みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
3.90分に満たない、いわゆる「B級西部劇」なのかもしれないけれど、これが滅法、面白い! リンゴ・キッドと思しき人物をグレゴリー・ペックが演じていて、早撃ちの名人として名を轟かしたが故に、もはや平穏な日常を送ることはできず、今日もまた、若者に絡まれて彼を射殺し、若者の身内に狙われるハメに。 これがまず伏線になって、迫りくる彼らが、主人公にタイムリミットを課すことになります。一方、主人公はとある町にフラリとやってきて、彼がなぜそこにやってきたのか、彼の過去が徐々に明らかにされていきます。 主人公が思うよりも早く迫りくるタイムリミットと、徐々に物語に関わる人物が増えていき、徐々に背景が明らかになっていく過程、それらを貫く主人公の一途さみたいなものが重なって、緊密なエピソード間の連関を生み出していきます。それがもう、スリリングと言ってもいいくらい。 お見事でした。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-11-28 02:18:35) 2.《ネタバレ》 お目当てカール・マルデンは酒場の主人を彼らしい実直さで好演。モッサリした邦題からグレゴリー・ペックの大暴れを想像していましたが、真逆の静謐な人間ドラマでした。「お前だけ幸せに暮らせると思うなよ」声なき声が聞こえてくる最期が切なくて堪りません。傑作西部劇にして忘れじの逸品。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 9点(2018-09-07 17:33:06) 1.《ネタバレ》 ガンファイターの孤独を描ききった名作。 私が西部劇を見直すキッカケとなった思い出深い作品です。 ヘンリー・キングというと「頭上の敵機」のような戦争アクション、「慕情」のようなドラマが素晴らしい作品がありますが、本作は人間ドラマを軸にした西部劇。 後にフレッド・ジンネマンが「真昼の決闘」という似たようなテーマの作品を撮りましたが、やはり「拳銃王」のドラマには及びません。 本作はアウトローとして名を挙げ無敵となった男の孤独をテーマにしています。 賞金首として保安官、仲間内からも命を狙われ続ける主人公のリンゴオ。 どんな敵も早撃ちで葬ってきたこの男ですが、ある日「別れた妻とよりを戻そう、もう人を殺すのはやめよう」と無性に故郷に戻りたくなりました。 死と隣り合わせの毎日、いくら人を殺めても満たされない心・・・リンゴオは故郷に癒しを求めます。 グレゴリー・ペックの人間臭い演技がたまりません。 「白昼の決闘」における悪童といい、西部劇におけるペックは野性的な魅力を感じられます。 そんなリンゴオですが、街に戻っても既に賞金首として知れるリンゴオは「危険な人物」か「賞金」にしか見えません。 何処に行っても命を狙われる宿命・・・それでもリンゴオは昔の仲間や街の人々との交流を経て「普通の人間に戻りたい」と努力を続けます。 リンゴオが時折見つめる時計。秒針を観客に見せないのが良いですね。リンゴオにしか解らない焦りと苦悩を感じられます。 殺し合いからの解放、わだかまりがほどけていく夫婦・・・リンゴオの「殺し」が冒頭で終わっている部分も印象的です。 しかし運命はリンゴオの死がまっていました。 いくらリンゴオ自身が変わっても、彼を「賞金首」でしか知らない者は絶えず命を狙いにやって来る・・・残酷なものです。 それでもリンゴオは一瞬とはいえ、本当の人間として生をまっとうしたのかも知れません。 悲しい結末でしたが、その生き様は強く胸を打つ映画でした。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-12-28 03:06:10)(良:1票)
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