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【クチコミ・感想(9点検索)】
2.《ネタバレ》 戦争というものに対して、これほどまで正面から堂々と踏み込んだ映画は他に類を見ない。昭和初期の日本の成長発展とその野望とともに歩んだ戦争への道を、これ以上詳しく表すことができないほど、丁寧にかつ客観的立場で踏み込んでいる。おそらく相当入念な検証がなされたことだろう。日本の近代史を知る上で教科書以上の歴史的教材である。
映画は1928年(昭和3年)の張作霖の乗った列車を関東軍が爆破させるということから始まる。常に戦争は大義が必要であり、そのためにはいかなる画策、謀略も辞さないということが手に取るようにわかる。
また、日本の新興財閥は利益拡大のため、清王朝滅亡後の弱体化した中国につけこみ、満州の地を我がものにしようと勢力をひろげていく。
伍代家にあっては、強行推進派の喬介(芦田伸介)英介(高橋悦司)と慎重に構える由介(滝沢修)、また若輩ながらそれに疑問を持つ俊介(中村勘九郎)を軸に、ヒロイン由紀子(浅丘ルリ子)の奔放な愛をからめて、壮大なドラマとなっている。
印象的なシーンは数多くあるが、音楽好きの私には、由紀子がサロンで弾く「幻想即興曲」が美しい調べとなって記憶に残っているし、石原莞爾や板垣征四郎という実在の関東軍参謀も登場する。
また伍代家を取り巻く人物として、標兄弟や柘植中尉、伍代産業で働く高畠や鴫田、親中派の服部医師、中国人趙親子など、有名どころが数多く登場、石原裕次郎も出演しているのだがどこに出てきたかかすんでしまうほどである。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 9点(2011-06-10 22:36:07)(良:1票)
1.《ネタバレ》 山本薩夫監督の中でも好きな作品のひとつです。日活オールスター作品って他にあるのでしょうか?東宝オールスターとなるとどうしても「男臭く」なるのだが、日活は女優陣が強い。浅丘ルリ子、松原智恵子、栗原小巻、(後に吉永小百合・佐久間良子も登場)と豪華です。
戦争を題材にした作品は、どうしても作者の視点が浮き出てしまうのですが、大作に相応しいスケールの大きさを演出している。関東軍と結託して拡大を図る伍大家が中心になるんですが、戦争の大局のマクロ的な視点から、日本人のみならず満州・中国・朝鮮人のミクロ的な視点まで、満州の地で絡み合うそれぞれの思惑・憎しみが双方で進行していく。また、五味川原作「人間の條件」と同様に愛についてのドラマ、戦争によって引き剥がされていく複数のドラマが絡んでくる。ここにスケールの大きさを感じた次第で、現在だととうてい「作り得ない」演出であり、キャストでしょう。
個人的に好きなシーンって、どうでもいいのですが、伍大家の跡取り(高橋悦史)がチャイナドレスの栗原小巻を背中に「いい腰してるぜ」っていうシーン。果て、原作にも同じシーンがあったのか、それとも伍大家の行く先を暗示している意図なのか、つい考えてしまうほど、山本演出ではお目にかかれないシーンでした。
ぜひ、大スクリーンで3部一気に楽しみたい作品です。
【昨年の新文芸座にて】 【サーファローザ】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-11-06 00:59:56)
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【点数情報】
Review人数 |
7人 |
平均点数 |
7.43点 |
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1 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 1 | 14.29% |
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6 | 0 | 0.00% |
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7 | 3 | 42.86% |
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8 | 1 | 14.29% |
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9 | 2 | 28.57% |
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10 | 0 | 0.00% |
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【その他点数情報】
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