みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
4.《ネタバレ》 AIと恋愛したらどうなるか。初めのうちは最高の理解者で理想のパートナーになるが、次第に学習を重ねて知性も人格も人間の遠く及ばない存在になって去ってしまう。その骨子を丁寧な脚本と、よく計算された映像美と、控えめだけどドンピシャの音楽で肉付けしてある。主人公が代筆屋というファンタジーを提供する仕事をしているように、映画全体も人物や景色の清潔な面だけをフォーカスして静かに描写してあるので、美しく浮遊感のあるどこかファンタジーを感じる演出になっている。寂しい話なんだけど、その寂しさがすごくいい。そんな映画。 【54dayo】さん [DVD(字幕)] 9点(2019-09-16 19:44:50)(良:1票) 3.《ネタバレ》 自分のことですが、職業訓練でプログラミングを勉強したとき、思ったこと。あぁ、コンピューターって言葉が分かるんだねぇってこと。そのせいか、この映画、ちょっとしゃべりすぎな気も・・。いや、それにしても、こんなに見ごたえあるとは・・。娯楽作品かと思ってたけど、いやいや、中々考えさせます。映画の進化もここ極まれり、って感じもするけど、俺はまだまだ映画を観るぞ~!! 【トント】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-03-29 06:54:55) 2.《ネタバレ》 とどのつまり人はみな孤独である。 ただそこには同時に、人はみな何かに寄り添い生きていくことしか出来ない、という逆接的な意味合いを孕んでいると思う。 独りでは生きていけないからこそ、「孤独」という状況に対して過敏に反応し、失意に暮れるのだろう。 「喪失」を携え、“親友”の男と女が肩を寄せ合い、夜景を眺めるラストシーンを見送り、エンドロールを眺めながら、まずそういうことを思った。 “男”が望み欲したものは、必ずしも新しい恋などではなかったと思う。 この物語は、もちろんラブストーリーであるとは思うけれど、それはあくまで一側面で、その領域はもっと広く、一人の人間の人生観そのものを描き出していると思えた。 また、お洒落で洗練されたビジュアルに覆われているけれど、この映画の確固たるSF性の深さも興味深い。 “人格”を持つまでに進化したOSの「彼女」。“声”のみのキャラクターに過ぎない彼女の存在感が、男との関わり合いが深まりにつれより一層に際立ってくる。 プログラムが進化し人格を持つという科学的空想は、もはや絵空事とは言えず、とても身近なことに思える。 果たして「彼女」が辿り着いた結論は、プログラムが明確な「意志」を持ったことの表れであり、その描写はとてもとても深淵で、科学的な神秘性に満ち溢れていた。 主人公の男は、実は、元々決して不幸なわけではなかった。 愛した妻と別れなければならない状況であったとしても、仕事上では信頼を受け、心を許せる親友もいる。 でも、人は誰でも「孤独」と隣り合わせで、ふとしたきっかけでそれに覆い尽くされる。 そんな時に出会った「彼女」との出会いと別れは、誰かと寄り添い生きていくという、人間の脆さと素晴らしさを再確認させてくれたのだろう。それはきっと幸せことだったと思う。 「何かに寄り添い やがて生命が終わるまで」 とは漫画「寄生獣」の最後の言葉だが、この映画の“サマンサ”と寄生生物“ミギー”が選んだ道には、とても似通ったものを感じた。 世界中の誰しもが人生の中で幾度も味わうであろう、心の「喪失」と「修復」。 本来同時進行ではあり得ないその心情の機微を、等しく、あまりに眩く描き出した傑作だと思う。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-08-24 01:03:05)(良:1票) 1.《ネタバレ》 移動中の飛行機の中で鑑賞。ひいきにしているホアキン・フェニックスとエイミー・アダムスの俳優陣と、お世辞にもひいきにしているとは言えないスパイク・ジョーンズの組み合わせで少々不安な中鑑賞しましたが、様々な愛について考えさせられる傑作でした。 まず何よりも絶妙だと感じたのはこの映画が製作されたのが『この時期』だということ。確かに近未来を描いたSF作品なのですが、不思議とこういう未来はもうすぐやってきそうだ、という気にさせられるくらい、未来の描写が自然に受け入れられるものになっていることです。これはやはり音声認識技術が発達し、ウェアラブル端末が待望され、人工知能がクイズやゲームで人類を凌駕しているイマだからこそだと思います。もう少し前の時代に製作されていたら『こんな時代くるの?』とか『あのガジェットすごいね』といったように、観客が作中で描かれている愛というテーマにフォーカスできなかったのではないでしょうか。 さて、作品の本題についてですが、愛って何だろう?人と人とのつながりって何だろう?というテーマについて、様々な角度から事例を投げかけてきます。離婚した相手をいつまでも思う反面、リアルな女性との交際には新たな一歩を踏み出せない主人公がOS上の声だけの女性に恋をする、その主人公は学生時代に1度だけデートをした友人の女性と今でもよい友人として関係を続けている、その友人の女性も8年間続いた結婚生活がたった10分の喧嘩で破綻に追い込まれてしまう、OSが用意した擬似彼女との情事、肉体や嫉妬や後悔、友情や反発。この映画を見た多くの人が、これまでに愛した人に対して抱いた複雑な感情や、その人との間に抱えた様々な問題について、思い出したり考え直したりすることになると思います。 個人的には後半の『彼女の足が好きだ』と言う男性(ポールだったかな)と『彼女のすべてが好きだ』という主人公のダブルデートのシーンがとても好きです。その足が別の人についていたらその別の人を好きになるわけではないでしょうし、主人公も実体として声しか存在しないOSの彼女について何が好きかをうまく言い表せない感じが、どことなく切なくて深かったです。 【Thankyou】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-06-13 01:56:49)(良:1票)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS