みんなのシネマレビュー |
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
14.《ネタバレ》 『死』のハウツー映画の後に『生』の根幹にある『食』をテーマにしてるところが見事。ショートコントみたいなサブストーリーを散りばめてますが、本作のメインテーマがラーメン。ラーメン歴40年の老人が伝授するラーメンの食べ方。いきなり口に運ぶのでなく、見て、箸で撫でて、心のなかでつぶやく…「何が『後でね』だよ~」って、私までラーメンを食べたくなってしまう。 この、口に運ぶ前に食べ物の情報を味わう事こそが、'80年代半ばから今でも続くグルメ・ブームの基本だと思います。そしてこのブームの最大の火付け役が、漫画『美味しんぼ』と、映画『タンポポ』だったと思ってます。 この2作品がキッカケとなり、「あの店の◯◯が美味い」なんて飲食店の情報がメディアで取り上げられるようになり、単に『美味い・不味い』だけだった味の追求に『何がどう美味いのか?』って理由・根拠が求められるようになり、一億総グルメ評論家となって、誰でも楽しめる娯楽として、お店に点数やランクを付けるようになっていきました。 さて、令和の時代に小説の老人が食べるラーメンを観ると、まるで社員食堂のラーメンだ。あれ?こんなだったっけ?当時は美味そうに観えたんだけどなぁ…このおよそ40年の間に、ラーメンってとんでもなく進化してしまったんだなって思う。言い換えると、この映画が発端のラーメンブームがあったからこそ、今のラーメンがあるんだろう。余談だけど40年前に大人気だった札幌のラーメン屋で、今でも人気なお店って少ないです。当時大人気だった玄咲は閉店。時計台は様変わり。味の三平や純連は頑張ってます。 ラーメンの次に出てくるのが、タンポポが作る朝食。おひつのごはん、豆腐の味噌汁、たまご納豆、ぬか漬けに鯵の開き。これがまた実に美味しそう。この40年で進化したものもあれば、変わらないものもある。食ってとっても面白い。 ここでターボーが言う「母ちゃんの作った料理は美味いからねぇ~。ラーメンも日本一だよね!」ここがもう、この映画の答え。伊丹監督が創った食ブームの答えなんです。 たとえ他人にはどんなに不味くても、母親が自分のために作った料理こそが、最高のご馳走なんだ。って。 やれ、あそこのラーメン屋が美味いだ不味いだなんてのは、お金が動く情報の世界の話だよね。って。 数あるサブストーリーの中で、きっと一番印象に残るのが、死に際にチャーハンを作るお母さんじゃないでしょうか? チャーハンをガツガツ食べる家族。それを見て微笑み、死んでいくお母さん。こんな短時間の物語から、食べることは、生きていくことなんだなって、改めて思わせてくれました。 そして“お母さんの母乳を吸う赤ん坊”で映画は終わる。どれだけお金を掛けたグルメも母親の味は超えられない。 余談だけど伊丹監督の次の作品は“看護婦の乳首を吸う死にかけの老人”から始まるマルサの女。人間の『欲』を扱った映画。 神がかってる。 【K&K】さん [地上波(邦画)] 9点(2024-01-20 15:51:51)(良:1票) 13.邦画の面白さが詰まったような映画。 暖かくて笑えてホロリはそうでもなかったが、なんとも言えない気分を良くさせてくれる。 関係ないエピソードは関係なさすぎたw もう少し本編に近づけた方が良かった気がした。 【たんたかたん】さん [インターネット(邦画)] 9点(2019-09-23 10:31:54) 12.《ネタバレ》 自分にとっての映画の面白さは、 「何度も観たくなる」 「何回観てもオモシロイ」が結構な条件です。 多彩な人物のそれぞれの「食」にまつわるエピソード。 そのどれもが印象的。 もちろんラーメン屋のエピソードも大満足な映画です。 【しんしん】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-05-08 11:08:05)(良:1票) 11.《ネタバレ》 人間の欲求の中で、食欲と性欲は自分と相手がいて初めて成り立つ。 食えれば何でも良い訳じゃないし、抱ければ誰でも言い訳でもない。やはり食に対する感情と人を愛する感情は似ているのだろうか。その自己完結しない欲の中に美を見出した伊丹十三はすばらしいと思う。食と性を通し、人間の欲に最も近い美を伊丹十三は作り出す事ができたのだ。 【Akiralor】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-01-07 17:33:43) 10.《ネタバレ》 何度も見ている大好きな作品です。はやらないラーメン屋を再建する話をメインにして、役所広司と黒田福美がホスト役。その間に食べ物にまつわる話を入れ込んだ設定。伊丹さんは、ラーメンストーリーよりも「食にまつわるエッセイ」の方が描きたかったのではないかなあと推測しています。その中でも一番のメッセージは「エロティックな食物たち」かなあ。いろんなシーンでそれを表現していますが、私が一番感じたのは、原泉おばあちゃんが津川店長と追っかけっこする場面(いつぞやのテレビ放映ではカットされていた)。カマンベールをグニュ~、桃をグチュグチュ、お汁がピュッってシーンです。ああ、食べ物はエッチなんだと理解したのです。エンディングの公園での授乳シーンの意味が最初見たときはわからなかったけど、何度目かに見たときに「ああ!母乳が生まれて最初の食べ物なんだ」とわかったときは嬉しかったなあ。一つ一つのシーンがとても丁寧に撮られていて、本当に美味しそう。食物の周りの人間心理もうまく描かれています。伊丹映画の中で一番好きな作品です。最後に大好きな台詞をご紹介。「だっておじさん、ラーメン食べるのはそのド素人なのよ。素人にわからない味のラーメン作ってどうするの」 【ひよりん】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-05-21 17:15:15)(良:1票) 9.どんなに美味いラーメン作る店があっても、ビスケン(安岡力也)が居座ってる店は、いやだな~ なんかさぁ~スープ全部飲まないと“ケチ”つけられそうじゃありませんか? ビス:「おりゃ、おまぁ~(お前)、な~に残しとんじゃ!スープ全部飲まねーと、帰さんど~」 客:「す、すいません、の、の、飲みます、ゴクゴク・・・」 ビス:「こらぁ~美味いのか、まずいのか、ハッキリ言わんかぁ~」 客:「う、うまいっすぅ」←声裏返ってるし・・・ 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-19 21:23:38) 8.「シェーン」よろしく、寂れたラーメン屋に謎のトラック野郎がやってくる、というメインストーリーと様々な「食」に関する皮肉や笑えるエピソードの数々。どれもにやりとさせられるものばかり。なかでも井川比佐志と三田和代の最後のチャーハンは秀逸。このエピソードだけはグッと胸に来るものがある。おいしいと言う家族にほっとした様に微笑む妻の笑顔、そして妻のぬくもりをチャーハンに感じる夫、見終わった後でもこのシーンが頭から離れない。 【やしき】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-12-11 00:26:53) 7.日本映画というと、たいがいの海外の人が思い浮かべるのは時代劇か、アニメか、怪獣特撮ということになるのだろうが、どっこいコメディも世界に十分通用するということを示した傑作。とはいえ、後の「Shall We ダンス?」のように日本人向けに作ったものが目利きの目にとまって世界で評価された、ということではなく、印象的なシーンで使われている食材は、卵だったり、牡蛎だったりして西洋でもなじみのあるもので固めているところなど、初めから海外で公開されることを(少なくとも監督個人としては)前提としていたのではないだろうか。スシやヤキトリ、スキヤキなど、日本食のステレオタイプを用いなかったのも成功の一因と思われる。生きているエビについても、エロティックなシーンに昇華させ、西洋人にとっては残虐と取られるかもしれない踊り食い自体はあえて見せていないところにしたたかな計算が感じられる。 【南浦和で笑う三波】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-07-21 00:16:20) 6.大金持ちから浮浪者まで、それぞれの生き方にそれぞれの食ありですね。 山崎努というと『天国と地獄』の卑劣な犯罪者役とか『八墓村』の32人殺しの多治見要蔵役とか、シリアス系の役者という印象があったので意外。目尻のシワが可愛い。 伊丹作品の中では一番好き。宮本信子をはじめ出演者全員が輝いて見える。 【kazu-chin】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-05-20 01:42:21) 5.ウェスタンを下敷きにラーメンに本気で取り組む面々。バブリーなグルメをB級でありながら国民食のラーメンで対比させ、現在のラーメンブームを予測したかのようで改めて感心します。お葬式のブランコに続き、この映画もHシーンの小道具が凝ってます。※追記:久しぶりに見たけれどやっぱり面白い、私のラーメン食べ歩きの原点ですね。何気にSAYURIのワールドコンビ、謙さんと役所が共演してたのね。 【亜流派 十五郎】さん [映画館(字幕)] 9点(2003-09-14 23:54:46) 4.主演の宮本信子がより一層輝いて見える伊丹作品の中ではトップクラスの作品。いわゆる再生のドラマであるが、「スーパーの女」よりは、はるかに印象深い作品である。ラーメン屋を軸にしたお得意のウンチクドラマであるが、ドラマを楽しみながら食文化を堪能できるという、お得な映画でもある。みのもんたの「愛の貧乏脱出作戦」はこの作品にヒントに企画されたんじゃないのか?映画は前を見よ、考えろ、工夫せよ、研究せよ、と言っているようだ。道は開ける!希望を捨てずに頑張ろう!? 【すぎさ】さん 9点(2003-07-11 02:27:27) 3.この作品は笑いどころがたくさんあって良かった。やっぱり人の基本は「食」にあるんだと自覚させられた。途中でいろいろな場面が入ってくるけどそれもまったく違和感が無いし、一つ一つの場面がキレイで良かった。ラーメンが食べたくなる作品。それにしても、なぜカウボーイ? 【しゃぼんだま】さん 9点(2003-04-05 10:17:18) 2.80年代の日本を代表する1本と思います。出演者も脚本も演出も明るく、テンポがよい。伊丹監督、輝いてましたね。この後、少しずつ彼の才気が暗い方向へ向かうのと、日本の方向も重なってしまった。バブルとその後の日本社会に真摯に取り組もうとした伊丹監督を思うと、笑った後にしんみりする作品になってしまいました。 【モリブンド】さん 9点(2002-08-19 01:57:42) 1.単にラーメンを作るだけの話のはずなのに、ストーリーに関係の無いシーンが随所に登場する。ラーメンの話を永遠とするのではなく、こう言った意味不明なシーンが挿入されることで、飽きずに最後まで観ることが出来たのかもしれない。この辺が他の伊丹作品とは違うとところで、伊丹作品の中では一番のお気に入りです。 【イマジン】さん 9点(2001-04-23 12:43:11)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS