みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
60.《ネタバレ》 前半部分は単調なリズムだし映像がほとんど変わらないから、退屈だったけど、後半はもう感動しまくったなぁ。笠智衆さん35歳でこの演技は凄すぎです。 【夏目】さん 10点(2004-06-13 21:30:25) 59.この物語の雰囲気と低い視点から撮られた安定感のある映像がとてもあっていた 人がしゃべるときに胸から上の映したカットがさらに映像の安定感を増していてとてもよかった 台詞は普段よく使うような言葉であるのに一言一言が心に響いた 今の時代は騒がしすぎてこのような静かな作品は記憶に残らないかもしれない しかし僕はそうは思わない 静かな作品だからこそメッセージがストレートに伝わり記憶に残るのだと思う 人生において見落としがちな重要なことを気づかせてくれるようなとてもよい作品でした 【ぺぷとりじ】さん 9点(2004-06-08 21:50:18) 58.小津映画の代表の一つといえる秀作である。淡々と日常が流れ、簡素過ぎてつまらないという人もいて賛否両論になるが、私はこれほど人間の本質を掘り下げ、感情の露骨さを表現された映画はないと思う。台詞に無駄な装飾もなく、有り触れた台詞しか使っていない。独特の小津調で語られる台詞は奇才故の絶妙な間隔が敷き詰められており、言葉々々の間の背景に哀愁と深遠さを附加させるものである。またモノクロ映像がもつ世界観は未完映像として、観る側に色の創造性と人間がもつ蒙昧な意識を揺動させる力がある。だから、私は観る度に進行する記憶と連鎖し呱々の声として心に鳴り響くのである。習慣性の幸せは淡々と消費され、必然のものとして受け入れられてしまう。突如失われる残酷な現実を突きつけれるまで軽薄なものだけにしかないのである。喪失感からしか生まれない存在意義の大きさに悔恨の念を含みながら人間愛を瞑想に耽る。それにうちひしがれそうになりながらも強靱の力で活きようとする人間たちの同志が憧憬の人間像として垣間見せられるのである。小津の抒情が収斂された雅やかな映像を真摯になって受け入れなければならないことであり、自信を内省的に反芻させられた映画でもある。半世紀を過ぎても色褪せることなく現在も不動の名画として活き続け、変わり行く時代と共に進化し続ける。 【ぼん】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-05-16 06:43:10) 57.改めて評価する必要もないでしょうが、心理描写の細やかさとカメラワーク、進行のテンポが見事にかみ合った作品だと思います。今の時代にはすべてが遅すぎ、静かすぎるのかもしれませんが。アジア諸国で上映し、反応を聞いてみたい作品です。個人的には、唐沢版「白い巨塔」の最終回の翌日、BSで放映されていたのを見て、改めて衝撃を受けました。「白い巨塔」での財前教授の死は、それなりの深みをもっていたと思うのですが、やはり「東京物語」と比べるといかにも平板にあざとく思い返されました。人の死をみつめるという現代人が逃げてしまう現実を思い返させてくれる作品でした。 【モリブンド】さん 10点(2004-04-30 15:42:43) 56.《ネタバレ》 主要人物が、喜怒哀楽を強く押し出すことなく奥にぐっと噛みしめようとする様が、逆に感情の奥深さを感じさせます。特に、笠の枯れた佇まい。逆算すると、当時の実年齢は50歳前後のはずなのに、枯淡の境地にあるかのような立ち居振る舞い、台詞。特筆すべきは、ラスト近くで近所の婦人と会話するシーンの、笠の「背中」です。妻を失い、表にこそ出さずに気丈にふるまっているものの、内心にある寂寥感を、見事に背中だけで表現しています。笠の隣にいつも寄り添っていた妻は、もうそこにはいない。わずか数十秒のこのシーンだけで、この点数を計上してもいいくらいです。 【アイアン・バタフライ】さん 8点(2004-04-17 16:32:11) 55.この映画のテーマは望郷なのでしょう。ああ田舎に帰りたいなあ。そんな誰しもが持っている感情をくすぐったに過ぎないのかも知れません。俳優陣の演技も決して上手いとは言えず、ひとり輝きを放つ原節子氏も妙に不自然な目線と色っぽさで浮いているとしか思えません。半世紀前の映画とはいえ。悲しいことに「東京物語」で描かれているような親子関係はさらに悪化している。彼等夫婦が言っていた通り、平気で親を殺す時代。なんぼかまし、幸せな方なのだ。親は子供の考えていることが分からず、子供は親の考えていること等興味がない。それはそうなのだが、あまりにも親子の間に壁があり過ぎて、幼少の頃や青年期になにかあったとも思える描写が気になる。父親がよく酒を飲みそれが嫌だったというが、その程度の事でこの扱いはあまりに大人気ない。もうみんな良い歳なのだから知人や友人の死を経験して、人の痛みを理解して良いはず。すばらしい映画なのですが、なにか感動できるものが欲しい一本です。 【wish】さん 7点(2004-04-03 10:06:59) 54.遠く離れた親子の再会と母親の死、淡々とした日常をありのままの描いているのは良く判るが、特別なものを感じられず高評価が理解できない。田舎から出てきた親を鬱陶しく感じることや死んだ母親の形見分けについて口出しすることはよくある話で声高に非難される出来事とも思えずこの作品でもっとも自然であった杉村春子の演技を評価したい。寅さんシリーズでの笠智衆は好きだが、この作品では台詞が棒読みに聞こえて感情が伝わってこなかった。山村總や大坂志郎を懐かしく思う年代の私だが、50年前にこの風貌の笠智衆に興味を持って見るばかりで、作品の価値が解からないのはまだまだ人生経験が足らないということなのだろう。 【WEB職人】さん 5点(2004-03-20 23:23:52) 53.《ネタバレ》 所詮映画は作りモノですが、これはどこにでもありそうな世界のようでいてかなり異質な世界なのでは?と思う。この映画をみて「ある、ある、ある」って思うのか?「ない、ない、ない」って思うのか?私は後者だ。そもそも「忙しい、忙しい」っていってるのはダイタイ暇なヤツが多いし、単に面倒なだけでしょ?上京した親の相手が面倒な気持ちもわからないでもないし、上京時の扱いはまだ許容範囲としても、母が危篤→死の過程での子供達の反応・言動はちょっとひどい。「ない、ない、ない」って思う。よって青いと言われようが、香川京子を断固支持する。原節子の心情の吐露は誠実さの表れで、映画的には悪くは無いのだが、妻を亡くし落胆する義父にワザワザ言う必要はないのでは?と感じる。普通は言わないだろう。散々凹まされたラストの笠智衆の姿は「人間最後は一人なんだ」という事を切実と感じさせる。いろいろ考えさせられる作品ではあるが、かなり後味の悪い作品だ。家族は各々独立して然るべきで、ベタベタする気は無いけれども、これをみて「家族なんてこんなもの」と訳知顔にはなりたくない。 <追記>20年ぶりに再見。印象はさほど変わらないが、年を取ったせいかやや「ある、ある、ある」感が増したような。オチを知った上での再見の収穫としては、単なるよき父という印象であった笠智衆が「場末の医者」に甘んじている長男を期待ハズレと感じていたこと。あとは義母が泊まりにきた時の「ズルイ女」原節子の電気を消すシーンの表情が何とも言えず意味深であったことかな。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2004-03-19 23:25:37) 52.別にどうでもいいような普通の話を淡々と描いていて普通に終わる。誰にでもあるようなことだからこそ、考えさせられるし、多くの人の心を捉えるのかもしれない。 映画では長男と長女は冷たくて、次男の嫁はいい人みたいになっているが、むしろ長男と長女のほうが普通だと思う。本人も言っていたが、原節子はずるいだけ。「いい人も悪い人もいないんです。みんな自分の生活があるんです」。その通りだと思う。それでも、やはり、自分のことより他人の事を思える人がどれだけいるのかと考えてしまう。人間の汚さ、冷たさ、そしてわずかな優しさを温かく包み込むような視線で描いた名作だと思う。けっして面白くないが・・・。 【ぷりんぐるしゅ】さん 6点(2004-03-19 06:47:46) 51.《ネタバレ》 家族は、どういう関係にあろうが、一番身近な存在である。戦後まもない高度経済成長前の日本の家族の様子を、夫婦、実の親子、義理の娘といった関係を通して、丁寧に描いている。子供とはいえ、すでに独立して別の家庭を営んでいることもあり、肉親との関係でも、一見気を使っているが、どこかよそよそしい。実の親だからこそはっきり言えるようにも感じる。逆に、血のつながっていない義理の娘は、遠慮があるのか、むしろ、より優しさをもって親と接している。末の娘は、正直に兄や姉を批判するが、義理の姉は、年齢を重ねると悟ることとなる心境を諭す。一方で彼女は、義理の父には、複雑な自分の気持ちを正直に話もする。家族を構成する各人の思いと葛藤が、物語の進行にあわせて、少しづつ観る者の心に染み渡ってくる。深く静かな印象が心地よい。実生活をベールに包み、男たちの夢とあこがれを壊すことなく、映画の中のイメージを守り通した、原節子の女優魂に乾杯。と言う訳で、世の男達のほとんどは、結婚するならば原節子の演じたタイプの女性を夢見るだろうな。でも、現実は甘くない。運が良ければ、しかも、奇跡的な運の良さを持ってしても、せいぜい三宅邦子タイプだな。そして、ほとんどの男は杉村春子タイプと一緒になってしまう。働きもしないで太っている杉村春子タイプだな。 【パセリセージ】さん [地上波(邦画)] 10点(2004-02-23 13:02:12) 50.