みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
45.尊厳とは、生を戦うのではなく、生に対して戦うもの。 それは時に人の尊厳を傷つけ、人の尊厳をやわらげ、 癒やし壊す。 自他の尊厳の創生破壊を繰り返すうちに自分の尊厳が達せられ、 生に打ち勝ち、死に臨む。 ミリオンダラー・ベイビーをあえて35歳の誕生日に見て、 思うところは多くなくシンプルだった。 尊厳の貫き方、ほんの一瞬訪れるその時の生のために戦いつづけることだと。 【元祖】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2018-06-07 23:40:43) 44.《ネタバレ》 この映画には三種類の人間が存在する。才能と実力があり一瞬でも輝いたが潰された人、才能も実力もなく有言無実行で終わっていく人、参加せず野次を飛ばすだけの人──ベクトルは違うにせよ、いずれも敗残者であることは共通している。アメリカンドリームに破れて去っていった人を多く見続けてきたイーストウッドだからこその冷徹さで、希望すら持てない閉塞感が現代アメリカに蔓延しているのは周知の通り。公開から10年以上たった今でも通用する答えのなさ。あのときこうしていれば・・・と嘆いていても、誰も未来など見通せない。神も仏もない。ただ、覚悟を背負って何かをしなければチャンスがやってこないのは事実。たとえ何者にもなれなかった何もない人間のまま、生活のためだけにやりたくもない雑務に追われて、困窮の中で孤立死したとしても、生きた証すら誰も知らないまま塵のように消えていくにせよ、その人生を肯定するか否かは当人が決めること。尊厳と自己満足は紙一重。イーストウッドが言いたいのは単純にこういうことじゃないか。 【Cinecdocke】さん [映画館(字幕)] 9点(2016-10-31 21:29:21) 43.《ネタバレ》 リアルタイムで見たときは「え? なんで…」って疑問が残ったけど、主人公が相談した神父でさえ、ありきたりな答えしか言えなかった状況を、そこまで決断した心境は今見直すと理解できたりします。 「モ・クシュラは『愛する人よ、お前は私の血』」と伝えた時の彼女の微笑みが心に残りました。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2016-06-24 20:10:22) 42.《ネタバレ》 前半は「鉄腕ジム」や「ロッキー」みたいなサクセスストーリーだが、終盤は今までの総てを破壊されるような、そんな哀しき決断が待ち構えている。 フランキーもエディも最初マギーの依頼を断るが、先に彼女に声をかけたのはフランキーが育てるボクサーのウィリーだった。 ウィリーが去ったのは自分の夢のためでもあるし、マギーをフランキーに育てさせようとしたのかもな。 しかし30代は男でも諦めるレベルだ。 フランキーは夢破れた者を余りに“見すぎた”。 エディの事があってやや過保護にもなっていた。だが、フランキーは勝負に出る。 ウィリーが出て行って吹っ切れたのか、あるいわ焦りでか。 フランキーは冷静な姿勢でマギーにボクシングを叩き込んでいく。 焦らず、氷を削るように確実に。二人は限界まで挑み続ける。 フランキーのアドバイスもあって勝って勝って勝ちまくる。苦戦はほとんどなく本当に「鉄腕ジム」を見ているような気分だった。 しかし、本物のボクサーと殴りあった彼女のファイトはリアリティがあり見応え充分。 強すぎて試合にならない、八百長ではなく「金払ってやるから試合しやがれ馬鹿野郎」料を払って戦う日々が続く。だからって挑発しすぎだフランキー。 それにしたってマギーの母親がクソBBAすぎる。 「いい男を見つけてまともにお暮らし」 「でも負けたんだろ? 残っているものを守らなきゃ」 言ってる事は正しい。でもうぜえええっ 傷ついた娘を見て一応は優しい言葉をかける両親。「娘を酷い目に遭わせて」とさぞかしフランキーを恨んだ事だろう。 フランキーもエディに当り散らすなど人のせいにしてしまいたいくらい自分を責める。 ラストは賛否があると思うが、俺はハッキリとマギーが「やって」と言ったのを覚えている。 体は動かなくとも心はまだ一人の人間、ボクサーだった。彼女は最後まで立派なファイターだったよ。 フランキーは、マギーの“遺言”を受け取り去っていく。 「カッコーの巣の上で」を思い出すようなラストだった。