みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
22.《ネタバレ》 新海誠の映画で最もわかりやすく、血が騒ぐ傑作。 誰もが、何かしらの夢を見たことがあるのではないだろうか。まだ大人じゃない人も、大人になった人も。見て、抱いて、憧れて。 え?夢なんてもう見なくなった?抱く夢も憧れる夢も無くなってしまったって? だったら夢を叶えて現実(本物)にしちまえばいい。ダメで元々、でも本気で叶えたくなったら…とにかく走ってしまえばいい! この映画の少年少女は、流れ星を見てイチイチ願い事なんてしない。 手をつなぐだの、抱き合うだの、キスするだのそんなまだるっこしいことなんてしない。 なんせ目覚めた瞬間におっぱいを揉みまくるんだからな。 え?何を言っているか解らないって?俺だって最初ワケがわからなかったが、面白いんだからしょうがない。 冒頭、少年少女の語り、夜空から糸…いや光の線が水面に落ちるように雲を突き破り降り注ぐ。 夜空を奔る星を下から眺め想いを馳せる…そんな人々が“線”で突然結ばれてしまう。 結んでほどいてを繰り返す紐、地図に引かれる線、頬を流れ落ちる涙、襖が奔りまくる敷居、移動と出会いを繰り返す列車、指に嵌められた輪。 胸を揉みしだくのは、服を脱いで裸になるのは、股間に触れるのは、肉体にメッセージを残すのは自分の状況を確認するために。 がんじがらめの学生生活、嫌々の口噛み酒、たっきー「言い値で買おう」、早く大人になりたい、憧れの町に行きたい、自分を変えたい、男らしいイケメンになりたい…そんな少女に何処の誰だか知らねえが素敵な夢と変態生活がプレゼントされる。 大林宣彦「転校生」から受け継がれる奇妙だけど王道まっしぐらな物語。 何が何だかわからない、でも謎を解き明かすために行動していくしかないという強靭な意思。 スカートが切られたら素敵な刺繍をしてやればいい、カフェが無いなら作ってしまえばいい、好きになっちまった女の陰口には机を蹴飛ばして返答・見返してやりゃあいい。 頬の傷の理由が何となく解き明かされていく感じが良いな。アイツはそいう奴なのだ。 だがおっぱいは毎朝揉む。アイツに悪いかな(妹の眼前で揉み続ける) 日記を手紙のように託し合う日々、距離は縮まらなくても深まる気持ち、好きなクセに譲り合っちゃう女心、優しい先輩と親友(おホモだち)、絵や日記を書くのは忘れられないから・忘れないために、会いたくなったら会いに行っちまえばいい。 ルンルン気分の観客を石で殴りつけるような穴、穴、穴の出現、煙草でも吸わなきゃやってらんねえ。 内ヶ島氏「クソッたれがあっ!」 消えていく記録と記憶…いや、たとえ何もかも消え去ろうとも受け継がれるものは受け継がれ、届くものは届く。それを見つけ引き継いでいける人間の可能性は刻だって超えられる、運命だって変えられる! 無我夢中で斜面を登るのは、自転車をこぐのは、とにかく走って走って走りまくるのはただただ会いたいがために。 幾度も響く魂の叫び、共犯するのは友達を助けるため、穴の数が語る過去と未来、すれ違う想いをめぐり会わせる光と影。新海作品名物の風景描写も最高潮! コケまみれだろうがおまえのだったらいくらでも飲んでやる! いくらでも揉んでやる!! いくらでも髪を結んでやる!!! 変態呼ばわりされたっていい、だから忘れないで、忘れてもいつか思い出してくれればいい…。 野郎オオオォォォ名前を言えっつってんだろうがアアアァァァッ!!!!!変なこと書きやがって…立ち上がってまた走り出してやんぞオラアアアッ 少女は、雄々しく走り続ける。最愛の人たちを救いたいから、何よりもう一度会いたい人がいるのだから。 【すかあふえいす】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-09-26 21:57:01)(良:2票) 21.《ネタバレ》 評判なだけあって良かった。 毎度絵は良いのに・・・だったけど今回はストーリーも良。 ところどころキュンってなったし、ハッピーエンドだったし。今年一番かな。 口噛み酒はちょっと×。次回作も楽しみです。 【すたーちゃいるど】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-09-24 17:22:03) 20.《ネタバレ》 笑いあり、スリルとサスペンスあり、感動ありで程よい感じの青春アニメではあります。 でも、脚本の構造のために歪みが生じているのも事実で。 