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浪花の恋の物語

1959年【日】 上映時間:105分
ドラマラブストーリー時代劇戯曲(舞台劇)の映画化
[ナニワノコイノモノガタリ]
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監督内田吐夢
助監督山下耕作
鈴木則文
倉田準二
キャスト中村錦之助(男優)亀屋忠兵衛
有馬稲子(女優)梅川
雪代敬子(女優)千代歳
花園ひろみ(女優)おとく
植木千恵(女優)お玉
日高澄子(女優)東雲
浪花千栄子(女優)おえん
市川小太夫(二代目)(男優)津の国屋重左衛門
香川良介(男優)竹田出雲
有馬宏治(男優)寺岡甚内
中村芳子(女優)お清
八汐路佳子(女優)おなか
白木みのる(男優)長吉
中村時之介(男優)竹本頼母
織田政雄(男優)米吉
岡島艶子(女優)三輪の茶屋老婆
沢村宗之助(男優)江戸屋佐右衛門
進藤英太郎(男優)槌屋治右衛門
千秋実(男優)丹波屋八右衛門
東野英治郎(男優)布袋屋藤兵衛
田中絹代(女優)妙閑
片岡千恵蔵(男優)近松門左衛門
原作近松門左衛門
脚本成沢昌茂
音楽富永三郎
撮影坪井誠
製作大川博
企画辻野公晴
玉木潤一郎
小川貴也
配給東映
美術鈴木孝俊
編集宮本信太郎
録音墨関治
照明和多田弘
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2.《ネタバレ》 近松門左衛門の「冥土の飛脚」を映画用に再構成したもので、実際に起こった事件を近松門左衛門(片岡知恵蔵)がじかに見聞きし、
一つの作品(浄瑠璃)に仕上げる、という形式をとっている。
まだ映画の全盛期だったこともあり、東映の美術セットが実に見事。
主演の中村錦之助が金と力はなかりけりの典型的な色男(やさ男)を巧みに演じている。
有馬稲子もしっとりとした良い女(遊女)を好演。
圧巻は、二人の逃避行(道行)。場面が一転すると、追われる身となった二人がかばうようにしながら、
落ちのびていく様を流麗な舞に乗せて見せていく。このシーンは本当に美しい。
錦之助が文字通り水も滴るような美男ぶりで、有馬稲子は日本人形のような美しさ。
骨太の「飢餓海峡」を撮った内田吐夢監督に、こんな繊細な一面があるのかと、驚いた。 kinksさん [DVD(吹替)] 9点(2019-09-25 00:43:39)

1.タイトルだけ聞くと何だか軽くてヌルそうな感じですけれども、実際は文芸調の重みのある作品。悲恋の物語がじっくり描かれていき、じっくり描かれるからこそ、物語が後半の主人公たちが追い込まれてく姿に収束していく時のその絶望的な流れに、格別なものがあります。主人公の行動は、客観的に見ればいたって浅はかでどうしようも無いものではあるのですが、ここではその短絡的で直情的な行動が、絢爛たる花街の完成されきった世界の描写の中で対比的に描かれることにより、その無力さ、果敢なさが浮き彫りとなって我々に迫ってきます。圧倒的な非人情の世界の中に放り込まれた、無力な二人の姿、その世界に抗おうとして敗れ去る二人の姿。そしてその世界と、二人との間に位置する観察者としての近松門左衛門の存在が、またこの映画の物語に厚みを加えています。ラスト、彼によってこの事件が脚色された文楽が上演されている。(あるいは実際の事件の顛末を知ることなく)この舞台上の物語に魅了され感動している観客たちの姿と、実際の事件と自ら脚色した物語との違いを知る近松の最後の表情。彼の表情の奥にある心の慟哭こそがこのシーンの多層性、とも言えるのですが、それにとどまらず、現実の事件に触発されてひとつの作品が作られることそのものの感動もまた、ここにはあります。実話を元にしたなんて言うと、得てして「表面的」とか何とか批難されたりもするのですが、実際の事件を作品でそのまま再現する「リアリティ」が重要なんじゃなくって、それこそ様式化された人形劇へ置き換えちゃったってまるで構わない。実際の事件におけるある感情の一面、それは単なる一面に過ぎなくとも、作品として再構築され普遍化されて、人々の感情へと刻み込まれて永遠化していくということ。その感動ですね。 鱗歌さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2014-11-26 01:39:21)

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【点数情報】

Review人数 10人
平均点数 7.30点
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