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 18:15:19) 41.《ネタバレ》 ボクシング成功映画だと思ってみちゃいました・・・。どかんときました。 なにより入院中のマギーのところに来る家族。 同じ子供でもかわいい子とそうじゃない子がいる。 絶望ってこのことかっていうマギーの表情。それを見ているフランキー。 感動的・・・とはいえないのですが忘れられない映画になりました。 【ぺーこ】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-01-04 13:01:26) 40.《ネタバレ》 こんなラスト・・・って正直思いました。 でも、こんなにも難しく重いテーマにも拘らず、ものすごくキレイな仕上がりだと思います。 尊厳死、安楽死には賛否両論あると思うけど、 私は、この映画を見て「生きる権利」は勿論の事、人には「死ぬ権利」もあっていいんじゃないのかなーー??と思いました。 フランキーがしたことは、マギーに対する真の愛だと思います。 ほんとの愛がなきゃできないですよね。 そこがかなしいーです。 【himenotthi】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-02-11 23:36:10) 39.淡々と、本当に淡々と描かれるストーリーが重かった。途中までサクセスストーリーと見せかけておいて、後は地獄へ引きずり下ろす。イーストウッドは容赦が無い。それにしても、この作品を観ていて、あだち充の漫画とよく似ている気がした。あの、独特の「間」にによって描写される、人物の内面。イーストウッドがここまで芸術的なワザを見せてくれるとは思わなかった。それにしても、救いの一切無い映画だった。 【ルクレツィアの娘】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-10-24 16:49:18) 38.ひたすら悲惨な内容なので、この映画を一緒に見た人には「嫌い」と切り捨てられました。評価と好き嫌いは意味が違いますが、悲惨の一言で突き放されると悲しい。少なくとも彼女は女子ボクシング界で名をあげることが出来た。恩師と呼べる人が出来た。太く短く生きたんだよ、あの人は。決して不幸なだけではないだろうと。 しかしあの忌々しい家族の登場はやめてほしかった。あれ見てるとホント落ち込むわ。 【ライトニングボルト】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-12-30 07:22:38) 37.-私には誰もいない。-俺がいるじゃないか。家族からも見放された2人の、家族よりも深い絆。そして愛。人生をいかに生きるか、考えさせられる。音楽も非常にいい。全体に暗い調子に胸打たれる。 【よーこ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-12-20 23:09:42) 36.《ネタバレ》 映画にタブーが存在するならば、それはおそらく性か死の問題であろう。イーストウッドはまさに死の問題を扱い、それをシリアスに、しかしながら至極現実的に描いた。ただそれだけである。どうやら人はホラーなどより、現実の負の一面を見せ付けられたほうが遥かに衝撃で、暗いと重いと嫌悪をあらわにするようである。しかしこの映画は暗いのではなく現実の一部を切り取った映画にすぎない。 重要なのは、イーストウッドが感動的なハッピーエンドよりも、目の前の現実に向き合うほうに自らの映画的価値を置いているということ。死んでも蘇生するような非現実的世界を描くことよりも、終末期医療に一つの現実的な答えを(映画的特権を用いて)出す方がよっぽど難しいということである。以上のことを把握しなければ、本作は前半の成功劇に目を奪われ、後半部をただ暗いと斬って捨てるだけだろう。 個人的には、映画が娯楽性だけで秤量されるべきものならば、映画はなんとつまらないものだろうと思う。イーストウッドの、娯楽性を抑えてでも表現したかったもの、そこにこそ映画的価値が置かれてもいいのではないだろうかと思う次第である。 【ノマド】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-14 17:43:59)(良:1票) 35.フィクションだと分かっていてもマギーの人生には涙を禁じえない。ラストも悲し過ぎる。 【クロ】さん [地上波(吹替)] 9点(2006-12-08 12:06:16) 34.