みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
15.これは期待外れだった。なんというか、一つの活劇映画として、とてもリズム感が悪い気がした。例えるならティムバートンのバットマンのようなリズム感の悪さだ。それは脚本の為か、演出の為か?編集の為なのかその全てなのかは分からない。ただ特報や予告編を見たときに感じたワクワク感からは程遠く、「予告編の方が面白い映画」の典型になっており残念だ。上映時間2時間もないのだが、とても長く感じられた。 【rain on me】さん [映画館(邦画)] 4点(2022-05-19 09:41:56) 14.《ネタバレ》 庵野監督と同世代のやつしか共感出来ない部分はあるよこの映画。俺は庵野の世代だからわかる。 昭和40年頃にあったウルトラマンというテレビ番組は現代までおよそ50年の長きにわたり語り継がれてきた。月日の流れる間にウルトラマンというコンテンツはウルトラマンをウルトラマンたらしめる因子が抽出濃縮デフォルメされ、単なる子供向け怪獣映画とは異なる存在として現代まで生きて在り続けてきた。 このシン・ウルトラマンはそう、その現代に存在する人々のイメージ、もうセピア色に色褪せているはずなのに今も生き生きと身近に在るその姿を忠実に映像化したものと言えるだろう。 変にオリジナリティや改編を施すことなく、語り継がれ変化した現代の標準的イメージ、「おまえらこういうイメージだろ?」というポイントを突き詰めて制作したに違いない。 詳細を挙げればキリがなくなるが、 例えばゼットンは当時は普通に登場したカミキリムシの怪獣に過ぎず、しかし唐突にウルトラマンは負けてしまったのだ。ゼットンが強かったわけではなく何故か唐突にウルトラマンは敗け、井出隊員の作成した冗談みたいにチャチなペンシル爆弾であっさりやっつけたというのが正直なところであろう。しかし長い年月を経てゼットンはその本来の映像から変わっていき、ある意味神格化された存在にまで成り上がって今日がある。 この映画のゼットンはまさにその神格化された存在としての描写にこだわっていた。ゼットンと言えば今や”一兆度の火球”なのであるが、当時そんなスペックが注目されたことはなかったよ。映画では一兆度の火球という単語をきちんと投入していた。 現代のウルトラマン像はでは一体どうやって調査したのかと考えれば、それはやはり庵野だろうね。庵野氏の中にある今のウルトラマンを描いたんだろう。 彼と私で異なると感じたのは、ザラブ星人とメフィラス星人のキャラかな。そこはちょっと違うんじゃねって感じ。ザラブ、メフィラス出すならさ、あれよりもさ、そこはダダでしょ。ダダ。あとバルタン星人。 冒頭のウルトラQのゴメスあたりの導入はなかなか良かったよ、懐かしくて。 効果音も当時のものに似せてあったね。 俺はウルトラマンのリアルでテレビ見てた世代だからよーくわかってるんだけど、そういう世代じゃないとピンとはこないかもなあ。 ゴジラはもっと普遍的に全世代に親しまれていたわけだから映画評価はウルトラマンのほうが低めになるんだろうなあ。 【小鮒】さん [映画館(邦画)] 10点(2022-05-19 00:14:02) 13.ウルトラマンに対してあまり思入れはなく(再放送で少し観た記憶があるだけ)、懐かしさもない中で観ました。 暴れるだけの怪獣と心理戦や戦力を考えている外星人の差が激しすぎないか? 子供が見て楽しむ特撮TVの延長ではなく、大人が見て楽しむ映画なんだなぁと思った。まぁ、『シン・ゴジラ』を面白いと思った人にはお勧めするが、それ以外の人にはあまりお勧めできない。 【あきぴー@武蔵国】さん [映画館(邦画)] 6点(2022-05-18 16:07:14) 12.