みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
86.《ネタバレ》 これを観て、登場人物の心理がまったく理解できない、あるいは本作は自分にとってまったくの別世界だと思うことのできる人は幸いでしょう(決して皮肉ではなくて)。大人も子供も、「自分は自由ではない」「自らの願望は満たされていない」と強迫神経症的に思い込みながら、生の充足感を求めて、平凡な人生を唾棄しつつ、欲望の赴くままに行動しようとするものの、どこまでいっても満たされない――まさにニヒリズムの極地。唯一、満ち足りた表情を見せているのが、ゲイのカップルと、死ぬ直前・直後のK・スペイシーのみという逆説。決してアメリカだけではない、日本も含めてある程度の経済的富裕を成し遂げた(=次なる目標を喪失した)社会に共通する問題であるといえるでしょう。もちろん、安直な解決策などあろうはずがない。たとえば、隣家の父親のごとく、秩序と道徳を体現しようとすればするほど(常に「自分は大佐だ」と言い募らなければならないように)逆に卑小で滑稽な存在にしかなりません(まさに昨今のナショナリズム親父を連想させます 苦笑)。せいぜいが、「サイコ」少年のように、市場価値のあるアイテム(ドラッグ密売)を身につけて不透明な世の中を巧みに生き抜いていくべし、という精神論くらいでしょうか。スペイシーが、回りまわってようやく身の丈に合った「家族との一体感」という幸福に逢着した途端、この世から消されてしまう悲劇。銃殺される前後に彼の見せた、満ち足りた柔和な笑顔、涅槃の境地にあるかのごとき安らかな死に顔には、胸を締めつけられ、涙を抑えることができません…。自由な世界、物質的に満ち足りた社会に住む人間特有の焦燥感・不遇感を、巧みな誇張と滑稽さをまじえて鋭く描いた名作であると思います。 【アイアン・バタフライ】さん 9点(2004-04-12 09:10:10)(良:6票) 85. 先日TVで放映されたのを観たら面白かった。最初に観たときと評価が変わった。犯人がわかった上で観た方が面白かったのはなぜか?それは、ケヴィン・スペイシー演じるレスター・バーナムの“演技”だった。ケヴィンは映画の中で偽りの自分を演じるレスターを演じている。それに気づいたらハマッた!無気力なレスター、娘の良い父親を一生懸命演じるレスター、娘の親友に恋したエロ親父なレスター、好条件の退職を“勝ち取って”有頂天のレスター、勢いをかって妻を挑発するレスター、妻の浮気現場でニヒルになるレスター、そして、最期に我に還ったレスター。ケヴィンは、いろいろと「無理している」レスターを演じた後「最期のレスターが本当のレスターだよ」としっかり印象付けて演技を終えている。同様に妻役のアネット・ベニングもずぅ~と無理したキャロラインを演じて、ラストのうろたえて拳銃を隠した後、クローゼットに倒れこむシーンで本当のキャロラインを演じている(もし、本当に殺意があったならレスターの死を見て自分が手をくださなくて済んだことを喜んだだろう。人が見てないところでうろたえる演技はあり得ない)。その他にも無理していた登場人物が二人、クリス・クーパー演じる隣人(彼だけは真実の自分を否定されてしまった)とレスターに優しくされるまではつっぱりねーちゃんを演じていたミーナ・スバーリ。ラストのバスルームで化粧を直すシーンだけは可愛く見えた(笑)。無理から開放されたラストの爽やかなこと(笑)。一度観て面白くなかった人も二度目は面白いかも知れませんよ!? 【さとし@快投乱打】さん 9点(2003-06-26 15:56:14)(良:3票) 84.Spectacular!現実社会からの様々な影響、制約によって、人生における成功や幸福の意味を履き違えた(或いは又疑問を感じているものの自らを解放する勇気が無い)人達が、やがて自らを解放し自分自身に目覚め本当の幸せとは何であるか、本当の人生の成功とは何であるかに気が付く。気付かなかった妻は常に不安にかられストレスに満ち、発散を求め浮気や射撃などの刺激に向かい続け、最後まで人生の持つ本当の美しさが判らない。ゲイのカップルは清々しく、自分自身を見出しリッキーに出会う事で勇気を得て自らを解放してからの主人公は如何にも人生が楽しそうだ。キーパーソンはリッキー(知らない俳優けど上手だった)。この作品の中で彼だけが(多分ゲイのカップルも)外界と折れ合いつつも自らのアイデンティティーを失わない術を知っている。ジェーンが「彼は自分を知っている。」言ったのはそういう意味に他ならず、だからこそ彼女は彼にひかれたのだ。この作品のテーマは既に使い古されたものだが、極めて美しい映像と秀逸なカメラワーク、リアリティ溢れる脚本、ケビン・スペーシー、アネット・ベニングその他の熱演などによって傑作に仕上がっている。この映画の良さが判らない人は、きっと幸せなんだろう。羨ましい限りだ。多分、外界に接している自分と内面の自分とのギャップなんか感じた事が無いんだろう。そんな人にこの映画を理解しろと言っても無理な話だ。何故なら彼らはアネット・ベニング演じる妻の側にいるからだ。 【gray_ghost】さん 9点(2003-05-03 18:26:54)(良:3票) 83.《ネタバレ》 自然すぎるケヴィン・スペイシーの演技に、笑っちゃうほど不自然なアネット・ベニング、そして意外なドンデン返しのクリス・クーパーと、役者たちの演技が半端ない。大人も凄いが、ソーラ・バーチ、ミーナ・スバーリも若い裸体を晒して頑張ってます。落ち葉と共に風に吹かれて舞い上がるビニール袋の美しさ。ラスト、はたと我に返ったところで撃ち殺されてしまう主人公。死後のナレーションから始まる本作、この無常観は、〈アメリカの悲劇〉を謳った凡百の映画を軽々と跳び越えてしまっている。傑作。 【フライボーイ】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-03-29 07:38:48)(良:2票) 82.《ネタバレ》 これはやられました。構成がうまいっ!という感想です。もちろん、一本筋の通ったテーマの主張があったからこそです。 序盤から曲者がたくさん登場し、風呂敷広げすぎて大丈夫かと冷や冷やしましたが、それぞれ無駄な配置がありませんでした。 特に隣の盗撮兄ちゃんは単に気味悪い添え物かと思っていたら、彼が核となるテーマを一番語ってくれていたのは意外や意外。 そして、最後の収束のさせ方が素晴らしかったと思います。 ラストだけでも多くの感想を語れる名ラストシーンではないでしょうか。 最後近づく銃口には身震いする怖さもあり、さりげなくどんでん返しの結末もあり、・・・と開けてみたら想像以上にお得だった福袋といった感じです。 暗くなりがちな内容なのに明るさを失わず、品のない会話や描写が多いのに印象が悪くなく、殺されたのに「ハッピーエンド」的な感覚で後味が悪くない、という珍しい作品でした。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-01-26 13:57:15)(良:2票) 81.《ネタバレ》 年齢も性別も違う各キャラクターに感情移入しまくり。父、夫、子供に戻ったり、経験も無いのに妻になったり、ゲイになったり。そして中年の一人の男として。可笑しく、切なく心を揺さぶられました。あまりにリアル。人間のイヤな部分、見たくない箇所を見せつけられました。でも妙に心地良かったりもする。“人間”を見事に描いている作品でした。結末は主人公の死。それも銃殺。どう考えてもバッドエンドです。しかし不思議と充実感がある。理不尽に命を奪われたことに対する憤りよりも、今までの人生に対しての感謝が勝る。彼をそういう気持ちにさせたのは何か。それは生きている実感だったと思います。生きている時から“死んでいた”主人公。彼を生き返らせたのは、ある少女との出会い。娘と同じ年の美少女。恋に落ちるのに理由は要らない。彼の望みはただ一つです。あえて下世話な言い方をすれば、「ヤリたい」「セックスしたい」。それが男の本音。もともと男はそんな生き物。彼女とヤリたいがために体を鍛える。まるで高校生です。そう彼は青春を取り戻した。それは性欲でもある。性欲は、すなわち生きようとする力。社会に研磨されるうちに、あるいは日々の生活で磨耗するかのように、失くしてしまったもの。しかし結局彼は少女を抱きませんでした。彼女が処女と知って、42歳の大人の自我が待ったをかけた。青春を取り戻しても、10代の精神に戻るわけじゃない。今まで積重ねてきたものは消えてなくならない。それが人生の重み。もし、彼女を抱いていたら殺されずに済んだかもしれない。でも“彼女を抱かずに殺される”ほうがしっくりくる。妻を殺人者にせずに済んだ可能性もある。