みんなのシネマレビュー

パターソン

Paterson
2016年【米・独・仏】 上映時間:118分
ドラマ
[パターソン]
新規登録(2017-08-27)【皐月Goro】さん
タイトル情報更新(2017-09-17)【+】さん
公開開始日(2017-08-26)


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監督ジム・ジャームッシュ
キャストアダム・ドライバー(男優)パターソン
ゴルシフテ・ファラハニ(女優)ローラ
バリー・シャバカ・ヘンリー(男優)ドク
クリフ・スミス(男優)メソッド・マン
永瀬正敏(男優)日本の詩人
カーラ・ヘイワード(女優)女子学生
ジャレド・ギルマン(男優)男子学生
脚本ジム・ジャームッシュ
音楽ジム・ジャームッシュ
撮影フレデリック・エルムズ
製作アマゾン・スタジオ
配給ロングライド
美術マーク・フリードバーグ(プロダクション・デザイン)
ランドール・バルスマイヤー(タイトル・デザイン)
編集アフォンソ・ゴンサウヴェス
動物ネリー(役名|マーヴィン)
その他ティルダ・スウィントン(サンクス)
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2.《ネタバレ》 ジャームッシュが綴る心穏やかで美しい日常の一篇。彼の作品は映像で表す「詩」であると、改めて認識させられる一本です。
生活の一つ一つに、それこそパートナーからマッチ箱に至るまで愛と関心を抱いて日々を送るパターソン市のミスター・パターソン。運転するバスの故障を除けば波乱らしい波乱の無い彼の一週間。だけど無味なんかじゃなく、彼のフィルターを通して、淡々と過ぎる日常の豊かで尊いことが饒舌に語られます。
出会う詩人仲間は深夜のランドリーでラップを刻む男だったり、10歳の女の子だったり。双子の乗客や通行人らが作品のリズムを生みます。
静かで何気ないこの世界観に大きく貢献しているのがアダム・ドライバー。大げさな表情やアクションを要求されない本作において、アダムの繊細な役作りは見事です。優しく温厚なパターソン氏、静かだけれどその表情が多彩なのです。モノトーンに凝る彼女には譲歩しっぱなしにも見えるかな。でもお互いにこの上なく優しいカップル。カップケーキ売れてよかった。
そしてこの映画、小さく笑わせてくれるシーンがたくさんあるのです。会社の配車係であるインド系同僚の愚痴(もはやボヤキ芸の域)には笑ってしまうし、毎日かしぐ郵便受けの謎が解けたときは「オマエかーい!」と誰もが突っ込むことでしょう。
そうそう、本名はネリーというワンちゃん、亡くなってしまったのだとか。名演技でしたねえ。 tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-05-03 23:45:05)

1.“パターソン”とは、バス運転手の朴訥な主人公の名前であり、彼が住む街の名前。
この映画は、“彼”と“彼が住む街”の「7日間」を極めてシンプルに映し撮っただけの映画、のように見える。
何か“特別なコト”が巻き起こるわけではない。慎ましく、平凡に生活する男と妻と愛犬の日常が、淡々と綴られる。

でもね、と、この映画を観ていた多くの人々はふと立ち止まり、思うだろう。

「“特別なコト”とは何だろうかと」

大災害に遭遇してサバイバルを余儀なくされるコト?殺人事件に巻き込まれて無実の罪で追われるコト?宇宙人襲来に脅えるコト?大恋愛をして人生を変えてしまうくらいに感情を爆発させるコト?
数々の映画的娯楽の中で表現されてきたそれらのコトは、無論“特別なコト”に他ならないだろうけれど、果たしてそういうことだけが「特別」なのだろうか。

裕福でもなく、貧困でもない普通の小市民が、何気ない日常生活を決まったルーティーンで繰り広げるということ。
決まった時間に起床し、たまに寝過ごし、妻にキスをし、シリアルを食べて出勤し、同僚の愚痴を聞き、決まったバスルートを運行し、帰宅し、妻の料理を食べ、愛犬を散歩させつつ馴染みのバーに立ち寄って、一日を終える。

そんな当たり前のことが、「特別」であるということを、この静かな映画は雄弁に伝えてくるし、今この世界の私たちは、事程左様に深く感じ入る。

そして、そんな普遍的な「生活」の中で、忘れてはならないことは何か?
それは「表現」をするということだ。
「表現」とは、何もこの映画の主人公やその妻のように、「詩」を創作したり、「アート」や「料理」や「音楽」に没頭したりするような“クリエイティブ”な活動に限ったことではないだろう。

「愛してる」「美味しい」「ありがとう」「大丈夫?」「お前なんか嫌いだ」……生活の中の様々な事象に対して、ちゃんと自分の感情を相手に伝えるということ。
それが、もっとも大切な「表現」だと思えるし、そういうことを積み重ねていくからこそ、代り映えなく見える「生活」そのものが、何にも代えがたいものになり得るのだろうと思う。

半ば強制的に自らの「生活」に対して向き合わざるを得ないこのご時世。
ささやかな生活の中のささやかな喜びや多幸感を感じ、それを表現するコト。
このさざ波のような映画には、今この世界にもっとも必要なコトが満ち溢れている。 鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-05-02 23:26:13)

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【点数情報】

Review人数 22人
平均点数 7.14点
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629.09% line
7940.91% line
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