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【クチコミ・感想(9点検索)】
5.《ネタバレ》 参った!参った!わたくし、この手の作品には本当に弱いです!これも原作は同じ中村錦之助主演の「瞼の母」の長谷川伸で、監督こそ違うものの、もう始まって10分もしない辺りから涙が出てきて、泣けて、泣けて困った。父親を殺されたのも知らずに父の帰りを待つ娘、お小夜の後姿だけで泣けてくる。そして、そんなお小夜の事を預かって欲しいとばかりに頼みに上がる中村錦之助の何とも言えない表情、本当にこういう役と演技をやらせると中村錦之助は上手いし、中村錦之助を観ているだけでも感情移入せずにはいられなかった。勿論、単なるお涙頂戴ものでない、きちんとした決闘場面も用意し、これまた素晴らしい作品でもある訳で、この際、リメイクだろうがそんなことはどうでも良い。とにかくこれは中村錦之助をはじめとする役者達の素晴らしい演技とそれを見事に引き出した山下耕作監督の手腕にも拍手!最後にもう一つだけ言わせて欲しい!お願いだから東映さんよう!中村錦之助主演の時代劇、全部とは言わないまでも少なくともこの作品と「瞼の母」、そして、マキノ雅弘監督の次郎長ものに「弥太郎傘」に「一心太助」シリーズぐらいはDVD化してくれーーーー! 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2021-02-24 20:08:35)
4.《ネタバレ》 「瞼の母」や「沓掛時次郎 遊侠一匹」と同じく長谷川伸の原作を錦之助主演で映画化した股旅もの。以前見た加藤泰監督による二作も良かったが、山下耕作監督である本作はとにかく泣ける。冒頭の川に落ちたお小夜を弥太郎(中村錦之助)が救いだすシーンから既にヤバかったし、殺されて帰ってくるはずのない父親をきっと帰ってくると信じて待ち続けるお小夜の姿も切なくて泣けてくる。はっきり言って序盤でこんなに泣けてこの先は大丈夫なのかと心配になってしまうほどだが、後半は10年後、成長したお小夜(十朱幸代)が名も知らぬ恩人に会いたがっているという話から、新たな展開を見せる。山下監督は、花を使った演出がうまいと定評のある監督だが、クライマックスのムクゲの花を挟んだ弥太郎とお小夜の再会シーン、弥太郎が子供時代のお小夜に言った言葉がきっかけで、お小夜に恩人だと分かるシーンも泣けるのだが、このシーンでは、二人をはさんだムクゲの花もすべてを知っているかのようにそこに咲いていて、まさしく立派に「演技」している。これはもう名シーンとしかいいようがない素晴らしさだ。ラストカットの彼岸花の使い方も、弥太郎の運命を暗示しているようで印象的だった。山下監督の映画はこれまでも何本か見ているが、間違いなく本作は山下監督の代表作であるとともに、日本映画としても屈指の名作と言っていい作品だと思う。もちろん、主演の錦之助もよく、最近見た出演作が脇役での出演が多かっただけに、やっぱり主役のほうが光る俳優なのだと再認識できた。とくにこういう股旅ものの人情時代劇の主役はハマリ役だ。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-02-09 15:58:28)
3.映画前半はもう、エエ話のオンパレード、まさに5分に一度は炸裂する美談また美談。「いやぁエエ話だったな~」と、ここで「終」の文字が現れるんじゃないかと何度思ったことか。で、後半は突然、話は十年後へ。少々血なまぐさい展開の中、一度途切れた物語が、一度断絶した人間関係が、逆廻しのように繋がっていく、しかし決して元通りには戻れない(何しろエントロピー増大則があるからな。何のこっちゃ)。花はあの時と同じように咲き、同じようにお小夜は新しい着物を着せられている。そして、あの日と同じ、運命の森。しかし人間は、かつての自分たちには戻れないのです。ラストシーン、低い位置のカメラが捉える道端の彼岸花の赤さが、突き刺さります。・・・それにしても十朱幸代の表情、一体どう受け止めればいいのやら(そもそもこの演技でよいのやら)。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-12-15 23:19:09)(良:1票)
2.《ネタバレ》 長谷川伸の名作のうち本作は、時を置いて主人公が「すさむ」パターンが「一本刀土俵入」と共通しており、その「すさみ」のために思い出してもらえないほど人相が変わっているという話のツボも一緒。長谷川伸の一番お得意の展開なのだろう。本映画の場合、ちょうど錦ちゃん自身が、前期の明朗な役柄から後期のニヒルな役柄に移る時期と重なったことで、すさむ前とすさむ後と、どちらも無理なく演じられた。基調にあるのは、どうせヤクザもの、という「かたぎ」に対する疚しさ。それは甘えの裏返しかもしれないが、その「すさみ」のなかに「真情」を光らせる。彼の目に映るかたぎのなごやかな家庭は、いつも額縁に入ったように垣根の向こうに見えてくる。曇天の墓参りの場や暮れ六つの鐘が鳴り渡るラストシーンなどロケも美しい(あれ七つ鳴っているのを今回発見した、最後のひとつは弔鐘なのか)。あるいは妹について知らされている岩崎加根子との場で、ゆっくりゆっくり近寄っていくカメラ。それと本作で大事なのは木村功で、気のいい小悪党の悲しみを演じて非の打ちどころがない。前半の屈託のなさが、後半の自分の恋情に突き動かされる弱さに自然につながっている。結婚してかたぎになろうとしている。そのために亭主には頭を下げ、ならぬとなれば一度は引き下がろうと旅支度までしている。やくざものとかたぎとの敷居の高さに阻まれた絶望が荒れさせたのだ(この作品で敷居を越境できたのは、けっきょく悪党の娘からかたぎの娘となったお小夜だけで、弥太郎は、悪の川にさらわれてそのまま苦海へと越境できずに流れ去った妹の代理として、自ら川から救い上げたお小夜の越境だけはなんとしても守ろうとしたのだ)。木村功の最期は「いっそ尊敬するアニイにどうにかしてほしい」と願ったゆえのものなのか。かたぎでない者はみな自死のように、それぞれの死に場所へ向かっていく。この「すさむ」ことの美意識は現実世界では危険なものでもあるが、それをスクリーンという額縁の中でぎりぎりまで磨き尽くした本作の成果には、ただただうっとりさせられる。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-05-21 09:58:15)(良:3票)
1.木村功の豹変(娘への執念)するあたりが、もっと自然に描かれていれば完璧ですね。 【yoshi1900ololol】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-06 21:00:44)
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【点数情報】
Review人数 |
20人 |
平均点数 |
7.85点 |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 0 | 0.00% |
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6 | 4 | 20.00% |
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7 | 4 | 20.00% |
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8 | 5 | 25.00% |
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9 | 5 | 25.00% |
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10 | 2 | 10.00% |
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【その他点数情報】
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