みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
22.《ネタバレ》 全体的に「?」が多すぎる作品だった。ラスト、クロウが手下全員を殺した時にその「?」は頂点に。素直にどうして殺しちゃうの???と。冒頭で掟を破った手下をクロウが射殺するシーンがありますが、それを伏線としていたとしても乱暴かと。まぁリメイクなので仕方ありませんが。 主演の2人はとっても輝いていました。ベールは哀愁を漂わせ、クロウは殺気とセクシーさを兼ね備えていて改めて良い役者だと実感しました。 【HIRABAYASHI】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-01-06 23:32:09) 21.《ネタバレ》 オリジナルは未見。 途中、ベン(ラッセル・クロウ)が護衛を殺してしまうのだが、何事もなかったように進んでしまうなどの首を傾げたくなるシーンはあるが、全体的に骨太な作品となっており見応えがある。 家族に誇りにある姿を見せたい強く願うダン(クリスチャン・ベール)の本音を知ったベンが銃弾が飛び交う中、屋根の上を駆け抜けるシーンに心打たれる。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-03 18:14:08) 20.《ネタバレ》 ■西部劇はそんなに見たことがなかったが、なかなか面白い。オリジナルにはないらしい派手なガンアクションも、あんな感じなんですね、とは思う。風景も音楽も雰囲気もなるほど西部っぽい。 ■護送が緩すぎ。途中で管理が甘いために何人死んでるんですかっていう。アパッチもトンネルもよくわからない設定だなぁ。オリジナルにはないらしいので、ここは削ってよい気がした。 ■ホテルについてからの二人のやり取りは「男」という感じを醸し出すいいシーン。こういうのをもっと長く取ってほしかったなぁ。 ■「誇れるものが何もない」ベールに、死ぬ前に最後に誇りを取り戻させようとするクロウ。「飛べるか」と言って屋根を一緒に飛ぶシーンが個人的には好き。 ■けど友情が芽生えるほどのやり取りがあったのかが疑問。もっと丁寧に描いてほしい。 【θ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-25 23:19:49) 19.《ネタバレ》 まったく受け付けなかったですね。だって、1級凶悪殺人犯の移送にしては、あまりにも適当な感じがして・・・。あれじゃ逃げるし、下手すら殺されるでしょう。怒りからめった打ち&全身拘束で身動きできない状態で運ばれるのが妥当でしょうね。あと、テンポが悪くて、終盤のアクションシーンぐらいしか見所がない。ベン・フォスター演じるチャーリー・プリンスが主役2人を完全に喰っていたと思います。ようするに少々キャスティングミスかと。 【マーク・ハント】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-12-20 04:12:01) 18.《ネタバレ》 クリスチャン・ベイルが出ていることもあってか、”ダークナイト”の西部劇版みたいだった。ラッセル・クロウがジョーカーね。彼は偽善が嫌いで、正義感を振りかざす人間をなるべく直接手を下さずに破滅に陥れるのが生きがい。ベイルには敗北を認めるが、有能だが無粋にも殺しまくる部下たちを皆殺し。ラスト、口笛で馬を呼び、軽々と脱走するのを暗示させる。次なる正義漢に挑戦するのだろう。 【GO】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-15 00:54:24) 17.《ネタバレ》 ラッセルクロウは強い男の役にはまる。アクションシーン、特に銃撃戦すごい。 ラッセルクロウが演じるベンウェイドはただの悪役ではなく,感情移入できる善を含んだ存在。 ただ何点か納得いかないところも。 ベンウェイドが護送中何人も殺しているのに,皆平然と護送を続ける。そして,終盤敵に囲まれたときは危険だからといってダン以外護送をあきらめる。この辺はよくわからない。最後にボスと慕って助けに来た仲間たちを皆殺し。いくらなんでも。 【Yu】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-11-23 13:36:45) 16.《ネタバレ》 西部劇は苦手なんです。劇場で西部劇見たのがたぶん、バック・トゥ・ザ・フューチャーだと思うくらい、昔。でもクリスチャン・ベイルに釣られて見てしまい。号泣しました。タオルハンカチがヨレヨレになるくらい。西部劇って画面を見ているだけで乾燥肌と喉が乾きそうになるのですが、これは違ってました。なんせ格好いい。渋い。実に男の美学なんですね。物語自体は案外簡単ですが、まぁーラッセル・クロウのジトッ湿った演技に感動してしまい。終盤の新しい仲間と・・・なんてセリフあたりからもう号泣してました。yumaという地名が印象的になりなんだか西部劇ファンになりました。こんな良い映画はもっとPRするべきです! 【成田とうこ】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-11-20 23:17:43)(良:2票) 15.《ネタバレ》 冷静に考えたら、お前のために何人死んでんだよー!って話だが、なかなか骨太な西部劇になっております。それというのも、端整なクリスチャン・ベールとワイルドなラッセル・クロウという二大俳優によるところが大きい。存在感ではラッセル様に軍配が上がる。ガトリングガンまで飛び出す派手な銃撃戦を描きながらも、最後はきっちり泣かせてくれるシナリオのバランス感覚も良い。ラスト、一瞬で仲間を皆殺しにするラッセル様の眼差しに、オレのハートも射抜かれてしまった! 【フライボーイ】さん [DVD(吹替)] 7点(2009-11-20 07:25:51) 14.《ネタバレ》 西部劇を劇場で観るのは初めてだったと、気づかされた。幼少期に出会ったジョン・ウェインもイーストウッドも「金曜ロードショー」のTV画面の中だ。 本作のオリジナルは当然未見。 「生きている限り、人を殺めてしまう生地獄を味わう男」の葛藤を、ラッセル・クロウが見事に表現している。本来は悪役が似合わないであろう彼が、「悪党になりきったはずの善人」を演じる事で、観客はラストに向けての展開に胸ときめかせる。果たして彼は、親子を見殺しにするのか否かと。 その彼の生地獄に一筋の光明をもたらしたのが、生い立ちは違えど幼少期の自分に瓜二つの少年であり、彼はその魂に“救い”を賭けた。 西部劇にスターは一人で良い!とにかくカッコよければ良い!ベン・ウェイドという男の物語として、すっかり私は取り込まれてしまった。 痛快・衝撃・落涙のラストシーンに、昔の「シェーン、カムバック!」以来の感動を呼び戻してもらった。 【つむじ風】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-11-16 03:31:04)(良:1票) 13.どうも最近は日本もアメリカもリメイクものが流行りのようである。個人的にはリメイクものはあまり好きじゃない。オリジナルと同じ監督がリメイクする場合とそうでない場合とでその映画に対する思い、愛というものの伝わり方が違って見えるのがリメイク作品である。で、この作品だけど、ここでの皆さんの平均点の高さ通りのよく出来た作品になっていて正直、驚いた。いかにも西部劇というべき風景の美しさ、壮大なる景色と力強い音楽に西部劇に付き物の馬車、牛、羊といったものも沢山、出てきて西部劇ファンとしてはそれだけでも嬉しいし、男臭さ漂う顔ぶれの凄みと迫力、繰り広げられるアクションシーンの凄さ、銃撃戦のパワーに加え、緊張感漂う場面が幾つも用意されていてこれは他のよく作られるリメイクものとは一味も二味も違う出来栄えになっているし、そういう意味でも映画館の大きなスクリーンで観るに相応しい作品にもなっているし、何よりも監督の西部劇が好きなんだという熱意、オリジナルも相当見てる気がするというものもひしひしと伝わってくる。本来ならば8点にしたい所だが、最後が私には納得いかない。引っ掛ってしまう。それは元のオリジナルが大好きな私としてはやはりオリジナルの方のラストの方が断然、好きです。それと、オリジナルよりもアクションとしての迫力は上ではあるが、観終わった後の余韻という点においても物足りなさが残る。ただそれでも西部劇という今はもうあまり作られなくなったジャンルに敢えて挑戦して見せた心意気は大いに評価したい。