みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
8.《ネタバレ》 みんな若尾さまを目当てに観始めるでしょうけど、すぐ判りますけどこの映画は小暮実千代を愛でるのが正解です。もう何と言いますか、彼女をギュッと絞ったら色気の汁が滴り落ちそうな感じなんです。彼女が冒頭でなじみ客にぶつける捨てゼリフが、現代のキャバクラ嬢の言う本音と大して変わらないところはとても面白い、時代に関係なくこの世界は変わらないものなんだなとしみじみ思いました。若尾文子も時代にあった自我を持った舞妓を好演していて、初めてお座敷に上がる時の初々しさは胸キュンものです。 80分余りと尺は短い映画ですが、実に濃厚な80分間の溝口ワールドです。「女を撮らせたら溝口」と言われただけあって、小暮実千代の演技を観てると、どうしてここまで繊細な演出が出来るんだろうと感嘆してしまいました。また出てくる男と言う男が、だらしなく狡猾で卑怯で女優陣を引きたててくれます。状況が変わる場面になると必ず電話が鳴るという作劇術もなかなか興味深かったです。そして忘れてはならないのが置屋の女将の浪花千栄子で、男も女も操る手腕はまるで老練な政治家みたいで怖くなってきます。 こうなると同じ溝口の『祇園の姉妹』もぜひ観たくなってきました。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2015-06-25 21:54:37)(良:1票) 7.冒頭の、祇園の世界に吸い込まれそうなショットに息を飲む。まさにここは、「そういう世界」。木暮実千代演じる主人公・美代春も、「そういう世界」の人間。と言っても我々庶民には「そういう世界」ってどういう世界だか、なかなかわからないんですけれどもね~。まず美代春が、金の切れ目が縁の切れ目とばかり、自分に入れあげた客を邪険にする場面があり、ああオソロシや。と思いきや、形式的なしきたりの世界に生きる彼女にも、一方では、栄子やその父に見せる愚かしいまでに情に厚い一面も。そしてそのしきたりの世界に表面的には憧れても結局は馴染めぬ栄子と、その世界に生きていかざるを得ない美代春。彼女たちを利用しようとする者たちも含め、みんな何かしら、不自由を味わっている。ここは、そういう世界、なんだなあと。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-03-17 22:55:09) 6.ストーリーは何も足さない何も引かない美しさがあった。舞妓世界の華やかさの裏表が伝わった。 舞妓さん言葉は上品だった。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2015-02-11 23:30:47) 5.舞妓さんの仕事も見掛けだけではわからない大変な職業です、木暮実千代演じる美代春姉さんのプロ意識に惚れこんでしまいました。いい映画です。 【白い男】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2009-02-21 23:16:29)(良:2票) 4.「恵比寿ガーデンシネマ」の『溝口健二 没後五〇年特別企画』において鑑賞。 主演は木暮実千代。 木暮実千代の出演作品を観るのは初めてで、“初”木暮実千代であったのだが、そのお色気に見事打ちのめされてしまった。 若い若尾文子より大人の色気漂う木暮実千代が本作では気に入った。 自分も大人になったということかな? 本作は溝口健二作品の中で一番のお気に入り作品となった。 やはりその要因は京都・祇園の風景や文化を見事に描ききっていることに尽きる。 “うなぎの寝床”と呼ばれる京都独特の長屋が建ち並ぶ街風景には特に目を奪われた。 その他の街風景にもため息が出るばかり。 こういった風景を見られるだけでも十二分に価値のある作品であった。 他の溝口作品で私の好きな『残菊物語』や『山椒大夫』に比べるとライトな仕上がりで、上映時間も短い。 それが逆に私にとっては功を奏し、全体として締まりのある切れ味鋭い作品と感じることができた。 最後は溝口作品に特徴的な“怒涛な展開”。 本作では恥ずかしながら劇場で涙してしまった。 最後の主演二人のやり取りは、まさに圧巻。 涙無しには観られようはずもありゃしない。 他の溝口作品でもそうだったが、最後に急展開し、感動的なラストにもっていく運びは、観ていてゾクゾクする。 本作は特にそれが強かった。 今日は風邪気味で体調が悪かったが、本作を観てカタルシスを得ることにより、ストレスと疲れが吹っ飛び、風邪が治ってしまった程だ。 これでますます溝口健二にハマってしまった。 それと同時に、一人でも多くの日本人に、溝口健二作品を観てもらいたいという思いも強くなるばかりである。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-01-28 20:06:29)(良:1票) 3.女性の強さと弱さ。その姿は美しくもどこかみすぼらしく、画面の中にははっきりと表と裏が描かれていた。華やかさの裏には涙があり、苦しみがある。自分の為にがんばろうとすると崩れてしまいそうになる清き心を持った女性たちの輝き。手を差し伸べたい。しかし、そんな同情少しも望んでいない。彼女たちは弱い。しかし、男なんかより遥に強く、気高く、そして美しい。 【ボビー】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-07-12 11:49:22) 2.祇園の姉妹もよかったがそれとはまた違った味のある話でした。芸者として生きるために遭遇する抗うことのできない出来事に美代春自らが盾となり無垢な美代栄へと自身の理想を投影したラストの言葉が素晴らしかった。男と女の質以前の人権に焦点が当たっていて生きることの難しさがよく現されていた作品でした。コンチキチンと遠くで聞こえるお囃子を背に祇園の町を歩く二人は溜息が出るほど美しかった。 【カリプソ】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-06-19 19:34:15)(良:1票) 1.京都・祇園で生きる芸妓と舞妓、ぶぶ漬け文化とも称される京都の厳しい伝統、そんな中でも一際シキタリを重んじる花柳界で、女として芸者として生きて行く。祇園や木屋町あたりの街並み、風情をとても良かったです。彼女たちは当然”ゲイシャ”なんかじゃなく本物の”芸者”であり、この一本芯の通った生き方、生き様、覚悟が凄まじい。たとえ身を売ろうとも芸者としてのプロ魂を持ち続け、女として心は許さない、こんな女性はずいぶん減ってしまったんでしょうね。金や権力で自由にならないものがこの世にはあるんだと堀江某に教えてやって欲しいです。 【亜流派 十五郎】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-02-02 21:56:48)
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