みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
6.《ネタバレ》 戦友を殺害後空腹を満たすという話が出たとき、殺人後にカニを食べたというオウム真理教の犯罪を思い出した。遠い昔の事件でも類似の話が出たら瞬時に思い出すほどの強烈な異常性だ。 『プラトーン』を見て戦争がいかに人間性を破壊するかを、『理由』ではいかに先入観が恐ろしいかを、『戦火の勇気』では恐怖心を克服することの難しさを学んだ。この作品においては、それらを併せてさらに愛国心とは何かを深く考えさせられた。さまざまなテーマが詰まっているのにこれらが見事に融和している上、謎解きの意外さあり、トミー・リー・ジョーンズをはじめ各俳優陣の真に迫った自然な演技あり、これ以上ない国旗の演出で締めくくられたラストありと、圧倒されるばかりだった。この映画では、敵国であったイラクを悪く描かず、むしろ身内側の人道的な問題点を潔く世に問うている、その姿勢が素晴らしい。自国の愛国心を促すようなプロパガンダ映画は、どこか慈善的でざらついた妙な違和感が残ってしまうものだ。 【tony】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-02-27 11:22:11) 5.ポール・ハギス監督は以前から注目していたが、本作は、軍の陰謀が絡んだりする安易な反戦モノの印象があり、今までスルーしていた。知ってはいけないイラク戦争の秘密を知った米軍兵士の若者が殺され、彼の父親がその事件の背後には軍が絡んでいることをかぎつけて組織の闇を暴く!みたいな。そもそも邦題が酷い。イラク戦争関連で「告発」と言う言葉を安易に使われたら、誰だってそう思う。でも、この映画には告発など無い。あるのは息子を失った夫婦の深い悲しみとその死にまつわる衝撃的な事実だけだ。間違いなくこの映画は反戦映画なのだが、その伝え方が非常に巧みであり、僕の心に響いた。 この映画を観て、戦争に行くと言うことは、会社で仕事をするとか、結婚するとか離婚するとかと全く同じレベルの事象であり、ただその心理的ストレスが半端なレベルじゃないという点だけしか異なっていないんだということを痛切に感じた。そして、同じ職場で同じ上司の下で同じパワハラを受けながら仕事をしても、一方はメンタルを病み、一方は平然と仕事を続けるように、戦争に行って、ある者は脱落し、ある者は耐え抜く。ただ、そのストレスに耐え抜いた者は「殺人」や「暴力」に対する感度が確実に下がり、その影響が顕著に現れる者もいるのだろう。 「戦争」が非日常ではなく日常であることの怖さを、この映画はリアルに映し出している。ラストシーンも主人公の心象風景を表すにはあまりにもぴったりで、監督の手腕を感じた。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-06-05 19:19:02)(良:4票) 4.《ネタバレ》 宗教が世界を支配していた時代より、戦争は人殺しを公然と許される。 でも人を殺した事実は自責の念により、自分自身を苦しませる。 結果、正常な世界を見付けられず心を蝕み、壊していく。 人が道具を持ち、それを武器にしたときより、武器の発展は一つの方向性を持っている。 それは遠くから効果的にというもの。何故かというと人を殺したという実感を持たないで済むから。 正義をかざし、押し付け、地球の裏側に爆弾落とすよう決定した偉い方々は、書類と判子という最高の武器を持っている。 イラク戦争時に起きた実話を基にした映画であるが、展開は事件に巻き込まれた親子の翻弄される姿にワクワクドキドキのミステリー仕立てとなっている。 ラストではストーリー根底に隠されたアメリカの問題点や苦悩が浮き彫りになる。 こいつらが勝手におっ始めた戦争だけど、それに巻き込まれた親子の姿はやるせないものがある。 【ひで太郎】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-04-16 12:06:36)(良:1票) 3.《ネタバレ》 鑑賞中にグイグイ引き込まれた感覚は久しぶり。 無駄に感情を煽るような挿入曲はなく、役者の演技力だけで 難しいテーマを完璧に描いていました。 とにかくトミー・リー・ジョーンズの演技が素晴らしい。 役どころの「立場」と「状況」に完璧にハマッた抑えた演技。しびれた。 ああいうのは、もはや演技とかそういうレベルじゃないのかもしれない。 イラク帰還兵の年間自殺者は2千人にも上るらしい。この映画がきっかけで知った。 やはり戦争は人を狂わせる。ラストの逆星条旗に深く胸を打たれた。 【ワイティ】さん [DVD(吹替)] 9点(2009-03-10 23:37:55) 2.戦場で傷つき精神を病んだ若者達、そして家族の葛藤を 素晴らしい演技と演出で静かに力強く描いた作品です。 脚本を書き始めた5年前は戦争に肯定的な世論が根強く、 周囲から沢山の批判を受けたようですが、C・イーストウッドの協力を得て 製作が実現したそうです。このような作品が生まれて良かったなと思います。 【ひろ】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-07-07 00:23:12) 1.《ネタバレ》 T・L・ジョーンズがオスカーノミネートも納得の映画。軍、そして国家に絶対的な信頼を置く父親が、息子の死の真相を探るうちに自国の抱える大きな問題に気づく。息子の死という悲しみを押し殺し、冷静に捜査の目を光らせ、真相を得る。しかし、イラク戦争の影で感情の歪んでしまった若き兵士には怒りをぶつけることができない。いったいこの国はどうしてしまったのか!?主人公の目に浮かぶ疑問です。そして、ラストの反旗が彼の唯一の国家への警鐘となります。派手なところなどない映画ですが、強く心に残る一編です。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-07-06 21:49:28)(良:1票)
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