みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
10.《ネタバレ》 タランティーノ原案と知って鑑賞した本作品。次々と犯罪行為を繰り返すも、メディアによって神格化されるヤバイカップルの逃走劇を描く問題作。タランティーノ原案とあってのっけからタランティーノらしいシーンが続く。(トゥルーロマンスにも似ている)しかし、監督オリバーストーンはここに”人間に潜む暴力の根源”や”暴力を助長するメディア”といったメッセージ性や刺激的な映像を付加した。それがタランティーノの意図に反しており批判の声も多いが、私はこれはこれで全然ありだと好意的であった。 伝染する暴力。ミッキーは親からの暴力、マロリーも性的虐待を幼いころから受けていた。暴力は新たな暴力を誘発する。暴力が伝染する要因は暴力が人間の根源に存在しているからに他ならないのだ。我々は己の奥深くに凶暴性や攻撃的指向が存在することを自覚しなければならない。記者であるゲールもミッキーとマロリーの暴力に魅せられ、殺戮に参加した。ここで我々は暴力の伝播を目の当たりし、その異質性と不気味さを体感するのだ。ミッキーは殺人は純粋なものだと語る。倫理的な問題を取っ払い、根源に潜む暴力への衝動を解放させ、魂を自由にさせることができるからである。殺人は束縛からの解放であると主張しているのだ。つまり、彼らにとって数々の殺人行為は精神的自由を求めるための旅の一環に過ぎなかったともいえるだろう。彼の発言は犯罪を助長する可能性が極めて高い。皮肉にも、本作上映後には模倣犯が多発したという。監督の伝えたかった”暴力の伝染”が目に見える形で現れてしまったのだ。 また、ミッキーは己の内に潜んだ暴力的衝動を”悪魔”と表現している。その悪魔は愛によって制御されていると彼は語る。愛とは広義に解釈できる。ミッキーとマロリーの間の恋愛感情のみならず親切心や哀れみといった感情も入る。暴力的衝動が発露するか慈悲の心へと置き換わるかは相手への愛によって依存するともいえるだろう。こういった暴力の性質を監督はミッキーとマロリーというまさに”象徴的な暴力的存在”を描くことで投射したかったのではないだろうか。極めて残虐で恐ろしい殺人者にも悪の根源は存在し、突発的に無から生じた訳では決してないのだ。 あと、本作のタイトルでもある「ナチュラル・ボーン・キラーズ」について。直訳すれば”生まれながらの殺人者”。これはミッキーのセリフである。しかし、果たしてミッキーとマロリーはナチュラル・ボーン・キラーズだったのだろうか。人間は誰しも生まれながらのして暴力への衝動は存在する。ただ、それが発露して殺人者になるかどうかは生まれた瞬間には決定しない。発露するか否かには暴力の伝染による影響が大きくある。つまり、彼らは生まれながらの殺人者ではない。凄惨な過去が原因なのだ。それ故、病的なのは彼らではなく、本当の意味でのナチュラル・ボーン・キラーズなのだ。 しかし、アニメや画質、画面の色が入り乱れる映像の数々やコメディ風タッチ、タランティーノっぽい殺人のシーンなど自分好みのクセの強い映像の数々とこれまで書いてきたような真面目なメッセージ性という二つが完全に両立できているとはいえない。そういった意味で作品の一貫性に乏しい作品ともいえる。ただ、非常に実験的かつ刺激的であり暴力に関するメッセージ性、メディアの表現も秀逸であったため、高得点をつけた。 【whoopi】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2019-10-15 01:46:00) 9.こういう映画好きです。殺人はダメなことだけど。 【ゲソ】さん 9点(2004-06-11 01:22:13) 8.不思議な映画だけどハマってしまった。音楽もいい。アニメとの合成もうまくいってる。 【レンジ】さん 9点(2003-10-09 06:58:55) 7.映像の作りも面白かったし、グロテスクな描写も無いし、私は面白いと感じました。爽快感すら感じましたが、殺戮を肯定するわけではありません。犯罪心理学を練りこもうとして失敗している映画より、こういう作りの映画の方が素直に楽しめました。 【無雲】さん 9点(2003-08-15 00:14:48) 6.傑作映画。世間様の評価とは関係なく、ヨイと思った人がヨイと思っていればいい、そんな映画。この映画が好きだという女性と今までに2人会って、なぜか2人とも美人でした。そのうち1人とはつきあいました。人は殺してません。 【ナチュラル・ボーン・テラーズ】さん 9点(2003-04-24 20:01:39) 5.初めて見たとき、今までにない衝撃を受けた。自分の持っていた価値観やモラルもとび、映画の中で繰り広げられるカタルシスに酔い、覚醒した気分になった。最初からグイグイ惹きこまれたが、刑務所の暴動のシーンが一番震える。アドレナリンがガシガシ分泌され暴れたい衝動に駆られた。自分もあっち側の人間なのか?理性ではなく、人間の動物的な欲求を刺激する映画。(すべての人がそうだとは思わないが・・・)すくなくとも、俺は心の奥底に持っていた負の欲求を表に引っ張り出された。ちなみに、ビデオでみても同じ興奮は得られなかった。あの衝撃と興奮はは最初の一回限りでした。頭で理解というよりも、直接脳みそを刺激された映画です。 【たけ】さん 9点(2002-10-16 12:19:23) 4.メディア批判とかより2人がなんでぶっ殺しまくってんのか考えて観てみたらと結構おもろかった。「俺は完璧凡人より頭いい!」って思ってる人とか「私はどこかでみんなと違うわ!」って思ってる人とかは2人に共感すらしてしまうのではないでしょーか。逆にまっとうに生きてたらこんないかれた世界見ないモンね。 【もんた】さん 9点(2002-04-21 20:25:42) 3.ウッディハレルソンもジュリエットもハマリ役ではないでしょうか?オープニングシーンが大好きなのですが! 【ワイノ】さん 9点(2001-02-14 22:18:45) 2.個人的に指示をしているオリバー・ストーンなのでこの映画についても良いとは思うのだが、何だかオリバー・ストーンと言うより、タランティーノの影響が大きいような気がする。つまりストーリーを故意に崩壊させてるってこと。またそこがセンスの良さでもあるのだが。ラスト、主人公2人は生き残っちゃうんだけどこれで良いのだろうか?勿論、この映画は暴力を正当化したい訳ではないはず。逆のことを言いたかったはずであるが、どうも遠回りし過ぎていて納得の行かないところも多い。あまりに裏の裏になり過ぎてて。反対に若者への逆効果にならなければ良いが・・・ 【イマジン】さん 9点(2001-02-07 12:17:26) 1.完全に「好み」なんですけど、このジュリエット・リュイスが一番好き!!殺人を肯定するつもりも賞賛するつもりもないですけど、「映画」として、なんだかスッキリするんです。どうしても断ち切れない親と子の絆が、自分にとって重苦しく負担にしかならないとしたら、せめて空想の中でだけでも、開放されればな、と。この映画の影響でアメリカで学校での銃の乱射事件がおきたと聞いて、少し残念に思った。「せめて空想の中でだけでも」を現実の世界に当てはめてしまう子供もいるんだなーと。あ、そうそう、この刑事役がトミー・リー・ジョーンズだと知った時には泣きたくなりました(ファンは見るべきじゃないかも…) 【ちっちゃいこ】さん 9点(2000-07-30 21:34:31)(良:1票)
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