そして、この作品を観ることで元のオリジナルも観たい。更に他の西部劇も観たいと思う人が一人でも増えてくれたら嬉しいと思う。 【青観】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-11-08 15:06:12) 12.オリジナルほどの男同士のせめぎあいに見られる緊張感を持ってはいなくとも観客が喜びそうな派手なガンアクションは見せてくれる。この安易な展開になぜか心躍るのである。「西部劇」を新作で見る。ただそれだけで嬉しいと思わせてくれる。主人公が信念を貫こうとする源泉に「家族」がいる。オリジナルはその中でも「妻」こそにこの男気を見せようとする。リメイク版ではそれが「息子」に変わる。ただ変わるだけでなく息子が帯同することから生まれるドラマが加わる。このあたりはいかにも現代の映画だなと。正直くどい。主人公の無謀な行動を観客に納得させるためのあれこれを匂わせているのだが、元来「西部劇」の衰退は、何故殺すのか、何故奪うのか、何故決闘するのかをいちいち説明しなくちゃならない現代の映画環境のせいというのもあるんじゃないかと思ってるんだけど、いくらその説明をさりげなくやったとしてもそれは「父と息子」のストーリーを面白くさせるだけで映画が面白くなるわけじゃない。一方ラッセル・クロウの描き方がいい。何をするにも説明がほとんどされない。されなくてもなんの問題もない。また悪党として魅力的な顔をしている。何はともあれこれを切欠に絶滅したはずの「西部劇」が復活してくれたら嬉しい。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-10-26 17:35:54)(良:1票) 11.《ネタバレ》 骨太な西部劇のドラマをスクリーンで堪能出来て良かった・・。 ラッセル・クロウの堂々たる悪党ベン・ウェイド役はいつもながら反則級の存在感で圧倒・・たまりません。 対するダン役のクリスチャン・ベイルはそれと比べると存在感がやや希薄なのは否めないです。 でも現在の境遇に苛まれた男の苦悩を見事に演じ、後半に掛けての展開から堂々たる存在感を示してくれて素晴らしかったです。 二人の間の友情とも敵とも呼べない、奇妙な関係性が面白く物語を引き立てる味にもなっています。 後半でベンはダンの真意を聞き、遂に決断し3時10分発の囚人の汽車へ向けて銃撃の雨をかいいくぐった果てに迎えた結末・・遂に誇りを得た男と誇りを守った男同士の連帯感が画面から静かに溢れググッと感動しました。 ラストシーンで護送されるベンが口笛を吹き愛馬が走ってゆくシーンはまた彼が脱走するだろうなぁと匂わして最後にニヤっとさせられ『いい作品観た!』と充実感に満たされました。 それにしても、こういう良作をしばらく公開を見送っていたとは何事か・・怒りを禁じ得ません。 【まりん】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-10-18 19:37:44) 10.《ネタバレ》 西部劇をほとんど見た事ないし、もちろんオリジナルを知らない私なんですが、ものすごく面白かった。話にグイグイ引き込まれました。無法者で無頼漢っぽいウェイドと彼の護送を自ら買って出るダン、この2人の関係の変化はもちろんウェイドの過去やダンの事情が謎めいており、それぞれの背景に興味が広がる護送途中はもちろん、クライマックスのドラマに大変魅了されました。早撃ちも弾丸の嵐も然ることながら、ダンの父として、男としての在り方、誇り、そしてウェイドの哲学、生き様、同志愛。2人の姿に胸揺さぶられました。最後、口笛を吹いて馬が駆けて終わるエンディングも、カッコイイの一言。最近ワーカホリックなクリスチャン・ベールにラッセル・クロウ、いい仕事してますね~。他の出演者(特にチャーリー役の人)もすごくよかったです。 【泳ぐたい焼き】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-10-02 10:57:39) 9.《ネタバレ》 これだけ漢の"友情"とは、"誇り"とは、"生き様"とはかくあるべしと言われると何も言えねえ……。とにかく漢の美学を存分に堪能できました。