これはこれで悪くない。決してベストじゃないけど、そこそこベターな結末。最後の刹那に浮かぶのは愛娘の顔、そして妻の顔。つまらん人生だったけど、ありがとう。もしそう言えるならば、その人生は悪くない。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-09-01 00:33:24)(良:2票) 80.《ネタバレ》 レスターにとっては娘の友達アンジェラ。キャロラインにとってはアメリカンビューティー(バラ)そのものや、豪華な家にインテリア。アンジェラにとっては美しくパーフェクトな自分。私の求める「アメリカンビューティー」ってなんだろう?真剣に考えてしまいました。自分の求める「モノ」。理想像と現実のギャップ。表と裏。手にしたと思った瞬間アメリカンビューティーは泡のように消えてしまう。ラストに見せるみんなの本当の素顔こそが「アメリカンビューティー」。 泣いた後、鏡の前でマスカラを気にしているアンジェラも、満ち足りた死に顔のレスターも、憎んでいた夫の死に号泣するキャロラインも。美しい映像と強調された赤。まるで本当に誰かの心の中を垣間見てしまったような気分。 【彩犬】さん 9点(2004-05-18 01:58:34)(良:2票) 79.《ネタバレ》 みんな異常で、それが正常。社会と折り合いを付けて生きている。父はある日、ある少女を見た瞬間に、今までの空ろな自分を捨て、少年に戻る。「空ろな自分」に気付かせてくれる衝撃的な「美」。それは人それぞれにあるピンポイントな美であり、どこにでも普通に存在する。自分にとっての「美」を早く見つけたいものだ。 【ちゃか】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-03-31 09:44:40)(良:1票) 78.皆さんのレビューはすべて読まさせていただきました。そのうえで、ただ一言だけ言わせてください。 アカデミー賞にふさわしいか否かという論点でしかレビューできない方、ただ単に笑ったとか下品だったとしか感じなかった方、何のおもしろみも見出せなかった方、あなた方はとても幸せだと思います。いつまでも何も疑うことなく、既存の「幸せ」のなかで暮らしていってください。でも自分にとっては、そういう方があまりに多かったことにかるい絶望を覚えました。だからと言って、ここでくたばってしまうわけにはいかんのですがね。俺はどう生きるのか。どう戦っていくのか。そんなことを考えるのはしんどさの極みですが、もはやここから逃げることはできません。この作品はアメリカだけの話じゃない。俺の話でもあり、あなたの話でもあるんですよ。 あー、とても一言じゃ終わりませんね。とりあえず、いろんな意味で正月早々に見る映画じゃないことだけは確かです。とまぁキリがないので、これにて失礼させていただきます。 【708】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-02 04:53:06)(良:1票) 77.主人公が取り戻そうとしたのは、自身の「青春」である。彼が会社を辞めてフリーターになり、娘の友達に魅せられて肉体を改造し、マリファナを吸ってロックを絶叫するのは、自らの青春への信とその回帰の意志からくるものであろう。この映画は、そんな青春に象徴される精神の自由とか、利己主義とか、社会に対する無責任さなどというものに対する無邪気な信頼を描いたものなのだろうか。 きっかけは、主人公を襲う妄想であった。現代的妄想とは、現実によって侵食された内面からの末期の悲鳴である。そしてそれは現実/世界を超越する意志という失われた原初的思念の新たな発現になり得るのである。 この物語のもう一方の主人公は隣人の若者であろう。彼の存在によって、ケビン・スペイシーの無邪気さは相対化されていると感じた。彼の現実は最初から不透明である。そこには回帰すべき青春への信などというものは既にない。しかし、彼とケビン・スペイシーはまるでコインの裏と表のような存在であるようだ。彼らが同じ世界を生きている以上に共有している思念を感じるのだ。それこそがこの映画のモチーフである「生きていくことへの信」だろう。そのモチーフに繋がる若者の動機が少し弱いかもしれないが、ある意味でそこにこそ「青春」というタームを超えたこの物語の新たな可能性を見たような気がする。 