まず時間を超えて入れ替わっていたという仕組みを隠すために二人が自分の身に起きた異常事態に対して日時の確認をしない、気付く事がない、っておバカになっちゃってるのが残念だなぁと(夢だと割り切ってたりして)。っていうか、スマホの日記アプリ使ってる時点で西暦は明確になりそうなものなのですが。つまりこれ、お利口さんでは成立しない物語なんですよね。 それから映画は三葉主体で始まりながら、クライマックス前は三葉の人格を脚本の構造のために出せない、っていうのも人称のブレを生んで「主役の心が消える長い時間」が生じるゆえの不満感が。 その他、おばあさんが仕掛けの説明のためだけに存在しているので、その説明が終了すると共に用なし扱いになってるとか、お父さんの意思決定が絶対的な〇か×かのみで成立しているけれど、その絶対性が生まれる根拠があまりに脆弱だとか、二人が入れ替わる理屈(システム的な)が結局曖昧だとか、始めに結論ありきで組み立てられているがゆえの強引さが目立つお話ではありました。 組み紐や流星の描く尾が繋がりを示し、開閉する扉が断絶を示すあたりの映像表現は良かったと思います。でも綺麗と言われる美術に関しては、んー、自分的にはラッセンの絵みたいなモンで。キレイですね、以上。みたいな。光と影の魔術師みたいな故・椋尾篁氏とか、深層に触れるノルシュテインとか、そういうトコ、そういう世界が見たいです。空気感、その匂いは希薄に思いましたしね。 モノローグが多用されるのって、「日本」の「マンガ起源」の「アニメ的表現」独特のもので、それをみんなが何の疑問もなく受け入れている状態は果たして良いのかどうか。人称ブレブレになるんですけど、それでいいのかなぁ? 私はそこで今一つ入りきれなかったんですよね。 意外に心よりも(余計な事に)アタマを使う時間が長い映画だったので、評価そこそこ。ひっかかりなく存分に心で見たいものですが。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 6点(2016-09-24 06:10:59) 19.つっこむところはいろいろあるけども。 【センブリーヌ】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-09-23 12:55:50) 18.《ネタバレ》 傑作。絶賛されるのもわかる。先週までで興収91億で、100億が通過点とも言われているが、このまま記録を打ち立ててほしい作品。【ネタバレ注意】序盤、「夢の中で現実との区別がつかない」ということはあっても「現実で夢かどうか区別がつかない」ということにリアリティを感じないので、いつまでも「あれは夢」と思っているのはおかしいだろ、と思っていた。入れ替わって“現実世界”で生きているのだから、自分に電話すればいいじゃないかとも思った。なんでスマホで日記を付けるだけなのか。だが中盤の展開で、そのあたりの醒めた気持ちが吹っ飛んだ。そういうことだったのか。そこから先の展開は引き込まれるばかりだった。序盤の疑問も、入れ替わりの記憶を忘れてしまうものと理解すれば(ご都合主義とはいえ)納得できるものだ。それが結末に結び付いている。一点、気になるのは三葉が自転車をこぐ場面で見せたパンツ。“サービスカット”なのかもしれないが、要らなかった。 新海誠監督の過去作を思えば、この爽やかな結末は意外でもあるが、「よく話し合って作った」とのことだ。今後の作品にも期待したい。 【mohno】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-09-21 22:05:28) 17.《ネタバレ》 おっさん一人で映画館で見てきました。中高生に混じっておじさん一人で完全に"痛いおじさん"状態でしたが、、、おじさん、感動しました! 秒速5センチメートルの最良の終わり方を何年も考え、この映画でやり遂げたのだろうと思います。それが最高に嬉しかった。 最後の探して探してやっと出会って、でも一度はうつむいてすれ違い、、、これは秒速5センチメートルへの懐古とオマージュです。素晴らしい。 僕は、新海監督の"星を追う子ども"で酷評しました。2点をつけています。あれは失敗だったが、本作ではやってくれた。彼のいいところが全部出ました。中二病チックでありながらそのギリギリをいく絶妙な作り。やられた! とにかく、おじさん、嬉しいです!次も期待してます! 【Keytus】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-09-20 21:34:12) 16.《ネタバレ》 タキがミツハの体で目を覚ました時、おっぱいをゆっさゆっさ揉むだけで、済ませたとは到底思えない。