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-09-09 20:36:33) 8.50年遡るオリジナルと比較して、明らかな退行。上映時間の肥大と完全に反比例したワンショットの短さと、役者の表情演技に頼んだ単調なクロースアップの貧困さのみ印象に残る。画面深度と構図を駆使し、ワンショット内に複数のアクションを同時進行させ、複雑で豊かな情感と意味を付与した傑作オリジナルには及ばない。傍目には派手さを増したリメイク版の「アクション」は、旧作でヴァン・へフリンが若者を一瞬の速度で殴り倒す優れたワンショットにはまるで敵わず、二度と会わないであろう男女の別れを俯瞰ロングで捉えたワンショットの豊かな抒情は微塵もない。旧作の酒場のセットで襟を直すグレン・フォードと髪を整えるフェリシア・ファーのさり気ないツーショット、続く二人のショットサイズの変化のみで両者の関係を簡潔にして雄弁に語りきった省略の美質とのあまりの差異。アクションや情感を実らせるのは、必ずしもエピソードやアップショットや台詞の物量ではない。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-08-25 23:07:03) 7.男臭く、熱い作品でした。おもしろかったです。ラッセル・クロウがカッコよすぎます! 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-08-25 19:14:23) 6.感動しました。鳥肌が立つほどに。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-08-22 04:35:55) 5.《ネタバレ》 名作のリメイクだそうだが、こりゃ正統派な西部劇ではなかろう。カオスだ。なんてカオスなシナリオなんだ。 【以下思いきりバレ】 私はウェスタンについてまったく無知なのだが、いったい何をもって名作とされたのか。まさかキワモノとしてではなかろうか、と思えるほど、私は感動とは別種の感興を得た。 連行される途中でクロウが護衛の保安官をフォークで殺すのだが、殴られただけでたいした制裁も受けず普通に連行され続けるところがまず変だ。さらにクロウがまた一人殺し脱走しかけるのだが、にもかかわらずまだ手錠されただけの措置であるのがまた変だ。この映画は容疑者人権保護の喧伝のために作られたのか(この調子でもし護衛が一人もいなくなったらどうしようと思ったが、さすがにそうはならなかった)。 極めつけはクライマックス。何十人を相手に銃撃戦をするというカオスな破目に陥った主人公は、なぜ自分が逃げずに良心を貫き通すかを説明するのだが、状況が状況なだけに無理ありすぎである。そしてそれを聞いて納得した(?)クロウは銃弾の飛び交う中、なんと自分を獄中へ連行する列車へ自ら走り出すのである。ひと言「やめろ」と叫べばすむことなのに。さらにラスト、結局主人公が射殺されると、クロウは自分を救った手下たちをいきなりぶち殺す。ああ、なんてカオスな。このカオスさを乗り越えて何かを感じることは私にはできない。 つーかまあ、殺人鬼に対して一種のヒロイズムを感じることを強いるというひどい作品なのであるが、なんか徹底しているのでB級でも名作と感じる人は感じるのではないかな。 【アンギラス】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-08-16 19:40:05)(良:1票) (笑:1票) 4.《ネタバレ》 個人的には狙ったわけではないが、「3時10分」から始まる回を鑑賞。 劇場の方は完全に狙っているだろう。 世間一般でも絶賛されている本作だが、なぜか上手くハマれなかった。 オリジナルを見ていなければ、もうちょっと高い評価をしたかもしれない。 予習用にオリジナルを見た直後に鑑賞したのが完全に裏目に出たようだ。 人間ドラマに焦点をあてて、西部劇らしからぬ西部劇だったオリジナルの良さに惚れこんだが、派手でありがちな西部劇に変化させてしまったことが引っ掛かってしまった。 オリジナルでは、冒頭の強奪の際に双方に多くの死傷者が出るほど派手な銃撃戦はない。 アパッチ族も出てこなければ、トンネル爆破もない。 護送中にベンが護送をしている者を殺すこともなければ、金目当ての住民から撃たれることもない。 