みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
4.《ネタバレ》 文句なく面白い。 名銃をめぐる物語。 これを時代劇に置き換えると、名刀の奪い合いになり、 それがマキノ監督の「丹下左膳」なのかなぁ・・ 劇中、西部劇十大事件のうち、一つ、第七騎兵隊(カスター)の殲滅が 話に出てきて、ワイアットアープまで出てくる。 しかし、本作はOK牧場の決斗は描かれない、スピンオフ西部劇である。 西部劇に面白い映画のエッセンスが満載! この映画は観といて損ないぞ~! 【トント】さん [DVD(字幕)] 9点(2023-08-02 01:06:32) 3.西部劇においてリアリズムを追求した監督は誰か? もちろん「真昼の決闘」なんてつまんねえ西部劇を撮ったフレッド・ジンネマン何ぞではない。 オールラウンダーな職人アンソニー・マンだ。 リアルタッチの演出はもちろん、独特な人間ドラマや風景の美しさ。失敗作も少なくないマンだが、反面全盛期の傑作群は今の時代にこそ再評価されるべき作品ばかりだ。 ヒューマンドラマ「グレン・ミラー物語」はもちろん、突出した戦争映画「最前線」や「雷鳴の湾」等優れた傑作が多い。 あの「スパルタカス」だって最初はマンが撮ってた。アレを全部マンが撮っていたらどうなっていたのだろうか。キューブリックに及ばないのか、それともそれに並ぶかそれ以上の作品になっていたのか。気になるぜ。 そんなマンが最も多く手掛けたのが西部劇。 本作「ウィンチェスター銃'73」はそんなマンの傑作の1つだし、保安官もの「胸に輝く星」やインディアンを友好的に描いた「流血の谷」といった諸作と共にもっと知られるべき代表作でもある。 この作品を見て“古臭い”なんて思う奴はこの映画の何を見たんだろうか。いや何も見てないね。 ストーリーは千丁に一丁と言われる名銃「ウィンチェスターM1873」を巡って様々な人間ドラマが交錯する。まるで山中貞雄の「丹下左膳 百萬両の壺」だ。 だがストーリーはシリアス一色、名銃探しはやがて奪い合い、殺し合い、そして壮絶な事件へと膨張していく。 たった一つの優れた“道具”が万の人間の命を奪える“人殺しの道具”になる過程。西部を征服した銃が今度は人の心を狂わせていく。怖い話だぜ。 どうでもいいけど、マンの映画って大抵主人公が“伏せる”よな。ステュアートどんだけ伏せんだよ。 馬上で睨みを効かせるステュアートも印象的。面白い作品でした。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-20 01:22:19) 2.《ネタバレ》 ショーウインドーの中のウインチェスター銃'73を捉えるカメラが、周りではやし立てる子供から大人へ、そして馬上の主人公の姿へと移動する。そのまま動き出す二人を追い続け、馬を世話する子供とのやりとりから女の話し声が聞こえてくるまでを長回しでワンショットに収めたオープニングショットに軽く痺れた。 更に画面が女の姿に切り替わり、話が核心に入ったところで周囲の雑音がスーッと消える。 アンソニー・マンという名前は聞いたことがあるという程度でしたが、この最初の2シーンを見て映像だけでなく音に関しても敏感さを持った作家なんだなと思い、最初の5分で早くも期待が膨らんできたような気がします。 特筆すべきは、縦構図のオンパレード。 銃を手前に画面奥からそれを羨望の眼差しで見つめる人物、平原を移動する馬車の後方を走るインディアン、コーヒーを持ってきたスティーヴが足を蹴飛ばされて画面手前に崩れ落ちるシーン、岩場へ逃げるダッチと追いかけるリンなどなど、あらゆる場面で縦を意識した映像が多く見られ、非常に見応えがあったと思います。 一方、車輪のぎこちない音にスリルを駆り立てる効果を与えたりする音の使い方も唸らされますし、ラストの銃撃戦も銃弾が空気を切り裂く音がストレートに臨場感を感じさせて、この音だけでメシ3杯はいける(笑)。 また、個人的な嗜好が続いてしまいますが、ラストで岩場に向かう二人の映像と「実はあの二人はだな・・・」という残った二人の会話をカットバックさせるのは凄く定番ではありますが、このセンスは大好きですし、「背後から撃つ」が単なる応酬ではなく最後に伏線である事が分かるのもこれまた面白い。おまけに、バーカウンターで牛乳が出てきて変な顔して飲むシーンも監督のユーモアが感じられて面白いです。 やはり、最後の銃撃戦は言わずもがな。最初のコンテストの時もインディアンとのバトルでもそうでしたが、ジェームス・スチュワートの銃捌きの鮮やかさがとにかく格好良く、岩の破片が弾け飛ぶ臨場感や無駄な弾を使った方が敗れるというセオリー通りの展開に加え、互いに撃ち合う二人の姿を1つの画面で捉えた縦構図の画面が出てきたりして、これはもう完全に自分好みの映画です。 ラストシーンで、銃をしっかりと中央に配置した画面を出すなど、最後まで抜かりない映像が続き、どこまでも良く出来た映画だなぁと思いました。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-04-25 22:47:48)(良:1票) 1.《ネタバレ》 父親の敵を討とうと追って行く間に、当人たちのあずかり知らぬ所でウィンチェスター銃が人から人へと渡っていく様が巧みで面白いですし、カードを不器用に扱いながらポーカーで儲ける銃商人や、騎兵隊隊長、スティーブといった僅しか登場しない人物たちまでもが魅力的です(誰もがビビるワイアット・アープは少々温和すぎますが;)。 しかしこれは何と言っても銃撃シーンが素晴らしいです。度々、高・低の構図を使い、相当な距離があるにもかかわらず射撃する者の姿と射撃される者の姿を一つの画面に収めてしまっているところが凄く、何だか妙に気分が高揚してきます。ラストの銃撃戦にしても、私の残念なTV画面で見ると豆粒のように小さいのですが、しっかりと高い所から撃つ姿を映し出しているのです。そんな中でもお気に入りは、リンがダッチにウィンチェスター銃を奪われる場面で、それに気付いた相棒が階下から射撃しガラスがパシャンと割れるのを二階の室内から見せるシーンで、あれはワン・ショットで起こる諸々の出来事をまさにワン・ショットで捉えています。こういうのを見せられますと、距離のある銃撃戦を撮らせたらアンソニー・マン監督の右に出る者はいないだろうと断言したくなります。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-08-26 18:15:59)(良:2票)
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