みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
3.《ネタバレ》 なぜだというか、残念でならなかったのが隅さんの眼力だ。結果、梅澤さんの不正に気付き、裏を取りに動いた隅さんだったが、時既に遅し。あの性格と生真面目さからいって、もっと早くに梅澤さんの不正に気付いて尻尾を掴みに動く事は不思議でないし、そうでなければ見てるこちら側としてもあの日々の経過に不思議さを感じてしまいましたし、煮え切らない思いがありました。なんなら、彼女は梅澤さんが起こした不正の一件目から首を傾げていた訳なのだから、あのキャラ設定であるならもっと早くに不正の裏取りに動いてもおかしくはない設定だ。それに、途中、ロッカー室で同僚の相川さんが言ってました。ここは監視されてるって、持ち物とか金遣いの変化とか全て見られてるから注意すべきだと。では、その監視役とは誰なのか、、そこは次長であり支店長であり、お局さんである隅さんであって然りでしょ。なのに、彼女は梅澤さんの不正と不倫の果ての豪遊生活を都合二時間近くも放置していた。実際の時間に例えるなら半年から一年以上は経過していたのではないかと思えます。そして結果、尻尾を掴みに動いたのがようやく数ヶ月後であり数十件の横領後、これでは彼女のキャラ設定は一体なんだったのかとこちらが首を傾げたくなってしまいましたし、なんなら梅澤さんが銀行内で良からぬ事を企んでいる際には心臓をドギマギさせるビート音のBGMまで御丁寧に流れ出してたんですよ。あのビート音で梅澤さんの悪事に気付かないだなんてどんだけ耳が悪いのかと(笑)まあ、厳しく言ってしまえば、彼女はそのキャラ設定に対して残念ながら、それを忠実には遂行出来ていなかったと言えるのではないでしょうかとか思う。(しかし、小林聡美さんの演技は素晴らしかった。) あと、意表を突かれたのが、このドラマの核心的部分は横領に走った女の話なのに、ドラマ中でこの「横領」という言葉が台詞の一部として発せられたのが僅か一回だけで、しかもそれがドラマ経過の二時間後だった事になんと言おうか意図されたものだったのかどうだか気になってみたりしました 答えは分からずままですが。 あと、勘違いをされている方がいらっしゃるかもしれませんからその場面について触れておきたく思います。梨花と光太が玄関のガラスドア越しに会話し、そのまま別れとなるシーン、ここってつまり、浮気してしまいお許しを伺いにきた光太がフラれてしまったかのように映ってしまうんですが、実は違うんです 梨花の台詞が聞き取りにくいものだったのですが、許しを求める光太に対して彼女は「週末にまた行くから」「食べたい物考えておいて」と言っているんです。だけどその切り返しで「そんなのダメだよ、もう無理だよ」と、光太が復縁を望まなかったのです。そこで彼女の「じゃ、おしまい」と言う台詞。つまり、彼女が彼に付き合いの継続を拒否された形になりあのシーン終わっているのです。そこちょっと念押ししてみたくなってしまいました。 あと、此処でどなたかがおっしゃってましたが、ラストシーンの時間軸、リンゴを拾うシーンをよく見てみれば、その時彼女がしている腕時計によってあれが事件を起こす前だったのか後だったのか時期が分かるかもという御意見がありました。なので、二度目の鑑賞時にそこに注視してみたのですが、彼女がリンゴを拾う手は右手、そのリンゴをガリガリ食べるのも右手。つまりあれです 右手しか映りませんでした。左手映りませんでした。(^_^;) よって答えは分からずままでしたが、でもあのシーンは要らなかったと思います。原作には有るシーンだったのか無かったシーンなのか分かりませんが、出来ればラストは 何処へ走り抜けて行くのか梅澤さんのランニングショットのところで終わって欲しかったという思いが残ります。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2021-09-11 06:51:01)(良:1票) 2.《ネタバレ》 これは、文句なく面白い。印象的なセリフが多い。「お金なんてみんな同じじゃない。」「受け取ったら多分何か変わっちゃうよ。」。ワンコみたいな彼が、どんどんダメになっていく過程がすごい。彼との修羅場を描かなかったんだから、不倫映画じゃないでしょう。相手は誰でもよかったんだと、みた。愛情に狂った果てのなりゆきとは思えない。日常的に大量のお金を扱っているみなさんの共通の恐怖なのではないでしょうか。「偽物かもね、お金なんて。ただの紙だもん」。ラストのくだりは、金のない国(いや、価値の実体がはっきりしている国)に逃げおおせたと解釈したい。小林聡美、かっこいい。彼女が梨花の「紙の月」も見てみたい気がする。 【なたね】さん [インターネット(邦画)] 9点(2018-05-21 16:27:42)(良:2票) 1.《ネタバレ》 鑑賞を終えて、映画館施設内のATMで一万円を下ろした。 その一万円札をしげしげと見ながら、“彼女”の罪と罰について思いを巡らせた。 この映画の主人公が、犯した罪とは何か。そしてその代償として与えられた罰とはなんだったか。 巨額の「横領」という明確な罪が描かれていながら、果たして本当に彼女が犯した罪はそれだったのかと確信が持てなくなる。 言い換えれば、「横領」という罪に伴う「嘘」と「偽り」そのものが、彼女にとっての「罰」だったのではなかったか。 彼女の「罪」は、たった一枚の一万円札から始まる。ただしそれは、ただの目に見える“きっかけ”に過ぎない。 他人の一万円に手をつけてしまうずうっと前から、彼女は、この世界の“虚構”に対するジレンマを孕み続け、一線を越えてしまう必然性を秘めていた。 彼女にとっては、この世界にまかり通っている虚構を受け入れ、普通に生きていくこと自体が、「罰」だったのかもしれない。 その「罰」に相応しい「罪」を後追いしてしまったと捉えることは、確固たる犯罪者である彼女を庇護しすぎなのかもしれない。 けれど、欲望を追い求めるというよりも、むしろ盲目的に一線を越えていく彼女の姿には、表面的な快楽と悦楽に包まれた業苦が露わになっていた。 主人公は、越えてはならない“ボーダーライン”を次々に越えていく。時にその描写は少々唐突に見えるかもしれない。 けれど、実際、“一線を越えてしまう”という事象において、明確な意思なんて存在しないのだと思う。 唐突な流れの変化と、衝動、そしてただ残る結果。“一線を越える”というのはただそれだけのことだ。だからそこには明確な理由なんて実は無い。 「あなたはここまで」と、言い切られ、彼女はまたひとつ“一線を越える”。 まさか、この映画の結末が、こんな爽快感に包まれるなんて、ちょっと信じられなかった。 「罪」と「罰」を同時に経たからこそ、彼女に「贖罪」は必要なかったと僕は思う……いや、違うな。 やはり彼女にとっては、どこに居ようと、この世界で生き続けることこそが、贖罪なのかもしれない。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-11-24 23:39:47)(良:1票)
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