みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
113.《ネタバレ》 その細やかで美しい作画同様に宮崎駿監督は、牧歌的な風景の中を元気に飛びまわる姉妹の楽しい日常と、それでも彼女たちがどうしようもなく胸のうちに抱えている、母親の不在がもたらす不安とを、トトロというファンタジーを用いてとても丁寧につなげていく。「あの子たち見かけよりずっと無理してきたと思うの。サツキなんかききわけがいいから、なおのことかわいそう。」病室の母親が気遣うように、姉でありまたしっかり者のサツキには子どもながらに母の不在は自分が支えなくてはならないという自負がある。幼い妹メイを守るのはほかでもない姉の自分であり、父にも母にも決して心配をかけてはいけないのだという思い。「お母さん死んじゃったらどうしよう」一人胸に隠し持つそんな不安についに耐えきれず彼女が泣きじゃくるのも、自分たちを気にかけてくれる近所のおばあさんの前で一度きりだ。暗い森のバス停でメイといっしょにお父さんを待つ夜。不安に手を握りしめる妹と、反対に大人のように強く平気なふりをしなければならない姉。けれど本当はサツキだって恐いのだ。妹を守るため限界まで背のびをつづけるサツキ。そんな彼女の小さな肩が「大人のふり」の重みにそれでもどうしようもなくつぶされそうになる時、神出鬼没に見えるトトロだがサツキの前に彼が現れるのは決まってそんな時だ。何をしてくれるわけでもない、ただ心強くそばにいてくれる、あるいは猫バスを貸してくれたりする。なかでもことさら素晴らしいのは、夜の庭で空を飛ぶシーンだ。大喜びで真っ先にトトロにしがみつくメイとは対象的に、大人でいなければならないサツキには無邪気にそうすることができない。とてもさりげないその描写のけれどなんと繊細なことか!促すように見つめ返すトトロにサツキはやっと理解する。今この瞬間だけは、自分も子どもでいていいのだと。背のびをやめてもいいのだと。そしてその時やっと、彼女は子どもとしての等身大の自分に戻る。ありのままの子どもの顔で、幼い妹のように夢中でトトロにしがみつく。それはそれはうれしそうに!そんなサツキの姿はまた、大人として当たり前に大人であらねばならない我々の姿でもあるのだろう。サツキがトトロにしがみつく時、我々もまたつかのま子どもに還って、思いきりトトロにしがみつき、そして夢のように夜空を飛ぶのだ。 【BOWWOW】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-07-30 00:53:56)(良:12票) 112.《ネタバレ》 今まで何十回と見たことあるのに、まだレビューしてなかったのね…。 今回久しぶりに見直してみたけどやっぱり最高! コンパクトによくまとまってるし、ファンタジー度合が絶妙でキャラクターもそれぞれ立ってるし。 アタシ的にはこの映画には3つの号泣ポイントがあって、1つ目は米研いでるおばあちゃんにサツキが不安をぶちまけるとこ、2つ目はカンタが池に浮いてたサンダルの話をサツキに伝えるとこ、そして3つ目はサツキがトトロにメイを探してほしいって涙ながらに訴えるとこなんだけど。 入院中のお母さんの代わりに弁当作ったりメイの面倒見たりと精一杯努力してるサツキ、ほんとはサツキだってまだまだ子供なのに自分がしっかりしなきゃって頑張ってる姿がほんと健気で…。 お母さんのセリフじゃないけど、ホント聞き分けがいいだけに余計かわいそうなのよね。 もちろん井戸のとこでおばあちゃんに慰められてるサツキを見て一大決心するメイもいじらしいんだけど。 病院のお母さんにとうもろこしを届けようとメイが決めたのは、お母さんに早く良くなってほしいからってのはもちろんだけど、お姉ちゃんを泣かせたくないからってのもあったと思うのよね。 お姉ちゃんもほんとはツライんだ、じゃあメイがこのとうもろこしで早くお母さんを治してあげよう!的な。 …奇妙な生物が出てくるだけのファンタジーアニメじゃなく、ちゃんとした人間ドラマが根底にある作品だからこそ、24年も前の映画なのに今も多くの人の心を鷲掴みにしてるんでしょうね。 【梅桃】さん [地上波(邦画)] 9点(2012-07-14 21:01:41)(良:4票) 111.