【onomichi】さん 9点(2004-08-27 23:37:02)(良:1票) 76.《ネタバレ》 これはおやじ殺しの映画ですね。途中のアンジェラの告白も含め30~40代の男性にはいろんな意味でキます。で、なんといってもケビンのあの顔。恍惚となります。で、やっぱり後に銃口があるんだな。 【馬飼庄蔵】さん 9点(2004-07-05 13:58:33)(良:1票) 75.《ネタバレ》 家族として機能していない家族、これは現代のアメリカが抱える最大のテーマなんだろうと思います。なんだかヤケに元気な奥さんと、魂を抜かれたサエない中年男、全ての迷える中年男性にとってレスター・バーナムこそ等身大のヒーローなのでしょう。ケビン・スペイシーはソーラ・バーチやウェス・ベントレーのみずみずしい存在感に圧倒され気味で、「なんだ、この程度だっけ?」と観ている時にはちょっと落胆したんだけど、よくよく考えてみたらこれこそレスター・バーナムという男だったわけで、そういう意味でケビン・スペイシーって本当に上手い、わきまえた役者なんだなあと納得。若手を食ってしまうこともやろうと思えば出来ただろうけど、レスターという男はそういう男じゃないんですよね。私自身は、冴えない中年のアメリカ人男性だったことは今まで一度もないんですけど、彼の痛さはとってもよくわかる気がした。映画は時代を映す鏡だ、という言葉があるけど、この映画はたった3人の非常にミニマムな世界を通して、少なくともこの映画が作られた時点でのアメリカという国を徹底的に描き切っていると思う。国際紛争でも政治でもなく、ホームドラマという形でこういうことも描けるんだということを伝えてくれたという意味でも、評価したい作品だと思います。 【anemone】さん 9点(2003-11-22 20:13:22)(良:1票) 74.《ネタバレ》 淡々とした流れの中に役者一人一人の個性が光っていて、終わってからもひとりで考えてしまうような映画です。アカデミー賞受賞らしいけど、カンヌっぽい気がする。この映画が近所のビデオショップで「コメディー」コーナーに置かれているのですが・・・。この悶々を解決するには私がビデオ屋定員になるしかないのか? 【キュウリと蜂蜜】さん 9点(2003-09-19 22:04:38)(笑:1票) 73.この作品は近年のアカデミー賞作品賞受賞作の中で、イングリッシュ・ペイシェントに並んで、ふさわしくないと捉えられそうな作品だと思う。しかしながらこの作品は適度に奥が深い。単純に言えば、大人向けの作品でありながら、若い感性も巧みに採り入れているし、死という重い結末を持ちながらも、作品全体はそうした結論を予感させながら、しかし重くなり過ぎていない。むしろ浮揚感さえ持ち得ている。この作品が受賞したのは、アメリカ人にとっての現実感が伴っているからなのであろうが、私にはくるまを高速で跳ばしている時に、百分の1で起き得る事故を許容できる様な気分になることへの共感に近い。歴史に残る傑作とは思わないが、CGを用いない作品で、時代を切り取り得た作品として、人々の記憶に残るものと考える。 【ももんが】さん 9点(2003-06-17 23:59:28)(良:1票) 72.笑ったという評が全然理解できん!むしろ泣いたがなぁ・・・。うまく言えんけど、無情とか虚無感みたいなものを覚えた。だいたいアカデミーがなんぼのもんじゃい!これがアカデミーとったから、アカデミー受賞作ってのもちょっとは信用できうようになったけどねぇ。人間関係の絡みが誇張して描かれてあったけど、基本的にはアメリカとかってのはカンケーないと思う。普通に日常的に抱えてる悩みやジレンマが見事に凝縮されていた。ちなみに、アメリカン・ビューティーてのは薔薇の品種名です。妻が一生懸命世話してたヤツだけど、夫はそれに埋もれる美少女を想像してるのです。彼女自身がアメリカン・ビューティーを体現してるわけでもあります。 【花代】さん 9点(2003-06-17 22:52:54)(良:1票) 71.人間の妄想って素晴らしい。 【はまぐり】さん 9点(2002-07-08 22:04:42)(良:1票) 70. 不幸せな人間と幸せな人間が微妙な色合いで塗り分けられている.不幸の代表は、同性愛を否定することで自らを否定し続け、自分の家族もその巻き添えにし、その結果自らも幸福になれず、家族にも幸福を与えられなかった隣人の元軍人.