みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
84.「狂おしい」 ストーリーそのものは、とても古風でオーソドックスに見えるけれど、過去の宮崎駿作品のどれよりも、もっとも“狂おしい”までの感情に埋め尽くされた映画だと思った。 映画世界に対峙し、己の理屈においては明確な拒否感を感じている筈なのに、涙が溢れて止まらない。こんな映画は初めてかもしれない。 その“拒否感”の大部分は、「主人公」に向けられたものだったと思う。 この映画の主人公は、善人で、優秀な好青年である。 ただし、同時に「変人」であることも揺るがない事実だ。 堀越二郎と堀辰雄、実在した二人の人間に「敬意を込めて」と謳っているが、この映画で描かれる主人公の姿は、明らかに宮崎駿自身の投影であり、その「変人」ぶりにそのすべてが表れていると思う。 そういう意味では、この映画が過去作のどれよりも宮崎駿にとってパーソナルな作品であることも確かであり、それ故の“狂おしさ”なのだとも思える。 主人公の言動を理解し難い面は多く、主人公は世の中のすべての人から非難されてもおかしくはない。 しかし、主人公自身が自分を呪ったとしても、彼が愛したヒロインだけはどこまでも彼を守り愛し抜くだろう。 ならばそれがすべてだ。 余命幾ばくも無い病床の妻を囲い仕事に没頭する主人公も、養生を放棄し命を縮めても夫のもとで過ごしたヒロインも、その姿には、少し狂気じみたものを感じる。 彼らは二人の間に確実にあるはずの“障壁”なんて何もないように、繰り返しキスをして、そして愛を営む。 この「幸福」は二人だけのもの、そしてこの「悲哀」も二人だけのもの。 そこには、“観客”も含めて、周囲の他人が入り込む余地は全くなかった。 その二人の姿は、あまりに独善的で、歯がゆいけれど、何よりも美しく、涙が溢れた。 そう、この映画の主人公、そして宮崎駿自身が追い求めたのは、“美しさ”以外の何ものでもない。 誰に理解されなくとも、自分自身にとっての「美」を最後の最後まで追い求める。 この映画は、そういう“彼ら”の生き方における「覚悟」を描いた作品だと思った。 「ほかの人にはわからない あまりにも若すぎたと ただ思うだけ けれどしあわせ」 あまりにもはまり過ぎている荒井由美の「ひこうき雲」が延々と頭の中をめぐる。 映画館を出た。真夏の太陽が眩しかった。 空の青は、少し、“狂気的”に見えた。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-12-17 23:58:35)(良:7票) 83.相変わらず、の宮崎映画。それ以上でも以下でも・・・。既視感ばかりが漂い、感動には結びつかない。戦争のとらえ方、喫煙シーン、声優の稚拙さなどに話題が集まった感がありますが、私はそれらにはとりたてて反論はありません。単に、つまんない映画だったなあ。それだけ。 【おばちゃん】さん [映画館(邦画)] 5点(2013-11-15 22:16:45) 82.《ネタバレ》 やはり宮崎駿監督の力量に感服。絵が美しい。構図が美しい。昭和のレトロな世界が暖かい木のぬくもりを感じさせます。なつかしい駄菓子屋に入ったような、そんな雰囲気が一杯です。関東大震災、大不況、戦争への道のりのなか、貧しい国、日本の少年!頑張っていますね。マイナスは、あのたばこ。たしかにたばこの吸い過ぎです。肺病の妻の前でのsmokingはいかん。そして結果としてのゼロ戦。美しいこの飛行機は、たくさんの命を奪いました。敵も味方も。ちょっと複雑な心境です。それにしても、最後のユーミンの歌。ぜったいに挿入歌として合わないだろうと思っていたら、いやいやどうして、あの奥さんの命と彼の飛行機への情熱が込められていて、ぴったりでした。お見事、これにも感服です。♪あの娘の~いのちはー ひこーきぐーも♫ 【杜子春】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-10-17 16:02:40) 81.《ネタバレ》 やっぱ「絵」は美しいわ~。さすがジブリ、さすが宮崎駿、圧倒的だ。主人公の棒読みも最初はかなり気になったが、後半は超エリート街道まっしぐらの変わり者(たぶんきっと)天才エンジニアはきっとこうだろう的自己補正(笑)が働いて気にならなくなりましたね。声で出演の方々もお見事な仕事っぷりで、2時間越えの時間を全く飽きさせない感動的で上手い構成は、酸いも甘いも経験したジブリの底力を実感しました。もぅけなげな菜穂子との結婚の儀はつつましくも大変美しく日本を感じさせてもらいました。エンディングも「ひこうき雲」の奇跡的なマッチングが大変感動的で素晴らしい!このての展開はベタだなぁと思いつつも今考えてもウルウルしちゃうよね(苦笑)。。。。とここまでは良かった点だが、、、実在の人物である堀越二郎を描いている「はず」なのに、堀辰雄の小説の内容とミックスしているという…何とも変なお話。あとで調べてみておおいに感動に水を差されてしまった気分なんです(調べなきゃ良かった)。なーんだ、宮崎駿監督のいわば勝手にいいとこどり脚本なの?というのが正直な今の気持ちです。でもなぁ、なんだかんだ言って日本のアニメを強力に引っ張ってきた第一人者であることは間違いありませんし、日本の、いや、世界のアニメ界に多大な影響と功労がある人だもんなぁ、やっぱすごい人だよ。本作での引退は残念ですが、長い間お疲れ様でございました。でも復活したくなったらいつでもいいですよ、私たちは待っていますから。 【Kaname】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-10-16 13:29:57) 80.《ネタバレ》 退屈で感情の欠片もない画が延々と続く。台詞は棒読みの見本のように右から左へと流れる。結核を患っているとは到底思えぬ、明るく健康的なヒロインが唐突に登場する。平成生まれの現代っ子よりもモダンだ。美しい飛行機とは程遠いカプロー二の飛行機がこれでもかと飛んでくる。そして、主人公たちにより、サバの骨にヒントを得たぼってりした爆撃機が作られていく。せめて鳥の骨じゃないのか?飛ぶんだから。だめだこりゃ。しかし、もうすぐ終わりだと誰もが諦めの境地になった途端、最後に、奇跡のような画面が登場する。何と、あのゼロが編隊で飛んでくるのだ。とにかく美しい。贅肉を一切取り払い、無駄を全て削った、当時世界最高の完璧な戦闘機が我々の目の前を通り過ぎる。そうか、監督はこの最後の一場面のために、延々と醜い画面をつなげたのか。ブ○○クな女達を何十人、何百人と見続けたあとに、最後に、最高の美女を見たような気分だ。感動は何倍にも膨れ上がるよ。シンプルだが最高の演出だ。 【パセリセージ】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-10-08 22:44:12) 79.《ネタバレ》 この映画の試写で宮崎監督は涙し引退を決意したという。「風立ちぬ」は、これまでの活劇やその時々の考えを映像化してきた宮崎監督が撮った最初で最後の極私的作品だと思います。 人間なんて矛盾に満ちたいきもので、褒めそやされる宮崎監督だって勿論そう。その"矛盾だらけの生き方"をありのままにさらけ出し、「(それでも)生きねば」と肯定している。 彼女が肺病やみなのに、隣で煙草を吸う、その彼女もキスしたら伝染してしまうかもしれないのにキスをせがむ。大好きだから一緒にいたいのに仕事が楽しくて逢いにもいかない。療養所で治さないといけないのに、逢いたいから抜けだす。お腹の空いた子供に施しをする一方で、性能のいい飛行機を作る欲望に勝てず若者を死地に送る手助けをしてしまう…。 宮崎監督も戦争は嫌いだといいつつ戦闘機を始め軍用兵器が大好き。そういった矛盾する自分を肯定し作品として発表してしまったら、もう何を作っても一面的な描き方しかできない。そういう意味で今回の引退宣言は至極当然かもと思いました。 庵野秀明の声もアニメ声でない、ある意味作品に花を添えるものではなく、これもまた自分勝手な(自分を変えられない)声。アニメ声に慣れたアニメ好きのファンには、容認しがたいものでしょうが、主人公の自分勝手さを表現するのにこれほど適した声はないと思います。 ただ、そんな極私的感情の発露的な映画が万人に受ける訳もなく、賛否両論なのは当然の事。だれも自分の生き方を矛盾したものなどと思いたくないし。 それでもあえてこの作品を発表した宮崎監督は改めてすごいと思うし、それを決断させた鈴木プロデューサーの手腕は更にすごいと思いました。 観客を想定しない、裸の宮崎駿そのものがこの作品に描かれている、そう感じました。 【hee】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-09-28 08:36:51) 78.庵野の声のように、どこまでも平板なアニメだった。どこにも盛り上がりというものがなく、心に残るシーンの1つもなかった。登場人物は表情に乏しく、退屈でたまらなかった。やっと登場したゼロ戦も、どこかデフォルメされ、翼を妙に引き伸ばされ、全然、美しくなかった。人が声で真似たエンジン音や風切り音も、わざとらしく、また本当の音とは違っていた。世間では宮崎駿は飛行機好きということになっているが、彼は実際の飛行機には関心がないのだと思う。それにしても、こんなので金をとるなんて、酷すぎる。 【駆けてゆく雲】さん [映画館(邦画)] 0点(2013-09-27 15:34:06)(良:2票) 77.《ネタバレ》 ゼロ戦・飛行機の創造に魅入られた”天才肌の欠陥人間(分野は違えどまさに宮崎駿!まさに庵野秀明!)”と、そんな男を愛してしまったけなげな女の物語。 飛行機は美しい。堀越ニ郎は美しいものを見ていたい。美しいものだけを。 飛行機と同じように彼は「美しい」から菜穂子を愛した。だが、(あるいはだからこそ?) サナトリウムで美しさを失っていく菜穂子を見舞うより、彼は美しい飛行機の創造を優先してしまった。 それでも彼を愛し、ついに山を下りて、自分がまだ美しくいられる最後の日々を 二郎とともに過ごし、そして死期を悟って一人去っていく菜穂子の姿はひたすら悲しい。 最後に菜穂子は死ぬが、同時に失敗続きだった二郎の実験機は劇中初めて成功する。 ゼロ戦はついに子を持つことがなかった二郎・菜穂子夫婦の愛の結晶のメタファーだったのかな? 【大鉄人28号】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-09-26 09:28:39)(良:2票) 76.《ネタバレ》 巨匠は“画力”が凄い。飛行機が生物のように息づく。関東大震災の地震の迫力、逃げ惑う群集の緻密さ、雲の描きわけ、背景の草原の草や流れる水も生き生きとしていた。ゴッホの絵画を観るような生命の躍動を覚え、夕日を眺めているような懐かしさも覚えた。画だけでも観る価値がある。世界に誇れるアニメだ。あえて苦言を。堀越二郎の物語だから、ゼロ戦の完成で終点だろうと予想していたが、九試の完成で終ってしまった。ゼロ戦登場はラストの残骸と夢想の編隊のみだ。堀越氏の最も苦労した太平洋戦争時代を飛ばしたのは、「戦争と人間」という主題を避けたかったからだろう。「美しいもの=飛行機」の夢を追い求めると、戦争兵器の設計に関わざるとえなかったという苦悶は感じられない。二郎の人物像の掘り下げが不十分で、生身の人間として映らない。積極的に行動することは少なく、本質的に受け身なのだ。仕事は与えられたものを文句もいわず淡々とこなし、対人関係で問題を起こさない。性悪な人も登場しない。恋愛も受け身だ。菜穂子の女中を助けたあとは、偶然の再会、菜穂子から告白、菜穂子が病院を抜け出し、押しかけ結婚、菜穂子去ってゆく。「美しい姿だけ見せたかった」というが、恋人同士ならまだしも、夫婦間でそんな美学はありえないだろう。本音で語り合い、共に苦労し、助け合ってこそ真の夫婦である。又「愛と死」が主題なのに「死」を描かなかった。特攻によるパイロットの死、妻の死、大空襲、無数の戦没者。戦闘機と死は切っても切れない関係だ。死を描かずに戦闘機の設計者の人生を描くのは不可能だ。残念ながら、底の浅い人物描写でしかない。主人公の愛、苦悩、喜び、怒り、憎しみ、悲しみが感じられてこそ、心の糧となり、感動があり、人間は素晴らしいと思えるのだ。二郎は戦争、妻の死を経ても成長していないと思う。それは妄想の中での師匠との軽い対話でもわかる。「君は生きねばならん。その前に、寄っていかないか?良いワインがあるんだ」日本の敗戦をこれほど軽く描いた例は稀有だ。意味ありげに特高や反ナチのドイツ人が登場したりするが、本筋とは無関係。一本、筋の通った筋書が出来ず、どこを終点にしようか、迷った跡がある。風の使い方は良かった。風で飛んだ二郎の帽子を菜穂子が掴み、風で飛んだ菜穂子のパラソルを二郎が押さえる。愛も戦争も風のように過ぎて行った。けれど生きてゆこう、夢の翼に乗って。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-09-25 22:26:41) 75.《ネタバレ》 理想を追おうとしつつも、実はほとんどの人間が目の前のことをやっつけて生きていくしかないことは、技術者の端くれである自分もよくわかっている。自分のしていることの善し悪しなんて結局わからないが、それでも「生きねば」。劇中では、主人公がそれに対峙するのはラストシーンの「でもだれも帰ってきませんでした」の一言のみ。ここにすべてが凝縮されていると感じました。簡潔で素晴らしい半面、もう少しこのあたりの葛藤を描いてくれてもよいかなと思いました。 【Northwood】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-09-19 06:28:06) 74.《ネタバレ》 庵野が棒読み過ぎて泣けます。こんなことしてる暇あったら、本業をしっかりやってくれよ・・と思ったのは私だけではないと思います。タバコのシーンも不快感しかありませんでした。結核の人の隣で普通タバコ吸うか?アホか・・。でも関東大震災のシーンは圧巻。スゴイの一言です。駿の最後の作品ってことで甘目に7点献上。 【ゆみっきぃ♪】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-09-18 02:55:03) 73.《ネタバレ》 相変わらず表現力は最高。地震や自然・背景、そして何より風の表現が素晴らしかった。内容については、飛行機・堀辰雄等に興味のない人には何の事やら。“飛行機の設計があるから君のことは構ってられないよ”的な発言をしておいて“愛してる”と云われても・・・恋愛映画としては完全に破綻。設計の話についても興味のない人にとっては“ふ~ん”程度の内容。一体何が『生きねば』なのか?ストーリーテラーとしての宮崎監督は枯渇してしまったのだろうか。あと、監督が声優嫌いなのはよく判ったから、せめて演技の出来る人を使って下さい。お金を払ってとても演技とは云えない素人のぼそぼそ声を延々聴かされるのは二度とご免です。 【ふじも】さん [映画館(邦画)] 5点(2013-09-17 12:23:41)(良:1票) 72.《ネタバレ》 恋愛映画として傑作。 人生観を考えさせる映画として秀逸。但し、未来に向けてでは無く、今まで数十年生きてきた大人に、それぞれにおいて間違えでなかったんだよと教えてくれる映画。子供たちには不向きだと思う。難しいと思う。でも、周囲に居たうるさそうな子供たちが、映画の最中に行儀が良かったのは何かひきつけるものがあったのか?映画について賛否を論じる必要は無いかと。過去の宮崎作品から見ても、(夢として描くことで)ファンタジーから離れて、実人間界での生き様で描いた。宮崎氏自身に照らし合わせて。唸るように攻めてくる地震、怖い、その震災に対しての頑張ろう日本!にも通ずる。美しい愛を再認識させてくれてありがとう、夢と希望を描くキャンバスが戦争兵器しかなかったという罪を教えてくれてありがとう、その罰は何!?が残るのだけれども、涙するほどの感動をありがとう。 【お好み焼きは広島風】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-09-16 19:20:29) 71.《ネタバレ》 二郎は自己中心的で、美しいものにしか興味のない薄情者。実は二郎は自分の美しさにしか興味はない、ということを手紙の内容で悟った時の菜穂子の表情、彼女の決死の名古屋行き、二郎を支え、死ぬ間際に二郎のもとから去った菜穂子の人生は、僕の心を激しく揺さぶりました。