みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
5.逃げる姉と逃げない弟。各々に強さがある。ケータイを持たない姉と弟を手紙が繋ぐ。 カネを手に入れる度に海・山・地方都市と逃げ続ける姉、それを弟は強さと見る。結果弟は追い詰められる。その弟の姿を見て逃げないと誓う姉。 誤解や裏切り、信頼と不信、本音を言う言わない、出会いとすれ違いそして別れ。人間関係の距離のとり方の難しさ等々、人生のいろんなものが詰まっている。最終的には「逃げない」がテーマになっている印象だが、自分を追い詰めるぐらいなら適当に逃げてもいいと思うのだけれど。で、「自分探し」なんかやめちゃってラクに生きればいい。 【東京50km圏道路地図】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-01-23 10:43:22)(良:1票) 4.《ネタバレ》 蒼井優という女優の存在を初めて認識したのは「リリイ・シュシュのすべて」だった。そのとき何となく只者ではないという感じはしたが、この映画で私にとって彼女は唯一無二の素晴らしい女優というポジションになった。本作の不器用な主人公・鈴子はとびきりの美人であってはいけない。かといって勿論ブスでもいけない。どこか陰気な感じで、生きにくそうだが、その後ろ向きなミステリアスさや儚さがそれなりに魅力的にも見える。当然、万人受けするわけはなく、寄ってくる男も限定される。さらに二十代そこそこという年齢設定も考えるとこの鈴子を演じられるのは蒼井優以外に私は考えられない。監督が蒼井優の魅力と持ち味を最大限に活かし、また蒼井優もその意図に沿った結果生まれた素晴らしい映画である。だからといってこの映画が蒼井優の魅力のみで成立しているとは思わない。ストーリーも秀逸である。特にラスト。森山未來演じる青年の裏切りの理由解明が蛇足という意見には全くの同意であるが、前に進む鈴子を応援するかのようにすれ違いのラストを選んだタナダ監督の心意気(?)に感動。とりあえず笹野さんのマイクテクはツボだった。 【よーちー】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-05-21 18:51:58)(良:1票) 3.《ネタバレ》 最後の「来るわけないよなー」っていう一言にやられました。 普通の映画ならあそこで中島(森山未來)が走ってきて抱き合って終わり。 でも敢えてそれはしないで、しかも追いかけてこないと思って終わり。 ここからは私の妄想かもしれないけど、あのあと中島は走り寄って借金の本当の理由を説明し、鈴子を嬉し泣きさせてしまうはずだ。その上で鈴子は「それでも、私は次の街に行くけどいつか迎えに来てくれる?」と問い、中島は了承し別れる。(ここで物語終了) こーいう(私としては綺麗で自然な)想像が出来る映画って珍しくてとても気に入っちゃいました。 また、自分は何1つ取り柄がないと思っていても知らずに、弟に勇気を与えてる。 そんな魅せ方も素敵でした。 【amier】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-10-30 23:11:41) 2.いやあ、久々の9点ですわー。特に邦画ではさらに久々。こんなにイケてるラストシーンは、最近の作品、特に恋愛がらみの邦画では見たことありません。ラストシーンちょい前の脚本に難ありといえなくもないけど、あのラストなら、ゆるします。森山未來も、この出来なら、たくさんの作品で重宝がられる理由も、やっと納得。それ以上に蒼井優ちゃんは正直、最近の作品よりずっといいですね。この二人のこれ以上の作品はそうそうないかもしれません。タイトルで敬遠されてるかもしれないと思うと、これでいいのかどうか、そこだけちょいと疑問が残ります。 【おばちゃん】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-01-28 20:32:45) 1.《ネタバレ》 2008年現在時点での、女優「蒼井優」の集大成だと思う。傑作。 “良い映画”として賞賛すべき要素は多々あるが、何を置いても語るべきは、「蒼井優」意外にない。 短大卒、就職失敗、理不尽な事件にまで巻き込まれ、人生に所在が無い21歳の主人公鈴子は、盲目的に100万円を貯めながら、見ず知らずの土地を転々とする。 何があっても苦虫を潰したような愛想笑いしか出来ない主人公のこの一風変わったロードムービーには、ビターに、切なく、そしてふいに温かい風が吹き込む。 「自分」をまったく知らない人達との触れ合いの中で、本当に少しずつ自分自身を見つめ直し、成長していく主人公の姿は、とても自然体で時に「哀愁」すら感じさせる。 どこまでもドライに乾ききった女性像を表現しているにも関わらず、どこまでも魅力的に映し出される蒼井優は、「ハマり役」という言葉では足らず、主人公の「佐藤鈴子」そのものだ。 「何やってんだろう」「くるわけないか」、端々でつぶやくさりげない台詞の一言一言に、主人公の感情がしっかりとこもっていて、印象強く残り続ける。 監督・脚本を手がけた女流監督タナダユキの力量もまた間違いないものだと思う。 見ず知らずの地を巡っていく主人公は、決して幸せには至らない。 でも、見ている者はほんのりとぬくもりを感じ、勇気づけられる。 ハッピーエンドとも、バッドエンドとも言い難い「微妙」なラストシーンで、これほどまで解放的な気分をもたらすこの映画のオリジナリティが、スバラシイ。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-09-27 14:17:44)
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