この映画、何回見たかわかれへん。これからも、何回見るかわかれへん。 【小星】さん [地上波(邦画)] 9点(2006-09-01 18:07:11)(良:2票) 110.くっそー! くやしいなぁ。。。 もう日本人の心の琴線に触れまくり。 ストーリーなんか、ほんとどーでもいいようなもんでしかないのにね。 こういう風景の中で貴方は生きていたくないですか?って問いかけられてるよう。 上映時間が終わらないでこのままずっと観ていたいなぁと思ってしまう映画です。 【とっすぃ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-04 03:22:49)(良:2票) 109.《ネタバレ》 田舎の原風景がアニメの中に生きる「トトロ」。 宮崎駿の数ある傑作の中で、「トトロ」はもっとものびのびと、もっとも自然豊かな映画ではないだろうか。 説教臭い部分もほとんど無いし、とにかく広い大地を走り、飛び回るような解放感がある。 そこに日本家屋の居心地の良さ、夏のほどよい暑さ、水の冷たさ・・・そういう無機質なCGでは味わえないぬくもりが映像の中に溢れているんだよなあ。劇中に流れるノスタルジックな音楽と共に。 「さんぽ」の音楽と共にメイたちの行進が始まるオープニング。 劇中のメイたちはオープニングから歩いて走って叫んで飛びまくる。 メイと小さなトトロたちの追いかけっこ、惚れた女に傘を黙って渡し去っていく男気、夜空に傘で舞う巨躯、母のために泣き叫びそれに応えるトトロと猫バスの爆走振り。 のどかな田舎に引っ越してきたサツキたち、サツキたちを案内する清太との出会い。清太はこの時、既にサツキに恋に似た感情を抱いていたのだろうか。 普通ボロ家だと苦い顔をする人もいるだろうけど、サツキたちは「これから自分達の家にするんだー」とワクワクした表情で家の探検にでる。大声は威嚇、恐怖を薄れさせるための自分への鼓舞。 ボロボロの柱も、二人にとっては自分達を迎えてくれる遊び相手になってしまう。 まっくろくろすけは群れをなしてサツキたちに住処を“譲って”行く。 だって「出ないと目玉をほじくるぞー♪」なんて言われたら逃げたくもなるわww 手足の“すすわたり”は子供にも大人にも「夢だけど、夢じゃない」。 雨の中バスを待つシーンはちょっとホラー。 眠りそうになるメイをおぶり、サツキは独りきりで父を待つ。そんな時にいきなり巨大な爪を持った怪物が横に現れるのだ。その怪物が数分の傘のお礼に雨を「どしんっ」と止めてくれたりサツキを助けてくれるのだから素敵じゃないですか。傘を開く瞬間にビクッとなるトトロが可愛い。 “めい”目掛けて電線や田園を風のように駆け抜ける猫バスの疾走感!愛情のこもった「ばか」の一言、直接母親に会う“楽しみ”を待つ事にするサツキとメイの成長もちょっぴり描かれる・・・夏にもう一度“不思議な出会い”をしたくなる映画です。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 10:56:31)(良:1票) 108.いい物、作るなあ。ハリウッドがなんぼ金かけてもこの映画は作れないだろう。(まあその逆もしかりなのだが…)。日本の誇りであることに違いはない。 英語の字幕が出せるDVDで見たのですが、「おばあちゃん」が「NANNY」という名前になっている。「まっくろくろすけ出ておいで」というセリフも外国語には翻訳しようがない(その言葉の魅力を100%伝えることは外国語に直すと無理だ)。日本語の美しさがそこかしこに出てる。いろんな意味で、日本的なすばらしい作品だと思える。 【MARTEL1906】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-01-04 18:02:03)(良:1票) 107.《ネタバレ》 本作のイメージは「カレーライス」です。それも家で食べるごく普通のカレー。じゃがいもごろごろ、色は黄色の、あのカレーです。ときどき無性に食べたくなる味。理由は簡単です。それはお母さん(あるいはお父さん)が作ってくれたから。慣れ親しんだ、懐かしい味だからです。本作にも同じことが言えると思います。本作で描かれる田舎の生活は、まさしく子供の頃の記憶。おばあちゃんの家で過ごした、夏休みの記憶です。お母さんの入院にしても同じ。入院とまでいかなくても、親が風邪で寝込んだことはあると思います。そのときの切ない気持ち、不安な気持ちは忘れられません。迷子のエピソードにしてもそう。本作で描かれるのは、誰もが「こんなことあったな」「あったかも」と思うような出来事ばかり。そういう意味では極めて大人向き(少なくとも、さつきと同じ小学生以上向き)の作品といえます。それでいて、トトロの存在は幼い子供も惹きつけます。守備範囲が広いのです。物語はシンプルで楽しい気持ちになれるもの。だから何度も観たいと思えます。まさしく大人から子供まで人気の「カレーライス」。専門店のカレーは確かに美味いです。でも家のカレーの美味さは格別です。しかもトトロという魔法のスパイス入り。『となりのトトロ』はそういう作品と考えます。 【目隠シスト】さん [地上波(邦画)] 9点(2006-07-31 18:13:22)(良:1票) 106.《ネタバレ》 子供の頃から何度観たかわからないくらい観てるし、台詞だってだいたい覚えちゃっている。しかし、今回久しぶりに観てみて、初めて観た時のようにとても良い感じで観れた。改めて、良い映画だと思った。英会話の先生が、ジブリの中で一番好きと言っていたのが理解できた。古き良き日本の田舎、子供の無邪気さが目いっぱい描かれている。おばあちゃんのしゃべり方も、とっても良い。サツキが大人っぽすぎる感はあるが、その分(?)メイがバスを待ちながらうつらうつらしてしまう場面など、ほんとに子供がよく描かれている。子供が観ても、大人になってから観ても、それぞれの年齢に合わせた見方、発見ができるすばらしい作品。 【にゃ~】さん [地上波(邦画)] 9点(2006-07-30 01:47:35)(良:1票) 105.《ネタバレ》 この映画を観てると田舎で暮らしたくなります。自然の森は新たな発見と生の喜びに満ち溢れていると思います。機械的に作られたものはすぐに飽きてしまうし、心は豊かになりません。だから、そんな田舎で生き生きと暮らしているさつきやメイは幸せだと思いました。でもひとつ気になることがあります。メイがいなくなって、さつきもばぁちゃんも村の人総出で探してるのに、なんでお父さんは平気で大学で授業やってるんだ!てことです。しかもその後さつき達の母親といっしょに病院いるし。とうもろこし見て「案外そうなのかもしれないよ」って!すべて知ってたのか、知らなかったのか…でもこれじゃ子供に無関心な父親だと誤解されて当然です(苦笑) 【ウィマ】さん 9点(2004-07-25 19:04:00)(笑:1票) 104.汚れに汚れてしまった政治家に見せたい。一ヶ月に一度ヤンキーやヤクザに見せれば更正できるのではないか? 【プラスチックハンティング】さん 9点(2003-11-01 16:19:40)(良:1票) 103. 初めに見たときは小学5年の時、そのときはよく理解できなかった。二回目見たのは大学1年の時、素直に心に響いた。昭和20年代の後半から30年代の前半にかけて、埼玉の所沢が舞台。(でも、おばあちゃんはなぜか茨城弁)「さつき」と私の父は同世代、しかもちょうどあの年頃に「さつき」と似たような運命に置かれたとか。しかし、アニメと違い母親は亡くなってしまった。父親の前にトトロは現れてくれなかった。父はこのアニメをみて涙を流していた。 【はにまる】さん 9点(2003-01-28 00:01:44)(良:1票) 102.子供の頃、近所に森があると、「あ、ここにもしかしたらトトロがいるのかも」なんて思ったりしたものです。当然のことながら、大人になった自分は今はそんな事は思いません。そう、子供の時は、自分のイマジネーションが現実に優先する時代でしたから。トトロっていうのがまさにその象徴ですね。だから大人には見えない。 【あろえりーな】さん 9点(2001-07-09 13:27:48)(良:1票) 101.ネコバス、乗りたい…。 【TERU】さん [地上波(邦画)] 9点(2024-09-09 20:07:04) 100.《ネタバレ》 この映画、もう何回も何十回も観てましたがレビューしてなかったようです。田舎の大きな木のある古家、めざしの入った弁当、薪で焚く風呂、田舎道などなど、物語そのものも好きですが、各シーンも印象的です、特に普段東京で暮らしているとなお一層です。観ている最中も、観た後もさすがジブリと思わせる映画、新作でまた観てみたいものです。 【珈琲時間】さん [DVD(邦画)] 9点(2020-08-04 16:06:24) 99.《ネタバレ》 これも初放送時のを録画してなんどか見た。 ご多分に漏れず、これも前半は最高な映画。 田舎町(村)に引っ越してきた姉妹(の特に妹)が緑の中で遊んでるうちにトトロに会う。 この話のクライマックスは種を蒔いたらトトロたちがその前で踊りをやっている、というシーンだろう。 ああやってがんばって芽を出していく植物たち。 そこからは夢とも妄想ともつかない世界になだれ込んでいくが、 次の日「夢だけど、夢じゃない」、これがこの作品のピークです。 多分監督が作りたかったのはここまででしょう。 宮崎監督の作り方ってのは独特で、ラストまで話を作らない。 最初の1/3から半分くらいまで話を作って見切り発車しちゃう。 そのちょうどいいところが今回はこの芽が出るというシーンだったと思われる。 なのでその後のメイの失踪は、他のジブリ作品に比べればまあまあ整合性は取れてはいるけど やっぱり映画作品としては取ってつけた「終わらせるための装置」だよなぁと。 それでも全体は面白いから5歳くらいのお子さんがいる人はBD/DVD買っても見なさい。 ついでに火垂るの墓を買うのも情操教育にいいかもしれません。 【にんじん】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2019-06-02 05:03:38) 98.どこかにあるはずなのに、どこにもなかった「原風景」を見事に現出させた。 となりのトトロの主人公は、トトロでも人物でもなく、世界である。 自然とは、人間に対置するものではなく、人間の心の中に宿っているものであるということが、この作品によってはっきりと伝わる。 この大きさに匹敵する芸術作品がどれだけあるだろう。ターナーの絵やブルックナーの音楽と並べても遜色のない作品だ。それらの作品はどれも、「絵画と鑑賞者」や「舞台と観客」を対置させない。確かに五感を通じて心のなかにそっと侵入してくる。まるで実家にあがりこむように、どかっと座り込んでくる。そうしてちょっとした思い出話をでも語り始める。 映画のストーリー自体はささやかな"おまけ"にすぎない。 【浅田荷葉】さん [DVD(字幕)] 9点(2019-03-12 03:41:26) 97.優しい隣のお婆ちゃん、のんびりとした田舎の風景、少年期を思い起こさせる音楽。 これを見ると子供に戻りたくなります。 【さわき】さん [地上波(邦画)] 9点(2016-11-08 23:27:17) 96.子供の頃に見て以来、テレビでやってて久々に見ました。日常のすぐ隣りに潜むフンタジーのまあ魅力的なこと。1シーン1シーンがとにかくきれい。自宅のデザイン、田舎の風景、お社とご神木、陰の濃い昼の夏、雨の降る暗い夜、メイを探す不安な夕暮れ。話らしい話はほとんど無いのにこの世界観にグイグイ引き込まれます。この映画がなぜか涙が出てしまうのは、おそらく音楽の使い方が抜群に上手いせいだと思います。感情が揺さぶられたところにドンピシャで効果的な音楽が入ります。冒険ファンタジーでヒットを飛ばしてきた監督にとって、この作品がウケるかどうかは多分博打だったんじゃないでしょうか。しかし結果的には大ヒットで、個人的には宮崎監督作品のNo.1だと思います。まさにコンセプトの勝利。奇跡の1本だと思います。 【54dayo】さん [地上波(邦画)] 9点(2016-11-04 23:29:22) 95.原始ミュージカル映画。 【バーグマンの瞳】さん [地上波(邦画)] 9点(2014-10-10 09:18:08) 94.何度も見返します。めいしゃーん。9点。 【シン*トー】さん [映画館(邦画)] 9点(2014-03-31 14:59:11)
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