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【クチコミ・感想(9点検索)】
2.《ネタバレ》 とにかくこの映画は、主演ハンナ・シグラ=マリア・ブラウンの惚れ惚れとするような逞しい生きざまとその美貌を堪能するのが正解です。敗戦間際にドイツ軍将校と結婚したマリア、夫は激戦の中で行方不明に。駅でプラカードを背負って夫の消息を求めるマリアですが、親友の夫からは「彼は死んだ」と聞かされます。このようなプロットはソフィア・ローレンの『ひまわり』が思い出されますが、そりゃあ監督がファスビンダーですからヴィットリオ・デ・シーカのようなメロドラマになるはずがありません。マリアは黒人米兵の愛人となって身籠りますが、そこに死んだはずの夫が捕虜収容所から帰還して黒人兵と鉢合わせになります。二人がもみ合いになるとマリアは黒人兵をビール瓶で撲殺、裁判では夫が身代わりになって有罪判決を受けて収監されます。まず驚いたのはマリアがあっさり子供を堕胎してしまうところで、あまりのサバサバぶりには「ドイツ女って怖い…」と引いてしまいます。就職した中小企業ではベッドの中で覚えた英語を武器にしてビジネス・ウーマンとしての才覚を発揮してのし上がってゆくマリア、当然の様に社長とは愛人関係になりますが、それを服役中の夫にいちいち報告するのが堪りません。とにかくこの映画では女が強い、その反面に男がみんな腑抜けや甲斐性なし、良くて紳士的で大人しいというのが特徴です。戦後ドイツおよび西独の世情がカリカチュアされていますが、それを暗喩しているのが背景音として流れるラジオ放送の内容です。戦後直後は行方不明者の尋ね人放送、やがてニュースでは西独首相アデナウアーの政策が流されついには54年のワールドカップ決勝“ドイツの奇跡”の実況にまでなります。マリアが親友のベティやその夫ヴィリーと良く訪れる学校の廃墟だけはいつまでたっても復興されず、そこだけはマリアが成人するまで育った戦前のドイツが残っているようで、その場所ではいつもとげとげしいマリアの言動も心なしか落ち着いた感じになります。西独が再軍備を開始してワールドカップを制覇した54年、マリアと夫はマリアが建てた邸宅で彼女の故意に起こしたガス爆発で吹っ飛んでしまいます。この結末にこそ、ファスビンダーの西独政治への辛辣な批評と思想性が込められているんじゃないでしょうか。 今まで観たドイツ映画に登場した女優でハンナ・シグラ=マリア・ブラウンほどその美貌が凄みすら感じさせるキャラは観たことがありません。若死にしたファスビンダーが残した“ニュー・ジャーマン・シネマ”を代表する傑作です。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2022-01-28 22:12:09)
1.ファスビンダー監督の中でも相当な異彩な雰囲気を持つ本作品。 内容自体は非常に分かり易いのでお勧めです。 それにしても主人公のマリアが凄すぎる。いや、どうしてここまで変にモチベーションがあるのだろう?そして、この人の見せる女性らしさは一体どこから来るのだろう? そんな疑問を抱きつつ、本作品を観るとやはり素直に面白いと思えるから不思議だ。 【功聖良】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 20:34:44)
マーク説明 |
★《新規》★ | :2日以内に新規投稿 |
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★《更新》★ | :2日以内に更新 |
《更新》 | :7日以内に更新 |
【点数情報】
Review人数 |
5人 |
平均点数 |
7.40点 |
0 | 0 | 0.00% |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 1 | 20.00% |
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6 | 0 | 0.00% |
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7 | 2 | 40.00% |
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8 | 0 | 0.00% |
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9 | 2 | 40.00% |
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10 | 0 | 0.00% |
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【その他点数情報】
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