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【クチコミ・感想(9点検索)】
4.子供の生命力、パワーをひしひしと感じた。
サテライトや足の不自由な子の前向きな生き方、凄いと思った。
そして、アグリンの悲壮感にも共感。
私も女性なので彼女の怒りが伝わってくる。
現実に戦争や紛争に巻き込まれたように感じられた名作。
どうしたら平和に共存できるのか、子供たちの姿から私も考えたい。 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2023-06-11 17:04:42)(良:1票)
3.《ネタバレ》 バフマン・ゴバディは「酔っぱらった馬の時間」も凄かったが、「亀も空を飛ぶ」は圧倒的だ。
まず冒頭の強烈さからして引き込まれる。
風、曇り空、水面、下を向いて歩く崖の上の少女、すべてに絶望したような眼差し、その少女に向かって叫ぶかのように始まるオープニングの歌、そして亀の甲羅が映し出され、物語は彼女が崖の上に来るまでの過程を描きはじめる。彼女は崖下に飛んでしまうのだろうか。それとも・・・。この断崖の少女は、劇中度々映される。
戦争で大人たちは混乱し、子供たちは大人に頼る事なくたくましく生きている。戦災孤児たちの表情の凄味、活き活きとした様子。片足が曲がっていても松葉杖でヒョコヒョコと歩く姿。
TVを見るために率先してアンテナ組み立て、大人も巻き込む叫んでの演説、砲弾の薬莢が山積みになったゴミ捨て場を散策したり、地雷の撤去に精を出したり、銃を買出し土嚢を積んで射撃訓練を行ったり。
草の上に立てられるアンテナがもたらすアメリカの情報。異国へのあこがれ、自分たちをここまで追い込んだ張本人たちへの憎悪、恐怖。
そんな彼らの前に、冒頭の少女が姿を現す。彼女は夫のように両手を失った少年を連れ添い、背中には幼子を抱えるが、何処か奇妙だ。彼女はいつも幼子に対して複雑な眼差しを送る。
胸にしまいこんでしまった戦争の記憶、トラウマ、それを思い出させる幼子の存在。愛情と憎しみの間で揺らぐ。
幼子は何もしていない。ただ、存在するというだけで“わずらわしい”という不幸。幼子を守るのは彼女だし、それを殺そうとするのも彼女だ。自殺を思いとどまらせるのも、死にたいと思うのも幼子の存在。
彼女の事情を知らない者には、育児放棄気味の女にも見えただろう。
それとは対照的に、少年の方は両手が無い代わりに脚や首で仕事をこなし、首で幼子を“抱きかかえる”。幼子も彼を信頼して両手でしがみつく。慣れた口つきで地雷を引き抜く作業。
地雷探知機が不気味に鳴く小高い丘。金でも掘り当てるように人々は地雷を掘り続ける。
自分たちの友人を殺し、脚を奪ったのも地雷だし、ソイツが食いつなぐための貴重な収入源でもある。敷き詰められた掘り出し物。
それとも、憎むべきは地雷を埋めて行きやがった人間そのものだと割り切っているのだろうか。
彼らは同情もいらないし、同情するくらいなら金をよこせという心意気とタフさ、辛い過去を背負い時には投げ飛ばして前へ前へと進み続ける。それを投げ飛ばせなかった少女の悲劇。
自転車は移動手段であり、荷物を運ぶ荷台であり、クラクションで子供を安心させ、地雷探知機であり、身代わりでもある。犠牲になったのだ・・・。
鉄条網の境界線、脚を銃に見立てて見張りを挑発するのも幼子を命懸けで庇うため。
戦車の砲塔は上下して人々を見下ろす椅子になり、戦車の墓場は子供たちの遊び場だ。ドラム缶のような薬莢。これが雨のように降っていたのかと思うと怖い。その砲弾が空けた穴は水たまりに。
人を恐怖に震わせたであろうヘリも、今度は希望をバラ撒くために飛ぶ。
死への欲求がエスカレートする少女の恐怖。幼子を岩場に紐でくくりつけたり、放逐したり。地雷原に迷い込んでしまう恐怖。幼子はその恐怖を知らない、知っている者は騒ぎに騒いで泣き叫ぶ。あの瞬間の息の詰まる時間、粉塵が予想させる絶望。
彼は怒ってもいい。あれだけ必死になって助けたというのに・・・。見舞いの金魚もなんの慰めにもならない。
アメリカ軍の到着によって、この戦争はひとまず終わりを迎える。“ひとまず”であり、彼らの戦後は今も続いているのである。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-06-04 21:06:37)(良:1票)
2. 戦乱の中、過酷な現実を背負ったクルド人の子供たちの様子が凄くリアルに描かれていた。生きていくために地雷を拾い、それを売ったお金で生活している子供たち。両腕を失った子供が口を使って器用に地雷の信管を抜いている・・・。また、地雷を持って市場に行った子供たちが屋台で銃を借りている。次々と信じられない光景が目に飛び込んでくるが、それらはフィクションではなく現実に当たり前のように行われているのだという。なんという過酷な運命だろうか。しかし、そんな現実にも絶望することなく、しっかりと生きていこうとする子供たちの力強さがとても生き生きと描かれているため、決して暗くなることなく楽しく見ることができた。
バフマン・ゴバディ監督の「酔っぱらった馬の時間」という映画では、イランとイラクの国境にある山岳地帯の村を舞台に、両親を亡くしたクルド人の子供たちが助け合いながら生きていく様子がドキュメンタリータッチで描かれていた。今作では時代背景こそ現実的だが、フィクションとしてもよりよく作りこまれた作品であると思った。例えば、両腕を無くした兄と敵の軍人に襲われた妹の描き方は作品により深いテーマを投げかけているし、地雷地帯に迷い込んだ幼い子供を助けに行くリーダー格の少年のシークエンスなんかはまさに映画的な場面だ。この監督は次の作品ではどんな世界を見せてくれるのか、凄く楽しみである。 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-10-29 20:44:23)
1.作品全体を貫く力強さと繊細な細部、ドキュメンタリータッチとファンタジーのパッチワークが鮮やかに織り込まれた映画でした。たくましいやひ弱いといった形容を拒むように生きるために成すことを成すクルドの人々が描かれ、結果、同情や共感を拒むような屹立としたフィルム空間が生まれているのです。赤い金魚や亀、サテライトや目が見えない赤ん坊が比喩的でありながら、その意味を探ることが無意味であるかのように全てを無化しグレーで包み込んでしまうような曇天の空に、もしかしたら世界中のすべてが曇天であるかのような錯覚さえしてしまうようなその空に、青空にはない普遍性を感じながら映画館を出るとそこは曇天の冬空。この空はクルドにつながっているのか。 【彦馬】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-01-03 18:02:01)(良:2票)
マーク説明 |
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《更新》 | :7日以内に更新 |
【点数情報】
Review人数 |
13人 |
平均点数 |
8.69点 |
0 | 0 | 0.00% |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 0 | 0.00% |
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6 | 2 | 15.38% |
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7 | 1 | 7.69% |
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8 | 1 | 7.69% |
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9 | 4 | 30.77% |
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10 | 5 | 38.46% |
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【その他点数情報】
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