箪笥の中身とか、局部の構造とか、ぜってー気が済むまで堪能したに違いない。それが高校生男子。 逆にミツハがタキの体で目を覚ました時も、同様に違いない。 あれだけ生き急ぐエネルギー溢れる二人なのだから、そっち方面のエネルギーだって溢れんばかりに違いない。 もしもタキとミツハが、クソデブ不細工どうしだったら、糸守は繰り返し壊滅していただろう。かわいいってだけで救える命があるんだな。 【no_the_war】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-09-19 21:38:26)(笑:1票) 15.《ネタバレ》 見るつもりはなかったが、なぜか「シン・ゴジラ」と張り合っているかのような雰囲気が出ていたので見て来た。 印象としてはストレートな青春アニメであって、きれいに作ってはあるがあまり突出したものを感じず、映像的にもキャラクター設定もストーリー展開も至るところに既視感がある。SF的にも突っ込みどころが多そうに見えるほか、意外性の面でも弱いところがあり、時間のずれというのは観客としても想定の範囲内である。また突然の大災害も、冒頭の落下映像で最初から危惧を覚えていたわけなので、やはりそうだったのか(泣)という程度の衝撃だった。 最も意外だったのは、変に丸く見えた湖が火山に由来するもの(カルデラ地形など)ではなくクレーターだったということで、地球上でクレーターが2個接続した状態になっているのは珍しいのではないかと思われる(2個同時に近接して形成された事例はあるようだが)。もしかすると山上の聖地も恐山のような火口原ではなくクレーターであって、ご神体の岩塊は隕石というつもりだったのかも知れない。星の世界につながる特異点のような場所という設定とすれば科学考証的にはどうかと思うが、当方としては初めからファンタジーとして見ているので別に構わない。 ほかにも考えれば指摘すべき点はいろいろありそうだが、自分としては頭を使うのが面倒臭いのでそこまではしない。それよりも、若い登場人物に対して素直によかったねと言ってやりたくなる展開(見ている自分の境遇はさて置いて)だったのは当然ながら嫌いでなく、最終的には明らかにいい印象を残す映画になっていた。見ていてはっと胸をつかれるところが何か所かあり、特に終盤で並走する電車の場面では、一瞬の動揺を劇場内で隠すのが困難だった。 また「シン・ゴジラ」だけでなく、この映画でも何気なく先の震災が念頭にあったようで、今後起こりうる災害から目を逸らすことなく、まともに意識しながらしなやかな心で対していこうとする気構えが日本人の中にできて来ているとすれば心強いことである。 ちなみに、少女のオッパイが「転校生」(1982)だとすれば、ラストで記憶のない2人が再会できたのは「時をかける少女」(1983)に対抗したものではないか。切なさ優先で登場人物を不幸にするラストよりもこっちの方がよほどいい。(1953年のドラマのことは知らないので無視) 【かっぱ堰】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-09-19 17:12:02)(良:1票) 14.《ネタバレ》 「アニメにもかかわらず大ヒット」と紹介されていたので、急きょ見に行きました。 新海誠監督作品は、「雲のむこう、約束の場所」以来です。絵が綺麗だけどストーリーは破たんしているという印象でした。 今回、絵の綺麗さは大人しくなっていましたが、ストーリーはギリギリのところでまとまっていました。 若い人は良かったーって言ってましたが、年配者はまあこんなとこかという感じでした。 入れ替わりは、「転校生」。未来から来るのは「時をかける少女」ですかね。 それぞれオマージュがあったような気がします。 ならば、再会の場所も数寄屋橋でなくっちゃね。 【ぶん☆】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-09-19 16:12:13) 13.《ネタバレ》 ★原作は読んでないです。★要するに、時空を超えて他人とシンクロする特殊能力を持った家系?おばあちゃんも同じような経験したって言ってたし、そういう能力を買われて巫女さんみたいな職業に代々就いてた?★で、村の未曾有の危機を何とか救いたくて、突然その能力が発現したと。おそらく予知能力的なのもあって?★ま、シンクロできたからってそれが何の役に立つのかは分からないけど、今回の場合はミツハが「東京暮らしのイケメンになりたい!」というわけの分からん願望を持っててタキ君にシンクロしちゃったこと、タキ君が、村の悲劇を知ってる(ミツハにとって)未来人だったことと、そして彼の行動力によって上手くいったというとこか。★あと最終的にミツハが町長である父親を説得できた(んだよね?)のは、たぶんお父さんも昔同じような体験をした(させられた)ことを思い出したんだろうかな。普通ならヨタ話で終わるトコが、能力と権力が結びつけば人々を動かすのは比較的容易か。★というわけでプロットに矛盾はないんだけど、出来のいい映画だなーと思っただけに気になるとこはやっぱりある。★他人(しかも異性)との入れ替わりにあんまり早く慣れすぎ・タキのプライベートがほとんど描かれず感情移入できず・さらっと歴史を改変してほぼ何の言及なし・そうなって良かったとは言え、ありきたりすぎるハッピーエンド・・・など。★面白かったし、絵も綺麗だった。ただ話題先行の映画っぽく、客層(かなり満席)があまりレベル低い(やかましい、座り行儀悪い・・ほか)回に当たってしまった。ちょっと印象悪くこの点数。私怨ですいません。 【wagasi】さん [映画館(邦画)] 6点(2016-09-19 15:22:46)(良:1票) 12.男女の入れ替わり等、今まで見たこと、読んだことがあるような要素が混在している印象です。 若い時に見たら、かなり感動していたかも。歳をとった証拠ですね。 今後の新海作品に注目したいと思います。 【tonao】さん [映画館(邦画)] 6点(2016-09-19 10:57:57) 11.《ネタバレ》 ケイタイ時代のすれ違いドラマは時空を超える。相当強引な話運びであるにも関わらず、観ている間は気にならなかったのだからいいシナリオだと思います。立花瀧が東京のイケメン高校生というには少し足りない感じがいい。誰しも持っている、なんか分からないけど大事なものを欠落してしまったような心許なさが作品全体に通底しているのも好きです。何となく、山崎まさよしの「One more time,One more chance」を思い出します。二人をすれ違うだけで終わらせるパターンもありそうですけど、そうはしない優しいエンディング。 【なたね】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-09-18 19:00:11)(良:1票) 10.評判が高いので見てみたのだが。。。。。。。 どこかで見たような設定で、どこかで見たような展開が続き、どこかで見たような結末を迎える。それでも二人の心理描写が普通にできていれば多少は面白かったと思うのだが、それもなく、売りである絵の美しさも単に写真を模写しているだけで、絵画としてのセンスは感じられない。結局、風景にせよ人間心理にせよ、薄っぺらな上辺だけの世界がだらだらと続くだけで、観賞中、時計が気になって仕方がなかった。 【駆けてゆく雲】さん [映画館(邦画)] 4点(2016-09-12 22:28:19)(良:1票) 9.《ネタバレ》 1953年の同名作品より個人的にはこちらの方が楽しめた。比較するものではないけど…。 口噛みの酒をアレのためだけに出すのは監督の趣味かな?とか、なんというか、全体的に幼さが見えるところはありましたが、映画作品で、別の世界線もので大事な人のことを忘れる作品って、あまり見ないので、私的にはめっちゃ琴線揺さぶられました。 メイドインヘブンや、明日の記憶のように「記憶を無くし、再会する」作品って、そんなになくないですか? 鑑賞後は、どうせ新海誠は映像美だけだろ?とか、あーRAD入っちゃったか、事前に抱いてたそんな思いは吹き飛んでしまいました。 文芸作品としてだけ見れば荒削りなところもあるのでしょうが、個人的にツボなテーマだっただけに、この点を贈りたい。 【よこやまゆうき】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-09-10 00:27:29) 8.《ネタバレ》 新海誠作品を見たのは初めてでしたが、普通に面白かったです。事前の期待通りの面白さということです。事前の期待を上回ることも下回ることもない、ハズレのない作品です。夏休みも終わった平日の昼間に見たのですが、8割くらい埋まっていてびっくり。ほとんどが10代20代でした。みんな学校や仕事サボったのでしょうか(笑)。遠く離れた2人が不思議な方法で「出会い」、その後「会えなくなり」、最後には「本当に会える」というストーリーは誰もが一度は見たり読んだりしたことがあるであろうある意味よくある話です。この作品では彗星の衝突からいかに逃げるかという要素を加えたことでダレることなくストーリーを進めることに成功しています。前述のようにグッドエンディングで終わる本作ですが、彗星が落下する最後の最後で三葉が父親である町長を説得することに成功しほとんどの町民が避難できた様子が詳しく描写されないため、なぜ町民が助かったのか理解できない人も出てくるかもしれません。あと、三葉と瀧の時間が3年ずれていると判明してからの「今どっちの時間か(現在か3年前か)?」というのが少しわかりづらく混乱しそう。RADWIMPSの楽曲はタイアップと違いこの映画のために作られているため歌詞も映画の内容に合っていていいと思います。声優以外の俳優・女優が声を当てているのも全く自然で気になりませんでした。 【MASS】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-09-09 17:51:49) 7.あいまいな部分が多い作品だが、ポイントはおさえているので観てる時はそれ程気にならない。細かい部分にもっと説得力をもたす事ができれば、名作クラスに入ったかもしれない。 【Yoshi】さん [映画館(邦画)] 6点(2016-09-03 21:55:37) 6.《ネタバレ》 その時間差などに関する整合性や疑問点を指摘し、あげつらうのは容易い。その弱点は作り手が一番自覚しているだろう。 それでも尚、現在ー過去の時間差にこだわるのは新海的な郷愁の風景を立ち昇らせるうえで重要なモチーフだからだ。 「仕掛け」をばらすに至るまで、時代差を意識させることなく二人の交流をテンポよく畳みかけることが出来たのは編集と省略の巧さでもあるし、 何よりも現実的な異界を舞台と出来るアニメーションの強みだろう。 その仕掛けによって島根の風景や事物や風俗が「過去の光景」であることが明らかにされたとき、その繊細に描き込まれた情景の数々は さらにかけがえなく美しくノスタルジックなものとして輝き、匂い立つ。 朝陽の中に光の粉として舞う羽毛、紅葉の山道を歩く三人の顔を流れる木漏れ日の斑模様の光。 すり鉢状の山頂でのマジックアワーでは、ショットごとに背景の空の色が繊細に描き分けられ、短く長い時間の推移が表現される。 キャラクターの影も4色使われているというこだわりようだ。 情景のみならず、映画のアクションもこれまでで最も充実している。 歩行する足、駆ける足、自転車を漕ぐ足、その足の表情が想いを語っている。 ローアングルからレイアウトされた、閉まる引き戸のショットが反復され、フェードアウトと共に断絶的なアクセントになっている。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-09-02 10:17:32) 5.《ネタバレ》 タイムパラドックスものはいかに矛盾点を少なく整合性を保てるか、というのが一つのポイントになると思うが、この作品ではそれをクリアできているとは言い難い。 タイムパラドックスに加え、男女の人格が入れ替わるという要素もあり、ますますハードルは高くなる。 全くの別人となった場合、学校に行ったり友達と話せたりあまつさえバイトで仕事することなどできるだろうか。 情報の詰まったスマホをキーアイテムとしながら、3年ものタムラグに気付かないことがあるだろうか。 夢での出来事と思ってる段階ではそれもスルーできたとせよ、お互いの存在を確信してからはやはり無理がある。 また他の人も書いてるが、隕石が落ちて消滅した町があったとすれば、そのような町の名はしばらくは必ず誰の記憶にも残ってるはず。 その地方のことを調べていけば真っ先に思い当たるのが自然。 3年という時間は口噛み酒が発酵するための時間であったのか。自分の半分であるという酒を飲むことによって再会することができたという設定だが、そのあたりからますますストーリーは幻想的になり収集がついてない感じ。そこで「彼は誰時」の伏線も回収していたが、個人的にはこの一連のシークエンスは不要だったような気がする。口噛み酒も少年が酒を飲むことにも良い感じは無い。 とは言いつつ、映画全体の雰囲気や映像はとても良く好感は持てる。 中盤までのストーリーは読めたが、どのように結末を持っていくかというのは予想が付かず楽しめた。 目が覚めた時、今見てた夢は絶対覚えておこうと思いながら5分後にはもう跡形もなく忘れてしまっている、誰もが体験するその感覚をうまく映画にしたなという印象。 しかし日本の映画界は神木隆之介離れした方がいいんじゃないか?他にも人材いるでしょう。 