みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
2.《ネタバレ》 映画は原作の印象を高いレベルで映像化していると思いました。多少の変更や端折りは気にならなかったです。 原作の筆致は主人公の行動はなぞるものの、心情はほとんど描写していません。その興味深い内面が映像化によって、多少は見渡せるかと期待していたのですが、やっぱり推し量れない。その意味でも、原作に忠実な映画化でした。 物語の後半、教師は担任するクラスの生徒の皆殺しに取り掛かる。その描写は派手好きの三池監督の腕の見せ所です。主人公は片っ端から殺しますが、殺人嗜好者ではありません。必要があるから殺す。バレないように殺す。人を殺すことに対する心の垣根の高さが10センチくらいです。その精神構造を、主人公が少年時代に殺した母親は「共感力の欠如」と形容していました。でも、例えば戦国時代の武将は「平和な世を作るため」にたくさん人を殺しています。目的を達成するために殺人も辞さないという意味では、英雄と評される歴史上の人物と同格ではないかと思います。後半は皆殺しアクションに目を奪われますが、彼の特殊なポテンシャルがテーマなのだと思います。江戸時代のあたりの時代劇で「世が戦国ならば英雄だった」という豪傑の話はよくありますが、この主人公もその類いでしょう。ただし、世が江戸ではなく平成なもので「英雄だった」では済まされない。 映画のエンディングに「to be continued」とのテロップが入りました。これは、主人公のその後が見たいという三池監督から原作者へのリクエストのようです。同感です。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 6点(2012-11-13 12:31:42) 1.《ネタバレ》 屋上でキスをする伊藤英明と女生徒の前景と、後景の校舎。 人影は映らないものの、間違いなく誰かに見られている、という感覚で シネスコ画面が効果的に活かされているが、 どちらかといえば広がりよりも、奥行きや深さを強調した画面が印象的だ。 (吹越満の乗る電車車両の揺れる悪夢的感覚。 廊下奥や教室奥の外光で薄暗く浮かび上がる伊藤の姿など) 一方で、AEDレコーダーや救助袋の伏線シークエンスなどは あたかも取ってつけたようで、 回収地点でかえって作り手の逆算が露呈し、大いに興ざめである。 これなら、余計な伏線など無いほうがよほど気が利いているし、 インパクトもあるだろうに。 回収のための伏線張り。それは単に観客に辻褄合わせの納得を促すだけで 何ら驚きをもたらさない。 ついでに、盗聴器を仄めかすコンセント口等のショットのくどい反復や、 伊藤の来歴のフラッシュバック。 これらの無駄を省いただけでも、 110分程度には引き締まったはずだろう。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-11-11 23:49:08)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS