みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
19.すごいなぁ。宮崎駿。本当に。まず非凡な色彩感覚によって描かれた美しすぎる絵!この絵が動くという、それだけでもう感動してしまう。CGが飛び出るなんて浅い感動とはわけが違う。クラゲが動くだけでゾクゾクしてくる。そして観る者の心をごくごく小さな振れ幅でプラスやマイナスの方向に翻弄する演出。ほんのちょっと嬉しくなって、ほんのちょっと不安になって、ほんのちょっとワクワクして、ほんのちょっと怖くなる。宮崎駿の計算のうちに易々と感情をコントロールされるこの快感は、名指揮者やソリストの非凡な解釈による音楽を聴いて鳥肌がたつときの感覚に近い(というかこの作品自体、どことなく音楽的なものを感じる。音響的な意味ではなく、演出的、構成・展開的な面で)。加えて千と千尋に比肩するイマジネーションの奔流…全くどこからこんな発想が生まれるのやら、尊敬する他ない。 世の中のハードルは滅茶苦茶に高いようで、必ずしも評価の芳しくないこの作品。でも私のような少数派の人間のためにも、宮崎氏にはこれからも名作を作り後世に残して欲しいと切に願います。テレビ放送で見てしまったふとどき者の私ですが、BD必ず買いますから… 【Mum,theSanChrys】さん [地上波(邦画)] 9点(2010-02-06 13:45:10)(良:1票) 18.「子供の頃にポニョ観てさぁ。水面の上って、頑張ればもしかしたら走れるんじゃないか?って信じたよ。あの時。」と、今の子供たちが、将来何年後かに思い出すんだろうなぁ。 かつて「未来少年コナン」を観た私が、飛んでいる飛行機の羽の上を走ることが出来ると信じたように。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-08-10 12:01:05) 17.《ネタバレ》 ファンタジィというより、ほとんど狂気といっていい内容、水辺に並ぶ車椅子のシーンは正直怖かった、若い夫婦と子供が加わり、宗助とポニョが加わらなかったあの船団はまぎれもなく「三途の川」のイメージだろう、コナン、ナウシカなどに見られる宮崎カントクの破滅願望がこの作品からも強く感じられた、私はこういった狂気が大好きである(笑)ただ、あのバーさん方は(皮肉でもなんでもなく)「あの世」から帰ってくる必要(必然)があったのだろうか?しかしリサまで帰ってこなかったら、このお話はハッピーエンドとはならない、リサを帰すために仕方なくバーさん方も帰って来てしまったようにも見える、この辺がジブリエンターテイメントの限界なのだろうか? 【るね】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-08-02 09:08:59) 16.もう、ポニョがCMでもやってたあの波の上を駆けるシーンを見ただけで大満足、満腹。もう千円もってっちゃってー!!(メンズデー)って思いましたよ。走ってるとこ見ただけで涙って出るんだな~。 宮崎監督が、「人の手で描いたものには説得力が生まれる」って言ってたけど、納得がいきました。 【あした】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-05-11 04:46:44) 15.《ネタバレ》 観た後、感極まって言葉が出なかった。ここしばらく低迷していた(個人的に)ジブリ作品の中で、突き抜けた快作だ!訴えるテーマが多すぎて焦点が散漫になっていた上に、そのテーマも陳腐で説教臭く感じていた「もののけ」以降の悪い流れを完全に断ち切ってくれた。本作は子供向けの作品と言われ、作者自身もそう評しているようだが、それの何が悪かろう。アニメは本来子供が楽しむべきもの(と私は思う)。その子供を置いていってしまった感がある近年の作品に比べ、本作の芸術性、エンターテイメント性は高く評されてしかるべきだ。月が近づこうが、カンブリア紀の生物がよみがえろうが関係ねえといわんばかりの説明の不在、終盤の畳み掛け、全てが素晴らしい。そう、最早この世界に説明は必要ない。感じるか感じないかそれだけだ。 改めて、宮崎駿という人は怖ろしい人だと思った。子育てと仕事の両立、老人ホーム、環境破壊、探せば色々なテーマが転がっている。だが、それは相手にしない。考えたければ考えろ。それだけのことだ。それよりも観る者すべてを圧倒する色彩美、躍動感!これを表現できるのはアニメを措いて他にない。 劇場にいた子供たちの明るい笑い声。それが本作の魅力全てを物語っている。良いものを観せていただいて、ありがとうございました!帽子を脱いで一礼。 【枕流】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-10-12 22:31:00)(良:2票) 14.《ネタバレ》 5歳の子と3歳の子を連れて、家族で見に行きました。 見終わった後、ストーリ的に色々と??と思うところはあったのですが、子供たちにはまったく関係なかったらしく、「ポニョ、ハムがすきなんだよね!」とか「ポーニョポーニョポニョ…♪」とずっと口ずさんだりしていて、本当に連れて行って良かったな~と思いました。 ポニョの躍動感あふれる動き、キモかわいい妹たち、まさしく子供受けするアニメだと思います。大人になるとこことここが抽象的で意味がわからない、とか声優が気に入らないとかごちゃごちゃ考えてしまうけど、子供は「こういうものだ」「こういう声の人だ」とか思いますもんね…。 さすが宮崎監督という出来だと思います。子供や、のんびりとした雰囲気好きな大人の人にはオススメの作品です。 【さゆり】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-09-11 20:32:11)(良:2票) 13.人間のもつ、感じる、原初的な躍動をここまで表現できるとは! さまざまなシーンで、心が躍りましたし、暖かくなりました。このような心の躍動こそ、後世に、また子供たちに伝えていくべきだと思います。 【ようすけ】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-09-05 23:56:45) 12.子育て中の身として、男の子のしぐさひとつひとつがかわいらしくて仕方ありませんでした。一番印象的なのは、瓶の中に閉じ込められてしまったポニョを力づくでなんとか外に出そうとする場面。未来少年コナンからの定番だった極端なオーバーアクションは控えめで、子どもらしいしぐさを一つ一つ丁寧に描こうとしていたのが良かったです。たぶんそうしたオーバーアクションがすでにアニメの定番の記号的なリアリティーになってしまっていることに対する、本家としての抵抗の試みなのではと感じました。 一方、中盤の嵐のシーンの海の描写には、先日みた北京オリンピック開会式のマスゲームのような過剰さを感じました。そこまでやらなくても、子どもならではの冒険を演出できたのではないかなぁ。あんまりやりすぎるとかえって、あの状況の中で家に帰ることを優先するリサの、大人としての分別のなさが却って浮いて見えてしまいます。 手垢のついたクラシック音楽の転用のような音楽にも、にやりとはさせられるけれど、オリジナルで新しくて聴いたことのないような、それでいて優しく美しい音楽はもう久石さんには期待できないのかなという気にさせられました。 終盤は、リアリズムの代弁者としてのおときさんの辛らつなつっこみで、おとぎばなしの世界に大人の視点のまま連れ込むのに成功しているように、僕の目には感じられました。「千と千尋」の冒頭のトンネルが引用されるのも、物語的なイメージの深みを加えるのに有効な働きをしていたと思います。 もっともそれでも、人魚姫の枠組みを、成人への通過儀礼などまだまだ遠い先にあり、セクシャルな存在とはとてもいえない五歳の男女にあてはめることの無理はどうしても感じざるを得ませんでした。 全体としては、子どものリアルなしぐさをじっくり観察し、あますことなくその魅力を表現したところに、この作品の最大の美点があるように思います。最初から最後まで涙の乾く間もないほど涙腺の緩みっぱなしの映画でした。 【小原一馬】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-09-01 17:14:02)(良:2票) 11.スクリーンの前にいるだけで幸せな気持ちで満たされました。 ストーリーとか絵とかそういうものを超えて感動している自分に驚きました。 アラウンドフォーティですが、この歳になってもこんな感覚が残っているなんて。 -1点分は毎度のことながら声優はタレントを使うのはやめて欲しいところ。 