これほど悲しい事はあるでしょうか?思い続けた男がこんな奴だったとは…でも、嫌いになれない気持ち。想像するだけで辛く、涙が出てきます。 一方、超がつくほどの秀才で、自信家で、薄情者で、美しいヒコーキをつくることに全力を注いだ二郎は、挫折の果てに見た夢で、妻・菜穂子に「生きて…」と語らせます。どれだけの苦悩・自殺欲が二郎を苦しめていたのか、想像もつきません。途方も無いものだったと思います。子供の頃から思い描き、人生のすべてを捧げた美しいヒコーキ作りは、多くの命を犠牲にしてしまいました。これまで戦争なんて関係ない、これは自分の夢だから、と無邪気にヒコーキを設計してきた彼に叩きつけられた最悪の現実。これを消化するためには、夢で菜穂子になぐさめてもらう他に、解決策はなかったのでしょう。当然、最後を見とれなかった妻への後悔・懺悔もあって、あのような夢を見たのだと思います。 ようやくヒコーキの呪われた運命と現実を知った二郎は、カプローニに認められ、共にワインを飲みます。この直前に映画はエンドロールに入りますが、二人が飲んだワインはきっと赤ワインだったのではと思います。同じ夢を描き、夢のなかで友情を育んできた二人。アキレスが亀に追いついたのが戦後だなんて、悲しくも美しい話です。 この作品が宮崎駿の引退作になるわけですが、これほど引退作にふさわしい映画はないのではないでしょうか。これまで兵器の美しさをこれでもかというくらいに映し出しながらも戦争反対の姿勢を貫いた宮崎駿が出した結論が、この映画なのですから。僕のオールタイムベスト映画です。 【カニばさみ】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-09-15 12:43:59)(良:1票) 70.夢のシーンがとても良かった。夢がはちきれるほどたくさんあった若いときを思い出しました。笑 【ギニュー隊長★】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-09-14 23:57:56) 69.《ネタバレ》 「紅の豚」と同じく、宮崎監督が作りたくて作った映画というのは分かりました。ただ、堀越二郎に堀辰雄のストーリーを無理矢理重ねたためか、話もかみ合っていないし、主人公が魅力的でもありません。筋も、淡々と飛行機設計を続けるだけで、病気の妻も完全なる脇役。やたらと喫煙シーンばかり(実際、昔の喫煙者はあんなものだと思いますが、あれだけ強調されると何か意味があるのかと思いきや、何の意味もありませんでした)。何より、主人公以下多くの人物の、声の演技が下手すぎて聞いていられません。宮崎監督の作品は長年見てきましたが、正直こんな作品が引退作になってしまうのは残念ですね(今までも何度も引退表明してきましたが、今度は本当なんでしょうか?)。鈴木プロデューサーが一緒に引退する訳ではなさそうなので、今後もジブリは話題先行のキャスティングを続けるのでしょうか…11月の高畑監督「かぐや姫の物語」もどうなることやら? 【蛇蟇斎狐狸窟】さん [映画館(邦画)] 5点(2013-09-14 20:08:42) 68.まず主人公の魅力が乏しいという、その時点で作品に入り込めませんでした。 設計者であり、いわゆる「飛行機おたく」ゆえにあれが個性といえば個性なのだと思いますが、少なくとも魅力は感じませんでした。 また、ストーリーが淡々と進んでいき、印象的なシーンに欠けたと思います。 冒険はせず幅広い層が楽しめる安心感ある作品といったところではないでしょうか。実際、館内は年配の方がかなり多かったです。 とてもいい雰囲気の作品ではありましたが、宮崎監督の引退作としては物足りなかったです。 興業成績は上々のようですが、引退宣言含め多分にPR効果によるところが大きいと思いました。 見終えたあとは、「最後の作品がこんな感じでいいのか?」という思いと、「ここまでしかできないから引退なのか?」という思いの両方が頭によぎりました。 