みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
28.《ネタバレ》 ハリウッドと対等に張り合える大スケールの現代活劇はこの作品だけだ。ただ原爆を作りたかった教師の虚無感が、物質に溢れかえった仮初めの平和に投げかける。自分の存在意義は何なのか。ナイター中継を最後まで見たい薄っぺらさか。常軌を逸した刑事と対峙することで生きる実感を浴びたかった男の悲しさがエネルギッシュに突き刺さる(同時に死ぬのが恐いヘタレというのもリアル)。現在の承認欲求をめぐる事件に通じるものがあり、実際に大量の始末書を書かされた撮影手法(ゲリラ撮影)のそれとリンクする。菅原文太の不死身っぷりには笑ってしまうが、長谷川監督も相当エキセントリックだ。この作品をきっかけに監督は干されてしまったようだが、傑作を一つでも残せただけ羨望の的だろう。存在意義や生きる理由など問わない方がかえって幸せになれるかもしれない。悲惨で辛い現実を目を背けずに日々闘っている人間からすれば普通に生きられること自体がありがたいのだから。「日本は甘ったれているのだ」と。 【Cinecdocke】さん [DVD(字幕)] 9点(2017-07-03 19:47:26)(良:1票) 27.《ネタバレ》 「原爆」をテーマにした日本映画では「ゴジラ」に並ぶ傑作だと思う。 時計の音、原爆の実験、爆発、日の出、双眼鏡が覗く原発。 その光景とは打って変わって満員電車で大あくびをする城戸。「風船ガム」の仇名で呼ばれる教師、風船ガムは原爆の暗示? 休み時間は一人で壁当て、フェンスを雄叫びをあげながらよじ登る。男はいつそのエネルギーを爆発させるかその機会を待っていた。 家にギッシリと詰め込まれた野望の塊。 機材の山、出入りする猫に殺虫剤をかけて気絶させてしまう!飛び交う蚊が季節を語る。猫の次は警官をシュッー! 男が牙を研いでいる間に鬱憤を爆発させてしまったバスジャック犯。 修学旅行、機銃と手榴弾で乗り込んでくるオッサン、皇居に手榴弾wwwすげえ映画だな。序盤20分の強烈さ。 そこで山下警部こと菅原文太の兄貴の登場だ!「県警察vs組織暴力」の刑事役もメッチャ良いんだよなあ。 武器を置いてたった二人で乗り込んでいく、隙は絶対に見逃さない、男だけサークルを組むように連れて行く、“約束どおり”狙いをつける狙撃手、捨て身の行動。どんな奴だろうと怪我人は怪我人・・・カッコイイ。 それが城戸にとっての“起爆装置”だったのかも知れない。ひたすら原爆作りに打ち込むシークエンスを淡々と積んでいく描写。 原爆実験の様子、肉体改造、ベランダの塀の上でイメージトレーニング、何処までもスリルを追い求める狂気。 マスクを被り、潜水服に身を包み、海を泳ぎ、容易に侵入してしまう! 監視カメラだけが見た原子炉の棒を抜く瞬間の緊張、警備員たちとの戦闘。 発電機の爆破、想像以上に厳重(笑)、授業内容もどんどんおかしな方向に向かっていく。 のんきなラジオ、「鉄腕アトム」の歌とともに手作りの防護服、液体、放射能測定器、小さな小さな原爆製造工場、誰も立ち入れない猫でさえ。 ビールを飲み、TVを見ながら原爆を作っていく。その油断と爆発、そして彼も「被爆者」となってしまう。瞬間的に放射能を吹き出す事を物語る針、針、針。 完成までの作業もほぼ無言で続けられる。生まれたての汚れた鉄球がナイフで削られて磨き上げられ、不気味な光沢を帯びていく。 作ったものよりも失ったものの方が大きい。ぬこおおおっ! まさかの梅干しは“フェイク”、粘土、電池。一人で盛り上がる有頂天、ガイガーカウンターをマイク代わりに舞い上がる。 残り1時間30分は警察との手に汗握る駆け引き。 幾度もあらわれる太陽のイメージ、あえて爆弾を置いていく挑戦、現物による脅し。 腹の中に抱えたとんでもない爆弾、易々と国会に侵入、易々と監視、口調による攪乱、ボイススクランブラー。 9つ目の核所有“国”、ぽとりと落ちる髪の毛が肉体を蝕む放射能の恐怖を語る、爆弾を転がして子供のように、いや愛した猫のように遊ぶ。 パーティーで親交を深めた過去、屋上で座り込んで話し合う交渉決裂、両手で掴んでさりげなく胸にタッチ、いつの間にか接点を持つ人々。 延々とついてくるディスクジョッキーと口づけを交わす、海辺、女も見る抜けた髪の毛、サングラスという仮面、したたる歯茎の血。 デパートでの追走劇も熱い。 電話線をカットする、覚悟、机の下、札の雨、警官もヤケクソ、あふれ出る人の津波、徐々に放射能に侵されていく肉体。 奪還ターザンで大暴れ、カーチェイスをラジオ中継、「勝手にしろ(勝手にしやがれ)」、諦めない文太の兄貴は不死身だ!ヘリに捕まりながら執念の追跡! 残り20分のラストバトル。 プールを地獄にかえる破片、新聞に隠された凶器、手錠つけると捕まったヤクザにしか見えねえ兄貴、嘔吐の隙に掴む起死回生の武器、屋上での綱引き、どっちも身も心もボロボロだ。 「さあ・・・いくぞお9番」 嘘だろ・・・まだ手がピクピクしてるぜ。音だけが語る結末・・・。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 9点(2015-07-14 13:43:58)(良:1票) 26.《ネタバレ》 以前観たときとの印象の違いは、城戸誠のどんくささ。壁キャッチボールだろうが、原爆ドリブルだろうが、塀の上のウサギ跳びだろうが、とにかくこの身さばきの悪さは天性だろうというモノばかり。原発突入がストップモーションだったのは、それが理由じゃないでしょうか。ただ、このダメっぽさが本作の仕上がりに、むしろ功を奏したのではないかと。どんくさいニヒリスト・城戸誠vs不死身の県警警部。メチャクチャだけどイイんだと思ってましたが、メチャクチャだから良かったんですね。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 9点(2016-02-27 09:20:09) 25.《ネタバレ》 すごい映画だった。お・も・し・ろ・い!映画。ちょっとうざいシーンとかありますが、まぁそれも含めて、大変面白い映画です。こんな勢いのある映画、なかなかないなぁ。 いいテンションとストーリーの切り替え、非常に良い時間を過ごせました。 最後の落ちるシーンの後は思わずニヤリとしてしまいました。 こんな東京の映画は、もう撮れないのだろうなぁ。 【しゃっくり】さん [映画館(邦画)] 9点(2012-09-01 00:06:25) 24.いろんな意味ですごい映画を見てしまった。水谷豊とのくだりはどう解釈すればいいの?ともかく、未見で迷っている方は絶対見るべき! 【T橋.COM】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-08-06 19:48:19) 23.《ネタバレ》 プルトニウムを梅干しの酸で溶かす時限装置なのかと最初は心配した。それだと多分失敗(いやこの場合すっぱい)するはずだと思った。ニャロメのブッ飛んだ目を見た時、マタタビって凄いと思った。監督自身が被爆者であり最後は気球爆弾か風船おじさんみたいにアメリカに飛び立ってもらいたかった気がする。ボブ・マーリーのゲラップスタンダップが良かった。こういう映画はもう出て来ないのか? そういえばボブ・マーリーがボブ・マーレィだった頃だ。ヘプバーンがヘップバーンだった頃で、正蔵がこぶ平だった頃だ。 【デヘデヘ】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-06-14 17:35:02) 22.もうなんかはちゃめちゃでおもしろかったです。でも原爆の恐怖というより、なんでもない人が方法さえ知っていれば原爆を作れてしまう。とか、無気力な現代人の恐怖、とでも言うのでしょうか、そういう形のない危機感があるように感じました。 【kagrik】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2008-12-17 15:08:14) 21.ビデオからDVDに焼きながらついつい全部観てしまいました。 20年振りに見たら、確かに荒唐無稽な部分も有るけど、満足しました。 胎内被爆者である長谷川監督は、どんな気持ちでこの映画を撮ったんでしょうね。 