《ネタバレ》 人間の汚さ、ずるさ、優しさを深く描き出した作品。淡々と進むが、ものすごい奥行きを持っていると感じた。そして、あまりに現実的で冷たさを感じるシーンと、優しくてあたたかなシーンの対比が鮮やか。最後の「日が長うなりまして」と笠智衆さんのいうシーン、空間の空き過ぎた部屋の構図が心にしみる。 【アイカワ】さん 10点(2004-02-22 10:54:51) 49.良い映画は、いくつもあります…、でも、心に残る映画は数える程度しかありません。この作品は、正しく心に残る映画です。 【Φ’s】さん 10点(2004-02-13 12:43:10) 48.さすがに名作です。わたくしごときがあらためて評すべきところなどありません。しかし、小津作品はこれ一本しか観ていません。名作だと認めながらも、なぜかその他の作品に触手が伸びないのです。どことなく「覗き見」しているような、後ろめたい感じがするのかもしれません。例のローアングルのせいかな。でも繰り返しておきますが、さすがの名作であります。 【バッテリ】さん 8点(2004-02-12 22:06:22) 47.この時代生まれてなかったのに、なぜにしみじみ懐かしいのでしょう。日本の映画。 【あべ】さん 8点(2004-02-11 01:02:38) 46.《ネタバレ》 人間の本質を、静かに細やかに表現しているその完成度に圧倒されました。画面から押し付けるような演出はなく、いつのまにか映画の世界に引きずり込まれた感がありました。おばあちゃんと孫が外で遊んでいるシーンが感動的でした。親はいつまでも子どもに対して片想いなんだな。東山千栄子さんが倒れてもう先が長くないと言われたときの小さく映っている笠智衆さんの抜け殻になったような表情が凄かったです。 【柴田洋子】さん 10点(2004-02-07 09:07:18) 45.この監督の作り出す空間は本当に居心地がよい!しかし、雲のようにやわらかい空間は眠気を誘うどころかビシビシと心に突き刺さる。小津の映画を観てると実家に帰ってきたような安堵感がつきまとうなー。 【マイアミバイス】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2004-02-03 03:49:46) 44.親と子、そして死という人間永遠のテーマが淡々と描かれ、実の子よりやさしい戦争未亡人、原節子の再出発を願う義父と義妹の表情を写して映画は終わる。何か、原節子がますます好きになって来た。小津作品には必ずと言っていい程、最初と最後に列車のシーンが出て来るが、この作品でもそれがいい味を出している。また、終盤、去年2回行ったしまなみ海道の起点、尾道の風景が随所に出て来て、とても懐かしかった。 【きりひと】さん 10点(2004-02-01 14:47:31) 43.実の子供だから、親には冷たく当たってしまうのは仕方の無い話ではある。なぜならば、そこ関係の間には「親子の甘え」が存在するのだから。ひるがえって、嫁の紀子は多くの方が指摘するように、真の親子の甘えが無いがために、献身的な役を演じ続けなければならなかった。それを「ずるいんです」という言葉に込めさせる力量を原節子には感じさせる。それを知ってか知らずか紀子の言葉を肯定することで生じる親としての寂しさを避けるかのように父親はサラリと流す。映画=芸術ではないと思う私でさえ、人間が生きる上で欠かすことの出来ない家族的なつながりを、となりからのぞいているような絵づくりに芸術性を感じなくも無かった。 【クルイベル】さん 8点(2004-01-18 12:51:49) 42.バカ息子!とバカ長女!あきれて物が言えない! 映画とはいえ、親を親とも思わない言動に..見ていて本気で腹が立つ!.. 核家族化や、希薄な親子関係への警鐘なのだろうが.. それに引き替え、原節子 演じる次男の嫁の献身さには、涙がでそうでした.. 邦画の古き良き時代を代表する 名作!.. 【コナンが一番】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2004-01-16 12:45:44) 41.初めて見る小津作品というのは誰でも新鮮に感じて、とても楽しめると思うんです。だからこそこの作品を一番最初に見たかった、と思ってしまいました。世知辛い世の中を、ひたすら淡々と描いている力作です。救いの見出せない終わり方がとても切ないです。俗物な自分としては、最後に笠さんに「バカヤロー!」とキレてもらいたかったのですが、それだと単なる現代の安物ドラマになってしまうんでしょうね。あのすべてを達観したような人間に自分もなりたいものです…。 【プミポン】さん 6点(2004-01-16 01:48:53)
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