《ネタバレ》 『ウルトラマン』に関しては、初代、セブン、タロウを半分くらい視聴して、他はネットの聞きかじりとグレイトバトルの知識がある程度です。 初代の中でも印象的な回(怪獣)を圧縮・連結させたオムニバスチックに話が進み、全編を通してはウルトラマンの絶大な力に人類がドンドン依存(信奉)していくが、最後はしっかりと自分達の力で脅威に立ち向かうと言う、原作同様の着地を見せた。 特捜隊的な組織も特殊な装備を持っているわけではなく、たとえ持っていたとしても尺の都合で活躍させ難いだろうし、人類の非力さを強調するこのにもつながっている。 ただその結果、人類が戦うシーンが非常に少なくなっているのは残念。無論人間の非力さを演出する上で仕方の無いことだとは思うが、スペースゴジラやレギオン襲来等人類が精一杯戦う姿が好きな自分としてはいささか物足りなかった。 あと全体的なセリフ廻しや演出がゴジラ以上にアニメ調になっており、コレに関しては正直現実でアニメの台詞を引用するような『中二病』チックな会話を聞いているようでこっぱずかしかった。 ネットの一部で話題になっている長澤さんの尻とかに関しても、アニメで言うところの『乳揺れ』みたいなセクシャルな演出がしたかったのだと思うが、これも実写でやると実に寒かった。 戦闘シーンはそれなりに迫力はあったが、1戦1戦が短くワリとワンパターン且つあっさり終わってしまい物足りなく、又、上述したように人類がウルトラマンを援護したりしないので、『ウルトラマンがメイン敵と闘っている間、人類が頑張って別の怪獣を足止めするために奮闘する』みたいなシーンが欲しかった(それをやっちゃうとウルトラマンへの依存を演出出来ないというのは理解するけど)。 あとウルトラマンのCGに関しては変にテカテカ、ヌルヌルしていそうで、ぶっちゃけペプシマンっぽかった。 総評 悪いことばかり書いてしまったが、戦闘や会話パート等のバランスは良く最後まで飽きずに見れたし、最終決戦も『暴力』ではなく『知力』と言う人類の最も優れている『力』で立ち向かいつつウルトラマンとも力を合わせるのは非常に熱かった。 あくまで演出の所々が自分の趣向に合わなかったのと、そこまでウルトラマンが好きではないのが原因なだけなので、庵野さんと合う趣向を持ったウルトラマンファンであれば私にとってのシンゴジラ並に満足できると思う。 【ムラン】さん [映画館(邦画)] 6点(2022-05-17 22:49:21) 11.「シン・ゴジラ」が面白かったので、今回も期待して観に行きましたが、私には合いませんでした。 原作のエピソードをいくつかまとめた形で映画化しているのですが、詰め込み過ぎで消化不良を起こしています。矢継ぎ早に話が展開するので、一つ一つの話があっさりしすぎています。 期待していたのは、原作知らなくても楽しめる新しいヒーロー映画だったのですが、ノスタルジーまみれの別物でしたね。 世間の評価は上々で、劇場に来ていた親子連れも楽しめてた様子だったので、私が少数派なのかもしれません。 【おとばん】さん [映画館(邦画)] 5点(2022-05-17 17:03:48) 10.暇なので、2回ばかり観てきた。 んで、ネタバレは無しの方向で書いてみようと思う。 ――シン・ウルトラマン。 今回は「ネタバレ」じゃなく、逆に「お勧め」として評したい。 要はネタバレせずに、これを意識したら面白くなるんじゃないか?と。 なので、未見なら…是非読んで欲しい。 そして、あの男を「先入観抜き」で意識して欲しいのだ。 そう――ウルトラマンだ。 みんな名前は知ってる、もしくは知ってるつもりのウルトラマン。 彼は、神の如き力を持った超人と捉える人が多数だろう。 恐らくは、そういう評価を皆は持ってる。 だが、こう考えてみた。 彼を超人や神ではなく、一人の「人間」として考える。 