みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
3.《ネタバレ》 ジェラール・フィリップ出演以外の知識無く鑑賞。 アヌーク・エーメ共演に歓喜。 往年の姿に「この世にこんな美しい人が居てるのか!」ランキングでジェーン・シーモア、キャロル・ブーケ、ナスターシャ・キンスキー、ブルック・シールズの順位が一つずつ繰り下がるぶっちぎり1位のお顔は呆れる程の美しさであり、しかも聡明で芯が強く一途な姿にメロメロです。なので余りにも残酷なエンディングに悔し涙が滲みました。鑑賞後に知った現実の更なる悲惨な出来事も、そうなる事が納得出来る名演でした。 「汚い生」を体現する死神ハイエナ画商、「美しい死」というより力尽きて命の灯が消えた画家をリノ・バンチェラ、ジェラール・フィリップがそれぞれ好演。 画家と家庭人との折り合いをつける事は出来なかったのかというのは絵画門外漢の浅はかな考えなのでしょうか。5フランでも見向きもされなかったのが現在1億ドル以上で落札されるというのに言葉が出ません。 余韻の深い傑作です。 【The Grey Heron】さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-10-30 15:53:52)(良:1票) 2.《ネタバレ》 マックス・オフュルスが計画していた企画を、ベッケルが受け継いだ傑作。 人々が談笑し酒を嗜むカフェ、机の向こうを見つめ何かが終わるのをひたすら待ちわび、隣で見守り、窓の向こうで振り返り、何かを紙に書き続ける男たちの姿。 不満げな反応に酒代まで払うと言われ、それに紙を破いて返答する意地っ張り。この映画のモディリアーニは芸術家ではなく、酒と芸術に“酔った”ろくでなしとして描かれていく。 ベッケルの興味はモディ(モディリアーニ)の絵ではなく、彼そのものが破滅していく様にあるのだろう。「この物語は史実にもとづくが、事実ではない」と一応断りを入れて好きに描いてやろうという具合。 女と近づき寝るために彼女たちを描いているような気さえしてくる。熟れた御婦人も、うら若い乙女も、階段を力強く登り灯の管理も手ぬかりない大家まで心を奪われそうだ。 酒と雨を浴びるように楽しみ、貰ったばかりのマフラーもびしょ濡れにし、酒のツケはたまり放題、鍵が無いからといって体当たりでドアをこじ開け、酔った勢いで平手打ちを浴びせるなんてことも日常茶飯事らしい。 だが絵は売れなくても不思議と彼の世話をし“巨匠”と親しげにしてくれる親切な知人には恵まれる。 色男というだけじゃない。自分の好きなように絵を描き、それが曲げられるくらいなら殴り合いさえ辞さない覚悟、すべてに絶望した虚ろな眼差しを自身の絵にも描きまくり、己を貫くためなら死んでも構わないという危なげな姿をみんな放っておけず駆け寄ってしまう。だがその優しさも過ぎれば単なる甘やかし、モディを破滅に向かわせる原因の一つにもなっていく。 でも暴力を振るわれても隣に座り、甘い声で謝られてしまったら…モディに関わる女性たちは何もかも寛容に、気づけばほつれたボタンを付け、マフラーを首に巻き、一夜を過ごし肉体まで許してしまうのだ。繰り返される口づけのような抱擁。 閉ざされた扉を叩く虚しい響き、画塾に通い詰める人々のタッチとそれぞれのモデル、出遭った瞬間に惹かれ合い絵によって結びつく恋、扉を閉ざす待ち伏せ、鍵を閉める沈黙、ダンスホールで踊る人々を反射する鏡、外人部隊の国だからか黒人もアジア人も自然に溶け込む街。 葛飾北斎のように絵を広告として活用することを選んだ者も入れば、モディのように金で思うがままにされることを許せなかった画家たちもいただろう。 尊敬するゴッホを侮辱されたと思い“苦悩を忘れるためだ”と情熱を持って擁護する。表に裸婦の絵を置いて歓迎しているとは思えない態度だった者が、愛する者のために売り払い“かなぐり捨てる”ことが出来なかったくだらねえプライドが、あの瞬間だけ光り輝いて見えた。街の片隅でヴァイオリンを弾く孤高の奏者に向けたあの一瞬の輝きを。 女はそんな男を最後まで慕い続けた。札束も身も投げようと狂っていた男を正気に戻す女の眼差し。ベッドで睡眠を貪る傍らで内職までして尽くす。 その視線を誰も向けてくれなくなり、絵を突き返され金を“恵まれる”ことが繰り返された瞬間…高すぎたプライドは崩れ去り、絶望に向い歩み始めてしまうのだ。 薄れゆく中で見たもの…。 そんな彼等を嘲笑うように、黒い帽子姿で現れる死神のような画商。 くたばるのを待つように見守り続け、胸像を投げ破壊された窓ガラスの向こうでさえ挑発を続ける不敵な笑み。とぼけた表情で挨拶をし、馬車を走らせ、札束のように掲げまくる絵、絵、絵、顔、顔、顔! 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2016-12-01 09:26:29) 1.《ネタバレ》 ジェラール・フイリップが、モジリアニのありとあらゆる感情を、事細かに演じる姿を見て、あっというまに引き込まれてしまった。絵の才能を認められぬまま、悲しい最期を迎えてしまったモジリアニ。ラストで画商が彼の死後、妻が待つ彼のアパートを訪れ、彼の絵を買う姿は、何ともいえず複雑な感情が心の中を漂った。ただ、素敵でカッコよいというだけではなく、素晴らしい演技の才能を兼ね備えているジェラール・フィリップ。まだ、この作品と「愛人ジュリエット」しか見ていないが、機会があったら他の作品も見てみようと思う。 【まるこ】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-05-06 20:14:37)
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