人様の目に映るイタリアン・シルクのソファや丹精した薔薇(アメリカン・ビューティ)が生き甲斐の主人公の妻(A. ベニングいかにもの演技).対して、なんとか自分らしく生きる場を見つけようとする娘とリッキー.そして、幸福の中で死んでいった主人公.全てあり得る生き方であり、アメリカに限ったことでもないような気がする.映像的には、娘とリッキーが観るビデオの、風に舞い上がる袋とその音楽のシーンが印象に残った.スペーシーは、突出した演技でないところが、ただ者ではない感じ. 【シャリファ】さん 9点(2001-11-02 12:24:15)(良:1票) 69.表面的にはゲイ、マリファナ、仮面家族、セックスレス等の問題を扱っているが、根底にあるのは「今までの自分はある意味、死んでいた」というケビン・スペイシーのセリフにも象徴される様に自分の生き方に対する不満・疑問であり、「満たされない心の隙間」を埋めたいという現代人の欲求であって決してアメリカに限った問題ではない。ただ、テーマに共感できない人にとっては「コメディー」というオブラートに包まれた単なる下世話な小話で終わってしまうだろうけど・・・。万人受けする作りで無い点も含め「ファイト・クラブ」と相通ずる物を感じた。ラストでケビン・スペイシーを始め、幸せになった人が穏やかで満ち足りているのに対し、最後まで物欲や規律に縛られて幸せになれなかった二人が怒りに任せケビン・スペイシーを殺そうとするのが悲しく、そして、哀れだった。この作品がつまらないという人は現在幸せであるだろうと思うから自分の境遇に感謝すべき。 【BOBA】さん 9点(2001-04-02 15:11:37)(良:1票) 68.すごく本当の意味でいい映画だったとおもう。なんかとくに印象ぶかかった所とかクライマックスとかみたいな盛り上がりはない。けどなんか全体をとおしてジーンと胸にうったえるものがあった。まさにアメリカの生活の裏を見た気がする。ケビンスペイシーが最後美少女に「娘は幸せなんだろうか」ときいて『シアワセなんじゃない』という答えを聞いた時の表情がすばらしい!!あのケビンスペイシーの表情があったからこそ終わった後に涙がでてくるのかもしれない。「幸せかなんて最近聞かれた事なかった」と言う最後のせりふにおもわず涙がでてしまった。 【うにょ】さん 9点(2000-08-16 04:22:36)(良:1票) 67.この作品を観て「不快」と思うか、「傑作」と思うか。実は「不快」と感じる人が異常であって、「傑作」と思う人の方が正常なのだろうかとふと考える。今果たして世界中で「自分は幸せな家族だ」と思う人間がどれだけいるのか?探す方が困難ではないだろうか?自分が目指す美意識は、他人にとってはただ不快なだけかもしれない。完璧な物を目指す人間が異常なのかもしれない。家族形成に完璧や美意識を求めるべきか?それが他人の目からみたら異常と取られても目指すべきか?自分の家族は完璧か?自分はどうか?あなたの感じる美とは何だろうか?それは異常か?正常か?何かを得るために何かを失うという覚悟の元において追求に値する美なのか?誰かを指さし「異常だ!」と言ってるあなたが異常かもしれない。満点を付けた批評家は、自分の異常さに気づいて満点を付けたのかもしれない。不快に感じる人は、まだ異常さに気づかないか、認めたがらないのかもしれない。作品の深さに改めて考えさせられる。この作品の傑作だと思う部分は、言わなくても良いこと、言ってはいけないことをあくまでも真面目にそして、堂々と言っていることだろう。それは誰でも1度は考えた事があるかもしれない心の底という名の重箱の隅をつつくような脚本とストーリーだ。エセ・ヒューマニズムと商業主義的作品が横行するハリウッドでこのような作品がオスカーを獲得することは、個人的に喜ばしいことである。そして主人公レスターを徹底的に演じたケヴィン・スペーシーの演技には驚異さえ感じた。この役をハリウッドで演技派と呼ばれているアクター達誰が演じる事が出来るだろうか?考えた時誰もあてはまらない事に気づいた時オスカー受賞も納得したのだった・・・。 【mmm】さん 9点(2000-05-02 23:08:08)(良:1票)
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