苦痛も痛みも、孤独感もある…独りの人間として。 自らの任務よりも…人類の幸せを願っている、彼。 ただ、ただ、人間の世界を…その幸せを願っている。 神永新二を巻き込み、無念にも彼の命が奪われてしまった。 その悲しみもあり、人を知ろうとする。 任務でこの惑星に来たのに、今では人を理解しようとしている。 地球という名の異国でただ一人…孤独の中で。 彼は、身体を張って…人々のために戦う事を誓う。 だが、攻められれば傷つき、体力を消費し…疲弊する。 そんな中で、全身を満身創痍になりながらも戦い続ける…それがウルトラマンだ。 ――超人ではない。 あのハートは孤独な、たった一人の人間なのだ。 考えて欲しいんだ。 神永新二という男…いや、正確にはウルトラマンと一体化した神永新二を。 少しばかり人間らしくない性質の彼…あまり感情を表に出さない男だ。 故に、彼の想いが伝わり難いかも知れないが…彼ほど人間らしく、覚悟を持った男も居ない。 凄い格闘家だって、武道家だって殴られりゃ痛い。 格闘技の観戦をしてても対戦者の痛みは、およそ伝わってない。 そんな中でも、周囲に言いたい事を言われても、恐れずに戦いに赴く…それがファイターだ。 そして、ウルトラマンも、たった一人の孤独なファイター。 故に戦い続ける。 自分の想い…人の幸せと、この星の未来の為に…。 それが、ウルトラマンだ。 ウルトラマンは――戦う。 けど、悲しみもあるし…傷つきもする。 ただ…人の為に戦い続ける男。 それが、ウルトラマンだ。 誰か、彼の代わりに動けるか? それが出来ないなら刮目せよ。 そして、せめて応援してあげて欲しい。 たった独りの男の戦いを。 【映画の奴隷】さん [映画館(邦画)] 7点(2022-05-16 21:09:41) 9.《ネタバレ》 ウルトラマンに関しては全くの門外漢なので語るべきものはないのですが、特撮映画として自分はどうだったかといえば、まあ、怪獣プロレス的には楽しいと思えた半面、妙に説教臭くなる中盤以降からは「ほかでやってくれ」という印象のまま見終わってしまったので、いまいち作品世界に乗れませんでした。 まあそもそもそういう考えならば観るなって話なのですが。 【クリムゾン・キング】さん [映画館(邦画)] 6点(2022-05-16 03:12:56) 8.《ネタバレ》 約10ヶ月ぶり2度目観賞。「シン・仮面ライダー」公開に向けての復習。令和のウルトラマン映画。シン・ゴジラと同様に、クソマジメな雰囲気で巨大生物に相対するスタッフたち。巨大まさみちゃん出現、だけど有難くねえな。ゼットンもなんか違うよね。随所に散りばめられた昭和の特撮映像とオンガク。ストーリー性はないけどメガトンバトルは大迫力。コトバにこだわる山本耕史、何だかダニエル・クレイグに見えてきたぞ。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 6点(2022-05-15 05:48:32) 7.《ネタバレ》 公開初日に観賞。 【良かった所】 ・俳優の演技:私は平成以降ぐらいからの邦画の演出や演技が苦手で、恥ずかしくて(共感性羞恥ってやつ)劇場を出て行ってしまいたくなることがままあるのですが、シン・ゴジラにしろ、本作にしろ、そういうことが全然ありません(でもどちらかというとシン・ゴジラの方が気になるところは多かったかな)。長澤まさみさんは、例えば「コンフィデンスマンJP」なんて全然ダメなんですが、今回は凄く良かったですね。 ・オタクっぽいこだわり:私はウルトラセブンから本放送を観ている世代ですが、一番思い入れがあるのが「帰ってきたウルトラマン」で、初代ウルトラマンは再放送で何度も観ているにもかかわらず、それほどではありません。でも、「ああいうところからネタを持ってくるか!」という箇所がいくつもあり、そういうのって若い観客には全然響かないよなあと思いつつも嬉しくなってしまいました。 【悪かった所】 ・劇伴(BGM):過去のウルトラ作品から持ってきた曲以外は、エヴァで聴いたようなものばかりで、「またかよ・・・」と思ってしまいました。これは音楽担当の鷺巣詩郎氏の引き出しが少なすぎるのか、それとも庵野秀明氏や樋口監督の指示なのか? ・画面のチープさ:最後の闘いの後、ウルトラマンが別次元(?)へ飛ばされてしまうシーンはあまりのチープさにちょっと笑ってしまいました。過去のアニメ作でも、庵野さんは昔の特撮の雰囲気を再現しようとして、わざと表現をチープにしたらしいという話は聞いたことがあります。それが本当だったとしてもその狙いは観客に伝わっているとは言えず、「予算が無かったの?」とか「これがテクニックの限界?」としか思われないのではないでしょうか。本作の上映前に予告が流れた「シン・仮面ライダー」はまさに「チープさ全開」で作っているようで、物凄く不安です。 ・主題歌:この作品、どう見ても庵野さんや樋口さんと同世代の観客に向けて作ってるとしか思えないので、米津玄師の歌なんかよりも、それこそ「ウルトラマンの歌」を流すべきだったのでは、と思いました。シン・ゴジラのエンディングは感動で泣きたくなるような思いで最後まで見ていたのですが、本作では全然心が動きませんでした。 【その他】 ・ガボラの時に地上から現れたウルトラマンを浅見が見て「きれい・・・」とつぶやくシーン、長澤まさみの顔がなんか絵の具で塗りつぶしたようなのっぺりした質感だったんですが、何か意図的なものだったんだろうか?(他にも同様のシーンがあったと思います) 【さいごに】 ・私が観た回の観客は、いかにも「上映終了後に拍手をしそうな人たち」だったのですが、無かったですね。実は二度続けて観たのですが、やっぱりありませんでした。 【ebcdic_ascii】さん [映画館(邦画)] 8点(2022-05-15 00:51:23) 6.《ネタバレ》 『シン・ゴジラ』を受けてのモノなのだから、今作も映画的なコンセプトとゆーのは非常に明確で、コレもやはり一種の「現代訳(モダナイゼーション或いはオトナ化、ソコに加えての”庵野化”とでもゆーか)」が求められているトコロだと。でも、ゴジラは元々も映画作品で(背景となる世界観自体はまましっかりとつくり込まれたモノであったにせよ)お話としても非常にシンプルに「ゴジラを倒せば好い」ヤツだった、と。翻って、ウルトラマンてのは全部で40話近いテレビコンテンツなのだから、コッチは当然シン・ゴジラでやった作業に加えて高度に取捨選択・省略・整理整頓が必要になるワケだ…と。で基本、映画てのは内容がタップリなモノを(涙を呑んで)削ってつくった方が面白いモノにはなり易い、だから本作も(全然フツーに)面白く観れるのは間違い無いと思うのですよ。でもだから、個人的に観終わって一番強く感じたのは、結局ただただ「色々ともっとチャンと観たいな~(2時間の単発映画には勿体無いな~ or 1クールの1時間ドラマでおんなじ様なコト出来たりしねーのかな~)」というコトだったのですよね。重ねて、今作に用いられたオリジナル題材の取り合わせ・物語の(超・テキパキとした)運び方自体・或いはその「現代訳」にあたって新たに持ち込まれた種々のアイデアのクオリティ、に関してはほぼほぼ不満などは無いのです(=2時間の映画としては非常に好く出来ていたな、と)。ただコレも重ねて、もう少しボリューミーな別のコンテンツとして(クオリティそのままに)出てきてくれた方が個人的には当然に嬉しかっただろーな…というコトなだけであって(実現可能性は度外視するとしても)。 再度、フツーにかなり面白い映画だったとは明言しておきます、が、とは言え二点ほど、前半はともかく後半はほぼ(ウルトラマン本人も含めた)「外星人」絡みの話ばっかになってしまっていて、コレはむしろ『セブン』の方に空気感としては近いんじゃねーか?とも思いましたかね(=もう少しだけ単純な怪獣バトルの方も観たかったかな、と)。あとは純粋に映画として、個人的にココまで「間」とか「余韻」の少ないヤツはやや苦手なのですよね。そこら辺を含めてこの評価で。 【Yuki2Invy】さん [映画館(邦画)] 7点(2022-05-15 00:47:34) 5.まず個人的な立ち位置から言うと、僕自身はいわゆる「ウルトラマン世代」ではなくて、再放送やソフトも含めてちゃんと「ウルトラマン」を観た記憶は殆どない。 特撮映画は大好きであり、ゴジラシリーズを始めとする東宝特撮映画は殆ど鑑賞してきたし、樋口真嗣が特撮監督を勤め上げた平成ガメラシリーズ(特に「G2」)も“崇拝レベル”で何度も観ている。 そんな趣向の者が、「ウルトラマン」に触れてこなかったというのは、自分自身不思議に思う。 本作「シン・ウルトラマン」の公開に先立ち、ベースとなる「ウルトラQ」や初代「ウルトラマン」のTVシリーズで“勉強”しておこうかとも思ったが、門外漢であるならば門外漢なりの楽しみ方もあるだろうと思い、予習なしで“ウルトラマンデビュー”してみることにした。 鑑賞後率直に思った感想は、良い意味でも悪い意味でも“ぶっ飛んだ”映画だったな、ということ。 それは「空想特撮映画」とこれ見よがしに掲げるこの作品の性質に相応しい、とは思った。 ただ、それと同時に、「これは映画として成功しているのか?」と、疑問とモヤモヤも存在していることに気づいた。 鑑賞から一夜明けて一個人として定まった結論は、「失敗作」だった。 決して駄作だとは言わないし、興味深い要素やユニークな表現も溢れた作品だったとは思うけれど、この映画がたどり着くべき姿はコレではなかったんじゃないかと思う。 前述の通り僕自身はウルトラマン世代ではなく、オリジナルシリーズもまともに観ていないので正確なことは言えないけれど、おそらくは「ウルトラマン愛」が各シーン、各描写、各台詞に散りばめられた作品なのだろう。 YouTubeの解説動画で聞きかじった限りでは、ストーリー展開においても、オリジナルシリーズの人気エピソードを軸にして構成されており、それらを未鑑賞の者としても、随所にオマージュやリスペクトが溢れているのであろうことは感じられた。 だが、それ以上の驚きやそれに伴うエモーショナルが感じられなかったというのが正直なところ。 この映画に携わった一流クリエイターたちにとっての“バイブル”とも言える「ウルトラマン」に対する尊敬と憧れ、あまりにも大きな「愛」が溢れ出る一方で、今この時代に「再誕」させるに当たってのテーマ性や価値を追求しきれていないように感じてしまった。 雑な言い方をしてしまえば、それはやはりやや一方的過ぎる「懐古主義」であり、僕のような門外漢や、今この時代の子どもたちにとっては“楽しみづらいモノ”になってしまっていると思える。 また、冒頭のタイトルクレジットでも表現されている通り、本作は「シン・ゴジラ」の同じ世界線ではないものの、一つの並行世界が舞台になっていると思われ、登場するキャラクターや日本政府、社会環境など類似する要素が多い。 それ故にどうしても比較をしてしまうが、本作は圧倒的に予算不足が露呈している。 それは、脇役・端役を含めた出演者数や場面数の少なさからも明らかだが、一番問題なのは、そのことが“映画づくり”そのもののクオリティ低下に繋がってしまっていることだろう。 ドラマシーンのカメラワークが一辺倒だったり、意図的にiPhoneで撮影されたカットが単にチープな映像に見えてしまっているなど、予算の少なさが「丁寧さ」の低減に影響してしまっていることは致命的だ。 