みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
9.《ネタバレ》 高畑監督の人間への目線の暖かさが感じられる作品だと思います。 主人公であるチエちゃんの、大人びたところと子供らしいところの混在した人物造形はもとより、あのテツでさえ、作中では何とも人間味に溢れる愛すべきろくでなしといった趣です。そして作品は、そんな型破りなテツの生き方をも、「こいつはそういう人間なんだ」といった風に、大らかに受け入れているかのようです。 恐らくテツは、何かにつけて人並み以上に「過剰」なのでしょう。だから堅気の生活は、彼には余りにも窮屈過ぎるのです。バクチやケンカへののめり込み方も過剰なら、一人娘であるチエへの溺愛振りもまた過剰です。 自分の考え方でしかチエを愛せないテツにとって、「ワイはこんなにチエのことを愛してるのになぜチエは怒っているのか」と、チエが考えていることをしばしば理解できません。そしてそんな不器用なテツの愛情を知ってか知らずか、チエちゃんは時に腹も立てつつ、「しゃあないな、ウチがおらんとテツはどないもならんねん」といった趣で受け入れているのです。 そんな愛すべき人々とは別に、過剰なテツの生き方のその破天荒さや、エネルギッシュな大阪の下町の人々(それとたくましいネコたち)の様子を見ていると、そういう荒々しさを痛快な思いで眺めつつ、それに対してどこか憧れの気持ちを持ってしまいます。 一応関西育ちではあり、TV版の再放送もしょっちゅうされていたので、子供の頃は好んで良く見ていたものの、劇場版についてはラストの小鉄とジュニアの対決が子供心に痛々しく感じられたという印象も手伝って今まで特に見返す事もなかったのですが、こうして見てみると本当に良い作品だと思います。 【マーチェンカ】さん [ブルーレイ(邦画)] 9点(2013-10-18 23:41:03)(良:1票) 8.《ネタバレ》 ガンダム全盛の小学生の頃は全く見向きもせず、30年以上を経て初めて拝見。 演出も作画も、恐ろしいほど優れたテクニックで良い意味で全く子供向けではない。 例えば猫の動きの表現にも、ごまかしがなく、本当に当時のアニメーターのレベルの高さを感じます。 高畑勲監督の特徴だと思うのですが、ストーリー上はもっとテンポがあった方が見やすいと思えるものを、微妙に「間」を入れることで、人間の営みを一歩引いた感じで考えさせてくれます。 例えばテツの行動は、まともな演出ならギャグそのものですが、何を考えどんな人生を生きてきたんだろうかとふと考えさせられます。 この作品が海外で評価が高いのも納得します。人物に感情移入しすぎて日本人ならわかると省略する部分を丁寧に描いているから、海外の人にも理解しやすいのだと思います。 こんなレベルの高い作品でも、ペコちゃんやゴジラが堂々と出てくるのは、おおらかな時代だったと思います。 こういう遊び、今の時代では見られません。 これを今まで見ていなかった自分も恥ずかしいですが、全く今の時代でも古さを感じないので、老若男女見てほしい作品です。 特に遊園地のシーンは素晴らしい情感で、名シーンだと思います。 遊具のひとつひとつを詳細に研究しているのが想像できて、この監督のこだわりの凄まじさを感じます。 これだけの労力を費やしているからこそ、古さを感じないのでしょう。 ようやく見られるであろう次回作が楽しみです。 【どっぐす】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-06-06 01:52:12)(良:1票) 7.《ネタバレ》 これはほんと大好きなアニメ映画。 登場人物の掛け合いがうまい実写映画は数多くあるけど、アニメってこれくらいしか思いつかない。この作品に貫かれてるのはものすごく上質な人間賛歌やと勝手に思っている。 現実に考えるとテツなんてほんとくだらない、どうしようもない親父だ。 でもこの映画を見ていると彼の失敗や横暴、歪んだ愛情がなんだか愛おしく感じてしまう。 小鉄とアントニオjrの対決は蛇足なんじゃないかと小さいころは思ってたけど「人間と一緒にいると苦労するよ」のセリフが今では物凄くわかるし心揺さぶられる。 あの時のチエ、テツ、百合根、Jr、小鉄の三者三様の表情がまたいい。 そこから「春の予感」までの流れが素晴らしすぎる。 あと遊園地のシーンは反則。あのシーンは行きから帰りまで完璧。 10点つけたいけどヒラメちゃんに1点あげるつもりで-1。 たしかにヒラメちゃん出したら2時間にはおさまらんよなぁ。 【CBパークビュー】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-02-11 00:55:57)(良:1票) 6.高畑監督作品としては、『火垂るの墓』と並ぶ大傑作。原作を忠実に、しかし、アニメならではの演出(あんなに美味そうな?お好み焼きを君は見た事があるか!)を決して忘れることなく描ききった手腕には、ただ拍手を贈るのみ。何度も「実写による映画化」も企画されていたが(菅原文太や赤井英和の名前が、テツ役にあがっていた)、企画したやつは、きっとこの映画を観たことがないにちがいない。 【ジョーボブ】さん 9点(2003-03-04 23:49:24)(良:1票) 5.《ネタバレ》 直ぐに切れる。怒ってばかりで、娘には呼び捨てで呼ばれるし、ろくに仕事もせず、博打きりしてるどうしようもない駄目な大人の代表の様なテツだけどそんなテツが大好きです。自分に正直に生きているし、思い切り駄目な男のアホ全開な所も全て愛しく思えてしまう。娘のチエが内緒で母親に会っていると知ってからの父親としての刹那さ、チエの事が好きで好きで堪らない態度、三人で仲良く遊園地に遊びに行く事となり、その遊んでる時のテツの嬉しそうな顔といい、この作品は人間の喜怒哀楽をとても解りやすく描いている所が大好きです。出てくる人物も個性的な人間きりで楽しめる。自分の大好きな猫が他の猫に金玉を1つ取られ、泣くお好み焼きの親父も大好きです。アントニオの息子の仕返しに手を出さずに耐えた小鉄のかっこ良さは人間並のかっこ良さである。猫だろうが人間と同じで義理と人情を大切にする描かれ方もこの映画の良いところです。大好きな男はつらいよの寅さんを思わせる四ッ谷赤坂麹町、チャラチャラ流れるお茶の水のシーンまで出てくるし、とにかくこの映画大好きです。 【青観】さん [DVD(邦画)] 9点(2017-01-24 21:05:18) 4.また観たくなるんだろうなあ。何とも言えない味わいのあるアニメ。 大人でも子供でも楽しめるいい作品。 【MARTEL1906】さん [DVD(邦画)] 9点(2015-09-26 12:22:21) 3.テツ = 亀田兄弟のオヤジ 【くまさん】さん [インターネット(字幕)] 9点(2010-09-29 16:21:00) 2.DVD化切実希望。 【ジッポ】さん 9点(2003-02-22 19:36:19) 1.私、じゃリン子チエの大ファンなんです。原作も面白いですよ。続編出て欲しい。 【クロ】さん 9点(2003-02-21 18:07:56)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS