みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
13.《ネタバレ》 暗殺シーンが反復されるミニマル・ミュージックのような構成が秀逸です。淡々とした進行ながら、いつのまに業が深くなっていきます。映像の美しさ、計算され尽くしたカメラワークも素晴らしい。 【藤堂直己】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-02-14 19:37:48) 12.妻投稿。悲しいけどこの世に「人を殺してはいけない」なんて倫理は存在しない。「人を殺したくない」と個人が思うことが大事だし、「人を殺すことはメリットがない」と思わせて秩序を保つために法律がある。でもこれらは実はとても儚く、世論や社会情勢、憎しみで簡単に壊れてしまうのだ。この世に殺人を描く映画は数あれど、「人を殺さない」という心や秩序の儚さまで一緒に描いた映画はそうはないと思う。 【はち-ご=】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-03-27 02:04:36) 11.《ネタバレ》 普通の男が国家の命令で暗殺者となる。 決してスマートな暗殺でなく息を切らしながらの逃亡の描写はリアル。 暗殺を続けるうちに自分たちの身分も明らかになるところとなり、 逆に狙われる立場になったことの恐怖、全てから逃げようとしても 安住の地のない絶望がその後も続く。 集団の中にある個人は依存しあっている間はいいのだが、集団を捨てたときに逆に捨てられてしまった。 ミュンヘン事件の描写は、暗殺者たちの行動の動機を説明するためのものであり、その後はあくまでも巻き込まれた個を描いています。 ここで描かれた集団の理屈は重いテーマでありながら、本作での扱いは実はあまり重要なではなかった気がします。 それは身近なテーマに置き換えることも可能であり、決してひとごとだとは思えませんでした。そう、私は恐怖を感じました。 【飴おじさん】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-10-26 21:31:51)(良:1票) 10.非常に重たいテーマなのに長さも感じさせず、娯楽性もあり、メッセージも十分。国家としての立場、それに苦悩を覚える主人公。当事者でない自分が軽々しくは言えないが、映画としても明確な答えは出していない通り、それだけ複雑なのが中東問題なんだろう。それでも一本の映画としたスピルバーグに拍手! 【ラグ】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-08-10 22:36:58) 9.製作決定とのアナウンスが出たときから観るのを楽しみにしていましたがやはり期待通りの作品でした。普通に家庭を持つ素人に近い男が暗殺要員になり、任務を遂行していくうちに玄人になるもののそれに伴って発生する苦悩。時折、主人公の中でフラッシュバックされるオリンピックテロの様子。彼は直接見たわけではないのに何故このような光景が脳裏を過ぎったのか。それは彼がこの任務で人を殺し続けることで自分もあの事件を起こしたテロリストと何ら変わらない存在になってしまったと気づいたからだと俺は思います。正義の名の下に報復を行う政府の裏にもこのように傷つき、自分を失ってしまう人が現れる。テロ攻撃も報復攻撃もどちらも同じようなもので同様の結果しか生まないことを改めて気づかされました。特にラストシーンで遠くに見える世界貿易センタービルが正にそのことを暗示しているかのように思えました。攻撃されたら報復する。今なお世界で現在進行形で起こり続けているこの負の連鎖の存在を切実にストレートに描いたスピルバーグ。この作品は正に彼しか作れなかったでしょう。 【エージェント スミス】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-01-05 00:50:32)(良:1票) 8.誰から狙われてるか分からず神経をやられていく主人公を見てこっちまで重ーい気分になりました。昔の雰囲気も良いし、アクションも迫力があるいい映画でした。 【srprayer】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-08-11 01:53:13) 7.実に暗くて冷たくて重たい映画だった。9.11が世界と映画のあいだにもたらしている歪みと、スピルバーグの内なる悪意(というか、なんか黒いもの)の肥大化が、20年以上前に起こったショッキングな事件をさらに不気味なものへとチューニングしてしまったような、そんな感じ。でもだからといって映画がグニャリとしているわけではなくて、映画自体は非常に洗練されているので見ごたえは十分。罪悪感ではない、エネルギーの消費としての殺人の重量みたいなものを感じられる映画だと思う。その最たる場面が、誰の印象にも残るであろうオランダ女の登場する部分。彼女の存在感はそのまま死を喚起させる。確か、彼女がらみで直接ではなくても仲間の3人が死んだはず。それが事実に基づくか基づかないかは置いても、イメージの喚起力が現実を凌駕してしまうような凄みがここにはあった。それにしても「映画のような」という形容詞すらついたあの同時多発テロだが、映画はこのミュンヘンのラストのように再びタワーを甦らせる事だって出来るということを忘れてはいけないと思う。 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-05-17 12:56:39) 6.理由の如何を問わず、国家や宗教あるいは民族間の対立は、やがて紛争を招き、世界中を不安と混沌へと貶めていく。スピルバーグ監督のこの最新作は、人間の愚かしい闘争の歴史は際限なく今なお繰り返されているという基本理念から、テロリズムという名の「報復」を扱ったドラマである。「連鎖」という言葉がマスメディアで流行になるほど、そのテーマには深く重いものがあるが、そのテーマ性には然程感じ入るものがなかったのは何故だろうか。それは政治的なメッセージ映画である以上に、純粋な娯楽映画としての面白さが勝っているからに他ならない。どんなに先鋭的で重いテーマをシリアスに撮ろうとしても、スピルバーグの娯楽監督としての先天的な才能は隠し切れない。それが、彼の事をよく“三つ子の魂、百まで”などと茶化される所以である。彼の作品の特徴でもある“はぐらかし演出”の片鱗は今作にも見受けられ、遊び心を感じさせるが、それにしても渋い作品に仕上がったものだ。ドキュメンタリー調に呼応するような顔ぶれも渋いが、カラー作品でありながら、色彩というものを全く感じさせない。時代背景という事から70年代に撮った映画を今再び上映したらこんな感じになるという、退色効果を最大限に生かしている点に、彼特有の拘りを感じさせる。時代に拘るという意味においては、この頃のアクション映画やサスペンスもの、あるいはスパイ映画などのエッセンスが、ふんだんに散りばめてあるのも見逃せない。それら数々の殺しのテクニックが最大の見所でもあるが、中でも女の殺し屋に子供の玩具のような、実に簡単な銃器で報復するシーンなどは、飛行機ごと高層ビルに激突し多くの生命を奪ったテロリズムに対する、彼なりの自己主張と批判を感じさせる。本作の主人公たちは須らく自らの意思や使命感などでは無く、「報復」と言う名の「仕事」をこなしているに過ぎない。だから彼らに達成感などあろうはずもなく、カタルシスとは無縁の“心の痛み”が残るだけなのである。「復讐」もまた「ビジネス」である事を改めて想起させる終盤は秀逸であり周囲の景観に溶け込んで遥か遠く微かに見える在りし日のWTCビルのさり気無さは、稚気溢れたこれ見よがし映像の多い彼の作品の中でも異質なほどで、だからこそ余計にインパクトがあり、彼の演出家としての成熟度を感じさせ、本作が紛れもなく大人の映画だと認識させられるのである。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-30 18:09:28)(良:2票) 5.《ネタバレ》 近年のスピルバーグ映画としては演出が冴え渡っている。エリック・バナの演技も秀逸で暗殺者の苦悩がひしひしと伝わってくる。家族と会えない辛さ、特に生まれたばかりの赤ちゃんの声を電話で聞いて泣くシーンは自分も涙が出てきた。カメラワーク・効果音を駆使して超一級の娯楽映画として仕上がっている。さすがスピルバーグ!実話というよりはミュンヘン事件を題材としたサスペンス映画として観る方が楽しめると思う。ただ暗殺シーンはリアルすぎる。女殺し屋を殺すシーンは正直言って見るのが辛かった。カップルにはあまりお奨めできません。一人もしくは同性で観に行きましょう。 【CHIROUくん】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-02-22 23:57:47) 4.きっと、“祖国を失うという喪失感”そして“祖国が存在しないという虚無感”なんて微塵も感じたことがない僕たちは、この映画の本当の「感情」なんて分かるわけがないのだろう。でも、だからこそ、客観的に冷静に見れる要因になるのかもしれない。おそらく、この「事実」に対して何らかの関わりを持つ民族の人たちにとっては、今作で描かれるものは非常にデリケートで、ある部分では大いに「反感」をかうのだと思う。 ただ、もし「客観視」が許されるのなら、やはりこの映画は素晴らしい。もちろんこの物語を客観的に観たままに終わってはならない。これは人間の歴史をそのまま形どっていると言っても決して過言ではない“憎しみの螺旋”の紛れも無い一端だからだ。 悲しいけれど、この“螺旋”は、人間が存在する限りいつまでもつきまとう“業”なのかもしれない。 