予算がないならそれなりに映像作品としてのあり方自体を見直すべきだったのではないかと思う。 過去作のエピソードを連ねて一つの映画としてやや強引にストーリー展開をするくらいなら、オリジナルと同様にドラマシリーズでも良かったのではないか。 それこそ、NetflixやAmazon Prime等で、全6話くらいの構成の配信作品にした方が、潤沢な制作費も得られやすく、より尖った作品に仕上がっていたのではないかと、映画ファンとしては邪な思いも生まれてしまう。 一説によると、「監督」として現場を取り仕切った樋口真嗣と、「総監修」として作品全体の指揮権を持った庵野秀明との間で、「責任」のバランスが取れていなかったのではないかとも聞く。 両者ともバイブル「ウルトラマン」に対する「愛」は強く揺るがないものだったはずだ。それ故に、その表現方法において乖離も生じてしまったのだろう。 「愛」を語るに当たって、やっぱり人任せにしてはいけないし、少しでも思いが離れてしまったその表現は、ちゃんと伝わることはないなと思う。 少なくとも、僕にとっては、ウルトラマンの一連の活躍や、身を挺して孤軍奮闘する長澤まさみよりも、「赤坂さん(仮名)」の登場が最たる激アツポイントだった時点で、「シン・ゴジラ」に遠く及ばない作品であったことは間違いない。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 5点(2022-05-15 00:31:03) 4.《ネタバレ》 「きーたぞ、われらーの、ウルトラマーン」で育った世代としましては、まさに、我らのウルトラマンがいかにして我らのウルトラマンになったかをしっかり描いてくれた作品で、ますますウルトラマンを大好きになってしまいました。 とても良かったです。また観に行くかと思います。 ただ、倫理的にそれはいかがなものか的指摘がネット上でいろいろされてて、それは、まあ私もちょっとどうかと思わなくもなかったですが、人の愚かさを描く意味もあったかと思われてギリギリアウトな部分はいちおう避けてたかなというのと、TV版でなくて映画なので大人向けの異星人交流エンタメ的エロティシズムかなあ、と思う所もあり、私的には許容範囲だけどちょっとアウト気味か、ぐらいの感触でした。 倫理的にアウトについては、シンゴジラでも、徹夜で頑張るのを称揚する場面があって、今、教員や霞が関の就業状況で大問題になっている、ブラック企業的スタンスが私自身は非常に問題と思ってたのですが、結局アニメ/映画業界の人って、ちょっと世間のモラルから踏み外した感覚の人が割と良くいると想像されて(つい先日出た某監督のセクハラの問題もいまだ解決しておらず)、その辺の非人道的感覚が制御しきれず漏れ出てくる部分が毎作ちょっとずつあるかなあと。 シン・ゴジラ→ブラック企業体質 今回→セクハラの許容範囲 という感じに、相変わらず変わってねえなあ、という感想。 あと、ゼットンとの初戦が超すごくてゲラゲラ笑いながら観られたんですけど(いいぞ、もっとやれ!)、最終決戦のところが結局何がどうなったんかわかりづらくカタルシスも得難かったので(変身ポーズには超上がった!)、次回以降の視聴で確認してみたいところです。 パンフレット/設定資料もぜひ購入したいのですが、売り切れみたいな話もあって、どうなりますやら。 そんなところで。 【sim】さん [映画館(邦画)] 8点(2022-05-14 23:39:53) 3.《ネタバレ》 光の国からの超人が大、大、大好きで、 史上最高に近い期待感を持って、初日に観ました。 もう、死ぬかと思うほど待って、待って、やっと観れました。 TOHOシネマズなんばスクリーン2:IMAX(画角は全編普通のシネマスコープサイズ)。 老人25%、中年60%、若者15%くらいの割合で満席でした。 結論。 最高に面白かったです。 こんなに血湧き肉躍りながら楽しんだのは久しぶりです。 本当に長いこと待った甲斐がありました。 このくらい頑張って作っていただいたら、大満足です。 ありがとうございました。 まず、オープニングのタイトルの出方ですでに泣きそうになりました。 そして、それに続くTVシリーズ前作の有効的転用と怒涛の圧縮展開。 あっと言う間に懐かしさと幸福感で満たされました。 心の中で拳をにぎりしめ、「よっしゃー、許す!」と叫びました。 タイトルロールが登場。その佇まいの美しさにまいりました。 2つの対象と対戦するときの動きがカッコよくて、TVと同じBGMも 相まって、ついに泣きました。 小学生のとき、白黒TVで見てたときの興奮が蘇りました。 このシーンだけでも観た甲斐があったというもんです。 また、オリジナルへのオマージュの数々がどれも好きです。 ただ、役者さんたちの演技に?マークがつく点が残念でした。 <不合格>(ご本人及び関係者の方々、どうぞお許しください) ・専従組織の非粒子物理学者 ・専従組織の汎用生物学者 ・専従組織の分析官(ぎりぎり不合格) ・専従組織の班長(ぎりぎり不合格) ※演技しました感が拭えませんでした、すいません <合格よ、chu!> ・専従組織の室長(この人はうまい) ・外星人第0号 ・専従組織の作戦立案担当官 ・サプライズ出演の政府要人 あと、CGが微妙でした。 予告動画のとき、CGがチープだという指摘に 監督さんは、デジタル処理過程でデコードがうまくいかなかったのかな、 本編ではそんなことはない、などとおっしゃていた気がしますが、 本編でもやはり予告と同じようにヌメーッとしてて、ソフビ感としていました。 TV放映のときのぬいぐるみ感とか、手作り感を出すためにわざとチープなCGにしたんでしょうか。 冒頭の、TVシリーズ前作の転用のときはCGの質感が現実っぽかったように思います。 そのクオリティで統一してやってほしかったです。 でも、それもこれも作品総体の素晴らしさの前には、重箱の隅をつつくような所業です。 その素晴らしさは、ぜひ、銀幕でご自身の目でお確かめください。 映画って、本当にいいもんですね。 また、ご一緒に楽しんでまいりましょう。 【大通り・ヘップバーン】さん [映画館(邦画)] 10点(2022-05-14 16:26:29) 2.《ネタバレ》 シン・ゴジラに続くシン・特撮シリーズ第2弾。初代ウルトラマンを現代的に解釈しアレンジした作品となっている。例えば、ウルトラマンの存在が各国の政治・軍事に与える影響を描いているのはTV版にはない視点だ。さらに、この映画では初代ウルトラマンに対するオマージュが随所で見られる。それを見つけるのも楽しい。初代ウルトラマンを見たことがなくても充分楽しめるが、時間に余裕があるなら初代ウルトラマンを全話見てからこの映画を見るとより楽しめることは間違いない。また、登場する怪獣や宇宙人もより現代的なデザインとなっている。特にウルトラマン含む宇宙人の体型はかなりほっそりしている。着ぐるみではなくなったためと思われるが、もしかすると成田亨氏の当時のデザインがそうだったのかもしれない。 私はシン・ゴジラには9点を付けたが本作は8点とした。それはシン・ゴジラを見たときに感じた、映像に対する衝撃をあまり感じなかったからだ。それは私がシン・ゴジラ(レベル)のVFXを見慣れたからだと思う。これは必ずしも悪い事ではなく、日本映画のVFXの質が向上・安定したという点で良いことなのではないだろうか。 【MASS】さん [映画館(邦画)] 8点(2022-05-13 16:17:54) 1.《ネタバレ》 「シン・ゴジラ」にはリアリティがあった。そこで未確認の巨大生物が暴れ、人々の悲鳴や破壊された悲惨さがあった。でもこの「シン・ウルトラマン」からはそれらが伝わってこなかった。都心から離れた簡素な場所ならいざしれず、高層ビルが立ち並ぶ都会のど真ん中で、あれだけの巨体同士、ウルトラマンとザラブが格闘したにも関わらず、なんか大したことなかったみたくなってた。破壊されたビルの中には人々だっていたはずなんだよな~。それとやはりどうしても怪獣(あえてこの表記で)やウルトラマンのCGがテカテカ綺麗すぎて、そこに存在している、実在しているっていう実感が湧きづらかったし、バトルにしてもなんかゲームみたいで感情移入しづらかった。感情移入しづらかったのはこの作品全体にも言えます。とにかくやたらと理屈をこね回して謳い文句の「空想と浪漫」の「浪漫」は何処へやらです。今時らしさや庵野流とはいえ、もうちょっとハラハラドキドキするような、童心に返れるような「浪漫」があってもいいんじゃないかな。これじゃあ「哲学と崇高さ」だよ。 そもそも「ウルトラマン」はその世界観があまりにも馴染みすぎてしまってるせいで、「初代ウルトラマン」をそのままベースにしてそれをアレンジをするっていうのは無理があったような気もする。ネロンガやザラブやメイフィラスなどを登場させてもそこまでオリジナルからかけ離れたわけでもなかったし、どうせなら「初代ウルトラマン」とは完全に切り離して作ったほうが良かったのかも。デザインや名前等を含めて。そのほうが「庵野流ウルトラマン」として好き勝手やっても、すんなりと受け止められたかもしれない。もちろんみんなが勝手知ったる「ウルトラマン」を料理することが大前提だったのかもしれない。それこそが「シン」たるゆえんなのかもしれない。でもね、さっきも言ったように馴染みすぎちゃってるんですよ、ウルトラマンが。どうしてもなんか違うてなってしまうんです。世代じゃない人や一度も見たことない人には新鮮に観られかもしれないけど、幼少期にドップリと「ウルトラマン」が染みついてしまった私には、モヤモヤが残る結果となってしまいました。もっと単純明快に楽しみたかったな~。 あ!それと人間体の時のウルトラマン、つまり神永はどういった能力、力があるのだろうか。ザラブに捕まって拘束されてたけど、あれを外すことは出来なかったみたいだし、元々の神永の身体能力だけなのかな?その辺も軽くでいいから説明があればと思えた。だって救出に来た浅見がいとも簡単に解除してたから。なにか特殊な装置かと思ってたから外した時はへ!?てなっちゃった。ザラブは人類よりも高度な文明お持ちじゃなかったのかって。ネットや解説本などで知るよりちゃんと劇中内で完結して欲しいんですよね。取り立てて騒ぐことでもないのかもしれないけれど、リアリティにこだわった作風だからこそ気になちゃって。 辛口ばかりでなく、良かったところもいくつか挙げてみたいと思います。 「ウルトラQ」へのオマージュがあったのには感動しちゃった。オープニングでおお!てなり、ゴメス!マンモスフラワー!ペギラ!で、おおおお!!てなった。あれはズルいよ~ 長澤まさみさんの巨大化はそうきたかー!てなった。あれは予想できなかったし、まさかの所からパンチが飛んできた感じでやられちゃいましたね。 限られた上映時間の中でウルトラマンの登場から退場までを描ききったのはお見事でした。 さんざん文句を言ってきたけれど、時間が経って改めて見直してみたらまた違った感想を抱くかも。でもやっぱり初見での感想も大事にしたいので、この文章は改善しないつもりです。 【Dream kerokero】さん [映画館(邦画)] 6点(2022-05-13 15:04:12)
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