすごかった。よかった。拍手!!笠智衆いい。あの棒読み口調がたまらない。日本の「おとうさん」そのものだ。昔の縁談ってねー、こういうふうだったか、と納得。でもそれはそれでいいじゃない、と思える。だって笠智衆は娘の幸せだけをねがっているんだもん。その後、テレビなんかで笠智衆の顔をみるだけでなきそうになりますもん。多少静かなテンポなのは、最近の映画を見なれた人には前半ちょっときついかもしれないけど、そんなものはスグに慣れますって。小津監督は、黒澤監督とも一味ちがっていいですねーー。人物に「背中」で語らせる手法、とでも言いましょうか。日本人の美意識ってものがあるとしたら、この作品はそれを形にしたといえるのではないでしょうか。 【ちずぺ】さん 10点(2001-09-10 11:05:03)
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