みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
7.《ネタバレ》 フォードの西部劇の最高傑作が「リバティ・バランスを射った男」「捜索者」だとすれば、人間ドラマの最高は「怒りの葡萄」「静かなる男」とこの「わが谷は緑なりき」! 炭鉱の街に生きる人々の家族愛と絆を描いていく。 炭鉱作業の描写は終盤まで挿入されない。 それはススだらけになった男たちの顔が物語るし、主人公が成長する過程で挿入される。 そう、本作の視点は子供の主人公の眼だ。 大家族の末っ子として生まれた主人公。 炭鉱でたくましく働く兄弟たちへの憧れ、様々な出会いと別れを、幼い眼に焼き付けていく。 ストライキ、孤独と戦う父、一喝する母親の強さ、一人また一人去っていく兄姉弟たち・・・主人公も勉学に励み、知る人間のいない学校で戦った。 殴られたら殴り返す。 大人が手を出したら大人が倍返しだ! フォードの暖かい人間ドラマがここに詰まっている。 燃え盛る炭鉱に何のためらいもなく助けに向かう男たち。 「果てなき船路(果てなき航路)」でジョン・ウェインを助けに行く水夫たちに通じる熱い魂。 どんな逆境でも懸命に生きる男たちは、何時の時代もカッコイイ。 それを見守る母親、女性たち。 牧師も拳闘士も関係ない、みんな一人の人間だ。 ラストは悲しくもあり、温もりもある締めくくり。 家族の魂は主人公の心の中に生き続ける・・・そんな映画だ。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-04-22 09:22:25)(良:1票) 6.素晴らしい作品。モノクロ映画。にもかかわらず緑が映える。光と影のコントラストが非常に美しい。谷には「生」が満ちている。「善」と「悪」、「真」と「偽」、「愛」と「憎しみ」。良くも悪くも人間らしさを感じさせられる。家族の絆・愛情の中で生きていくことの素晴らしさを描いた秀作。 【CPA】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-07-04 01:48:30) 5.最初に見たのは十代半ば、テレビの深夜映画ででした。字幕で見ると、ナレーションはけっこう勇ましい感じですが、吹き替えでは、久米明さんです。これが何とも言えない、いい味わいなんです。特に久米さんが最後にいう「あの頃の渓はなんて緑だったのだろう」というあたり、、、。そんなかんだで、10代の頃、一番好きな映画は、この映画でした。、、、、、今見てみると、父親を描いた映画でした。ジョンフォードは、「怒りの葡萄」では母を描いていましたが、この映画では、父を描いたということでしょうか。どっちが説得力があり、興味深いかというと、私は、「谷」の父親を推したい。、、、、ああそうか、ヨーロッパやアメリカの人たちは、父親に対して、こういう情感を抱いているのか、ということがよく伝わりますね。、、、、それと映像としては、坂の両側に社宅が拡がっている炭坑の情景がすごいです。それと、落盤のあと、引き上げられるエレベーターの人々の造形が絵画的で美事でした。 【王の七つの森】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-08-21 14:26:40) 4.いままで見た中で一番好きなモノクロ映画。家族、子供の姿に涙した。モノクロだから・・・と避けず多くの人に見てもらいたい作品。 【アオイ】さん 9点(2004-11-03 03:37:57)(良:1票) 3.ジョン・フォード作は2度目でした。1本目は「怒りの葡萄」。ジョン・フォードの王道の作品を未見の、見る順番間違ってる・・・みたいな僕ですが、この作品はとても好きでした。炭鉱一家とそれを取り巻く人々のありがちな話なのですが、悲しいこと、辛いことが起きてもしっかりと生きてる家族の姿がとても良かった。末っ子の男の子も一生懸命演技していて好感が持てました。モノクロ作品ながら、あの谷の美しさが伝わるようです。ラストのフラッシュバックで感動のあまり、一気に涙が溢れました。 【C・C・バクスター】さん 9点(2004-06-12 11:50:42) 2.この作品に「巨匠ジョン・フォードの文芸大作」という冠をつけてしまうと何だか未見の人に近寄りがたい雰囲気を与えてしまう様で、ちょっともったいない気がします。だって、こういう言い方するとアレだけど、笑えるところも感動するところもある、普通にいい作品なんですもの。初老を迎えた男が自らの過去を回想するモノローグで始まるこの作品、描かれる内容は兄弟との離別(死別含む)や姉の不本意な結婚など悲惨なエピソードが多いのに、例えば谷に響き渡る炭鉱労働者達の歌声や、悲惨な生活にもめげない快活な家族の姿など、爽やかなシーンがとても印象的です。考えてみれば人生って楽しい事、嬉しい事よりも辛い事、悲しい事のほうが多いのかもしれない。それでも主人公はラストで「我が谷は緑だった」と呟く・・・重い!深い! 【ぐるぐる】さん 9点(2004-01-21 23:00:37)(良:2票) 1. ジョン・フォード=西部劇って単純極まりない図式しか頭に無い方には是非御覧頂きたい秀作映画。原作はリチャード・レウェリンの小説で、フォードとしては「怒りの葡萄」に続く文芸映画となる。19世紀末のウェールズを舞台に炭坑町で懸命に生きる一家の姿が(天才子役ロディ・マクドウォール演じる)末っ子ヒューの回想という形でリリカルに綴られる。思い出は普通何かと美化されがちだが、主人公一家に降りかかる苦難は相当にヘヴィ。姉を演じたモーリン・オハラが有名なくらいで、後は殆ど”通好み”の激シブ演技派俳優ばかりのキャスティングが本作を重厚かつ格調高い名作の域へと引き上げた原動力だろう。個人的には一家の母親を演じたサラ・オールグッドの迫力肝っ玉母さんぶりに圧倒された。オスカー(助演男優賞)を得た父親役のドナルド・クリスプも確かに上手かったけどね。勿論ロディも共演の名優達を前に一歩も退かぬ好演。まさか後にコーネリアス&シーザー役で「猿の惑星」シリーズを皆勤することになろうとは当時は知る由も無かっただろーなw。ま、これら一連の名演技もフォードなればこそ巧みに引き出されたのであって、誰が監督しても同じなわきゃナイ。オスカー作品賞&監督賞にも輝く逸品!!邦題にも格調が漂うこの名作に…9点。チョット重苦し過ぎるので1点マイナス。 【へちょちょ】さん 9点(2003-11-09 07:57:12)(良:1票)
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