みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
3.《ネタバレ》 キアロスタミの最高傑作だろう。この終わり方にする理由もわかる。 これがフェイクであることを明示することが、却ってその真実性を硬くする構図をきちんと形成できていた。 つまりこれは具体的な事象であるというよりも、普遍的な事象であるということを表現し得ていた。 逆に言えばこの映画を見れば、他のキアロスタミの作品は見なくていい。それだけ芯を捉えている作品だ。 (ただしユニークな会話劇については「風が吹くまま」のほうが上だ。) 【浅田荷葉】さん [DVD(字幕)] 9点(2019-05-12 10:16:34) 2.《ネタバレ》 クルマを運転しつづけるオッチャン。オッチャンは死ぬことを、自殺することを、考えている。で、出会う人に自殺の手助けを頼む。しかしオッチャン、一人で勝手に死ねばいいでしょう、一人で死ぬ方法なんていくらでもあるでしょう。見知らぬ人から自殺幇助を頼まれて簡単に引き受ける人なんて、そうそういないでしょう。と言う訳で、なかなか「自殺」の手助けを引き受けてくれる人には巡り合わない。オッチャンは何故死のうとしているのか、それはわからない、ただ、生への別れを告げるにあたって、誰か見知らぬ人に自殺幇助を頼む、それが、オッチャンの生に対する最後の繋がりであって、見知らぬ人との会話を通じ、その見知らぬ名もなき人たちの人生が浮かび上がる。会話は淡々と続き、車窓には荒涼とした風景が淡々と流れ、クルマは淡々と荒れ地を走り続ける。そしてついに、オッチャンは、協力者を得て、命を絶つ・・・絶った、らしい。この映画のラストは、どう解釈すればよいのか。荒涼としていた風景には緑が芽生え、撮影隊が映画の撮影を行っており、あのオッチャンもそこにいる。あくまでこれは映画なんです、という“メタ”なのか。あるいはこのシーンは、オッチャンが生き返って、心機一転、映画俳優としてデビューしたという後日談なのか(そんなアホな)。監督の意図ははっきりとはわからないし、このラストだけが本作の真価でもないはず。ただ、このラストが何となく「面白い」と感じたのは、映画本編が「自殺の手助けを見知らぬ人に頼むがなかなか引き受けてもらえない」という孤独な物語であったのに対し、このラストのオマケは「こういう孤独な内容の映画でも、こうやって大勢のエキストラを動員し、大勢の協力があって作られてるんですよ」と言っているようで、その対比が印象的だったから・・・。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-08-23 22:35:26)(良:1票) 1.《ネタバレ》 内乱や戦争、様々な理由から国を出て、貧しいながらも希望を持って生活している人達に大金で自殺ほう助を頼む困った男、バディ。 考えがまだ浅はかそうな若造ばかり狙うけど、彼らは宗教という知識を持っているのでバディに自殺しないように若造なりの優しい言葉をかけてあげるのに、反論ばかりする男、バディ。 挙句の果てに神学生の意見に、神官になってから言えとバッサリ切り捨て。オマエそんなんだから自殺する方向になるんだよ・・と言いそうになってしまった。 そう、バディの駄々っ子ぶりとカメラは常に助手席から見たバディのアングルという起承のなさにウトウト眠りそうになってたら、バディが横で話してる気がしてきたんだよね。 これには驚いた。 監督も心得てるのか、仏も3度までの3人目は人生味わってそうなオッサンで、ほう助を引き受けてくれつつバディに反論の余地のない説教までしてあげる、この時の話は良かったなぁ。 ここで桜桃の意味も判明。なるほど。 オッサンの勤め先の博物館でバディがぼんやり佇むシーンは本当に綺麗。霧モヤ最高。 結末も良かった。ある意味映画(フィクション)らしいと思う。 この結末でさわやかな気分になれたので、高得点にしときます。 【晴朗雪月花】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-07-11 00:15:13)(良:1票)
【点数情報】
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