みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
12.《ネタバレ》 意識して映画館で映画を観る様にしてから何だかんだで30年以上経つが、完全に無音のエンドロールは初めてだと思う。 この「無音」は、監督が観客に考える時間を与えたいが為に設けたものだと私は思いたい。 本作でもクリント・イーストウッドの冷徹さと温情を併せ持つ、乾いたタッチは健在で、アカデミー作品賞候補も納得の力作。 主役を演じたブラッドリー・クーパーはまるで題材となった故クリス・カイル氏が乗り移った様で、後半の医者から受けるインタビューのシーンはドキュメンタリーフィルムを観ているかの様な錯覚を感じた。 扱っているテーマが非常に重く、目を背けたくなる情け容赦無いシーンも有る。 鑑賞される方はそれなりのお覚悟を。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-02-22 20:02:03)(良:1票) 11.《ネタバレ》 イーストウッドの映画はいつも過剰な演出が無い。この映画もクリス・カイルという一人のアメリカ兵に起こったことを描いているだけ。ただこの人にずば抜けた狙撃の才能があって戦果を挙げたため表面的にはかなりドラマティックなものになっている。 最初に狙撃したのが少年そしてその母親というところにこの人に忍び寄るものを暗示しているように感じる。敵から恐れられ莫大な懸賞金まで懸けられ、ムスタファと呼ばれる元五輪選手の凄腕に狙われるというまるでフィクションのような物語。だがそんな彼にも戦争の闇が忍び寄る。四度の出征の中で確実に彼の心は蝕まれていく。妻は止めるが彼は聞かない。それは「羊たちを狼から守る番犬になれ」という父親の教えを守っているからだろうか。それともムスタファを殺せるのは自分だけだという自負があったのか。ムスタファを長距離スナイプでしとめ彼は帰還する。その後の子供と戯れていた犬に殴りかかるシーンは象徴的だ。子供を守るために殴りかかろうとした相手は「狼」ではない。 この映画はアメリカでは3億ドルを越えるというどこかのアメコミ映画のようなメガヒットを叩き出している。こういう題材では信じられないくらいの大成功。その反応には賛否もあるみたいだが英雄視する人、反戦映画だという人、アメリカ万歳映画だという人、いろいろな思いを持った人たちが映画館に押し寄せた結果なのだろう。 個人的には英雄を讃える作品というよりは戦争で傷ついた一人の兵士を描いた作品という印象を強く持った。PTSDの元兵士に射殺されるという最後も皮肉すぎる皮肉だ。 それにしても84歳が撮ったとは思えない作品。過剰な演出も無いが娯楽的に観られるようにもしてあって、イーストウッド作品に大きなはずれが無い(あくまで個人的な印象だが)のはそのバランス感覚によるところが大きいと感じた。 【⑨】さん [映画館(字幕)] 8点(2015-02-22 16:54:16)(良:1票) 10.本作がここ数年の間に起こった事実だとは信じられませんでした。悲しく、愚かしいですね。でもこれが現実なんですよね。平和ボケって戦争ボケよりずっといい言葉だと思わされました。イーストウッド天晴れです。 【Kの紅茶】さん [映画館(字幕)] 8点(2015-02-22 11:29:44) 9.《ネタバレ》 イーストウッドの映画はいつも簡潔。ただそこにあった戦争を描く、それだけ。 そこには政治や国家や思想の姿も見えず、見えるのは人間だけ。正解なんて無くて、人間同士が殺し合いをしているという現実があるだけ。 子供が人殺しをしようとする現実、その子供を殺す現実。 160人を殺し英雄となった現実、その英雄を殺したのは、イラク人ではなくアメリカ人だった、それも現実。 果てる事のない戦いの中にはためく星条旗、その積み重ねられた歴史の背後にあるのは英雄達の築いた栄誉なのか、それとも戦争の名の元に失われていったものの悲劇なのか。 そこに答えを求めたところで、答えなんて元からありゃしません。 エンドロールの無音部分に、どんな音が聴こえたか。この映画にもし正解や答えがあるとするならば、その音の中にあるのかもしれませんね。この映画を見た人、個々人の中の答え。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 9点(2015-02-22 00:24:43)(良:5票) 8.この映画はあくまでただただ戦争を描いてるに過ぎない。戦争の是非についての明らかな明言はなく、あくまで観客任せ。それで構わないと思う。映画のメッセージは受け取る側次第だ。シールズ万歳!戦争反対!色んな意見、評価があるだろうが、最も肝心な事は、戦争には常に二面性があるという事だ。ここに気付ければダークナイトの様な味わい深い作品に感じる事が出来ると思う。 にしても84歳にしてこんな偉大な作品をあっさりと作ってしまうクリントイーストウッドには感服せざるを得ないな。しかもついこの前ジャージーボーイズという傑作を作ったばかりだというのに。あとやたらトランペットが印象的な音楽だなぁ~と思ってたらエンニオ・モリコーネが絡んでてやっぱりなと笑 【関白宣言】さん [映画館(字幕)] 10点(2015-02-21 23:51:08) 7.2015.02/21 鑑賞。何と封切初日に映画鑑賞とは大学生の頃以来。クリント・イーストウッド84歳にして衰えず。