派手さを“時代”が要求しているのかもしれないが、そういったことをしなくても良作ならば、観客は付いてくるのではないか。 派手な撃ち合いがあること自体に対して非難するつもりはないが、ベンという男に対して“感情移入”を妨げるような結果に繋がっているような気がする。 オリジナルでは意外と紳士だったベンは、このために極悪非道ぶりを露呈せざるを得なかった。 油断したといって仲間を殺したり、ブチ切れて次々に殺したり、訳の分からない奴に恨みを買われたり、助けに来た仲間を殺したりと、彼には“良心”がなく、はっきりいって好きにはなれないキャラクターだ。 ダンの“名誉”のために最後の列車には乗ったものの、馬を呼んで脱獄する気が満々というのもいかがなものか(これでは皆が無駄死になる)。 このような無法者の犯罪者と貧乏な牧場主では“友情”や“絆”は築かれないのではないかと思う。 オリジナルではベンはダンの姿に、成れなかった自分を投影していたが、ダンの“名誉”を守るほどの関係性がオリジナルほど深まっていないような気がした。 オリジナルではそれほど出番のない息子をクローズアップして、「自分に対する誇り」というテーマを重要視している。 そのテーマには惹かれるが、名誉ある“死”が心の中で上手く整理することができず、“感動”に繋げることができなかった。 自分自身に対する“満足”、自分に対して軽蔑の念を抱いていた息子や妻へ“自分の生き様を刻み付けた”という意味のある“死”ではあるが、ちょっとすっきりしないオチでもある。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-08-16 01:50:22)(良:2票) 3.《ネタバレ》 何という素晴らしさなのだろうか。正に、視線の、まなざしの映画だ。 何よりも、人々が向けるまなざしを見ているだけで、すーと吸込まれてゆきそうで、そしてそこから伝わってくる彼らの気持が体内に染込んでくる。だからこそ、単純なカットバックが幾度となく繰り返されるのだが、それだけでも充分なくらいの物語が構築されている。 ラッセル・クロウ演じるベン・ウェイドがクリスチャン・ベール演じるダン・エヴァンスに馬乗りになりながら首を締め付けるのだが、ダンの、金ではなく妻や息子たちに自分の誇りある姿をもう一度示したいのだ、という本心をベンは知り、物語はそこから一転し、彼らが屋根の上を伝いながら、ユマ往きの汽車が滑り込んでくる駅舎まで駆け抜けて行く様などは、もはや涙なくしては見ていられない。この瞬間、善悪などというものなど一切断切れ、あえて言うのであれば、それは絆や友情、そして誇りというものを懸けて、男ふたりが激しい銃撃のなかを駆け抜けて行く。このふたりが何かひとつのものを目指して共に駆け抜けて行くということなど、映画の中盤からでは想像だにつかない。にもかかわらず、ひとつのフレームの中でふたりが駆け抜けて行く姿たるや、見事という他ないだろう。 ラスト、息子のウィリアムがベンに銃口を向ける。この時の彼のまなざしの変化がまた素晴らしい。彼はベンと知り合ってからベンを憧れのまなざしで見つめていた。しかし、この時のまなざしは怒りそのものであり、いつ引金を引いてもおかしくはないのだ。しかしウィリアムは、無法者ベン・ウェイドをユマ往きの列車に乗せた父を心から誇りに感じた。だから撃たないのだ。何故なら、彼はまたその誇り高き父の継承者だからだ。 ただ、ふたりが対峙した瞬間、ベンはウィリアムにまなざしという拳銃で撃たれていたのだ。 だからこそ、そのまなざしを受けたベンのまなざし、この素晴らしさには計り知れないものがある。 ベンは誇りという絆で結ばれたダンの敵を暴力に任せ解決してしまうのだが、また同じく父と漸く誇りで結ばれたウィリアムはその暴力を自ら抑制する。ダンはその時思うだろう、誇りという事の尊さを。 そしてダンとの絆、あるいは彼の誇りに懸けて、ベン・ウェイドは、3時10分、ユマ往きの列車に自ら乗り込んで行くのだ。 【すぺるま】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-08-10 02:46:54)(良:3票)
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