みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
8.《ネタバレ》 麦は踏まれて強くなる。トマトもストレスをかけるとより甘くなるらしい。 この映画を見ていて、やはり人を育てるのは逆境なのだろうかと強く思いました。おそらくかなり誇張されてはいると思いますが、恵まれた環境で仕事をしている白人たちの無能さが、優秀な黒人女性3人との対比によって浮彫りにされています。 ゆとり教育は終わりましたが、相変わらず子供をとてもか弱き生き物として、傷つけぬよう大事に大事に温室栽培。親も教師も叱ってはならない方向に舵をきっている日本の将来が不安でなりません。ちょっと映画の感想とは離れてしまいましたが、今作を見ながらそんな感想を持ってしまいました。 そして1960年代と言えば人種差別がまだまだ健在だった頃。今作も例外ではありません。有人飛行の成功よりも、キャサリンの涙ながらの心の訴えのシーンが一番心に残ります。 不当な扱い、不平等が当たり前の世界。そんな中自分たちの才覚と努力だけで周りを認めさせ環境を変えていく3人の女性たち。この3人の活躍なくして、今のアメリカは無かったと思えるくらいの説得力を感じます。実話に基づいているとはいえ、この脚本、ストーリー構成は見事すぎます。 ただでさえ情報量が多いので、再婚のエピソードはなくても良かったかもしれません。もちろん『キャサリンは決してスーパーマンなんかじゃない。ささやかな家族の幸せと権利を望むだけの一人の女性なんだ。』と、印象づけるのには成功していると思えます。 ですがそれはトイレから戻ってきたキャサリンの涙ながらの訴えのシーンや、二人の同僚の権利を求める闘いのエピソードで十分に描けていると思います。 それにしても自省の意味もあるとは思いますが、ここまで当時の白人至上主義をクソミソに描いた映画を製作するなんて、アメリカって実は懐の深い国なんですね。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2022-06-14 00:09:50) 7.前半の人種差別部分は観ていて辛かったが話に引き込まれ、ラストまで飽きさせず上手く纏めた映画だと思う。 久々に良い映画観たなって、素直に思えるお話だった。 【miso】さん [地上波(字幕)] 9点(2022-03-16 00:43:41) 6.《ネタバレ》 3人の主人公が素晴らしい。ケビン・コスナーもはまり役。60年代アメリカで差別される黒人たち、、、にしては住んでいる家は豪華! やはり当時のアメリカは豊かな国だったんですねえ。 【kaaaz】さん [インターネット(字幕)] 9点(2018-01-20 13:36:40) 5.《ネタバレ》 個人的にこの映画は差別と闘う人々の話ではないと思う。 この映画に出てくる人は黒人差別と闘ってる人達ではない、むしろ街角でプラカードを持って差別を訴えている人達とは距離を置いているようにしています もちろん理不尽さは感じていますが、黒人専用トイレを使うし、社会のルールとして受け入れています。 彼女らが反発する時は自分の成すべきことが見つかったときに、障害となるものが差別であれば乗り越えようとする行動力です。 「社会のせい」「会社のせい」「生まれた環境のせい」と思っている人には「ドリーム」は掴めない そんなことを言っているのではないのかな。 ドロシー・ヴォーンは計算係はいつか必要とされなくなるとIBMのコンピューターの時代を察知して勉強をする そして白人女性上司から「ヴォーンさん」と言われ黒人女性初の管理職を勝ち取る (この場面が一番涙がこみ上げた) この映画を観て、自分の3年後、5年後何をしているのかと自問自答しました 目の前にあることを流されるように処理しているだけでは未来は何もやってこない、この仕事がなくなったら、会社がなくなったら 結局頼るのは自分であって将来の自分に投資した人が成功というワードを手にしているんだと。 【かのっさ】さん [映画館(字幕)] 9点(2017-11-27 10:29:46) 4.「私には差別意識なんてものは無いのよ」 と、キルスティン・ダンスト演じる白人女性管理職のミッチェルが、それが自分の本心だということを疑わずに言う。 