ミスティック・リバーでは理解できなかった、イーストウッドの事が少し分かったかも‥。あんた本っ当に、どうしようもない結末が好きだネ。どうしたいのさ。これを見たあたいにどうしてほしいのさ‥。ケド、あんたは笑ってこう言うんダロ。。「ソレデイイノダ」と。 【小星】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-06-11 21:28:09) 33.Champions aren't made in gyms. Champions are made from something they have deep inside them-a desire, a dream, a vision. They have to have last-minute stamina, they have to be a little faster, they have to have the skill and the will. But the will must be stronger than the skill. 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-06-09 07:00:00) 32.あの悲劇的な状況は、誰にでも起こりうるし、それよりもなによりも自分にも降りかかるのではないかと恐怖すら感じました。ぬるま湯でふやけた心の中をいきなりえぐられたような、確実に心に残った映画ですが、二度とは観たくありません。 【チビすけ】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-05-10 00:04:55) 31.《ネタバレ》 すごくよかった。暗い映画は好きじゃないのですが、みんなが思うほど僕は暗い映画とも感じなかった。最後にマギーがフランキーに微笑みかけたのがすべてだと思うし、あの状況においてはあれほど幸せな死に方はなかったと思う。あれだけのことを言ってくれる人もあの役目を引き受けてくれる人も普通いない。マギーの家族とかフランキー、エディの設定とか切なすぎて、正直あざといし映画は所詮作り物のドラマだけど、すごくぐっときました。 モーガンフリーマンをみるとなんかハードゲイを思い出しちゃいます。頭の中でフォーという声がw 【りょう】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-12-10 16:42:41) 30.《ネタバレ》 『ミスティック・リバー』を見た時、この映画は俺には合わないと思った。それは、ただ単に俺の「映画を楽しむ為のカテゴリ」の中に「俳優の演技」という項目が無いからに他ならないのだが、あの映画全体に漂っていた「静寂」がどうも我慢できなかったから。基本的に俺は、映画を素晴らしくするのは何よりも音楽であると思っている。映画がラストに向かうにつれ、感動的かつ壮大なシーンに差し掛かった時に鳴り響く壮大な音楽は、見ている私たちをさらに興奮させてくれる。だから「映画に対する感動」に「音楽」は必要不可欠というのが僕の考えだった。だけどこの映画の場合は違った。『ミスティック・リバー』ではあんなに嫌いだった「静寂」が、こんなにも胸に響いてきたのは初めてだ。正直、音楽が鳴っていたり、大袈裟なシーンが挿入されていたり大袈裟な演出が施されていたりしたら、この映画は台無しになっていただろう。家族や周囲の愛を一度も受けずに、ただただ惨めに30年間も生きてきたマギーと、娘に愛を注ごうとするも、結局はその愛を拒否されてしまいボクシングに生きるしかないフランキー。お互いはお互いにとっての「一筋の光」となり「希望」となる。ラストでのフランキーとマギーのシーンで、二人の顔が一筋の光で照らし出された演出は、お互いがそれぞれにとっての「一筋の光」になっていたという象徴に他ならない。人間の生と死、そして愛の価値。そしてそうしたテーマを、この映画全体に漂う「静寂」は切ないほどに引き立てていた。人間は何のために生きて、何のために死んでゆくのか。生きてさえいればそれで良いのだろうか?本当に愛するという行為は果たして何なのだろうか?この映画はそれを描き出している。何だかあまりにも書きたい事が多すぎて文章が上手く成り立ってない気がするし、まだまだ書き足りないような気もするが、人間の持つ尊厳と価値というテーマを淡々と、それでいて衝撃的に描き出した、僕にとってしばらくは忘れる事が出来なさそうな作品であった。 【ポール婆宝勉(わいけー)】さん [DVD(吹替)] 9点(2005-11-14 23:06:14)(良:1票) 29.《ネタバレ》 ボクシングという題材を使いながら、そこに固執しないストーリーが非常に良い。「人は死ぬ時に悔いて死ぬもんだ、彼女はそうでない。」マギーは間違いなく悔いのない人生だっただろう。もしこれがボクシングを中心としたストーリーであれば彼女の生い立ち、家族、考え方、・・・それらの物語は私たちに詳しく伝えられることなく進んでしまっただろう。ボクサーとして成功していく流れもあっさりとしていてとてもいい。(何せ1R K.O.だから)一人のボクサーの生き方を作り見せる事を通して、イーストウッドが考えている事、伝えたい事がビシビシ伝わって来た。(「通して」という所をどれだけ割り切れるか。)あれも、これも伝えたい事、描きたい事は山のようにあるだろうに、ビシッと内容を焦点化し作品にする上手さは素晴らしい。作品全編に流れるゆったりとしながらもテキパキと物語を見せてくれた。 【蝉丸】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-13 15:11:51)(良:1票) 28.イーストウッドとモーガン・フリーマンはオーラが違いますな!最後は涙・・・。 【ビリー・ジョー】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-03 12:34:12) 27.《ネタバレ》 てっきり女性ボクシングチャンピオンになってハッピーエンドの映画だとばっかり思ってました。やっぱり映画は前知識なく観る方が正解ですね!スポーツ物のセオリーである”すごい素質のある若者”という人物設定をばっさり切り捨てて、生きがいと夢を持った31歳の貧しいウェイトレスという主人公。物語の展開も動と静の波をつけた、素晴らしい映画でした。ボクシング、そして終盤のあの場所でのヒラリー・スワンクの体を張った演技には、ズンッと胸を打つものがありました。すでにオスカーを受賞した女優なのに、「この映画の役だけは、どうしても自分にやらせて下さい」とクリント・イーストウッド監督に直訴したというエピソードから察するに、知識がないくせにいちいち脚本や演出にチャチャをいれる二流役者たちと違って、本当に『映画』を作りたいという3人の一流の役者たちの熱意が、モロに映画に反映されていました。こういう映画に出会えたことを幸せに思います。物話は幸せじゃないけどね。・゚・(ノД`)・゚・。 【どんぶり侍・剣道5級】さん [DVD(吹替)] 9点(2005-10-29 22:48:51) 26.《ネタバレ》 「床は人に拭かせるけど身体を拭かれるのは惨め。3時間吠える若獅子(=ディカプリオ)より3分間の青熊がもたらす悲劇のほうを・・」なぁんて思ってる方たちがオスカー投票したのでしょう。(うそうそ。あ、ちょっとは思ってる。ごめんなさい。) やっぱり後半があんまりですよね、、マギーの母親はよーく考えたら結構まっとうなこと言ってはりますでしょ 。にもかかわらず、あんなえげつない態度をとらせる演出の連続がやりきれないんです。 フランクの娘の存在や、老い、過去への後悔、などなど、要するに孤独な二人をあの結末へ持っていくための条件をどんどん増やしてる感じが、私とーっても嫌でした。 元みかんさんが、マギーが老人の為に存在した、とおっしゃるのにも同感。 もっと正直言いますと、マギーは女としての愛じゃなくて、父親代わりの同志へ対しての愛しか持っていないとも思ったりします。 という、例によって?冷め冷めな私、後半はクリント爺のジイ(←漢字勘弁して。ココロは乙女やから。)映画のように感じてしまいました、スミマセン。 前半はほんによかった。暗いジムでひとり練習する彼女にエディ(モーガン・フリーマン)が近づくシーン。それまでこらえていた2空席おいて右隣席のおにいさんが流れる涙を素手でぬぐい始めました。彼の三つ左席の女客が常時泣き倒してましたから、もうええわと安心した為と思われます(笑)。あぁ泣いた泣いた。 できたら最後、薄光が差し込むあの廊下でストロー吹くマギーの姿、私は見たかったなぁ、、。 【かーすけ】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-10-03 02:50:17)
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