みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.尊厳死を扱った作品であるが決して暗い内容でも「お涙ちょうだい」的な内容にもなってなっていなかったのがまたいい。純粋に「尊厳死」というテーマに対して真面目に取り組んでいる。自分自身、寝たきりになって自由に動き回れない体になってしまったら尊厳死を望みたい。技術によって生かされたくないし、苦しんで死んでいくのもいやだ。そう思う人は世の中にたくさんいると思う。そんな考えを持った人達からのメッセージとも受け取れた。深い内容の映画であった。 【ぺん】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-05-02 23:03:39) 2.死(=生)に対するそれぞれの考え方。生きていて欲しいと願う愛とはエゴなのか。「死は生まれる前の何もない無」 【MjB】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-04-20 00:22:31) 1.《ネタバレ》 「尊厳死」という難しいテーマをじっくりと真正面から描きこんだ素晴らしい作品。 「生きるとは何か」「死とは何か」「人は誰のために生きるのか」「不治の病に対する向き合い方」「病人と家族の関係」など様々なテーマに向き合っている。 以下ネタバレ。議論があるとは思うが、個人的にはラスト付近は不満がある。 やや表面的というか、あっさりと描きすぎている感じがする。これは「尊厳死」といってもやはり「自殺」であることには変わりがない。その自殺を美化するのは避けようという監督の考えがあったからではないかとは思う。 本作を見るのは、健常者だけではない。同じ境遇を抱える人も見るだろう、そんな人達に対して「死」を美化させないようにしている気がする。 ラモン自身も、死んだ後に来世のようなものを期待はしていない。はっきりと「死んだ後は何もない」とロサに語っているのが印象的だった。 個人的に一番考えさせられたのが、ラモンとフリアが選択した手段の違いだ。 フリアも尊厳死を望んだが、直前になり死への恐れが彼女を襲ったのと、夫の献身的な愛がそうさせなかったのだろうか、彼女は「死」という選択を選ばなかった。あれほど分かり合えたラモンのことですら忘れてしまうことが彼女にとって幸せなのか、生きているといえるのかどうか。 確かに夫は彼女の死は望んでいないだろう、自分のことですら何もかも忘れてしまっても生きてさえいればそれだけで満足だと思っているかもしれない。 フリアは自分自身よりむしろ夫のために生きる決意をしたと思う。 一方、ラモンも素晴らしい家族に囲まれている。兄のホセ、ホセの妻マヌエラ、二人の息子ハビ、そして父ホアキン。ラモンは残される彼らのことを考えなくてはいいのかと思う。 あれほどユーモアに溢れ、素晴らしい詩を書くラモンが死ぬことなんて誰も望んでいないはずだ。特に兄のホセは「死」を現実問題としてきちんと受けとめている点が胸を打つ。 しかし、人は誰かのために生きるのではない。人は自分自身のために生きるのだと改めて感じた。自由を失い、夢を失い、好きな人に触れることもできないそんな人生に果たして意義を見出すことができるのか。 自分をプラスに導くための死という考えは、映画の中だけでなく確かに社会として向き合わなくてはならない問題なのかもしれない。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-04-17 02:23:40)(良:1票)
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