【がち☆がーる】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-08-30 15:50:07) 10.「はじまり」があって「おわり」があるけれど、「おわり」は「はじまり」。海の中から陸上を見たときの不思議な感じも、押し寄せる波の不気味さも、とてもワクワクしました。私は地元なのでちょっとうれしいエピソードもあり・・・。単純明快なストーリー、あふれ出るような楽しい絵の世界、トトロに続く傑作だと個人的には思います。小難しいこと考えず、「どうだ、楽しいだろ」と思いながら観てください。 【longsleeper21】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-08-23 16:47:01)(良:1票) 9.今までの宮崎作品とは違って、機械の描き方が良い意味で「適当」な感じで、動いている絵本といった趣でした。手描き感がとても強く、僕はおとぎ話の世界にぐんぐん引き込まれてしまいました。 【leo】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-08-17 17:43:17) 8.まず、文句なしにポニョが可愛い。大人としてストーリーにつっこみどころはあるけれどそうゆう目で観る作品ではないのかな。というのが正直な感想。アラだらけではあるけど心がきゅんとする映画でした。声優をつとめた所ジョージさんが「この映画を素直に楽しめる人は(心が)綺麗な人だと思います」といっていたけれど、ある意味では納得してしまった。絵本を見る感覚に近いような気がしました。こうゆうのもたまには良いです。 【civi】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-08-07 00:31:13)(良:1票) 7.《ネタバレ》 現代っ子の境遇が良く現れていました。 トトロに描かれたメイやサツキとは全く質が異なります。 少なくとも体は大人である人々を和ませ、励まし、迷惑すらかけまいと駄々もこねず良い子であることを心がけ、 自分の感情をぎゅっと抑えている宗助の様子がなんともいえません。 これを単純に子供っぽい可愛らしさ、羨ましいほど良く出来た子と捉えるところに大人特有の愚かさ、浅はかさがあるように感じます。 おそらく監督ご自身も、ご子息との関係に似たようなものを感じているからこそゲドの後のこの作品なのでしょう。 そんななかで出会ったポニョ。感情のはけ口を見つけ、「ぼくも好き!」とストレートに自分の感情を表現した時の宗助の顔が忘れられません。 【njld】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-08-02 20:53:34) 6.アニメというものは、根本的な部分で「寓話」であるべきだと思う。 そして、理屈ではなく、感覚的な面白さ、愛くるしさ、に埋め尽くされた時、アニメがアニメであるほんとうの価値が見出されるのだと思う。 日本のアニメーション界におけるもはや「神」である宮崎駿の最新作。 CGを駆使し極限まで作り込まれたここ数年のあまりに魅力のない「精密作品」から一転して、手書きの「絵」で紡がれた絵本のようなこの作品の存在と方向性は、圧倒的に正しい。 ストーリーに深みはない。でも、スクリーンいっぱいに映し出される“生命感”に溢れるアニメーションを見ているだけで、ただ“楽しい”。そして、1シーン、1カットに情感が溢れる。 これこそアニメである。幼い頃に見続けたディニーアニメの根幹、そしてジブリアニメの紛れもない「原点回帰」を見れた。 正直なところ、最近2作に対する失望感から、期待よりも不安の方が大きかった。 ただそれでも、ジブリアニメで育った者にとって、宮崎駿の映画というものは、絶対的に心の拠り所なのだ。 幼い頃から与えられ続けた「幸福」と「興奮」と「高揚」を求め続けてしまう。 そうして辿り着いた久しぶりの安堵感。それがただ嬉しい。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-08-02 00:23:08)(良:2票) 5.《ネタバレ》 宮崎駿という監督をそれほど高くは評価していなかったが、鳥肌が立つほど宮崎駿の恐ろしさを味わった。 本作を作ることができるのは、恐らく世界を探しても宮崎駿一人しかいないだろう。 