みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
3.《ネタバレ》 「どちら側からも認められる作品を目指した」という監督の意図もあって、イギリス側(≒プロテスタント)からも北アイルランド側(≒カトリック)からも見ることができる。映画の持つ歴史的な価値は高いと思う。双方を切り替えるタイミングや見せ方がうまく、ドラマとしても見ごたえがあった。メイキングを見ていると、この監督の腕のよさがわかる。見せ場での、伝える力を持っている監督だなと感じた。 非武装の市民を撃つシーンは、現場の重苦しさ、リアルさが出ていて、感情を揺さぶられる。ひでえ、なんてことを…と自分もその場にいるような気持ちで思わずにはいられない。IRAの報復したくなる気持ちもよくわかった。 国の都合からすると、市民の命よりも、体制の方が大事なのかもしれない。虐殺した軍の指揮官に勲章ですか…。大きくあれ、小さくあれ、似たようなことが今も世界のどこかで繰り返されているような気もする。人間ってやつは…。双方がうまくかみ合いさえすればこのような悲劇は起こらなかっただろうに…。すべての悲劇は、何かが少しずつかみ合わなくて起こるものなのかもしれない。 【MARTEL1906】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-11-29 08:25:24)(良:1票) 2.《ネタバレ》 最後にU2の「Sunday Bloody Sunday」が流れます。これまで大好きで何百回と聴いてきた曲ですが、改めてこの曲にこもっている思いが深く胸に突き刺さってきました。 内容は、非常に衝撃的でした。「血の日曜日事件」の凄惨な様子がドキュメンタリータッチで生々しく描かれています。(「ユナイテッド93」と同じ監督の作品なんですね。) しかし、見ていて英国軍に対する怒りが湧き上がってきましたね(勿論、英国軍も被害は相当受けているし一方的に悪だとは思いませんが・・・・)。全く関係の無い私がそう思う位ですから、アイルランドの人たちにしてみたら・・・・・。そう考えると憎しみの連鎖というのは中々簡単に断ち切ることができないなと改めて痛感します。だからこそ、「We Shall Overcome Someday!」という言葉が心に響くのかもしれません。 【TM】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-11-06 18:18:39)(良:1票) 1.大して有名な映画でもないし、ポール・グリーングラスという人もさして有名監督ではないのであまり期待せずに見たのですが、ほとんどの日本人が知らないうちにこんなすごい映画が作られていたことに驚きました。1972年に起きた実話をきわめてマジメに再現する作品で、映画的な脚色やドラマティックな演出はことごとく排除され、音楽すら使わないという徹底ぶりなのですが、だからと言ってこの手の映画にありがちな企画倒れや製作者の自己満足に終わることなく、映画として十分におもしろく作られているのがすごいところ。この映画はもはや「ドキュメンタリータッチ」という生易しいものではなく、1972年1月30日という日を丸ごと再現することに挑み、成功しています。あたかもその日その場にカメラが居合わせたかのような映像やセリフが続いて空気感まで再現してみせ、観客もその場にいたかのような臨場感を味わわせてみせます。ドラマ的な脚色は廃されているため前半の話は淡々と進むものの、無作為なように見えて実は巧みに話をまとめていくので退屈さは感じさせず、見る側のテンションを落とさないまま「血の日曜日事件」へと突入していきます。「血の日曜日」での監督の手腕は本当に圧倒的で、平和的に行われるはずだったデモが徐々に混乱していき、やがて丸腰の市民への発砲へ至っていくまでの様子をデモ隊、イギリス軍の双方の視点を巧みに交えながら、きわめて的確に描いていきます。また画面作りもしっかりしていて、実際のデモの中にカメラがいたとしか思えないほどリアルな映像であの事件を観客にも追体験させる一方で、同時に映画的な見せ場としての機能も十分果たしており、不謹慎ながら見ている側を興奮させるのです。このポール・グリーングラスという監督はタダモノではありません。画面作りに並ではない才能を見せると同時に、インテリジェントな題材の脚本を自ら書き、もっとも適切な手法で見せてくるのですから。ウィリアム・フリードキンが今の世代の監督なら、多分こんな風になっただろうなと思わせるようなすごい監督です。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-10-24 22:32:18)(良:1票)
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