【木登り猫】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2008-07-23 14:00:22) 20.どこを切っても極太なパワフルで勢いのある展開、ストーリーは圧倒的。沢田研二という独特な雰囲気の俳優をうまく利用し成立させている。まさに非日常。まさしく最高の工ンターテインメント。倫理に縛られて羽なんてのばせるか!。ジュリーを映し、見つめるようなツヤツヤまん丸な原爆。カの象徴。大き過ぎて手に負えない力が俺もほっすいー。 【ハッシーふりかけ】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-07-27 06:13:58) 19.《ネタバレ》 いま見終りました。素晴らしい作品です。 まず1つ言いたいのはイデオロギーうんぬんと言う前にこの映画は1級のエンターテイメント作品ですね。 主人公は奇異な行動で知られる中学の理科担当の教師で昔は爽気を持って授業をしたが今はまったくやる気が無い。 そんな時に事件が起こる。天皇に会わせろと62式機関銃(たぶん)を引っさげ彼の担当のバスをバスジャックする老人。 それを阻止しようとする頑健でタフで有能な角刈り警官。 彼は否応無しに渦中へ巻き込まれますが反面そのどれもが彼にとっては非日常的で刺激的だった。 よし!俺もやろうと決意する。 原子力発電所に忍び込み核燃料を盗み出し濃縮しやがて銀色に輝くプルトニウム239を精製するのに成功する。 このプルト二ウムを作ってゆく過程が凄いです。。。これでよく映倫通ったもんだと思いました。 それぐらいリアリティーたっぷりです。 兎も角主人公は原爆を完成させ国家を相手に交渉を始めますが 実は自分自身がこの国の戦後体制に冒されて居るのを知る。 この国に不満は有るがじゃあこの国をどう変えたいのか? それは主人公自身にも結局分からない。仕方なく部屋に帰り所無く原爆を抱えて眠る主人公。 この辺りの演出も非常に素晴らしいですね。 いうなれば原爆作成は彼の自己表現であり他者との繋がりを作る道具だったのかも知れません。 その繋がりに選んだのがバスジャックのタフな警官といつも聞いていたラジオ番組のディスクジョッキー。 しかし対立と葛藤の中、最後はそのどちらも死んでしまう。 また彼自身も放射能被爆により先が短い事を知る。。。 しかしまあ、この監督さんは凄いですよ。まったく。 自分が拘りたい所は徹底的に拘りますがその分粗も多い。 後半のカーチェイスやヘリ襲撃場面、ムチャな原爆奪還、「細かい部分はええんじゃ!!」っていう監督さんの声が聞こえて来る様でした(笑) ラストの原爆爆破シーンは同時の映像技術では難しかったのでしょう。これで良かったと思います。 ともあれこの戦後社会を一刀両断した切り口の鋭さをはじめ これだけの内容を1本の映画にみごと収め切った事には驚嘆を禁じ得ません。 このジャンルでは正に日本映画史に残る作品だと思いました。 【一般人】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-04-22 14:44:09) 18.《ネタバレ》 ジュリーとストーンズが好きだった学生時代、ただストーンズをネタにしたジュリー主演の映画ということで見たのですが、「原爆は誰にでも作れる」というその内容のスケールの大きさに圧倒されました。菅原文太の「ローリング・ストーンズなど来やせん」というセリフを何度真似たことか・・・。思い出の作品です。都内のカーチェイスは今は不可能でしょうね・・・・。あと、この作品で私はカルメンマキ&OZを知りました。 【TM】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-04-16 22:20:40) 17.ジュリーをはじめ登場する役者さんが皆若い。特に西田敏行の若さにびっくり。 映像や音楽に古さを感じさせる点はありますが、それ以上にエネルギッシュでパワフルです。 ジュリーは危ない色気があってかっこいいし、菅原文太の迫力はターミネーター級ですごいです。 この主演の二人の魅力が見所ですね。 