ひょっとしたら子どもには作れるかもしれないが、大人には作れない映画だ。 何かを悟ってしまったかのような境地だ。 CGアニメが精緻にリアルに描かれた西洋の油絵ならば、手書きのアニメは日本の水墨画のような仕上がりだ。 CGアニメは画面から得られる情報しか与えてくれないが、手書きのアニメはシンプルではあるが、見たものの想像を駆り立てるチカラを持っている。 西洋の美術は全てを描こうとするが、日本の美術は全てを描くことをあえて止めて、「余白」を上手く利用して、見たものに奥行きを与えている。 どちらが優れており、どちらが劣っているという問題ではないが、本作は非常に日本的な味わいが感じられる作品に仕上がっている。 手書きスタイルだけではなく、ストーリーにおいてもこの「余白」的な仕上がりを感じられる。余計なストーリーを一切廃しており、恐ろしいほどのシンプルさが逆に凄みを感じる。余計なストーリーがないというよりも、ストーリーらしきストーリーも存在しないが、それでも全く飽きることがない。 そういう映画を作ることははっきり言って難しいと思う。 映画に毒されている人ならば、ソウスケとポニョを引き離そうとする父フジモトの悪だくみを描いたり、ポニョを人間にするためにソウスケに試練を与えようとするだろう。 そういったことをあえて描こうとしていないのが恐ろしい。 この描き方は、観た者の想像力を喚起させるのではないか。 本作に描かれているのは、ソウスケがポニョを想う気持ち一つだけだ。 宮崎駿は鑑賞してくれた子ども達に特別なことは必要ない、気持ち一つで十分とでも言っているのだろうか。 また、誰も死なない、誰も傷つかない(ソウスケがガラスで指を切ったのは除外)、人間の悪意がほとんど描かれていない(ゴミで汚れた海は描かれているが)、優しさに満ち溢れた映画である。 これほど澄んだ映画が、他にはあっただろうか。心が洗われる想いがした。 子どものために、子ども目線で作られている映画であり、宮崎駿はストーリーよりも何か別のものを重視したのかもしれない。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-07-30 09:31:20)(良:3票) 4.ものすごく楽しめました。一言でいえばとてつもない映画です。しかし、ビジュアル面では過剰。ストーリーは異常。まちがいなく世界最高の映像表現のアニメ映画ですが、なんというか、ファンタジーとリアリティーのバランスが常人にはちょっと受け付けないほど狂ってませんかこの映画。 【チビすけ】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-07-29 18:37:31) 3.《ネタバレ》 2歳10ヵ月の娘が、「ポニョ、観たい~」と言うもんで(どこまで本気か不明)。映画館に連れて行くのは『ゲド戦記』以来2年ぶり(って、0歳だもんな)、などと言ってる私自身、映画館に足を運ぶのはそれ以来、という、実にお恥ずかしい次第……と言う訳で、久し振りに味わう劇場の興奮に、モハヤ冷静さの欠片も無く、感動の連続、涙腺緩みっぱなしでした(例えばバケツが風に飛ぶシーン…)。ああどうして、絵がここまで動くのか? 背景はいかにも“手書き”っぽく、言わば「動く絵本」。絵をどこまで本物っぽくリアルに描くか、よりも、線で描かれた「図形」としての絵を、どのようにオモシロく動かすか。音楽でいえば、濃密なオーケストレーションよりも、一見素朴なメロディが、これでもかと絡みあう強烈な対位法の世界(まるでマーラー5番の第五楽章!)。自分の視覚が認識できる以上に、複雑に動きまわる絵、これが人の手でなされているという事に恐ろしさも感じれば、その一方で、まだまだ自分が汲みつくしていない魅力がそこに残り続けているという、安心感もあるわけです。とか何とかゴチャゴチャ言ってる私だけど、一番気になったのは娘が途中で飽きないか、だったりする訳で。で、どうだったかと言うと、ちゃんと最後まで、それこそ身を乗り出して観てましたよ! 意味が判ったかどうかなんて、どうでもいい。何しろ私にだってよくワカランのだし(笑)。で、どういう話だったかと言うと、少年の前後を弁えぬアサハカな“決断”の話でして。ポニョを何がなんでも守る、いや、ポニョは魔法を使えるもんだから、守ってるのやら守られてるのやら。とにかく彼は頑張る。そしてラスト、ポニョは半魚人だけど引き取ってくれるか、との問いに、深く考えもせずOKする。こんなワガママ娘と、この先長い人生、うまくやっていけるワケが無い、不幸の始まり。とは言っても、童話のシンデレラと王子様だって、あんないい加減な馴れ初めで、その後幸せになれたハズもない。結局我々の人生だって、過去の誤った決断のせいで、何と面倒なことになっていることか(笑)。でも、それがもし無かったなら、人生そのものが成立しなくなる! 悩むのは良い、だけど、気にし過ぎるなかれ! 時には宗介クンのように、ストレートに、信じる道に向かってエイヤッと、決断することも、必要なんでしょうなあ(もちろん相変わらず、私は自信が無いのだけど)。 【鱗歌】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-07-27 18:15:51)(良:4票) 2.《ネタバレ》 この映画では過去の宮崎アニメのように、死の呪いをうけた青年も、名前を奪われた少女も出てこない。過酷な運命は主人公を待っていない。ただ、宮崎監督の今の時代への想いが込められている作品だ。 「神経症と不安の時代に立ち向かう」とはキャッチコピーに過ぎないが、監督が伝えたいメッセージは作品のあちこちに込められていると言って良い。 「何を伝えたいのか分からない」という人もいるかもしれないが、むしろ、劇場で楽しみ、家へ帰り、家族でこの映画のことをたくさん語り合う、それがこの作品の真価なのだと思う。その答えは独り善がりで大いに構わない。 個人的には、ばあちゃん達に満足。保育園の隣のデイサービスには監督の要望も伺えます。 あと、ハムサンドとラーメン、ご馳走様でした。 【エオン】さん [試写会(邦画)] 9点(2008-07-24 23:30:51)(良:1票) 1.《ネタバレ》 「ストーリー」ではなく「世界観」を楽しむ作品です。 リサは言います。 「不思議な事がたくさん起こるけど、今は何も考えなくてもいいの」と。 その通りに細かい事を考えずに見て、楽しめたもん勝ちの作品だと思います。 ナウシカ・ラピュタ・もののけ姫のような、メッセージ性を含み 壮大かつ重厚で疾走感のある、世界の存亡をかけた冒険活劇を望む人には『×』で トトロ・魔女宅・千尋のような、主人公の等身大サイズの ミニマムな世界で広げられる、良い意味で”ヘン”な世界観に没入できる人なら『○』でしょう。 千尋~ポニョまでの作品の特徴として 各キャラクターの魅力と、そこから広げられる世界観を楽しむのが第一意義になっていて ストーリーは、それを彩るための演出の一つになっている点があり、そこが物語性を重視する人には不快なのだと思います。 (((物語として完成度の高い物(バックトゥザフューチャーのような)を求めるなら 「カリオストロ」や「ラピュタ」を繰り返し視聴して満足するくらいしかないのかも? これらを超える壮大なストーリーは宮崎氏にももう作れないだろうと思われますし 作れたとしても、本人ももう同じ方向性のものは作らないし、作りたくもないのではないかと))) あいかわらず映像も曲も美しく、テーマ曲もキャッチーな割には飽きにくいです。 恒例のおいしそうな食事シーン、浮遊感のある演出などもニヤリとできます。 出目金のようで下ぶくれしてるポニョも、見るにつれてかわいく見えてくるから不思議。 所さんのフジモトもいい味を出してまた。「BAKA BAKA BAKA…」では場内大爆笑でした。 不満としては、これはポニョだけではなくハウルと千尋にも言えることですが ハッピーエンドへ向けての終盤の流れが、予定調和的で御都合主義すぎるとは思いました。 ---「ポニョ、そうすけ、すき!」「ポニョは、僕が守ってあげるからね」--- これは宗介が不思議な友達ポニョと出会って、永遠の友情(愛情?)で結ばれるまでの、小さな小さな物語です。 宮崎監督の初期作品の幻影を取り払い、ぜひとも頭をカラッポにして見てみてください。 小さい頃、机の引き出しを開けて毎日ドラえもんが来るのを待っていた無邪気な記憶がよみがえりました。 今日は緑のバケツを持って水辺でポニョが来るのを待ってみようと思います。 【渡部シンイチ】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-07-21 17:39:01)(良:6票)
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