みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
4.舞台となるフランス片田舎の幻想的な風景が美しい。 泥だらけの塹壕、霧立ち込める桜満開の農家の廃墟、迷宮のような残骸都市での逃走劇、渓谷の激流に呑まれて滝を落下、森林に響く美しいバラッド(英国民謡)、目にも鮮やかな白い戦場の最前線・・・緊迫感に満たされながら質の良い精神旅行を堪能した感じ。構造がシンプルな分、各々の行動やセリフも感動的で良。 ワンカット技術はもちろん凄いですが、それよりも「激突!」「T1」「ラン・ローラ・ラン」などに連なる「ひたすら逃げる・走る系アイデア一発もの」として高評価です。 007シリーズでこの監督大嫌いだったんですが、この作品はとても良い。監督業にも題材の得手・不得手が有るんですかね。 しかし相変わらずの野暮ったい邦題はどうにかならないのか…。 【番茶】さん [DVD(吹替)] 9点(2021-05-20 21:40:21) 3.《ネタバレ》 これは、いい。戦争ものをワンカットでって、なんでそんな面倒なことをと思いましたが、敵兵のいる中を息ひそめて進んで行く様を撮るには、こんなに適した方法はない。ワンカット「風」とはいえ、観てるこっちが苦しくなる趣向。せっかくの工夫なのに、ワタシくたびれて、途中休み休みに観てしまいました。しかし、映画じゃなきゃ堪能しえないコンテンツを見せてもらったと思っています。ものすごくシンプルなストーリーなのもよい。すばらしい。【追記】ワンカット映画の主人公って、ピタゴラ装置のビー玉みたい。ルートに仕掛けられたイベントをこなしながら、ゴールを目指します。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-08-29 15:45:46) 2.《ネタバレ》 確かに宣伝やポスターには、前編ワンカットと書いてあるから、さぞかし緻密に計算され尽くした本番一発勝負作品なのだろうと期待しちゃうのは当然のことだ。なので実際ワンカットではなかったことに、ちょっとだけ騙された気持ちになった。 でもよく考えたら、2時間ワンカットでドカーン!バキャーン!戦闘機バーン!な戦争映画の撮影が成功するなんてありえないわけで、それなら初めから「前編ワンカット(風)」と宣伝してた方が誤解が無くてよかったと思う。 ワンカットといえば、最近だと『カメラを止めるな!』は忘れがたい。もう少し前だと『ある優しき殺人者の記録』が素晴らしかった。これらの映画は、ワンカットで撮ることそのものに意義があった。 また、『ゼログラビティ』という宇宙パニック映画もワンカット。これも素晴らしい映画なんだけど、一方で、ワンカット撮影だと「カメラマンの存在感」がどうしても目立ってしまうことに気づいたのもゼログラビティ。もう宇宙空間でずっと黙ってカメラ構えて撮影してるの大変だろうなって心配になってしまう。そもそもタイトルにゼロつけちゃまずいと思うんだけど、その話はここまで。 同じことを『1917』でも思った。砲弾が飛び交い死体が転がる激戦地を、監督の指示通りの構図をキープしながら、カメラ構えて走り抜ける、カメラマンさんのプロ根性に感心してしまった。ワンカットだから気付いてしまう存在感。 でも今ならわかる。実はこのカメラマンさんの正体は、他ならぬ映画を観る僕たちひとりひとりである。兵士と一緒に塹壕から顔を出すあの恐怖と、部隊を救う使命感、そして戦争の狂気の疑似体験ができた。 思えばここまでワンカット(風)に戦争を撮る映画を観たことなかった。もはやVR。 【no_the_war】さん [映画館(字幕)] 9点(2020-03-23 15:37:34) 1.《ネタバレ》 サム・メンデスが、画作りをベースに物語を構築したのは確かだろう。そのワンカット風が映画の特徴ではあるものの、一つ一つの場面は、緑や炎、泥や砂、闇といった、視覚的にわかりやすい色調を意識させることで、場面の切り替わりがはっきりしている。そのため、ワンカットを感じさせないメリハリがある。この美しく巧みな構成は、メンデスが舞台監督出身であるゆえの技だろう。塹壕をはじめとするセットの出来も感嘆という言葉に然るべき。しかし、この映画最大の成功は、そのような映像技術に負けない人間ドラマを作りこんだ点にある。主人公の感情の移り変わりが、画面を通して伝わってくる。戦争映画という以上に、一人の人間の勇気と愛に溢れた姿に胸を打つ、映像と人間ドラマがうまく融合した良作だ。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 9点(2020-02-20 21:50:11)
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