【banz】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2016-09-02 01:37:23)(良:1票) 4.《ネタバレ》 うーん…世間の評価が凄いので期待していたのですが、僕には肩透かしという感じでした^^; 昔からある「男女入れ替わりネタ」(主人公の乳揉みは大林宣彦の「転校生」を思い出して苦笑)に、これまたよくある 「自分だけが知っているカタストロフから、それを知らない無理解な人々をいかに救うか」というサスペンス。 今作はそこに「三年間のタイムラグ」という一ひねりが加わっていますが、それはそれで 「入れ替わり中スマホやらテレビやらカレンダーやらで”今”が何年なのか気付くチャンスがなかったのか」とか 「日本中を騒がせた大ニュースと入れ替わり先の地名の関係についてなぜ人に言われるまで思い至らなかったのか」とか 色々な不合理を生み出す要因になったり… 劇中で頻繁にかかる透明感のある男性ボーカルの挿入歌や、登場人物の過剰な叫びは、 「どうぞここで感動してください!」という作り手の押しつけに感じられて妙に興ざめ。 トレースによる緻密な背景は健在ですが、過去の新海作品を見慣れた人間としてはさすがに初期ほどの感動はありません。 やはり実写には及ばず、かといって「美術監督のセンス」というフィルターを通した「味がある風景」でもなく… (超ローアングルの引き戸や自動ドアのショットは最初「おおっ」という新鮮さを感じましたが、あまりに多用され過ぎて ここでも「見ろ見ろ、わしの作品は他のと違って風景の切り口も独特やろ!」と言わんばかりの ”作り手の押しつけ”を感じてしまいました) あと声ですが…やはり、アニメには本職の声優さんを使って欲しいです。声優ヲタというわけではないのですが やはり「生身の演技」と「声だけの演技」は違うので、やり慣れていない人の”声の演技”は洋画吹き替えにしろアニメの声にしろ どこかぎこちなく感じられます。 (なんでしょうね…”一般認知度が高い男優女優やタレント”が声を演じてないと、アニメ作品はやはり アニメオタクや子供向けの”マンガ映画”として一段低くみられるのでしょうか?) 色々勝手な事を書いてしまいましたが、もちろん、悪い作品ではありません。 ただ、個人的に「素晴らしい映画かどうか」の線引きは 「観ている途中ですでに映像ソフト購入を決意する」「二度以上劇場で観たくなる」の二点なのですが 残念ながらこの作品はそのラインに達しませんでした… 【大鉄人28号】さん [映画館(邦画)] 5点(2016-09-01 23:05:37)(良:3票) 3.《ネタバレ》 前半は文句なしに100点なんですよ。中半の衝撃的展開もいい感じ。ただ後半が微妙。私は最初「切ない青春ラブストーリー」と「SF」というものを分けて「前者を見たい人にはは100点」「後者を見たい人は50点」ってコメントをしようとも思った。でもそれは間違いだと思った■ちなみにSF50点なのは、SF設定で状況に臨場感を与える上で大切な「法則」が欠けていて、「主人公が与えられた条件の中でいかに困難を乗り切るのか」で部分の「与えられた条件(記憶がどうすればもどるのか)」がかなり曖昧である事。簡単に言えば「物語(脚本)の矛盾点を消すために記憶が消えているな(あと町長の判断基準がクレーターの外輪の感動場面を作るためだけに矛盾しまくってる)」ってのがダダ分かり。「いかに困難を乗り切るか」は頑張ってたんだけど、その頑張りの方向性を決める法則がこれじゃあ、空回りしちゃう。そしてラスト(あれは正直尺が長い)の奇跡が奇跡足りえない気がする。奇跡を起こすにはアイテムがあってこそでしょう。それで高校生のうちにカタをつけておくべきだった。監督は社会人にも夢や奇跡を感じて欲しかったのかもしれないが、社会人になった2人がそこに着地点を見つけるにはあまりにも曖昧な奇跡だ。■この映画の最大の失敗は「SFの矛盾点」をある程度妥協して、徹底して真面目に「夢の中のような切ないラブストーリー」を作ろうとした点。でも、その妥協のせいで「切ないラブストーリー」が「夢」になってしまった。5年後「夢」がある日現実になる奇跡というラストにモヤモヤが残ってしまった。監督はこの物語が夢なのか現実なのかはっきりするべきだった。映画って本当に怖いよね。素晴らしいSF青春ラブストーリー映画なのに。 【はち-ご=】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-08-28 00:58:47)(良:3票)
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