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【クチコミ・感想(9点検索)】
2.《ネタバレ》 世間知らずのお嬢様は、悪気もなくひどいことをし、世間知らずの荒くれ者は、それを真に受けてひどい目に遭う。
観ていて切なかったのは、サブが必死に生きていること。
耳の悪い母を支え、知的障害のある弟の面倒を見る。
そんなサブが、お嬢さんから快気祝いに来てねと言われて、少しぐらい舞い上がったっていいじゃないか。
でも、そんな無神経な善意を社会は許してはくれない。
それでも、タンクで暴れ回りながら最後まで砲撃しなかったのは、弾が無かったからではなく、サブの優しさだと信じたい。
そして岩下志麻。
この映画の志麻様は、あまり良くない役回りだけど、彼女が兵六の気持ちを代弁してくれたことで、彼の死もサブの生き方も見事なまでの抒情詩に昇華している。
こんなちっぽけな畑や村に縛られないで、あの鳥のように大きな空に飛び立ちたい。
サブにも兵六にも、そんな思いがあったんじゃないだろうか。
そして映画を観ながら、国木田独歩の「春の鳥」を思い出した。
原作者か山田監督は、きっとこの小説を読んで心を動かされたに違いない。
悲しくて美しい、いい映画だった。 【roadster316】さん [インターネット(邦画)] 9点(2020-10-12 19:27:37)
1.《ネタバレ》 本作でハナ肇が演じた役は、「男はつらいよ」シリーズの原点になったとも言えるものです。単なるコメディではなく、その背景に悲哀が感じられる傑作です。太平洋戦争中、少年戦車兵だったハナ肇は、田舎の家で、耳の悪い老母と、(鳥に憧れる)知恵遅れの弟(犬塚弘)と一緒に住んでいます。一家は土地の境界をめぐって地主(花沢徳衛)ともめています。その村いちばんの美人(岩下志麻)に惚れているのですが、ブ男の彼はみんなから馬鹿にされる日々です。そんなある日、彼女の快気祝いの席上での侮辱に、こらえにこらえていたハナ肇の態度が一変します。実は家の煙突に偽装して戦車を隠し持っていたのです。彼はそれを乗り回して村中を暴れ回ります。駐在所の警官がひとりだけの村では、小さな戦車とはいえ立ち向かえるはずもなく、彼のやりたい放題が続きます。ところがある日、彼の弟(犬塚弘)が火の見櫓から転落するという事故があり、そのまま死んでしまいます。するとそれまであれほど暴れ回っていたハナ肇が、弟の死体を戦車に乗せて、どこかに消えてしまったのです。村人達が戦車の轍の跡を追いかけると、山を越えて海へと続いていきます。そのままどうなったかは語られませんが、皆さんどう想像しますか? いわれのない差別や、あくどいことをする人々を皮肉り、笑い飛ばす山田洋次の演出は見事です。 【オオカミ】さん 9点(2003-11-22 22:05:48)(良:1票)
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【点数情報】
Review人数 |
16人 |
平均点数 |
7.06点 |
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1 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 2 | 12.50% |
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6 | 6 | 37.50% |
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7 | 1 | 6.25% |
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8 | 4 | 25.00% |
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9 | 2 | 12.50% |
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10 | 1 | 6.25% |
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