非常に重く、繊細で難しいテーマ性と現実を孕んだ物語にも関わらず、その長尺をまるで感じさせないスピルバーグの映画術は流石だ。 ラストカット、彼方に見える貿易センタービルが、とても悲しく、感慨深い。“螺旋”はどこまでも続いている。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-02-11 00:06:06)(良:2票) 3.《ネタバレ》 ミュンヘン→ニューヨークの双六のような感覚を受けます。「美女に騙される、一回休み」、そんな各都市のマス目は、空間設計、色彩に仕掛けの楽しさが見え、各都市の異相は「みんな違ってみんないい」違いではなく、「みんな違って」悲惨な違いとして目に映ることになります。それは、無国籍で不詳なパパの家が、庭を駆けずり回る子どもたちと一家団欒に差し込む暖かな光線に包まれ、終盤で主人公とこのパパが電話で話すシーンは画面があからさまな寒暖を際立たせていることでそう見えました。あたかも一家族を一国家とすることで国家というHOMEと家族というhomeをぴったり貼り合わせホームを消し去る=ホームレスをユートピアとして描く。HOMEとhomeを交錯させながら、homeを選択しHOMEを拒絶した主人公とhomeに招かれることを拒むHOMEなイスラエル高官、その対称と曇天のニューヨークで閉められるラストに、人類はけっしてアガリのない絶望的な双六ゲームで遊ぶ愚者であるかのように感じます。くもり空を覆ったアメリカ糾弾の物語は、何度トライしても「ふり出し(=ミュンヘン)に戻る」マスに止まる人類を遠く笑い、描いたユートピアをはるか彼方に絶望の姿として見せながら、我々の喉元に鋭利な現実を突きつける、しかしけっして少女を消し去らなかったことに絶望中の希望を見たい。 【彦馬】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-02-10 17:10:44)(良:1票) 2.《ネタバレ》 この映画で良かったところは「正義が至るところにあった」ことでした。もちろん神さまも至るところにいて、皆が皆、神の名を口にしています。そして言っているそばから脳天を銃で撃たれます。人の数だけ正義はあることがハッキリ示されているだけでも満足でした。 パレスチナが悪い。いいやユダヤ人も悪い。パレスチナを二枚舌でちらつかせたイギリスのせいだ。アメリカも胡散臭い。それに無関心な人たちも悪い。世の中は悪人だらけ。完全な善人なんているんでしょうか。完全な悪人だって疑問です。世の中や社会が恐ろしいところは、自分たちに不利益をもたらすものを悪として「自分たちは正しい」と言い張るところです。でも、同時に自らの悪にも気付いていて、その感情を内面で押さえつけるために、限りないほど悪を叩き続けます。 他者を批判をすることが自身の肯定へと繋がらないことは、わかり過ぎるほどわかっているのに、それでもなお、どこからか悪を探し出してきては潰し、また潰す。テロの連鎖に終わりが見えないのも、歩み寄りの姿勢や他者の配慮に欠けている結果でしょう。本当に大切なのは悪を見つけて叩くことではなく、お互いの妥協点を見つけるために協議をし続けることです。強引に納得させることでもない、相手のアラを見つけて「やっぱり俺は正しいんだ」と悦に入ることでもないです。 そのような視点がないと、この映画には納得できません。「けっきょくどっちもどっち。両方悪いんでしょ」なんて言ってしまうのは論外。自分が相手だったらどう考え、どう思うのか。相部屋することになってしまった、ユダヤの暗殺部隊とイスラムのテロリスト。ラジオのチャンネルをお互いに切り替えては自分の優位性を示そうとする。劇場で観れば滑稽なこの行動と同じことを、僕らが普段やっていることに、いったい何人の人が気付いているのでしょう。 映画の終盤、チームは私的な復讐を終え、メンバー全員にチームの存在そのものへの疑問符が見られたころ、ミュンヘン事件のテロリストと同じ顔になっています。爆弾を作るメンバーと、自分が狙われていると思い一心不乱に部屋の爆弾を探す主人公、そのコントラストと、終演間際のニューヨーク世界貿易センタービル、それがこの映画そのものかもしれませんね。 【ひろすけ】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-02-08 22:16:57)(良:2票) 1.ドンドコドンドコっていう音楽がかっこいい。結構あの音楽表現って斬新なんじゃねえかと思う。全体的にもさすがスピルバーグと思わせるところが多々あり。やはり他の監督とは一味違う。実は史実ものが一番得意なんじゃねえかと思ったり。ちょっと長くて疲れたけど見る価値は十分にある。 【ばかぽん】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-02-05 18:05:51)
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