みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
3.冒頭から中盤にかけてはとても神話的である。「青春の殺人者」というわりには現代<近代>的な自己疎外感からくる青年の孤独や苦悩が感じられず、父子、母子のオイディプス的三角関係を軸とした普遍的な物語でありながら、妙に噛み合わない心理劇にただ座りの悪さだけが残った。しかし、中盤以降、物語は見事にひっくり返る。「青春の殺人者」とは、青春が殺人者ではなく、青春を殺人する、つまり青春こそが殺戮され終焉したことを描いた物語だったのだ。主人公は青年たる資格を十分に備えた人格でありながら、あまりにも無邪気に両親を殺害してしまう。その動機の弱さはまず確信的である。そして、両親を殺した主人公のその後の苦悩と行動のアンバランスさ、その薄っぺらさは、そのまま自己の希薄さに繋がっている。主人公の行動の破綻性は、作品そのものの破綻を綱渡りしながら、その破綻性こそがこの物語のモチーフだと思わざるを得ないのである。ヒロイン原田美枝子は、まさにその補助装置たる存在だ。彼女がどういう役割なのか、実は僕にもうまく捉えられなかったのだが、その訳の分からなさこそが彼女の重要な役割なのかもしれない。<原田美枝子はとても魅力的でしたね。あのイチジクを食べるシーンなどはかなりドキドキしました。> この作品は、もう30年近く前のものだし、感覚的にはもう古典的作品であることは否めない。しかし、この作品が意識的に描いた「青春の殺人」という水脈は、今もずっと繋がっている。もっとドライに、もっと軽やかにではあるが。そして、今や「青春」は全くの死語と化している。 【onomichi】さん 9点(2004-06-27 01:43:21)(良:3票) 2.《ネタバレ》 ★死体とキャベツ。 死に倒れた父の頭の横に転がったキャベツがいつもキチンと同じ場所にあるかなとか カット割りごとに気になってしまいましたよ(ちょっと御免よ あら探し) だけども結果はキチンと毎回 頭の横にありましたね あのキャベツ。 しかし、あのキャベツという小道具によって事件のシュールさが かなり増してます ナイスキャベツ君 グッジョブだ。 ★市原悦子のしみずとシーツ しかし、それ以上に威力を発揮した小道具が、母親と息子が包丁を手に争うシーンに使われたあの真っ白なシーツです。初めは息子に掛けられたシーツが形勢逆転してしまい母親市原悦子を頭からすっぽりと覆ってしまう、そこから親子で争い揉み合った果てに母の顔が見えぬまんまに腹を刺す そして顔が見えぬまんまに発せられる母親市原悦子の哀れシュールな台詞の数々を生み出したあのシーン。それを生み出したあのシーツ。親子の争いを哀れに凄まじく演出するのに十分過ぎるほどであった小道具のあのシーツ。市原悦子のしみずの色と同じ色であった事も効果を得ていたように思えましたし、シーツと出刃包丁という最強の組み合わせによる凶器の誕生を目撃してしまったかのようでとても恐ろしい。シーツ、それは凄まじいサスペンスシーンを演出する事となった最強の小道具であった。 ★順とケイ子、そして市原悦子 水谷豊の怪演については言うまでもない。 原田美枝子については好き嫌いもありましょうが、お嬢は撮影当時17歳、それでいて原作タイトルの蛇淫の雰囲気を醸し出しつつの、ロリな雰囲気保ちつつ、素晴らしきスケ役であったと思われます。あまったるい声、そしてナイスオッパイ グッジョブだ。 そして最後に母親市原悦子さん、彼女についてはただすごい、もうそれだけしか言えませんね この時あってこそ後の御活躍がある その事を分からせてくれるに十分な役柄でした いやはや素晴らしかった。 ★音楽 ゴダイゴオンリーの統一感。 前半、弱冠浮いてしまっているんじゃないかと思えた曲の入りも、後半ではズバッと嵌まる。切なさを奏でるエンディングソングでは ここでもうホントに終わりなのかと思わせるよな残念な気持ちと雰囲気と曲調の心地よさに恐ろしきほどに胸騒いでしまう it's good to be home again。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2019-05-25 22:11:27)(良:1票) 1.市原のイタイイタイ・・・水谷も原田もイイ。暴走する青春。やるせない青春。ちょうど20歳くらいの頃に観たこの映画は私に鮮烈な印象を残しました。ラストのワルツっぽい曲が流れるところ、なぜだか切ない。 【ロビン】さん 9点(2003-12-28 05:00:31)
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