みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
34.時は狂乱の戦国の世。武者の骸が野に山ほど積まれ、さながらその光景はこの世の地獄だったに違いなく想像しただけでもオゾマシイ。序盤、落雷に見舞われる森の中、三船敏郎演じる武時と義明(千秋実)が物の怪に遭遇するシーンがある。これが雰囲気満点で、妖婆の不気味な声と共にコントラストを効かした白黒映像が抜群の効果を収めており、何回見ても背筋がゾーとする。その他にも脳裡に焼き付くシーンは数多く、武時が雨あられの矢を受けるラストはもちろんのこと、薄気味悪い明かず間の雰囲気描写、ついに発狂する冷血な妻浅茅(山田五十鈴)、森厳なる森が城に押し寄せるというくだりもゾクゾクさせてくれた。本作は「マクベス」がベースになっているわけだが、やはり下克上という血で血を洗う狂気に満ちた時代設定だからこそオゾマシさが倍増するのであろう。しかも黒澤明監督独自の、存分にイマジネーションを掻き立ててくれる怪奇物語の傑作に仕上げる手腕もさすがだ。 【光りやまねこ】さん 9点(2004-11-21 14:01:36) 33.芸術性にも娯楽性にも長けた黒澤監督、屈指の名作だと思います。まず目に付くのが大迫力のセット、城の荘厳さというものこれほど感じさせてくれた映画はこれが古今東西の数ある映画のなかでも五本の指に入ると確信しております。そしてやはり三船の演技、今回も冴えに冴えまくる。あの怯えた顔、絶命する顔、もう完璧でした。しかっ~し!今回のMVPは(我ながら何言ってんだか)山田五十鈴だと確信しています。三船扮する鷲津武時を見事に操っていました。あの怪演今の女優さんで出来る人いるのでしょうか? 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(字幕)] 9点(2004-09-25 01:53:59) 32.クライマックスでの三船さんの演技。矢から死に物狂いで逃げ惑う姿、矢が刺さり階段を転げ降りそして刀に手をやった所で力尽きる。全てに鬼気迫るものがあり、圧倒的で素晴らしい演技でした。やはり日本映画は白黒が似合う。影と光を映さしたら黒澤監督の上に出る者はいないと思う。とにかくこの映画はすごいの一言に尽きる。 【ボビー】さん 8点(2004-07-31 11:35:39) 31.“滅びて初めて事物は完成される”という仏教観念がある。滅び消え去れば全てのものは浄化され、完璧な美を得る。それは金閣寺の焼失を描いた「炎上」でも描かれたことだ。私は「滅び」というものが持つ、冷徹ながらも公平な力が好きだ。対象の持つその莫大な量のログを残しつつも全てを浄化し、表面上において一律の等価に帰してしまうその美しい暴力。その力に掛かってしまえば、善であろうと悪であろうと何であろうと全ての貴賤は失われ、純化した観念だけが残る。滅んでしまったものは文句なく圧倒的に美しい。この作品で描かれるのは、つわものですらない浅はかで卑小な者たちの“妄執の夢の跡”。愚かしい人間の業の絵巻。私が見たあの“ことの一部始終”は、蜘蛛巣城跡に今も潜む妖婆が悪戯に見せた幻かも知れない。本質的に業を抱えた者だけが見ることを許される白昼夢。私が見たのは、あの土地に残された莫大な量の妄執のログなのだ。兎にも角にも廃墟写真集なんぞを見てうっとりしているような不気味な人間である私にはたまらない作品。 【ひのと】さん 10点(2004-06-21 14:26:29)(良:2票) 30.《ネタバレ》 ラストの矢とオチだけでも見る価値はあると思う。 あと、字幕で見たほうが絶対いいね。 【夏目】さん 7点(2004-06-12 11:50:58) 29.リメイク作品ですし、オリジナリティという点では光るモノは感じられません。シークエンスの数の割にはテンポもかなり緩慢です。公平に見てこれぐらいの点数が妥当かと。 【K】さん 6点(2004-05-22 17:16:58) 28.「マクベス」の翻案としてはもちろん、一種の「怪異談」として観ても秀逸です。脚本、映像、演技すべてにわたり神経が行き届いているのが感ぜられ、珠玉の作品と呼ぶに相応しい。 【shakunin】さん 9点(2004-05-10 00:39:56) 27.マクベスは未見です。人間の欲望への執着と精神的弱さが織りなす悲劇が、日本が誇る最高のスタッフで表現された傑作です。物の怪の予言が本当かもしれないと判ったときの心理の変化や、自分の行為の罪悪感に正気を失っていく様子、さらには、予言に必死に縋ろうとするあがきぶりに、有史以来繰り返されてきたであろう人間の権力への執着と悲劇の本質をかいま見た気分です。人間が悲劇を引き起こすのを止めないの は、結局、我々自身がそれを望んでいると言うことなのかもしれません。悲しい事実です。音声だけが少し残念です。 【パセリセージ】さん 9点(2004-04-27 23:01:14) 26.《ネタバレ》 日本版「マクベス」は大成功ですね。本家の物語は、11世紀スコットランドに実在した”名君”マクベスがモデルになってますが、それを五百数十年後に悪者に仕立ててしまったシェークスピアの罪は別にして、すぐれた人間心理の描写があり、物語としては非常によくできたものだと思います。本作もそのプロットを踏襲し、時代を戦国時代に設定したことは、武将の功名心と潜在的な下克上への嫌悪感とを描くことに大きく貢献しています。また、シェークスピアの洞窟の魔女よりもなじみ深い”化生の物”が棲む森というのも、後の展開への大きな伏線となっております。モノクロであるが故に、映像の迫力が伝わるともいえるでしょう。これは岡本喜八監督の「日本のいちばん長い日」(1967)でも言えることで、あえてモノクロを選ぶことで血生臭い迫力がより強調されるのだと思います。”謡い”を挿入することで、より日本的な伝奇性を醸し出すことにも成功し、先の展開がわかっていながら(「マクベス」の読者ならきっとそうでしょう)引き込まれる展開にワクワクすることでしょう。私は、浅茅の方が武時に大殿を殺せとそそのかすシーンのあと、事後に三船敏郎がどのような戻り方をするかに興味がありましたし、浅茅の方が手を洗い続けるシーンがいつ出てくるのか待ち遠しかったです。また、森がどのように動くのだろうとも期待して観ておりました。そしてクライマックスの”矢だるま”の演出! 狂気に狩られた非道の君主の最期としては、これほどふさわしい結末もありますまい。後の「影武者」や「乱」にも本作のエッセンスは見受けられますが、すでにこのような完成度の高いものができてしまったあとは、物足りない印象はぬぐえません。お見事! <以下蛇足>音声が聞き取りにくいという方は、ぜひDVDでご覧ください。日本語音声に日本語字幕というのは違和感を感じるかもしれませんが、台詞をそのまま文字に起こしているのでなじめます。 【オオカミ】さん 10点(2004-04-24 10:09:49)(良:1票) 25.期待と不安、半々で見たが..ガッカリ..した... 【コナンが一番】さん 3点(2004-01-21 12:39:25) 24.北野武が黒澤映画でこの作品が一番好きみたいなことを言ってたらしいけど、自分的には中の上という感じ。 【ボーリック】さん 8点(2003-12-15 23:49:13) 23.素晴らしい。黒澤監督は凄いね。 【ボバン】さん 8点(2003-11-27 23:55:28) 22.絢爛豪華な衣装、物怪や能面を模した奥方の表情・・・本当に美しくて怖い映画。黒澤明の演出家としての力量再認識した。特に冒頭「蜘蛛巣城跡」と書かれた棒っ切れに霞がかかって、その霞が、ざあっと晴れて巨大な蜘蛛巣城が現れる、あの瞬間は鳥肌が立った。そしてラストシーン。分かっていても、三船の恐怖の表情を見ると「おおっ!ミフネ様が!マジでミフネ様が死んでしまう!!」とドキドキした。どっちにしろもう死んでますが。「七人の侍」の「雨の決戦」に勝るとも劣らない名シーンでしょう。 【C-14219】さん 7点(2003-11-19 21:12:41)(笑:1票) 21.もし、リメイクすることがあったら、妖婆役は「田中真紀子」でお願いします。 【STYX21】さん 7点(2003-11-13 06:58:35) 20.「マクベス」の映画化ではもっとも優れた作品と言われてるらしい。黒澤流怪談映画とも言えるが、もうどの場面も美術品だ。白黒の美しさ。そして、あの矢!!!首に刺さる時の音、一瞬の静寂、悪夢のように怖く美しい!!! 【ひろみつ】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2003-11-07 22:39:07) 19.ババアが怖いし、矢も本物だし、かなり危ない映画だ。ほんとにびびってるぞ、三船は。しかし、雨月物語のような恐ろしさがあり、いい映画だな。 【たましろ】さん 8点(2003-10-13 20:49:49) 18.白黒の迫力を感じました。役者の演技も声にまで気合が入っていて引き込まれますね。じっくり味わいながらもう一度見たいです。 【しま】さん 7点(2003-10-05 17:41:08) 17.高得点つけてる人がものすごく多い完成度の高い映画のはずなのにおかしいな。かなり集中して見たんだけどぜんぜんこの世界に入れなかった。(セリフが聞き取りにくいせいもあるかもしれない。字幕つけてほしかった。)高得点つけてる人には呆れられそうだけど、ホントに全然ピンとこなかった。こういうこともあるんだなぁと自分でも不思議。人それぞれ好みの違いがあるのかな、、と考えるしかないです。期待しすぎがいけなかった? 【レンジ】さん 2点(2003-10-04 18:27:00) 16.《ネタバレ》 能の表現を取り入れ、独特の落ちついた空気を醸し出しています。黒澤作品の中では最後の方に見たのですが、まだ傑作があるのか!と驚かされました。山、本当に動かすとは。 【チューン】さん 9点(2003-09-23 11:48:58) 15.後に『乱』でもシェイクスピアを取り上げた黒澤監督ですが、『乱』の元ネタである『リア王』が壮大この上無い戯曲であるのに対して、こちらは、緊迫感がこの上ない『マクベス』が元ネタ。例によって、舞台作品を思わせるカメラではあるのですが、動と静の対比など、映画らしい演出がキマってます。劇ではバーナムの森が動くシーンなんて表現できないしね。昔NHK教育でやってた、BBC製作の「シェイクスピア劇場」での『マクベス』よりも、この『蜘蛛巣城』の方がむしろ、原作の臭いがよく出てるんじゃないの、と思えた程。ま、そのくらい、強烈なイメージで編み上げられた映画です。『乱』もこの頃のパワーで作られてたらなあ、という気はします。それにしても山田五十鈴は怖い。 【鱗歌】さん 9点(2003-08-23 22:15:06)
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