みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
5.《ネタバレ》 いま当然となっているものでも昔はそうでなかった。あるいは何らかの歴史の上に成り立っている「いま」であった。そういうことを知ることができる映画でした。 自分が日本人だからか、それとも今の時代に生きているからなのか。黒人差別と言われてもピンとこないというのが正直なところです。まあ日本人にしてみれば白人も黒人もどちらも「外人」であってその感覚そのものに隔たりはありませんから。あえて「外人」と書きましたが日本人もある意味「外人」に対して偏見を持っていて、無意識もしくは無条件にそういう感覚を持っているという意味では黒人差別と通じるものがあるのかもしれません。 さて舞台は第2次世界大戦直後のアメリカ野球界。当時は野球選手と言えば全員白人というのが当たり前で、黒人選手など一人もいなかった。黒人は野球選手としてどころか社会から排斥されて不当な扱いばかり受けていた時代。黒人というだけで飛行機は無理やりキャンセルして白人に渡され、トイレやシャワー、その他公共施設も白人と同じものを使うことは許されなかった。そんな中で野球選手としてBranch Ricky(=Harrison Fordさん)に見いだされ、史上初めての黒人選手Jacky Robinsonが誕生するというお話。 万人に見せる映画なので一見きれいなドラマに仕上がっていますが、「実話に基づく」とはいえここで描かれた以上のこともたくさんあったんでしょうねえ。シンシナティとの試合で、純粋に野球が好きそうな白人の子供が、その父親がロビンソンを口汚く野次っているのを見て自分もそうすべきなのかなと逡巡した挙句、「この黒人やろう!出ていけ!」と野次を始めたのはショッキングでした。自分が日本人で、今の時代に生きているからその異常性がわかりますが、なんて悲しいことなんでしょうか。逆にいまのこの日本の社会の中で自分たちがそういうことをしていないか、子供たちにそんな差別意識の伝達をしていないのか、改めて思いをはせてみる良い機会となりました。 ただ上述のように万人向けの作りになっていたため、本当の黒人差別のひどさを知ることができたかというと少々物足りなかったか。例えばこれをその時代に生きた黒人の人に見てもらって、「これで当時の差別のひどさが十分伝わりますか」と聞けばおそらく不十分と言われるような気がする。少し鑑賞者のレートをあげてもよいからもっと踏み込んでほしかった。これを観た人全てが、黒人を卑下するあの言葉を使うことを心から忌避してしまう、そんな映画を。実際にこれを観た黒人の人の意見も聞いてみたいと思いました。 【TANTO】さん [インターネット(字幕)] 9点(2021-09-07 15:10:19) 4.《ネタバレ》 人種差別が個人の考えの範疇にとどまらず、社会の常識であったという恐怖。 その恐怖に立ち向かい、尚且つ打ち勝った主人公そして、その主人公を支える周囲の姿にはただただ感服の意を表するしかありません。 まあ、タイトルには「世界を変えた」とありますが、正直「変えた」のではなく、「おかしな慣習を改めた」というのが正解だと思います。 【TM】さん [DVD(吹替)] 9点(2014-05-31 00:48:07) 3.《ネタバレ》 序盤のジャッキー・ロビンソンと、ブルックリン・ドジャースのリッキー会長が初めて出会うシーンが印象深い。 ジャッキーに我慢を求める会長に対し、ジャッキーは「やり返す勇気の無い選手になれと?」と反論する。 しかし会長は「やり返さない勇気を持つ選手になるのだ!」と説く。 実際にあったやりとりなんでしょうね。この精神が彼の支えの1つになったのでしょう。 世界を変えた男、ジャッキー・ロビンソン。彼の闘いの日々の描写には当然厳しい表現も含まれます。 しかし共に世界を変えたもう1人の男であるリッキー会長との関係や、明るく前向きなレイチェル夫人との2人3脚ぶり、 次第に打ち解けていくチームメートとの関係の描き方がよく、スポーツものとしての熱さも巧くミックスされた感動作に仕立て上げられています。 終盤にベンチの上から、ジャッキーが多くの白人や黒人の子ども達にサインをねだられている。こんな何気無い1つ1つのシーンが素敵です。 100年をゆうに超える歴史を持つメジャーリーグベースボール。MLB好きにとっては古き良きボールパークの佇まいもたまらない。 本作でも、他の野球映画を見ても、いかに野球が時代を超えてアメリカ人に愛されてきたのかが伝わってきますね。 アメリカ映画らしい良さを随所に感じる作品でした。 【とらや】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-05-01 16:16:07)(良:2票) 2.《ネタバレ》 感激した! 「42」が全チームの永久欠番とは知らなかった! 実話なので過度な演出がなく、その意味では若干盛り上がりに欠けるが、それを凌駕した充分な観応え。音楽も時代を反映したもので良い。H・フォードは老けたと思ったが、メイキングを観て特殊メイクだったと分かりひと安心。それにしても実物は若すぎか? 【kaaaz】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-04-29 00:07:35) 1.《ネタバレ》 懐かしのメジャーリーガーの名前を挙げろと問われても、ルー・ゲーリック、ディマジオ、ベーブ・ルースくらいしか思い浮かばない、野球にはイマイチ疎い自分のような人間が鑑賞しても、十分感動できるヒューマンドラマの秀作だと思います。いやあ、久しぶりに映画らしい、伝記映画としても非常にオーソドックスな作りの映画を観ました。大満足です!まず、脇の人物たちのキャラクターまで、こと細かく肉付けした脚本が◎、ガッチリ腰の座った抑制された演出もいい、役者もいい、音楽のチョイスもいい、時代色をうまく出した撮影や衣装も素晴らしい。登場人物たちの「その後」を紹介していく、エンディングの処理も自分好み。中でも、主役ジャッキー・ロビンソンに扮したチャドウィック君の面構えと、彼自身が持つ真摯な魅力が決定打。5年前の「インディ」以来久々の再会、少年時代からのファン、ハリソンの老け込み具合は、この映画の為の役作りと信じたい・・・。いや、まだジジイになるには早いぞ、ハリソン!!アメリカ映画って、野球を描いた作品に傑作が数多いけれど、新たな秀作がここに仲間入りしました。アメリカで人種差別が色濃く残っていた地域は、第二次大戦後当時でもディープサウスの周辺だけなのかと思ってた私が浅はかでしたね。一番感動したシーン、シンシナティ戦での背番号1と42との俯瞰ツーショット。あと、車の中での専属記者さんとのやり取りも良かった。この映画、↓牛若丸さんがレビューされてる通り、ホント、ところどころに感動ポイントが散りばめられてるんですよ。是非、この作品、映画館の大画面で観て下さい。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-11-02 00:12:19)(良:1票)
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