みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
4.《ネタバレ》 111分のブルーレイ完全修復版。同仕様のDVDとほぼ同一だがランタイムは5分長い。 再見するとよく解るが、チャールトン・ヘストンのカバンの中の銃だとか、 大柄の杖だとか、モーテルでのうずまき状のスピーカーだとか、 後にキーアイテムとなってくる小道具はいずれもその前段で抜かりなくさりげなく 仄めかされている緻密さに改めて感心する。 (車両爆発直前までを捉えた)冒頭シーンばかりが注目される長回しも、 映画中盤のシーンでいかに効果的に用いられているかがよくわかる。 オーソン・ウェルズらがダイナマイトの証拠捏造を行う屋内シーンだが、 最初の長回しでオフ空間の浴室を移動によってまず映画的アリバイとして見せ、 二度目の長回しでそのオフ空間を観客により意識させてサスペンスを高める という趣向になっている。 冒頭のそればかりが騒がれるのは、観客を映画へ一気に引き込むべき手段としての 派手な移動撮影の突出があるからだが、中盤のそれは複数の俳優の芝居の 緊張を持続させるためのものであり、その意味で観客にカメラを意識させない中で ヘストンとウェルズの関係性の決定的変化を捉えるこちらの地味な長回しも 相当に難度の高いものであり、決して無視されるべきではない。 夜の闇の中、盗聴を移動という動きの中で描写する。 そしてそこに橋梁や油田ポンプの空間構造を 利用して障害を採り入れてサスペンスを醸成する。 やはり映画的センスとしか言い様がない。 【ユーカラ】さん [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 9点(2014-10-13 13:23:36) 3.《ネタバレ》 市民ケーン」なんぞより遥かに面白いしワクワクする。 爆弾が爆発までをワンショットに収めてしまった見事なシークエンス。 ウェルズのバロック様式は大袈裟であり、壮大であり、大胆であり、見事だ。 闇が拡がるようにぶくぶく膨れ上がるウェルズの巨体は、警察組織そのものの“闇”を表現しているのだろうか。 それに挑もうとするチャールトン・ヘストンの小ささ、頼もしさ、危うさ。 服を引き剥がされ、背中を向けて冷たくなった女の惨たらしさ。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-29 20:48:40) 2.ウェルズに対して「50年も前にこんな映画を作るとは・・・」なんて今さら言うのはおこがましい限り。僕らは映画の全てを知ってしまった男(“しまった”という言葉がまさにふさわしい)の手になるこの大傑作に黙って見とれていればいいんだ。そう痛感させられた。オーソン・ウェルズという映画の神様がこの世に遣わせてくれた才能の、おこぼれにあずかることができるだけでも幸せなんだと。 ちなみに冒頭の長回し、ポール・トーマス・アンダーソンが『ブギーナイツ』でやってますね。 【藤村】さん 9点(2005-02-01 07:47:24) 1.動く、動く動く!キャメラも人も、物も街も。すでにストーリーなど無くていい如くに圧倒的ボリューム感で、遊園地のビックリハウスのように映像が遊びまわる。国境にある「黒い街」をネットリと描くウェルズは、文学のいかがわしさと、映画のいかがわしさの境を、その魅力の違いを、ぐさっと突きつけてくる。 【るーす】さん 9点(2003-06-03 13:18:38)
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