みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
3.《ネタバレ》 みさえや、映画を見る我々は、ロボとーちゃんじゃなく、生とーちゃんを野原ひろしとみなした。あの、子供たちを救った後の庭での夫婦の美しいシーンがあるが、あのときのみさえも「あんなことできるのは、野原ひろししかいないわ。あなたはロボットでも、野原ひろしよ。」みたいなことを言った。これはつまり、「ロボとーちゃん≠野原ひろし」であることをみさえは思っていることになる。 だから、ロボとーちゃんが切ないわけだ。 しかし、しんのすけにとってはそうではない。ロボとーちゃんも、生とーちゃんも、両方とも自分にとっての父だと受け入れたのはしんのすけただ一人だ。 ってことはですよ、この映画は、しんのすけにとっては、「父の死」の物語なのである。絶対に野原家は死ななかった。この鉄則が今回、ついに(疑似的に)崩された。 正しいクレヨンしんちゃん映画には、すべて、しんのすけの成長が描かれている。今回もたくましいしんのすけの姿がきちんとおさめられていた。その姿がなんと、死にゆくロボとーちゃんのノイズ交じりの視界からのものだった。 「おめえのとーちゃん、強いだろ。」 このせりふには二つの意味がある。一つは、腕相撲に本気で臨んで(僕は生とーちゃんが上着を脱いだところでポタポタ泣いた)ロボの腕を押し倒した生とーちゃんの強さ、もう一つは、腕相撲に「負けてあげる」という父の役割をきちんとふるまったロボとーちゃんの強さ。 これは、ロボが正真正銘のしんのすけの父だからこそ出来たことなのだ。野原ひろしという男だからこそ。 確かに映画を観る我々にしてみれば、ロボとーちゃんはダサい取り換えの効く鉄くずに過ぎない(同一性を保てないので野原ひろしではない)。けれどもあえて一歩引いて、しんのすけが見ているように、ロボとーちゃんも野原ひろしと等しいと受け入れてこの映画を観れば、ああ、歴史に残る名作となれるだろう。 僕の近くの席でみていた少年が、上映中にも関わらず大声でこんなこと言った。「もう壊れてるから本当の力が出せなかったんだ。だから負けたんだよ。」きっと隣で観ていた親に教えてあげようとしたのだろう。少年よ、君が父になったとき、もういちどこの映画を観なさい。なぜロボとーちゃんが腕相撲に敗北したか、分かるからな。 【no_the_war】さん [映画館(邦画)] 9点(2014-04-20 23:44:55)(良:3票) 2.《ネタバレ》 五木ひろしサイドの許可と、特に今旬なタレントでもないコロッケの奇天烈キャスティングが生んだ、巨大五木ひろしロボはシリーズ最強クラスのシュールギャグでした。子供の観客は勿論、大人の観客も完全に置いてけぼり。こぶしビームを浴びて瞬時に五木顔に変わるキャラクターたち。ホントに、いったい、誰向けのギャグなんだと。さらにちちゆれ。いやーこのワルノリ大好きです。こんなオフザケに『オトナ』『戦国』に匹敵する感動がプラスされるのですから、これほど贅沢な映画もないでしょう。きゃりーぱみゅぱみゅのエンディングテーマもストーリーにマッチしていて、ほのぼのしました。(以下映画とはあまり関係ない、自分語りの感想です。正しい映画批評は優秀な他のレビュワー様にお任せしますので、お暇な方のみお付き合いいただけたら幸いです) 私は長女が生まれた時に“これで安心して死ねる”と思いました。この世に自分の分身を残した安堵感からそのように感じたのです。時は流れ、今や娘3人の父親。死ねるどころか、バリバリ稼いで子供たちにご飯を食べさせなくてはいけません。それに一分一秒でも長く娘たちの姿を観ていたいと願うようになりました。お気楽に死んでいる場合じゃありません(苦笑)。そこでラストの腕相撲。かつての私がロボとーちゃん、そして今の私がひろしに重なりました。どちらが強いかは言わずもがな。込み上げてくるものが止められませんでした。劇場の暗闇に紛れて、こっそりポロポロ泣きました。娘たちよ、おとうさんは頑張るからな。そう改めて誓ったのでした。だからお前たちを置いて、時々ももクロちゃん出張に出掛けても許しておくれ。子供向け映画なのにお父さん一人で劇場鑑賞してしまった事も許しておくれ。いつもは旧作になるまで我慢だけど、今回は新作のうちに借りてくるから。 【目隠シスト】さん [映画館(邦画)] 9点(2014-04-27 19:59:05)(良:2票) 1.《ネタバレ》 ひろしがロボットになるって聞いた時からずっと楽しみにしてました。ロボとーちゃんひろしが家族の為に大活躍し、悪を倒す話かと思っていたらとんでもなかった。ただかっこ良いだけでなく、生身の人間ひろしとロボットにされたひろしが一緒の画面の中で戦う。掛け合いがあるだなんて思わなかったから余計に泣けてきた。しかも、ロボットになったのは人間ひろしの記憶だけをコピーしたコピーロボットて設定が凄く泣ける。しんちゃんにとってはどちらのひろしも父ちゃんなのであり、だからこそ純粋にコピーロボットの父ちゃんとも同じように接する事が出来るのだ。それはみさえにしても同じ。最初は拒否していたロボットのひろしともしんちゃん同様に接する。後半のしんちゃんが大嫌いなピーマンを全部食べる場面でのしんちゃんの台詞やら二人のひろしの腕相撲の後のしんちゃんとひろしの台詞やら泣けて泣けて仕方なかった。そしてただ泣けるだけでなく、父ゆれ同盟のネーミングセンスの馬鹿馬鹿しさに加え、チクビームやらロケットミサイル(マジンガーZかい)やら懐かしいネタ満載で大人も笑える感動作品になってて大満足。まだまだ言いたい事が沢山あって父ゆれ同盟に参加した沢山の父親達の描き方が共感出来る描かれ方になってるのも良い。世の中のお父さん方に元気を与える事間違いなしです。来年も勿論、映画館で見るよ。しんちゃんを映画館で見るのは私にとっては春の大きなイベントの一つです。 しんちゃんを見て毎回感じる事の一つに世の中、皆、野原一家みたいな家族だけだと犯罪なんか起きないと本気で思います。 【青観】さん [映画館(邦画)] 9点(2014-04-22 19:43:13)(良:1票)
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