それに対して、黒人女性としてNASA初の管理職を目指すオクタヴィア・スペンサー演じるドロシーはこう冷静に返す。 「分かっているわ あなたがそう思い込んでいることを」 愕然とするミッチェルのみならず、僕自身を含め、観客の多くがドキッとした台詞だったろう。 世界のあらゆる「差別」における最大の問題点は、あからさまなレイシストをどう排除していくかということではない。 「私は差別なんてしていない」と平然と生活をしている我々大衆の根底にある無意識の差別意識を、どう根絶できるかということだ。 「差別なんてしてない」と信じている人間に、実は存在する差別意識を認識させること程難しいことはない。 たとえそれの存在に気付いていたとしても、「知らないふり」をしていた方が、ずっと楽だし、正義を気取れるからだ。 自分自身の中に巣食う差別意識に対面し、それを認めることは、実は最も勇気が必要なことなのかもしれない。 社会に蔓延る人種差別を描いた映画を多々観てきたけれど、「“差別”が何故愚かなことなのか」という普遍的な問いに対する、分かっているようで分かっていないその「答え」を、これ程まで明確に、そして娯楽性豊かに示した映画を他に知らない。 この映画が示すその明確な答えは、あまりに潔く、的確だ。 即ちそれは、「差別」の存在が人類の進化においてあまりにも“非効率”であり、その歩みを留める致命的な“エラー”になり得るからだ。 本当に優秀な人材が、当たり前のように根付く差別意識とそれに伴う愚かな仕組みのせいで、ただ「トイレに行く」だけのために、無意味に駆け回らなければならない。 人類全体の新たな「1歩」のために、1秒、1ミリ、1グラムを追求するべく職に就く人間が、愚かな非効率を強いられることの罪深さをこの映画は圧倒的な雄弁さで物語る。 言わずもがな、キャストの演技はみな素晴らしい。 特に主要キャラクターとなる3人の黒人女性を演じた女優たちの魅力的な存在感は圧巻。原題「Hidden Figures」が表す通り、歴史の中に隠れた人達の輝かしい功績を燦然と体現している。 同年のアカデミー賞を勝ち獲ったのは、今作と同じく、社会的マイノリティの葛藤を叙情的に描いた「ムーンライト」だったわけだが、今作の映画としての非の打ち所の無さは同作を遥かに凌駕する。 世界中の誰が観ても、心から楽しめ、提示される問題の根深さを理解することが出来るこの映画の価値は極めて高い。 クラシックな車と同じく、古い「時代」とそれに伴う間違った「価値観」は時に立ち往生する。 悲しくて悔しくて、先行きままならないことも多々ある。 でも、ならば車の底に潜り込んで直せばいい、正せばいい。 彼女たちが示した勇気とプライド。そのあまりにも尊い価値に涙と多幸感が溢れ出る。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 9点(2017-10-21 22:52:07)(良:3票) 3.《ネタバレ》 素晴らしいドキュメンタリームービーです(実話を元にしているので演出込みであえてドキュメンタリーと呼ばせていただきます)。予告編を見た時点では人種差別をテーマにした映画と思っていましたが(それは間違っていないのですが)宇宙開発も充分メインテーマでありました。宇宙開発史映画としてもアポロ13やライトスタッフなどと問題なくタメを張れるレベルにあります。また、この映画を見れば当時の人種差別の実情がわかって非常に興味深いです。例えば白人側と黒人側で意識が違うこと。白人側は人種「分離」といい黒人側は人種「差別」という。COLORED(有色人用の)のトイレがなかったり、COLOREDのコーヒーサーバーの中身を入れてなかったりしても悪いとも何とも思っていない。WHITE(白人用の)のサーバーを用意するときについでに入れるだけなのにそれすら思い浮かばない。白人側は差別しているつもりがないから。私は、白人側が自分たちが差別しているということを意識しながら行っていると思っていたのでこの発見は驚きでした。それでもNASAはマシなほうで、ケビン・コスナー演じる室長がキャサリンの魂の叫びを聞いて(ここは胸のすく思いがしました)トイレの区別を無くしたり特別な会議に出席させたりしたのも、実力があるのに人種のせいで生かされていないことに気付いたからでしょう。アメリカでこの映画が公開されたとき、特に白人以外の人たちが子供達をこの映画を見せに連れ出したと聞いています。納得です。また、黒人女性がアメリカの宇宙開発に重要な役目を果たしていたことをほとんどのアメリカ人が知らなかったことも、もしかしたら人種差別の影響の残滓なのかも知れません。できるだけ多くの人に見てもらいたい映画です。 以下、気になったことを箇条書きで。 ・最近は20世紀FOXをTwentieth Century FOXと書く他にFOX 2000と書くのね(と思ったら、FOX 2000という子会社なのね、お恥ずかしい)。 ・邦題のミスマッチが話題になり『ドリーム 私たちのアポロ計画』が単に『ドリーム』となったが、そもそも『ドリーム』という邦題もセンスないよね。原題の"Hidden Figures"を生かすべきだった。 ・全てCGではなく当時の映像をあえて使用するのもドキュメンタリー要素を増やす結果になり良かった。 ・ケビン・コスナーが一時ほどの人気がなかったなんて信じられないなぁ。演技が下手なわけでもないのに。 【MASS】さん [映画館(字幕)] 9点(2017-10-10 09:56:52)(良:2票) 2.《ネタバレ》 傑作だと思います! まあ、この手の史実に基づいた作品を作るのは、ハリウッドは得意ですからね。 さりげない当時の環境や建物・車両などがとても美しい。 そして、避けられないことが当時の人種差別。 「白人」と「有色人種」に分けられていた環境。 トイレやコーヒーサーバーなどでも分けられていて、それに疑問を抱かずにいた舞台の白人社会(NASA)。 スクリーンを観ているだけでもイライラしてしまいます。 最もわかりやすいのが冒頭の警察官の態度。 主人公の黒人の女性3人がNASAに勤めていることへの驚きと、愛国心か公務員の自覚からか彼女たちのクルマを先導して送っていくシーンなどは、ここ数年の映画の中でも秀逸の描写だと思います。 鑑賞後よくよく考えたら、差別が横行していた時代ながらもNASAは優秀な黒人女性をたくさん雇用していた(要職には置かなかったが)あたり、それなりにフェアだったんじゃないでしょうか。 本当に差別するなら雇ってないですからね。 とにかく傑作です! 【ミスプロ】さん [映画館(字幕)] 9点(2017-10-01 18:48:07)(良:1票) 1.《ネタバレ》 ケビンコスナー演じる気概溢れる上司、ハートがイケメンな宇宙飛行士、自覚なき差別を振りかざすキルスティンダンスト、そしてキャサリン直上のステレオタイプでわかりやすい嫌なリーダー…と何しろそれぞれの役どころがわかりやすすぎるのがまずこの映画を成功させている一因。 「この人はどんな人なんだろう?」なんて悩む必要ナッシング! 劇中には良い奴と嫌な奴しか存在せず、そして嫌な奴は最後は折れるという安心の展開に観客は喝采を送るわけです。 キャストがわかりやすければ演出もわかりやすく、例えばそれまでずっとキャサリンが走り回されていた「白人棟」と「黒人棟」の間を、いざキャサリンが求められたときについにそこを逆に白人男性が走るっていう。 いやぁなんてわかりやすい演出なんでしょうか。 そして、そういうわかりやすい演出、わかりやすいキャラクターで描かれる物語だからこそ、この物語は誰でもが理解できて誰もが喝采を送れる素晴らしいものになっているんだと思います。 またこの映画のようなテーマを扱う場合、とかくシリアスで重苦しい話になりがちですが、私のようにその手の映画を「つまらない」と嫌う人間もいるわけで、そういう人でも広く楽しめるように作ったことはすばらしいと思います。 私は試写会で観たのですが、上映後、客から自然に拍手が起きていました。 試写会のあと拍手が起きる事はごく稀にあるのですが、しかしとてもめずらしく(20本に1本程度?)、本当にいい映画でしかそんな事は起きません。 その事実だけを見ても、この映画が多くの人に受け入れられる本当にいい映画だという事がわかると思います。 このような素敵な映画が沢山作られ、それを多くの人が観てくれることを切に願います。 【あばれて万歳】さん [試写会(字幕)] 9点(2017-09-20 14:26:01)(良:1票)
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