役者も私にとって無名で固定イメージなく観れた。これが本当のテロ集団との戦争だと身体で感じたが、中東の戦場、母国の家庭・家族を交互に描き過剰過激な場面と普通の家庭の場面とで上手く緊張を緩和させている。最後のエンドタイトルで終わりまで長く無音にはびっくり、直の退場者に荷物も脚を蹴られえらい迷惑。 【ご自由さん】さん [映画館(字幕)] 8点(2015-02-21 22:55:30) 6.《ネタバレ》 イラク戦争は、イラクが大量破壊兵器を保有しているというアメリカの言いがかりに端を発したものだというのが大前提の物語である。 父の教え、(自分では読んでいないだろう)聖書の教えを忠実に守った青年が、戦争の中で壊れてゆく。4回に及ぶ戦場への出征。しかも、行く度に戦地の状況は悪化し、作戦は雑なものに…。 祖国と戦友を守ろうとしたヒーローは、女子供を戦闘に使う近代戦の中で心を蝕まれる。主人公は自分と同じく、戦争に傷ついた者たちを救うことで自分も救おうとした。 戦争の非人間性だけでなく、ヒーローという存在の内面の重さにも触れた見事な作品だと感じた。 【こんさん99】さん [映画館(字幕)] 8点(2015-02-21 22:27:51)(良:1票) 5.《ネタバレ》 本作の評価は賛否両論ですね。ここでもそのようですが。見ましたがどちらの言い分も分かる。イーストウッドのインタビューも事前に読んで「本作に政治的な意図は込めていない」と言うのと「戦争がいかに人の心を蝕んでいくかは伝えたかった」と言う2点は理解して見たつもりです。見ましたが、率直な第一印象は「何が言いたいのかよく分からん」です。本作は見る人によって評価が180度違うのも特徴で「アメリカ万歳映画」「愛国心あふれる英雄の映画」と言う人もいれば「究極の反戦映画」「アメリカに突きつけた警告」と捉える人もいる。その理由も映画を見れば明快でイーストウッドが何も語らなかったので、見る人の捉えようでどうとでも捉える事ができるから。これは一本の映画としては失敗でしょう。私は映画で政治的信条を語れとは言わないし、何かを語れば良いってもんではないのはわかるけど、ここまで評価が割れてしまっては作品にとって結局マイナスでしかない。イーストウッドの本来目指した「戦場の狂気」についても何とも中途半端な印象しかないです。抑制の効いた演出で切って捨てるほどの駄作ではないが、是非見ろと勧められる映画でもない。私の評価も何とも中途半端なものとなってしまいました。 【ぴのづか】さん [映画館(字幕)] 5点(2015-02-21 16:26:22)(良:1票) 4.《ネタバレ》 戦争なんて体験しなくてもどんなに非情かは誰でも解ります。要はそれを観る人に伝える事が大事なのですが本作にはそれがありません。4回も戦場へ行くのに主人公に抵抗が微塵も感じられません。普通嫌でしょう。傭兵じゃあるまいし。愛国心を前面に出さず終始主眼がどこにあるのか不明のままストーリーは進みます。物語りに起伏がないんです。スナイパー同士の戦いが凄いようにも感じませんでした。またそこに主眼を置いた作品でもないでしょう。何かプロパガンダっぽくならないように抑え気味に製作したのが返って良くなかったように思えます。PTSDを患った元軍人に殺されてしまうと知っていたのも大きなマイナス要素でした。自分の中でもっと別の何かが形成されてしまっていたらしくて。 【エラリイ】さん [試写会(字幕)] 3点(2015-02-21 00:13:22)(良:1票) 3.《ネタバレ》 理不尽な戦場で傷つきながら成果を上げる主人公と、戦地から帰ってくるたび変化していく夫に対する妻の反応とを淡々と描く。このような作り方にしたのは、戦争の是非を問う社会的な作品ではなく、あくまで“クリス・カイルの物語”として終始し、主人公が傷ついていく様を見るものが体験することを狙ったためだろう。国レベルで膨張して描かれる戦争ではなくて、個人レベルで描かれた戦争映画にこそ意味がある。 【kagrik】さん [試写会(字幕)] 8点(2015-02-20 13:19:40) 2.《ネタバレ》 さすがにこれはひどい。主人公の心の葛藤とか戦場へ行く度にキズを負って行くような描写が全然ない。クーパーの演技が下手なのか演出が悪いのか両方なのか。奥さんと出会うまですごい駆け足ストーリーだし。構成もあったもんじゃない。しかも嫌々相談に乗ってるみたいで立派な人だったんだなあとか言う感情移入すら出来ず。まあ遺族から大袈裟に表現しないで欲しいとかあったのかも知れないけどユナイテッド93の方が遥かに良かった。 【アラババと40代の髭】さん [試写会(字幕)] 2点(2015-02-20 01:36:01) 1.《ネタバレ》 イーストウッド監督作品にしては普通の映画。悪い意味で。主人公が実在のアメリカの英雄では正統派な演出にならざるを得なかったということか。もちろん全編を通して安定感のある演出は健在で、死と隣り合わせの戦場の恐怖と緊張感は生半可なものではない。ただ、戦場以外(特に退役後)の描写が少なすぎたため、戦争の精神への影響が充分に伝わらず、ラストへの繋がりがしっくりこない感がある。充分良い映画ではあるのだが、期待ハードルが高かったため辛口採点。 【ふじも】さん [試写会(字幕)] 7点(2015-02-15 00:18:48)
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