みんなのシネマレビュー |
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
7.悪事を行うのが自らの使命のように振る舞い、それを嬉々として行うハリー、その彼が伝道師というのも恐ろしい話です。そのハリーの存在と共にこの映画を支えているのは映像の素晴らしさです。未亡人(ハリーの妻)の殺害シーンにおける二等辺三角形の家の壁、同じく二等辺三角形に入り込んでく光、その時のハリーの神経症的な表情、水中に沈められた女性の死体、歌いながら子供を追跡するハリーのシルエットなど、幻想的な美しさと悪夢のような不気味さが交じり合ったような映像は、観ていて飽きることがありません。個人的には未亡人殺害シーンは記憶に残ってます。ストーリーの方はノワールっぽいものを期待していただけに後半に進むにしたがってお説教じみてきて尻つぼみな印象でした。ストーリーよりも全体の雰囲気やトーンを楽しむ種類の映画だと思うので、家庭的な明るい雰囲気で終わるラストは、それまでの抑えたなかに狂気を孕んだ陰湿なトーンが壊れてしまい残念です。これで1点減点。 【ペリエ】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-05-21 00:54:54)(良:2票) 6.《ネタバレ》 本作は名優チャールズ・ロートンの唯一撮った映画にして傑作フィルム・ノワール。これが本当の“一発”映画です。 ディヴィス・グラッブの傑作小説、ジェームズ・エイジーの脚本を手直ししたロートンの巧みな演出、完璧なシナリオ、ロバート・ミッチャムの怪演とリリアン・ギッシュの力演。 物語は大胆な空撮とリリアン・ギッシュの謎の聖書の文句から始まる。 これが既に伏線なんだから凄い。上空から人々を写していく様子は、まるで「神が空から見ている」とでも言いたげで神秘的。 そこにロバート・ミッチャム演じる殺し屋が独り言を言いながら登場する。 左手に「LOVE(愛)」、右手には「HATE(憎悪)」を刻んだこの黒衣の男。 犯罪を重ねる偽の牧師であり、女性の性交に対して異常とも言える憎悪を抱いている。 「女性の体は快楽のためにあるのではない。神から子を授かるために在るのだ。」 正論のように聞こえるが、「女性は子を産む機械だ」とかほざいた例のクソ政治家とどっこいどっこいの持論ですよ。まるでこの世は「聖母マリア以外の女性はみんな死ねばいい」とでも言いたげだ。オマケに狙いはみんな未亡人だぜ?変態はどっちだよと。 そんなロバート・ミッチャムは車を盗んで捕まったのがポルノ小屋だぜ? ポケットから出したナイフは勃起した息子(せがれ)か?つーかそこで捕まるって…。 とまあ、このように色々ぶっ飛んでるサイコ野郎。こんな奴がただ黙って仁王立ちでもしてみろ?スゲー怖い。 そんな男にある家族が目を付けられ、偽牧師の魔の手がじわじわと締め上げる。 ロバート・ミッチャムに狙われる兄妹はある「秘密」を握っている。それは父の遺言とも言えるものだ。 冒頭で警察に取り押さえられる父親。これもまた伏線だった。 追い込まれる兄妹、反撃され奇声を挙げながらも襲いかかるミッチャム。 牧場から盗んだ馬で二人追跡するミッチャム。 白馬の王子様ならぬ白馬の死神。恐ろしいミスマッチだ。 そんでもって終盤出てくるリリアン・ギッシュのばあちゃん。 孤児を引き取り女で一つで子供たちを育てる逞しい女性だ。 キリストの教えも「心の支え」として教える程度。キリストを「殺人動機」として利用するミッチャムとは大違い。 オマケに猟銃で武装だぜ?逆にミッチャム待ち構えてハントしちゃうBBAなんだぜ? BBA結婚してくれ。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-15 08:14:02)(良:1票) 5.これはこれはスゴイ作品です。伝道師になりすまして子供から遺産を乗っ取る為に執拗に追い詰めていくロバート・ミッチャムがすごいです。指には「LOVE」と「HATE」のタトゥーっすよ!もうシブイの一言でした。今見てもとても新鮮な作品です。中盤で一度話が完結すると思いきや、それでも追いかけてくるミッチャムのねちっこい性格がとても上手く表現されていました。オープニングからも解るようにおとぎ話のように展開していくストーリーは赤ずきんちゃんとヘンゼルとグレーテルの物語を足して二で割った感じで教訓めいたモノが見え隠れしています。孤児を養うおばあさんのタフな演技にも拍手です。 【さかQ】さん 9点(2001-12-25 21:18:04)(良:1票) 4.不思議な作品。内容的には、一種のサイコサスペンスでして、宗教の仮面を被ったシリアルキラーたるロバート・ミッチャムが、隠された金を目当てにやってきて、未亡人を洗脳してしまう。そして金のありかを知る子供たちを執拗に狙い、子供たちは身の危険を感じて・・・ってな感じ。だけど、サイコサスペンス路線へ一直線、という訳ではなくって、もっと奇妙な味わいがあります。サスペンス描写に的を絞るんなら、もっと子供の視点に限定することで(つまり子どもたちの知らない「何か」が行われていることを匂わせることで)ロバート・ミッチャムの怪しさなり、迫りくる危機なりを描くこともできたと思うのですが、そして実際、本作にもハラハラドキドキな場面が描かれてもいるのですが、必ずしもその方面へと徹底した作品では無いようです。サスペンスというよりも、一種の寓話であるかのような見通しの良さがあり、それがまた、何とも言えない不気味さにつながっているのが、本作の特徴。ラストも、解決したという感じがあまり無く(というより、安易な解決を求める我々を揶揄しているかのような)、かなりキモチワルイ作品です。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-05-26 23:20:52) 3.《ネタバレ》 スタンリー・コルテスのカメラが素晴らしい。表現主義を取り入れたような室内の光と影の描写は息を飲みます。全編今まで観たこと無い様な美しいモノクロ映像で、特に水中の死体が映るシーンは実に不気味で美しかったです。1955年という製作年度にしては際どい題材で、偽物とは言え連続殺人鬼の牧師が主人公という映画はそれまでなかったでしょう。大根役者のイメージがあるロバート・ミッチャムに、こんなに怖い演技ができたというのも驚きです。確かにロバート・ミッチャムが逮捕されてからの展開には疑問符をつけざるを得ません。ヒッチコックが撮っていたら、どういうラストになっていたかなと想像してしまいました。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-04-13 21:13:22) 2.《ネタバレ》 子どもの時にこの映画を観ていたら、間違いなく重度の人間不信に陥っていただろう。白馬に乗ってトコトコ移動する牧師の恐ろしさと言ったら。それに対し、牧師から逃れるべく必死で舟を漕ぐ少年の姿が勇ましい。一見少年が平穏な生活を取り戻したかに見えるラストも、単純なハッピーエンドというわけではなさそうだ。大した理由はないのだが、どうも腑に落ちないのだ。それは、婦人へのプレゼントにするために、少年がテーブルに積まれたリンゴを布で包むのだが、牧師に促されて地下室に降りていくシーンでも、同じように積まれたリンゴがあったからかもしれない。一筋縄ではいかない映画だ。 【クルシマ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-01-06 18:48:34) 1.怖いです、ミッチャム。シビいです、ミッチャム。こういう役者がいないですね、この頃は。LOVE&HATEをこめて。 【愚物】さん 9点(2002-11-06 01:31:37)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS