みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
6.《ネタバレ》 評価が高いことが理解できる映画。 三上はこの世界に合わせようとしたことで、結果的に自らの心身が拒否することになった。 【simple】さん [インターネット(邦画)] 9点(2024-06-29 14:38:01) 5.ストーリーがすばらしい。よくある勧善懲悪ものとは明らかに一線を画し、たしかに現実にありそうな話を、ものすごく自然に、少々の毒や皮肉を込めて描いている感じ。しかも主人公はけっして特異な存在ではなく、誰もが大なり小なり似たような要素を持っていて、生きづらさみたいなものを感じているんじゃないですか、と問われているような気がします。 しかしストーリーもさることながら、私がもっともグッと来たのは、前半と中盤に1回ずつあった役所広司が泣くシーン。前半は橋爪功夫婦と食卓を囲みながら、中盤は子どもたちとサッカーに興じた後で。演出なのか演技なのかわかりませんが、大の大人が堪え切れなくなって人目も憚らずに嗚咽するというのは、まさにこんな感じだろうと。仮に前後を切り離してこのシーンだけ見たとしても、私はきっともらい泣きしたと思います。 【眉山】さん [インターネット(邦画)] 9点(2024-02-02 02:02:51)(良:1票) 4.《ネタバレ》 世界は決してただ美しい、素晴らしいモノではないのであって、多くの不条理・不正義・不公平と残酷な運命に満ち満ちている。それは人ひとりの力で何とか出来るものばかりでは全くないのだし、そもそも人智に依っては如何ともし難いことだって今だ数多く存在する。だから残念なことに「努力は人を裏切らない」とか「人生は何度だってやり直せる」だとかいう美辞麗句というのは、言葉の使い方の問題でもあろうが確実にそこに「嘘」を孕んでいる、とも思うのだ。人生とは、この世界とは、元々全く「ままならない」ものなのだろう、と考えている。 でももし、そこにただ純粋に素晴らしいことがひとつだけ在るとしたら、人が自分の人生を少しでも、ほんの少しずつでも「前に」進めようというささやかな意志を持ったのならば、その人生はどんな時でも、ほんの少しだけはより善い・より意義深いものにきっと変わるだろうということなのだ。例え明日死ぬとしても、その明日を今日よりも少しだけ何か意味の在るものにすることはたぶん可能なのだ。それだけが、人に許されている唯一つの絶対なのだ(人生の意味とは、ただひたすらにその積み重ねでしかないのだ)。だから、それでも世界は絶対に素晴らしいのだ、と。 【Yuki2Invy】さん [DVD(邦画)] 9点(2022-05-08 18:20:35)(良:1票) 3.《ネタバレ》 ネタバレあります。未見の方はご注意ください。 自然災害、不慮の事故など、本人に責任が及ばぬ原因で終わる人生もあれば、己が生き様の帰結として迎える必然の最期もあります。後者を選択できた者は、その結果が好ましかどうかに関わらず「幸運」に違いありません。三上の最期は唐突かつ遣り切れぬものでしたが、明らかに後者と考えます。それに見方を変えれば、これほど幸せな結末もありません。生活苦もなく、辛い闘病生活も経験せず、悲しんでくれる人がいる、泣いてくれる人がいる。これ以上何を望みましょう。彼は周りの人々に恵まれました。もしかしたら人生の前半で使わなかった運を、ここで一気に使ったのかと思うほど。もちろん、身寄りのない三上が短期間で濃密な人間関係を築けたのは、彼の人間性に魅力があったからに外なりません。広い空の下で死ねたこと。彼が迎えた人生の結末は、最善でなくとも、最良のものだった気がします。 生い立ち、セーフティネット、犯罪者の社会復帰。シリアスな周辺要素を孕みながらも、物語は一人の男の日常生活を淡々と描くスタイルです。どこで終わっても成立したでしょう。それこそ後味よく希望を抱かせるエンディングを用意することも容易でした。しかし西川監督は「けじめ」に拘った気がします。それが「人生」を描く責任。西川監督の過去作を見てもわかるように、その真摯な姿勢は一貫しています。良いところも悪いところも、好都合も不都合も、全て描く。でもその視線には人間に対する絶対的な肯定感が見てとれます。それを「愛」と呼ぶのかもしれません。だから私たちは西川監督に魅了されるのだと思います。タイトル『すばらしき世界』は幾ばくかの苦みを含みつつも、皮肉ではありません。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 9点(2022-01-01 00:00:00)(良:1票) 2.《ネタバレ》 良かった。すごく良かった。 原作があるのか無いのか知らんけど、映画良かった。 俳優さんたち、みんな素敵だった! ところで『すばらしき世界』という題名って、すごい皮肉よね。 確かに主人公が出所後、手を貸してくれた人々が周りにたくさん居たけど、 だけど、 あんなに気持ち=正義を押し殺して、(もちろん「本人にとって」の正義だけど) 文字通り死ぬほど感情を押し殺して、素晴しい世界なの? あの人(主人公)、本当に本当に苦しかったと思う。 「カタギ」に馴染むためには、 理不尽な事も許せないことも何もかも「自分の感情」をスルーして、 全て「他人事」と位置づけて。 そうしないと生きていけない世界って「スバラシイ」の? 自分が死んだあと、誰が泣いてくれてもしょうがないのよ。 自分が生きている間に、自分らしく生きられないのなら ただの人形。 最後に(あえてハンドルネームは出しませんが)「3.」の人。 「僕のすばらしき世界」が訪れますように。。。 【ジャスミン】さん [映画館(邦画)] 9点(2021-02-18 22:50:53)(良:2票) 1.《ネタバレ》 <原作未読>出所した元ヤクザで殺人犯の男が「今度こそ堅気ぞ」と決意し社会復帰を目指すも、やはり壁にぶち当たる。しかし周囲は手を差し伸べる。身元引受人やケースワーカーは分かるけど、なぜスーパーの店長があんなに良くしてくれるんだ… すばらしき世界とはこういうことか。もちろん「めでたしめでたし」と簡単に終わるわけではない。終盤、三上がどっちの選択をしようと胸が締め付けられるような場面が出てくる。そんな"すばらしくない世界"もちゃんと見せつつ、自分の死に涙を流してくれる人がいる世界はやはりすばらしいのだと監督は最後に言ったような気がする。温かさを内包した脚本に、名優役所広司の憑依したような演技が加わってまた一つ、傑作が世に出た。 【リーム555】さん [映画館(邦画)] 9点(2021-02-12 10:45:35)
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