邦画の枠を超えた破天荒な傑作エンターティメント作品です。 【ジム】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-08-15 12:26:18) 16.《ネタバレ》 面白い映画を久しぶりに観たってカンジでした。ジュリーの魅力満載でしたね。ラストで髪の毛抜いてるジュリーも格好よかった。ただありえない展開、強引なシーンもあったので一点マイナスしました。 【ゆみっきぃ♪】さん [DVD(吹替)] 9点(2005-07-29 23:32:39) 15.凄い映画でした。 【K】さん 9点(2005-03-21 16:56:22) 14.これが夢だった。この沢田研二になるのが夢だった。この映画はすべてをかなえてくれた。 【ぷりんぐるしゅ】さん 9点(2004-12-02 09:49:05) 13.このメチャクチャさがたまらんほど好きだ。まあ、ツッコミ所はいろいろあるけど、そんなのおかまいなしって感じ。 【夏目】さん 9点(2004-06-13 21:14:22) 12.この映画が僕らを惹きつけて止まないのは、その能天気な破綻性のせいだろう。シリアスなストーリーの中にサブカル的な要素を唐突に盛り込むことによって、映画の文体を大胆にずらしていく。そこで明らかにされるのは、主体性の欠如という当時新たに現れた文学的ラディカリズムの変容なのだろう。この映画では、原爆というテーマの上でプロ野球中継の延長やローリングストーンズの来日について語られる。原爆製作シーンやその奪還劇は、シリアスなシチュエーションでありながら、あまりにも無邪気なコントと言ってよく<これは現代ではもう珍しくないが>、マンガ的破綻性、そういった話法展開のハシリともいえる。菅原文太演じる実直な刑事は、最後にはゾンビにさせられ、そのイメージを変成したまま回復することなく終幕する。この映画が創られた1979年というのは、こういった新しい感性によって作品が生まれつつあった年なのだ。様々なイメージは、変成したり、縮合したり、解体したりしながら、差異化され、メタファー化され、価値を創出していく。「先進的な資本主義が何か未知の段階に入りつつあるぞという、そういう感じ方の中では、それは、だから素人であろうと、玄人であろうと、みんな同じじゃないか、大して違わないじゃないか、ボタン一つ押せるか押せないかという違いで、素人がいつだって玄人に回るとか、そういうことっていうのが出来るようになったということじゃないか。」これは吉本隆明、1982年の言説である。素人の時代。そういう時代の入口だったのだ。 【onomichi】さん 9点(2004-05-29 22:15:22) 11.結構前に見たので詳細は忘れてしまいましたが、かなり面白かったです。強引な展開ですが、違和感も、こういう映画にありがちな胡散臭さも、感じさせられませんでした。時代は感じますし、思いっきりレトロですが、決して古臭い映画ではありません。沢田研二が横滑りするシーンなんか、最高に良かったです。なんでもっと人気ないの?沢田研二があまりにも変わり過ぎてしまったから? 【コーラL】さん 9点(2004-01-06 02:24:26) 10.古さもつっこみトコロもあるが気にならない。 ジュリーの生き生きした表情と、やりすぎアクションがよい。 「退屈な日常から脱出!」的な映画はたくさんあるが、これは 驚いた。 【MASH】さん 9点(2003-12-29 17:07:36) 9.公開当事、私は高校生だったんだけど、面白かったなぁ。 ほとんど洋画ばかり観てた時期に偶々出会って、「邦画でもこんなに凄い映画が あるんだ!!」と興奮した覚えがありますね。 最近、WOWOWで久々に見直したのですが、かなり強引な展開に苦笑する場面も あるにはあったけど、シリアスさとコミカルさが上手くバランスが取れてて、今観て も十分に面白いと思いましたね。 犯人(ジュリー)も刑事(文太)も存在感十分。題名もカッコイイ!! 【バルデラマ】さん 9点(2003-12-18 15:05:30)
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