【午の若丸】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-09-12 09:38:00)(良:2票) 67.結局宮崎駿という人は“人間を描けない作家”だという印象をまざまざと残した作品。見た目が派手なだけの上っ面で薄っぺらい物語の描写。いや実際には、この映画のモデルになった真実には極限の人間ドラマがあったのだろう。その真実には素直に敬意を払いたい。だが宮崎駿はある意味被害者で、時代が生んだ裸の王様だったとも言える。これを見て“自分が作った作品を見て初めて泣いた”と言った宮崎監督。その監督が放った引退宣言は、日本のアニーメーション映画業界にとってこの映画の持つ最大の功績だと思う。プロデューサーの鈴木敏夫氏も、ぜひとも一緒に引退してほしいものだ。0点を最高のはなむけとしたい。 【ムッシュ★いち~ろ!!】さん [映画館(邦画)] 0点(2013-09-12 00:28:17)(良:2票) 66.《ネタバレ》 ◆自分がはじめて飛行機に乗ったのは大学2年の帰省の時。羽田から徳島まで、今はもう無くなった日本エアシステム。離陸と着陸の時の独特の感覚は今も覚えている。あの感覚のせいで飛行機嫌いの方も多いと聞くが、自分の場合は、何かわくわくするモノを感じた。◆この物語はそんな飛行機に魅せられた天才青年の半生記。映画内の『現実』と二郎青年の『夢(妄想?)』を行ったり来たりしながら、かけがえない伴侶との出会いと別れを絡めていく作品。◆見る前は評価が分かれていたので不安だったが、見て納得した。評価が分かれるのも致し方ないかな、と。鑑賞者の人生観や経験した事によって、大きく感動のポイントが変わってくるのだろう。自分も独身だと仮定したら、そんなに深く感銘しなかったと思う。が、嫁や幼い息子の事を思い浮かべながら見ていると、本当に感慨深い作品だと思う。◆主人公の二郎にとって、設計の仕事は大空へ飛ぶ事につながる夢。でも、決して平坦な道ではなく、目の前で無残な現実を突きつけられていく。でも、彼は計算尺と鉛筆を離さない。一方、菜穂子との時間も決して平坦なものでなく、現実は厳しい。でも、二人の互いに慈しむ気持ちはスクリーンからダダ漏れしていて、思わず泣けてきた。たとえ、結末が辛く悲しいものであったとしても。◆話の中で特に印象的だったのは、刈り上げ頭がなんだかかわいらしい黒川さん。一見意地悪そうなこの人が実に良い人で、もし叶うなら黒川さんに焦点を当てたスピンアウトを見てみたいくらい。◆仕事の後に楽しそうに議論する光景、特高にねらわれて姿を消すときのやりとり、今の日本の会社からは無くなりつつある光景かもしれない。何でも『数値目標』に置き換え、目標設定と達成に汲汲とし、不要となったらゴミを捨てるかのように仕事仲間を捨ててしまう今の日本。宮崎監督なりの強烈な提言なのかもしれない。◆主人公の声は最初は一瞬驚いたが、後になるにつれ、二郎の『誠実さ』がよく分かるものに思えた。そういう意味では、中々絶妙な人選だったような気がする。◆生きていれば、山もあれば谷もある。でも、その火が自然に消えるまで、前を見て生きる事、それが監督の最後の『遺言』なのだと最後のシーンで思えた。心に残り続ける言葉を全力で投げかけて舞台を降りた宮崎駿監督に、心からの感謝を。 【ばびぃ】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-09-11 09:50:09)(良:1票) 65.《ネタバレ》 絵は相変わらずのジブリ節でよかったけど、内容は飛行機技術開発というかた~い感じで子供はちょっとよってこない映画になってますね。それにしても小さい頃からクソ真面目な主人公でした。頭がよくて、やさしくてと非の打ち所がない、ただ声は自分には馴染めませんでした。タバコ、キスなどのシーンが多く今までにないアダルトなジブリ。鯖定食が非常にうまそうでした♪ 【とむ】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-09-11 00:41:27)
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