みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
7.《ネタバレ》 この映画が日本からでてこなかったことこそが日本の最大の魅力なんだと思う。 【aimihcimuim】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-08-05 00:21:40) 6.これは、まず日本じゃ撮れない。日本は主観で天皇像をやたら特別視しすぎるきらいがある。天皇もせっかく「私も人間だ」といったのだから、日本人はもっと砕いて描いても良い筈だ。 その点、ソクーロフは客観的で、あくまで一人の人間として天皇を描いた。 口ももごもごし、まるで子供のように植物の研究に明け暮れ、「人間て良いな~」と謳歌していそうな、何処にでもいそうな感じに。これほどユーモアと気品を両方感じさせる天皇、中々いない。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-04-30 19:12:36) 5.《ネタバレ》 面白い。ストーリーも面白いんだが昭和天皇そのものの人物像が面白い。シュールすぎて。口がもごもごしてるシーンは笑いをこらえるので必死だったけど所々会話シーンで途中話が中断し昭和天皇がボソッと日本語で「あっそう」。なんてシュールなんだ 【TRUST NO ONE】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-05-06 06:38:35) 4.日本を照らし続けるものの象徴として、「昭和天皇」を「太陽」として喩え、彼が敗戦という事実を受けとめて終戦を迎える日の一コマを、外国人の視点から描いたもので、静かな中にも終始緊張感の漂う作品となった。敗戦国の風景と天皇ヒロヒトの姿をシンボリックに描いたのが本作のポイントであり、それらは独特の映像で表現された東京の景観であり、イッセー尾形の形態模写的なソックリぶりとして、それぞれ独自の表現方法で画面に定着させていく。一人芝居で培ったイッセー尾形の独壇場ともいえる演技は、天皇ヒロヒトにどこまで迫れたか。それは映画を観た人の多くが納得いくものであろうし、少なくとも彼を起用した意図は十分に感じとれるものである。顔立ちや表情或いは何気ない仕草に加え、口癖のように「あっ、そう~」という言葉の言い回しや、“口モゴモゴ”の癖などをデフォルメして表現してみせるのも、生まれながらにして本当に言いたい事も言えず、言葉を呑み込まなければならない、その置かれた立場と哀しさをより強調したいからに他ならない。しかし、そのボソボソとした言葉は至って明瞭であり、全編に流れる微かな効果音と対を成していて、極めて印象的な演出方法だと思う。また、本編のセリフにもあるように、その容姿から“チャップリンのような”と形容され、事実、モーニング姿のおどけたような仕草に、ジャーナリストから好奇の目で見られるが、自身、意に介さないばかりか、むしろどこか得意気であり、そこに道化師の悲しみに似たものを感じさせる。多くの民を失わせた、その最高責任者としての表情と、一方で、どこにでもいそうな平凡な家族思いの男として、人間味を滲ませるなど、いかにも本物らしく、又は本物に近づいたかの如く、見事なまでに様々な表情を見せてくれる。未だ夜が明けきらぬままの、暗く重苦しい東京が終始映し出される。エンドロールに於ける、その上空から俯瞰で捉えた画面の端に、微かに鳩(だろうか?)が現れては消えるを繰返す様は、平和を願って已まない者の心の現われなのか、或いは、これからの日本の行く末を見守るものの象徴としてなのか。宮中の防空壕の暗い闇の中を、手探りで彷徨う天皇の姿と重なり合う。本作は、皇室の気品に溢れた調度品の様式美に至るまで、統一された色調による映像と演技者たちの表現力で、言葉だけでは伝えきれないものを我々日本人に齎してくれた力作である。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-02-18 17:21:05) 3.《ネタバレ》 地獄絵図の東京でぽつねんと取り残された楽園に暮らす、孤独な孤独な王様の姿に目が潤んだ。極度のマイペースで、蟹の甲羅に向かって真情を吐露したり、丹念に写真を眺め思いを巡らす彼の姿は、ぴったりとカーテンを閉めて他の誰をも信じず受け入れはしない。「神」と呼ばれる自分を受け入れていないのだから無理もないが。「人」であることでの新たな苦悩が感じられるラストも胸が痛んだ。2時間の独壇場、確かに昭和天皇であり続けたイッセー尾形と、外国人がこれを監督したという事実に観賞後改めて驚愕した。 【のはら】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-01-04 22:04:00) 2.うっわ、ノルシュテイン実写化(笑)。 いやホント、あの幻想的な空襲シーンを見れただけでも「ロシア映画観たァ~」って気になります。もう美術に関しては文句のつけようがない。 スタニスラフスキー・システムをわかってる者としては、各人の役作りは役者本人の投影であるのがわかるため、安心して見る事ができました。もちろんオイラも桃井かおりの役の作り込みには首を傾げたんですが、もう少し考えてからでなければ結論は出せないような気がします(少なくとも、この映画独特の時間経過表現と、人間宣言後に皇后が登場する事を考慮すべき)。 そして音楽! バッハのチェロ独奏曲を世界で一番、重たく悩ましく弾いちゃうロストロポービッチ爺さんの演奏っすから、腹に響かないわけがない(CD持ってますけど、体力消耗するのでそうそう聴けません)。ちなみに音楽評論家・吉田秀和はバッハのチェロ独奏曲を「奏者と神のみが聴く、最も孤独な音楽」と評しました。まさにこの映画のモチーフです。他のBGM全体は基本的に無調音楽で、緊張感あふれる使われ方をしていました。こういう素晴らしい劇伴は今後も増えていって欲しい。というか、やれ(命令形)。 本作はレビューが大変だというのが予想できたので、事前にチェホフの『かもめ』『ワーニャ伯父さん』をセッセと読んでロシア演劇を予習してから劇場に向かいました。でも付け焼刃はダメですね。それぞれの演技が意味するものが、まだ観えてこない状態です。そもそもスタニスラフスキー方式で昭和天皇なんていう奇っ怪な人間像(いや人間以上ですらある)を演れんのか? …ってな根本的な疑問もあります。ここで表象される天皇=太陽像は、読み解くのがとてつもなく難しい。 オイラには、まだまだハードルが高かった「演劇作品」でした。ただ、美術・音楽・演出の力で何度も観れるモノに仕上がってますから、今後しつこくチャレンジする事になるでしょう。 今は、とりあえず目の前に展開されるモノのみを評価して、この点数で。 【エスねこ】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-10-07 01:33:47) 1.《ネタバレ》 銀座シネパトス特有の地下鉄の走行音&微振動と、ソクーロフ映画特有のサウンドとの合成によって、気持ち良さのあまり序盤思わずウトウトしてしまったが、終わってみれば相変わらずのソクーロフ節というか、むしろ昭和天皇を演じるイッセー尾形という俳優を得たことで、ソクーロフの諸作品と比べると親しみやすい映画であったように思う。イッセー尾形の道化ぶり、佐野史朗の狼狽、桃井かおりのぎこちなさ等は普通に見ていて面白く、それらをあの独特の暗色画面の中でやってしまうソクーロフの大胆さも面白い。「昭和天皇は断じてこのような人物ではない」という意見もあるだろうが、それは確かにそうだろうと思う。ただ、そんなことは実はどうでも良く、むしろイッセー尾形が演じるヒロヒトが演じていた/演じざるを得なかった現人神(=太陽?)としての昭和天皇の姿を、人物そのものの造形ではなくて「関係(侍従との関係、マッカーサーとの関係、皇后との関係等・・・)」として捉えただけでなく、退避壕を中心としたほとんどが室内で構成された場面、あるいは妄想や窓越しからしか見る事の出来ない焼け跡の東京までもが昭和天皇の中に包含されるような世界として構成するそのやり方が見事であり、ラスト、佐野史朗の一言を聞き沈黙するヒロヒトを、桃井かおりが手を引っ張って部屋から出て行くシーンによって唐突に映画を終わらせることで、閉じられた世界にわずかな裂け目が作られた(それがエンドロールのあの白い鳥なのか?)。これは必見です。「あっそ。」と言われたらそれまでですが・・・(笑) 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-08-20 19:33:21)(良:2票)
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